BOPISを徹底解説!店舗受取りサービスのメリット・事例・導入の課題

Written by  田中 なお

BOPIS(ボピス)とは、店舗受け取りサービスを意味するマーケティング用語です。コロナ禍での生活の変化により、ますますニーズの多様化が進む小売業やEC事業では理解が必須ともいえます。本稿ではBOPISのメリット・事例・導入の課題を解説します。 

BOPIS(ボピス)とは

まずはBOPIS(ボピス)の基本概念を理解しましょう。

BOPISの意味 |「クリック・アンド・コレクト」との違い

「BOPIS(ボピス)」とは「Buy Online Pick-up In Store(バイ・オンライン・ピックアップ・インストア)」の頭文字をとった言葉です。つまりオンラインで購入し、店舗で受け取る仕組みを意味します。

類似する言葉である「​​Click & Collect(クリック・アンド・コレクト)」は、オンラインで購入し、自宅以外の場所で受け取る仕組みです。店舗受け取りも含まれますが、宅配ロッカーの活用やコンビニ受け取りも該当するため、厳密な意味としては異なります。

BOPISが注目される背景

小売業を牽引する「ウォルマート」を筆頭に欧米ではすでに定着しつつあるBOPIS。日本ではなかなか普及が進みませんでしたが、改めて注目が高まる背景には以下の2つがあります。

・コロナ禍での密集リスクの回避
・EC化率の上昇

コロナ禍においてレジでの人との接触や、人手が多く集まる店舗での滞在時間を削減したいと感じる方は多いでしょう。とはいえ、「宅配を待つ暇がない」「送料は負担したくない」などのニーズも無視できません。

こうした中さらにEC需要の高まりも後押しになり、BOPISが改めて注目されました。

出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

2020年経済産業省の調べによると、物販におけるEC需要は飛躍的に伸び「生活家電・AV機器・PC・周辺機器」の部門では37.45%、「書籍・映像・音楽ソフト」では42.97%がEC化しているといいます。物販全体としては2019年度と比較して21.71%の伸び率が見られました。

このEC化率の高い数字の中で、店舗で受け取りをしたいニーズを汲み取るため、また店舗へ足を運んでもらうため、ユニクロやニトリ、カインズなどで導入されています。

BOPISのメリット【顧客視点】

一見、「自宅で受け取る方が楽では?」とも感じるかもしれませんが、顧客ニーズがあるのには以下の理由があります。

・好きな時間に商品を受け取れる
・送料の負担がない
・返品がしやすい

①好きな時間に商品を受け取れる

日中のほとんどを外で過ごす人にとって、商品を受け取るために自宅に滞在するのは、小さなストレスを生むこともあります。店舗でゆっくり買い物をする時間はないけれど、好きなタイミングで受け取りをしたい場合に選択されるケースがあるでしょう。

②送料の負担がない

また送料の負担がないのも顧客にとってのメリットです。「送料無料」が謳われるECサイトもありますが、その多くが商品の購入代に加算されていると気づいた賢い消費者は、店舗での受け取りを希望します。

③返品がしやすい

店舗で受け取りをすれば、「サイズが合わない」「商品に不具合がある」といったときにその場での返品も容易です。例えば衣服であれば、「人気商品の在庫を確保したいけれども、来店時に試着してみてサイズが合わなければ返品したい」といったニーズもあるでしょう。

返品・交換の重要性についてこちらの記事でも解説しています。

「返品・交換の物流構築が売上に繋がるワケ!顧客体験向上のメリットを解説」

BOPISのメリット【事業者視点】

事業者視点でBOPISを取り入れるメリットは以下の通りです。

・物流コストの削減効果
・CSの向上
・ついで買いを誘発

①物流コストの削減効果

1つ目のメリットは物流コストの削減です。BOPISにより宅配が減れば、各納品先への運賃や梱包・発送の工数がカットできます。実店舗に在庫がない場合でも、倉庫から他の商品の補充とあわせて定期便で配送できるため、トータルでみて物流コストは低減します。

②CSの向上

2つ目のメリットは顧客満足度の向上が望めることです。業界によっては日本でもBOPISの導入が進んでおり、選択肢として当たり前の時代が迫りつつあります。顧客に多くのメリットを提示しなければ、競合他社に淘汰されてしまうといっても過言ではありません。積極的にCSの向上に向き合う必要があるでしょう。

③「ついで買い」を誘発

3つ目のメリットは「ついで買い」や「衝動買い」の誘発につながり、売り上げの向上が見込める点です。レジ横の商品を、つい手に取って購入してしまった経験はありませんか?BOPISで行うのはECサイトから実店舗への送客です。EC化率が高い時代だからこそ、店舗に足を向けてもらう必要があります。

BOPISの導入の課題

BOPIS導入にあたって、在庫管理が課題となります。オンラインからの注文であっても、店舗受け取りを希望する場合は、実店舗の在庫状況を反映させなければなりません。

これまではオンラインとオフラインの一元化を前提とせず開発されたシステムを利用してきた企業が多いでしょう。リアルタイムの在庫反映が困難であったり、倉庫から在庫が引き当てされるばかりに在庫の用意にリードタイムを要してしまったりと課題が発生してしまうケースもあります。

大前提として、システム改修費用を見込んで運用を始めなければなりません。

<関連記事>

「オムニチャネルの在庫管理にシステム活用が重要な理由!リアルタイム反映と見える化」

BOPISのの導入事例

次にBOPISの成功事例を確認していきましょう。

ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラのヨドバシ・ドット・コムはサービスレベルの高いBOPIS導入例といえます。注文した商品は在庫があれば最短30分で、指定したヨドバシカメラ、石井スポーツ、アートスポーツの店舗受け取りが可能です。一部店舗では24時間受け取り可能な窓口が用意されています。他店からの取り寄せも可能なため、新商品や品薄商品をいち早く手に入れたいといった要望に対応しうるでしょう。

イオン

イオンでも多くの店舗でBOPISを展開しています。カウンター渡し、ロッカー渡し、ドライブスルー形式、と3種類の受け取り方が選べます。商品の提供時間は店舗によってまちまちですが、例えばイオン葛西店であれば当日9時までの注文で、当日12〜14時までの受け取りができるといったようにリードタイムは短く設定されています。もちろん手数料・送料は無料。忙しく働く人や小さい子連れの母親に重宝されている事例です。

ワークマン

ワークマンもBOPISの成功事例です。オンライン注文で自宅への配送は購入額が1万円以上でなければ送料が発生してしまいます。この負担を嫌う購入者によって積極的に活用されてきました。BOPISに勝機を見出したワークマンは、2022年から5年以内にECでの宅配を全廃し、オンラインからの購入は店舗受け取りのみに絞ると発表しています。

注文から最短3時間、出勤前の朝7時から夜8時まで受け取り可能。逼迫して「今すぐ欲しい」という需要の少ないワークマンの製品だからこそ、BOPISがマッチしたともいえるでしょう。

BOPISの取り組みを検討しよう

BOPISは顧客のニーズを捉えており、また事業者にとってはオムニチャネルを成功させるうえでも必須な仕組みといえます。EC需要が高まる時代において、実店舗へ集客する仕組みが必要です。

導入には在庫管理の課題がありますが、すでに向き合わざるをえないフェーズにきています。富士ロジテックでは、BOPIS・オムニチャネル対応の在庫管理が可能なフルフィルメントサービスを展開しています。効率的なBOPISの導入について質問・相談・見積もりを承っておりますので、お気軽にご連絡ください。