梱包資材の種類と選び方


Written by 太田 枝里子


インターネットが普及した現代社会において、ネット通販での買い物は、生活の一部になってきています。これからEC事業を始めようと考えている人もいるかもしれませんね。

商品お届けにあたり、重要になってくるのが梱包材です。とはいえ、さまざまな種類があるため、どう選べばいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、梱包材の種類や選び方、梱包する際のコツを紹介します。

梱包資材の種類

梱包資材は、大きく分けてダンボールなどの外装箱と、プチプチ(エアキャップ)などの緩衝材があります。

ダンボール
外装箱はダンボールの利用が主流です。宅配袋などもありますが、構造や強度などにおいてダンボールは使い勝手がよいため、最もよく使用されています。

一言でダンボールといっても、種類はさまざまです。

【ダンボールの種類例】
・A式(一般的に、みかん箱タイプと呼ばれるもの)
・タトウ式(メール便タイプとも呼ばれる)
・差し込み型 ・簡易タイプ
・ワンタッチ式 など

ダンボールの強度は、材質や構造によって異なります。また、サイズや重さでも価格が変動するため、用途に合わせたダンボール選びが大切です。

緩衝材
梱包には、緩衝材も欠かせません。配送中は、どうしても振動が起こるものです。商品が破損する可能性を下げるためにも、緩衝材を使用し、ダンボールとの隙間を埋める必要があります。

【緩衝材の種類例】
・気泡緩衝材(プチプチ)
・エアークッション
・発泡シート
・発泡スチロール
・バラ緩衝材
・紙緩衝材
・フィルム など

商品をプチプチで包み、ダンボールとの隙間をシートやクッションで埋めていきましょう。

テープ
商品を包む際や、ダンボールをとめる際に使用するのがテープ類です。

【テープの種類例】
・ガムテープ
・布テープ
・クラフトテープ
・マスキングテープ など

ガムテープのなかの1つに、OPPテープがあります。無色透明で、「粘着テープ」とも呼ばれているテープです。

粘着力と透明度が高く、耐水性・耐湿性に優れた特徴を持っています。そのため汎用性が高く、梱包を含むさまざまな現場で使用されています。

外装箱の選び方

「商品の購入数によってダンボールサイズも変えるべき?」と困っている人や「できるだけ小さな梱包にして、料金を抑えたい」という人もいるかもしれません。

以下のポイントを参考にしてみてください。

箱の大きさ

最初は、3種類の箱を用意しておくのがおすすめです。
・商品に対して1番使いそうだと思われる箱
・もうひとまわり大きな箱
・小さな箱

徐々に発送のパターンがつかめてきたら、平均購入数を参考にして見合ったサイズを選ぶといいですね。

箱の強度

ダンボールには、「C5」や「K5」といった特有の記号があります。アルファベットは古紙の多さを、数字は重さを示しています。

強度の低い順に「C5」「C6」「K5」「K6」「K7」となっており、「C」は古紙が多いタイプ。「K」は古紙に加え、バージンパルプが使用されています。

強度は、ある程度必要ですが、「K7」ほど高強度のものは一般的にはあまり使用されないようです。軽量物なら「C5」、それ以外の場合は、強度とコストのバランスがいいとされている「K5」を選ぶのが無難といえるでしょう。

箱の形

ダンボール箱は、「N式」という差し込みタイプのものが便利です。組み立てが楽なほか、開封口にオリジナルのシールを貼るだけで封ができる手軽さも兼ね備えています。

差し込みタイプの購入が困難な場合は、「A式」という、みかん箱タイプのものを使用し、テープでアクセントをつけてもいいですね。かわいらしいテープを施すことで、印象はグッとアップします。

緩衝材の選び方

緩衝材も、それぞれ特徴が異なります。クッション性が高いものや固定できるものなど、商品に合わせて選択することが重要です。

家具・家電など大型の商品

電化製品など壊れやすく重量のある商品は、強度が高く、固定できる緩衝材が適しています。発泡スチロールやプラスチック系の緩衝材かつ、商品に適した形に加工してあるものを選ぶのがおすすめです。

小型で壊れやすい商品

小型の電化製品や食器、CDなどが該当します。小型で壊れやすい商品を発送する際は、商品全体を包めるクッション性のある緩衝材が向いています。くわえて箱の隙間を埋める緩衝材も用意しましょう。

商品全体を気泡緩衝材(プチプチ)で包み、箱の隙間をエアークッションなどで埋めていくことで商品破損のリスクを下げられます。

衣類など衝撃に強い商品

衣類やバッグなど、柔軟性がある商品が該当します。軽量かつ、ある程度衝撃に強い商品は、紙の緩衝材などコストを抑えた梱包でも問題ないケースが多いです。

ただ、湿気に弱い商品や浸水から保護したい商品などは、ビニールやフィルム、気泡緩衝材といった湿気に強い緩衝材を使用し、あらかじめ包装しておくことをおすすめします。

エコ包装について

今は「環境への配慮を意識している」といった観点から、環境にやさしい緩衝材の印象がいい傾向にあります。商品が届いたあとの、大量の緩衝材などは、顧客にとっても困るもの。なるべくゴミがでず、処理が簡単、さらに環境にやさしい梱包は好印象です。

エコ包装として活躍するのが、不織布や麻ひもです。リユースできるものを緩衝材として使用する、箱を麻ひもなどで結ぶ、といった工夫だけでもエコでやさしい梱包材になります。ビニールなどで、ダンボールに「フィットさせる」タイプの梱包も見かけるようになりましたね。

ただ、エコ包装をする際は、コンセプトやポリシーとして「エコ活動に力を入れています」といった方向性を提示しておかなければ、「梱包費をカットしている」と思われかねません。

イメージダウンにつながっては、再購入が遠のいてしまう可能性がでてきます。ショップを続けるためには、顧客からの信用が不可欠です。

そして最も重要なのが、商品が破損しないことです。エコ包装だとしても商品が傷つくことのないよう配慮しながら、うまく取り入れていきましょう。

商品梱包のコツ

梱包のコツには以下のようなものが挙げられます。
  1. 商品に合った大きさの箱を使用する 
  2. テープはまっすぐ貼る 
  3. 箱の形状に逆らわない 
  4. シール類を有効活用する 
  5. 納品書と商品に間違いがないか最終チェックする 


商品に合った大きさの箱を使用する

ダンボール内での商品の動きを最小限にするために、大きすぎないものを選びましょう。小さすぎる箱では、商品同士が擦れ合い、傷ついたり破損したりする可能性があります。また大きすぎは、緩衝材の大量消費になってしまうため注意が必要です。

適度な大きさのサイズを選ぶことで、緩衝材の量の軽減にもつながりますね。

テープはまっすぐ貼る

ダンボールをとめるテープは、まっすぐ貼りましょう。雑に貼っていると、しっかり貼付されておらず、封が開いてしまったり、底が抜けて商品が落ちてしまったりする恐れがあります。

また、顧客側から見ると、梱包が雑だと「仕事も雑なのではないか」と不信感にもつながりますね。顧客は商品だけではなく「梱包のていねいさ」も見ています。

「また買いたいな」と思ってもらえるよう、ていねいな梱包を心がけましょう。

箱の形状に逆らわない
箱の形状に逆らわないようにしましょう。たとえば、通常は横向きで使用する箱を、縦にして使うなどです。

本来使用する形以外の使い方をすると、想定外の部分に負荷がかかり、強度が弱くなる可能性があります。なるべく通常の形で使いましょう。

シール類を有効活用する

「天地無用」や「上に物をのせないで」などの配送業者のシールを有効活用するのも、1つです。適当なシールがない場合は、市販のシール用紙にオリジナルで作る方法もあります。かわいらしいシールは、イメージアップになるかもしれませんね。

納品書と商品に間違いがないか最終チェックする

最後の封をする前に、最終チェックをしましょう。よく似た商品や複数の商品を梱包する際は、ミスが起こりやすいものです。たとえば、衣類のサイズ違いやカラー違いなど、「よく見ると違う商品だった」というケースも少なくありません。

顧客は、商品の到着を楽しみにしています。届いたとき中身が違っていたら、がっかりする人もいるのではないでしょうか。

専用のチェックリストを作成する、違う人に再度チェックをしてもらう、など二重で確認するようにして間違いを防ぎましょう。

まとめ

ネットショップと梱包作業は、切っても切り離せないものです。ていねいな梱包作業は、自社の信頼度アップや、顧客満足度の向上につながります。

商品お届けの際、1番に目に入るのが梱包材です。「再度購入したい」と思ってもらえるような工夫をしていきたいですね。