西間木 智
西間木 智

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

化粧品物流のアウトソーシングサービスのポイント(薬事法:医薬部外品・化粧品対応倉庫)

化粧品 物流代行 発送代行
化粧品物流のアウトソーシングサービスのポイント(薬事法:医薬部外品・化粧品対応倉庫)

DNVBとその一カテゴリーDTC/D2C 3.0時代の、化粧品通販の物流代行・アウトソーシングのメリットと対応サービス「薬事対応倉庫」についてのポイントとメリットの解説です。

昨今、化粧品物流の課題解決にむけた、D2C・P2C・EC・通販事業者向けの「物流代行」が注目を集めています。
高まる通販・eコマース需要に対応するため、化粧品(コスメ)物流のアウトソーシングをご検討中の企業担当者さまに向けて、物流代行にて解決できる課題や、富士ロジテックホールディングスのサービスの特徴とメリットについてご紹介いたします。

*薬事法対応倉庫とは
医薬部外品、化粧品の包装・表示・保管の作業を外部に委託する場合は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく「製造業許可」を取得している業者であることが要件です。
「製造業許可」を取得している倉庫のことになります。

化粧品物流の概要

化粧品物流では、薬機法で定められた化粧品製造業許可(※)における「包装・表示・保管」が必要とされています。この許可取得により、化粧品の保管場所としての基準を満たす化粧品専用倉庫と認められ、入出荷・在庫管理・検品などの作業が可能となります。

また、化粧品(コスメ)物流で取り扱われる商品カテゴリには、

化粧品(コスメ)物流で取り扱われる商品カテゴリ

があり、さらにカラー香り肌タイプ髪質などのバリエーションに分かれ、取り扱い商品が多品種であることも特徴です。

一般的なビューティ業界の商品カテゴリー

  1. スキンケア:
    顔や体の肌の健康や美しさをサポートするための製品が含まれます。クレンジング剤、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止めなどがあります。
  2. メイクアップ:
    メイクアップ製品は、顔や目、唇などの特定の部位を美しく飾るためのもので、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、口紅、チーク、アイライナーなどが含まれます。
  3. ヘアケア:
    髪の健康やスタイリングをサポートするための製品が含まれます。シャンプー、コンディショナー、ヘアオイル、ヘアスプレー、ヘアカラーなどがあります。
  4. フレグランス:
    香水や香りの製品が含まれます。男性用、女性用、ユニセックスなどの異なるカテゴリーがあります。
  5. ネイルケア:
    ネイルポリッシュ、ネイルケア用具、ジェルネイルなどが含まれます。
  6. ボディケア:
    体全体のケアをサポートするための製品が含まれます。ボディローション、ボディバター、ボディスクラブなどがあります。
  7. オーラルケア:
    歯の健康を保つための歯磨き粉、歯ブラシ、フロスなどが含まれます。
  8. 健康食品・サプリメント:
    内側から美容と健康をサポートするためのサプリメントや健康食品が含まれます。
  9. ウェルネス・スパ:
    リラックスや健康を促進するスパトリートメントやウェルネスプログラムが含まれます。
  10. 美容器具・ツール:
    ヘアアイロン、カーラー、フェイスローラー、マッサージャー、美容器具などが含まれます。
  11. 美容サービス:
    ヘアサロン、ネイルサロン、エステティックサロン、メイクアップアーティストなど、美容関連のサービスもビューティ業界に含まれます。

これらは一部の例ですが、ビューティ業界は広範で多様な商品カテゴリーを含んでおり、常に新しいトレンドや製品が登場しています。それらに富士ロジテックホールディングスは対応しています。

※化粧品製造業許可とは、薬機法 (医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にて定められ、下記の許可区分を有します。

  • (原料の混合や容器への充てんなど、製造工程の全部または一部)
  • 包装・表示・保管(製品の包装・表示・保管に該当する業務に限定)

 化粧品物流における課題

<課題①>誤出荷の発生

誤出荷のおもな原因として、人手不足およびスタッフ育成時間の不足などが考えられます。

<課題②>繁忙期業務の複雑化

クリスマスや新商品発売期など、化粧品流通の繁忙期には

  • 在庫の保管スペースが不足
  • セット組やギフト包装、限定サンプルの同梱など、流通加工業務が複雑化
  • それらに対応するための人件費(追加人員とコスト)の肥大

など、多数の問題が発生します。

<課題③>海外輸入化粧品にまつわる作業負担

輸入化粧品の製品情報は、日本の法定ラベルへの変更が必要なため、ラベル貼りやパッケージの入れ替えなどの作業が伴います。

海外輸入化粧品

このように、化粧品・D2C(DTC)・通販事業者や、オムニチャネル小売業が抱える物流課題は多方面にわたり、この他にもサブスクリプションEコマース対応や、オペレーション・配送コストの増加などもあげられます。

課題解決には、物流のアウトソーシングが有効であり、効率的な解決による物流品質の向上および、コマースビジネスでのマーケティング・プロモーション・CRMなど他業務への余力が生まれ、売り上げアップが望めると考えています。

 化粧品物流代行のサービス内容

化粧品物流代行サービス内容

①化粧品製造業許可を取得済みの倉庫を拠点に、物流のセンター業務・配送を実施

化粧品物流の拠点で行われている流通加工のうち、化粧品製造業許可の取得により可能となる機能は、以下となります。

化粧品製造業許可の取得により可能となる流通加工機能

<入荷時の外観検品>

OEM会社や海外からの輸送過程で傷がついていないかどうか、入荷ごとに検品を実施。繊細かつ目利きのあるお客様のお手元に、毎回きれいな状態の商品が届くよう、細心の注意を払って丁寧に検品を行っています

<ロット番号の印字> 

商品IDとロット番号により全ての物流情報をシステムで管理し、ミスを防いでいます。

  • 入荷予定日
  • 入荷日
  • 受発注情報
  • 在庫数
  • 輸送状況

をリアルタイムで入手できるのはもちろん、化粧品事業において重要な「ロット管理」が実現できることが大切です。商品ごとの有効期限(消費期限)を一覧で把握でき、先入れ先出し(FIFO)を徹底することが可能となります。また、有効期限が近づいた商品や在庫数が少なくなった商品があると、アラーム機能としてメール送信も行っています。

<出荷判定>

化粧品の出荷判定とは、その化粧品が標準書通りに製造されているか、市場(消費者)へ出荷しても安全かなどを検討して、可、不可を判定するものです。
出荷判定には、混乱しがちですが、

  1. 製造所出荷判定
  2. 市場出荷判定

の二つが必要である事が重要です。

出荷判定はロット毎に行う事が重要です。

<輸入化粧品のパッケージ変更・法定表示ラベル>

日本で販売されている化粧品には、薬機法第61条に則った表示内容・表示方法で、ラベルの貼付けが義務付けられています。 このラベルは、「正しい情報」を伝えることで、消費者が安心して商品を利用するために必要です。ラベルは、化粧品が直接入っている瓶や箱に貼り付けなければなりません。

<複数商品のセット組>

例えば、化粧品(商品)と試供品(クロスセル・アップセルのためや、LTVアップのための顧客サービスとして)との限定箱などへのセット企画があるとします。
製造業許可のあるメーカーで製造した化粧品と試供品を弊社にご支給いただきセットする場合、その責任表示の箇所によっては、セット作業そのものが「化粧品製造とみなされる」場合が有り得ます。
その時は必ず「化粧品製造許可」のあるセット場での作業が必要となります。

<添付文書(説明書)の封入>

化粧品は、これに添付する文書、その他化粧品又はその容器に若しくは被包(内袋を含む。)に、次に掲げる事項が記載されていてはいけません。

 第一号   当該化粧品に関し虚偽又は誤解を招くおそれのある事項 
 第二号   第14条又は第19条の2による承認を受けていない効能又は効果 
 第三号   保健衛生上危険がある用法、用量又は使用期間 

②在庫管理から返品処理まで対応可能

在庫管理においては、先入れ先出し対応(※)を基本とし、生産ロット・入庫日・製造日などを基準とした出荷順、保管期間を短縮、商品の劣化やロスを軽減するようにします。

(※)生産ロット単位で入荷時期が古い商品から先に出荷すること

また、ロット単位で管理するため、不良品などのトラブルが報告された際、回収対象の生産ロット、購入者の特定がスムーズに行えます。

なお、エンドユーザーさまからの返品・交換受付や返品処理(検品・仕分けなど)も物流センターにて対応しています。

顧客購買後体験を最大化する

「返品・交換 物流フルフィルメントサービス」

返品・交換

③同梱物の封入対応

通販商品発送時に、サンプルやチラシなどの同梱物封入・管理が可能です。リピーター獲得や新商品の告知など、通販事業者の販売促進活動に対応しています。

同梱物

④梱包資材手配とギフトラッピング

段ボール・緩衝材・テープなどの梱包資材の手配にあわせ、セット組みやパッケージ変更などに必要な資材の手配も対応可能です。

化粧品流通には不可欠のギフトラッピングも対応しています。

開封体験(開梱):Unboxingのメリットと方法 D2C・E-コマース 成功のためのポイント

梱包資材手配とギフトラッピング

⑤BtoB(卸など)、BtoC(一般消費者向け)のどちらにも対応可能

BtoBの拡大を目指す事業者さまには物流品質の向上を、また実店舗とオンラインショップを展開するオムニチャネル・OMO・BtoC事業者さまにおいては、在庫管理の一元化を提供しています。

BtoB(卸など)、BtoC(一般消費者向け)のどちらにも対応可能

⑥自社システムやカート、モールOMSとデータ連携可能

独自で開発したWMS(倉庫管理システム)やパートナー会社のSaaSシステムを使用して、入出庫管理、在庫管理などの基本的な機能に加えて、化粧品の在庫管理に必要なロットや使用期限、納品先別のトレース機能を備えてサービス提供しています。
庫内の作業効率化を図る機能を強化しており、お客様の様々な業務をサポートいたします。外部システムとも柔軟なデータ連携が可能で、お客様とのFTP連携、API連携の対応実績があります。

システム連携先一覧はこちら

⑥自社システムやカート、モールOMSとデータ連携可能

ご提案サービスのご紹介

富士ロジテックホールディングスでは、豊富な実績を活かして、専門性の高いオムニチャネルコマース物流サービスをご提供しております。

<物流サービス代行>

化粧品製造業許可を取得している東京、名古屋、大阪を拠点とし、人件費や保管費用などのコストを抑えたサービスをご提供しております。
ギフト梱包にも多数対応しておりますので、安心してお任せください。

<カスタマーサポート(BPO対応)>

EC通販における受注など、カスタマーサポート業務を行なっております。対応チャネルは、電話、メール、チャットなどオムニチャネルコミュニケーションに対応可能です。

もちろん、個人情報の漏えいなど、リスク回避の対策も万全で、セキュリティ強化を図っています。

これまで積み上げたノウハウが活かされた応対品質の高さで、お客様満足度のアップに貢献いたします。

富士ロジテック全国拠点

 

<関連記事:発送代行のメリットとデメリット

発送代行のメリットとデメリット

化粧品の発送代行(物流代行)でアウトソーシングする際のポイントや注意点

化粧品の発送代行(物流代行)でアウトソーシングする際のポイントや注意点
殿堂入り記事
発送代行完全ガイド

発送代行完全ガイド

発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

西間木 智

監修者

株式会社富士ロジテックホールディングス

西間木 智 / 通販営業部 部長

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

あなたはこちらのコラムにもご興味がおありかもしれません おすすめコラム

ヤフーが定める優良配送とは?条件やメリット、土日の取扱まで徹底解説!
ヤフーが定める優良配送とは?条件やメリット、土日の取扱まで徹底解説!
Yahoo!ショッピングでは、2020年12月から配送品質の向上を目指した優良配送の取り組みが始まりました。 2022年8月には、優良配送に認定された商品を優先的に上位表示する取り組みも始まり、優良配送の重要度がますます高まっています...
続きを読んでみる
在庫管理におけるSKUとは?改善できる管理方法紹介
在庫管理におけるSKUとは?改善できる管理方法紹介
在庫管理を成功へと導く鍵、「SKU」とは一体何でしょうか?この記事では、SKUがもたらす効率化とその具体的な管理方法について、商品識別から物流改善まで幅広くご紹介します。SKUの基本から最先端の活用法まで、明確かつ実践的な知識をお届け...
続きを読んでみる
3温度帯とは?4温度帯との違いや冷凍・冷蔵倉庫の温度について解説
3温度帯とは?4温度帯との違いや冷凍・冷蔵倉庫の温度について解説
3温度帯とは、保管や輸配送において温度を区分けして指定することを意味します。温度区分は商品の特性によって分けられており、品質を守るために重要なシステムです。 3温度帯がなければ、生鮮食品や冷凍食品などの温度管理を必要とする商品を遠方に...
続きを読んでみる
EC事業者必見!物流コストを削減するコツ
EC事業者必見!物流コストを削減するコツ
ネットショッピングの普及により、物流の重要性が増す中、EC事業者にとってコスト削減は避けて通れないテーマです。本記事では、物流コストを賢く削減し、ビジネスを加速させるヒントを提供します。物流コストの現状理解から3PLの利用、在庫管理の...
続きを読んでみる
転売対策から売上向上までメーカー/D2C企業様と伴走するサービスを拡充
転売対策から売上向上までメーカー/D2C企業様と伴走するサービスを拡充
自社のビッグデータを用いてECブランドの販売支援とブランド育成の2事業を展開する株式会社ACROVE(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荒井 俊亮、以下ACROVE)はこの度、メーカー/D2C企業向けに、主要なモールである楽天市場...
続きを読んでみる
コールドチェーンとは?3つのメリットと課題を徹底解説【市場規模は拡大傾向】
コールドチェーンとは?3つのメリットと課題を徹底解説【市場規模は拡大傾向】
商品が生産されてから消費者の手に届くまで、一定の温度を保つことにより品質を維持するコールドチェーン。高齢化や独身世帯の増加、コロナによる巣ごもり需要などが背中を押し、市場は拡大しています。 一般社団法人日本冷凍食品協会によると、201...
続きを読んでみる
FBA納品代行おすすめ10選!利用の流れ、メリット・デメリットも解説
FBA納品代行おすすめ10選!利用の流れ、メリット・デメリットも解説
「納品作業に手が取られすぎて、他の作業ができない」 「在庫の保管場所に困っている」 「物販をはじめたけれど毎月手元にお金が残らない」 このようなお悩みにFBA納品代行が便利だと知ったものの、使うべきか迷っていませんか。物流経費もかかる...
続きを読んでみる
ゆっくり配送実現のためのEC物流の最適化ポイント
ゆっくり配送実現のためのEC物流の最適化ポイント
即時配送が常識と思われがちな現代において、「ゆっくり配送」という選択肢が注目されています。しかし、実現の裏にはEC物流の精緻な最適化が不可欠です。本ブログでは、ゆっくり配送を取り入れることのメリットと実現のための具体的な物流戦略を探り...
続きを読んでみる

タグ一覧

カテゴリー