SHAROAID D2Cブランドインタビュー 永遠の課題である肌の悩みに対して、積極的かつ優しく、美肌づくりをサポート
【お客様】株式会社SHAROAID
代表取締役 籔内 浩平 様(左)(以下 籔内 様) 商品企画マネージャー 信貴 江梨佳 様(右)(以下 信貴 様)
西間木:
SHAROAID(シャロエイド)様の、D2Cカンパニーとしての企業理念などについてお話をお伺い出来ますでしょうか。
SHAROAID(シャロエイド)への思い
籔内 様:
私自身、元々化粧品ブランドのクリエイティブ構築、例えばネーミング開発だったり、パッケージデザインの実務に携わってきた経験や知識から、ものづくりに関して
「こだわりを持って取り組んでいきたい」
という理念でSHAROAIDを立ち上げました。
ユーザーからの信頼を得て成長し、更なる新製品が開発できる状況になることによって、チームも力を発揮して更なる評価を得て続けていくという仕組みを創り上げていきたい。
より顧客視点に立った商品開発を実現したい。
という大きなチャレンジでもあります。
西間木:
ありがとうございます。
D2Cとしての重要なポイントでもある、
「世界観=ブランド」
に対してのこだわりと自信を感じられますね。
もう少し顧客視点の商品コンセプトについてお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。
籔内 様:
思想としては、
「なぜこの化粧品がこの内容、この見た目で売れているんだろうな」
という、ユーザーのインサイトから見ることは絶えず意識していました。
そこに対して私たちはしっかりと「世界観」を作りたい。少し格好をつけた言い方になりますが、将来的には業界に風穴をあけるようなプロダクトを創出し、
「カッコいい世界を見据えたD2Cブランド」
になっていきたい、という思いが一番大きいです。
西間木:
「カッコいい世界を見据えたD2Cブランド」って良いですね
「高い付加価値のあるブランドを核とし、成長し続ける価値創造企業を目指す。」ということ
籔内 様:
SHAROAIDの大きな冠となる事業ビジョンでもありますが、
「高い付加価値のあるブランドを核とし、成長し続ける価値創造企業を目指す。」
ということ。
私自身には、これまで様々なブランドの中国市場進出をサポートしてきた経験があり、ブランドのイメージ作りやコミュニケーションの在り方、作り方について鍛え上げてきたつもりなので、まずは日本市場を皮切りに、今後着実に中国市場展開を目指しています。
中国市場では、日本製基礎化粧品の信頼感が未だに高水準な状況ですし、非常に魅力的な巨大マーケットでもあるので、常に標榜しています。
5月に、ジェトロ主催の中国海南島の商品展示会にも現地販売代理店を介して出展させていただき、現地バイヤーや一般来場者からも高い評価を得られ、良質な価格設定であるとの意見もあり、とても良い手応えがありました。
また、現在のコロナ禍において、自身の「プチ贅沢」への自己投資という日本国内の消費者ニーズの推移であったり、例えば「基礎化粧品」はコロナ前後の検索ワード数でも堅調なレベルにあります。
私たちも、先ずは基礎化粧品でしっかりとメーカーとしての足場を固めていきたいと考えており、今回の
「Sコンセプト」
はエイジングケア商品なのですが、成分選定などもかなり拘って造っています。
西間木:
エイジングケア商品のメイン訴求成分に、ブドウ果実エキスを採用されています。
フォーカスをあてている顧客ペルソナとそれに訴求する商品コンセプトなどお伝えしようとされている世界観があると思うのですが、エイジングケアといっても、いろいろな世界観があると思いますので、もしよろしければ教えていただけると有難いのですが。
籔内 様:
ブドウ果実エキスは、我々が成分リサーチをしていく中で、比較的近年注目された成分で、とある成分メーカーさんが四半世紀に一度ぐらいの価値のある受賞をされた成分なのですが、24時間の肌リペアの機能がすごく高い成分なのです。
これを、OEMメーカーさんに持ち込み
「これを軸としたエイジングケア商品を展開したい」
と商品開発をはじめました。
成分効果の原価を超えて、顧客目線での価格で提供する意味
信貴 様:
このブドウ果実エキスを有効量配合したことは、コスト的には本当に大きな負担でした。
原価計算で商品価格を設定すると、「おぉ」って感じになってしまうのですが、私の「この価格水準であるべきだ」という意見を通させていただき、顧客目線での感覚を価格に反映させていただいています。
籔内 様:
商品のポテンシャルを維持するためには、やはりこういった効果の高い成分、顧客の琴線に触れる成分というのかな、基軸となる成分がないとD2Cブランドとして体現すべきコンセプトが埋もれてしまうので、ぜひ組み込んで欲しいと、一切の妥協なしで造り上げました。
西間木:
いま、お話に出てきた、D2Cとしてお届けしたい顧客ペルソナにはどんな想定なのでしょうか?
信貴 様:
そうですね。私もプロジェクトに参加させていただいて、実感と共感出来るペルソナを想定しました。
私は
- 今31歳で、
- ちょうど肌が気になり始める、いわゆる「お肌の曲がり角」なのがわかってきて、
- そこで「何かしなくては」と思ってはいるけれど、
- いきなり「年齢化粧品を使うの? なんか違う気がする…」と。
他にもいろいろなケアがあるけど、エイジングケアという言葉にそれ程ポジティブなイメージがなかったんですね。そこで、
「ファーストエイジングケア」
というワードにして、私たち世代の肌悩みに、といったところでしょうか。
ブドウ果実エキスを選んだのも、そもそもエイジングケアで「できてしまったシミ・しわ」にどう対処するか、ということとは異なるアプローチ方法で肌を労わるという行動様式を提案したいと考えました。
先ずは、早い年齢から使用を開始することで、綺麗な肌を保ち続けて欲しいとの思いを実現させたいですね。
西間木:
女性にとって気づかなかったポイントでもありますね。御社のこの商品をご利用いただいてこのように輝いて欲しい、こういうライフシーンで、こんなことを実現できる、実現して欲しい、というシンデレラシーンはありますか。
理想肌というコンセプトをお伝えするために
信貴 様:
そうですね。SHAROAIDのコンセプトでもあり、私たちは
「理想肌」
と呼んでいるんですけれど、自分がなりたい肌、なるべき肌に近づいていける、肌のことでネガティブにならない、自信をもてるようになって欲しいと思って造っています。
ファーストエイジングケアならばSHAROAID
籔内 様:
特にアイクリームに関しては、さらに特徴的に「しわ」に直接アプローチする成分を効果的に配合しているのですが、マスクの着用がデフォルトになった今、人の目元にどうしても目が行きがちになるので、アイケアはマーケット的にも非常にカテゴライズされていると考えています。
その中で、ブドウ果実エキスと共に配合した特殊な酸素成分が角質層で気化し、直接的に「しわ」に働きかける。しかも塗布後すぐにハリを実感いただける処方となっているのもアイクリームの大きな特徴です。
つまり、比較的早い段階から「しわのでき始め」の肌にアプローチしていくことで肌自体のハリを維持できる状況を作っていただきたい。
実は加齢に抗うという視点から言えば、一番使って欲しい人たちは、まさに(信貴)たちよりももっと若い世代かな、と捉えています。ご利用いただくことで内的要因からも、外的要因からもダメージを受けにくい肌に変わっていく効果を是非実感して欲しいです。
大手エイジングケアブランドのCMタレントも、最近かなり若くなっていますよね。これは業界内でのトレンドでもあり、ニーズもその辺りに推移してきているはず。各社が、少しでも早い段階からエイジングケアを始めるべきという啓蒙をし始めている中で、
「ファーストエイジングケアならばSHAROAID」
というブランドにしていきたいですね。
信貴 様:
それぞれの肌のお悩みによっても違いますが、例えば私のような20代後半~30代前半くらいの女性だったら、ベーシックセット(化粧水、クリーム、美容液)の基本・基礎的なケアで実感してもらいたいという想いがあります。このセットで一ヶ月間ちゃんとお付き合いいただければ、しっかり実感いただけると思います。
西間木:
みなさんが愛着と自信をもっていらっしゃるこの商品に対して、顧客とのコミュニケーションの方法はどのようなことを考えていらっしゃいますか?
信貴 様:
まず商品の良さを実感していただきたいと思っているので、
S CONCEPT EMINENCEサンプルプレゼント
をお客様に使ってもらえるようなキャンペーンをいくつか実施し始めています。特にお風呂上りのスキンケアのシーンで体感いただけるような、リアルなコミュニケーションをとっていくのがいいのかな、と。
籔内 様:
まだ今は知名度のないブランドですから、まずは体験利用いただく機会を増やさないことには… と思っているんですよね。
現在の新しい生活様式の中で、自然なタッチポイントやオケージョンを創出して、トライアル機会の生み出していくというのが重要になってくるかなと考えています。
成分と効果体感に対しては自信を持って造っていますので、一部のスパ施設さんなどには、施設自体のイメージやサービスの向上につながる自信のあるサンプリング商品です、とお伝えしている状況でして、大変ありがたい事に、既にいくつかの施設さんにサンプル配布などでシェアいただけていますし、委託販売の逆オファーをいただけたりしています。
今後も協力施設さんと連携して、インスタなどでの告知を継続的にしていきながら進めていきます。
西間木:
D2Cブランドとしての、デジタルとリアルを意識されたコミュニケーションデザインですね。
ブランドサイト・コマースサイトとして、Shopifyを採用されていますが、採用動機とかメリットなどについて教えて頂けますか。
リアル体験の提供とShopify導入理由
籔内 様:
弊社が、D2C事業をスタートさせるにあたり、どういう形でE-コマースサイトを立ち上げることができるのかという時に記事として見つけたものが「Amazonキラー」と呼ばれてるShopifyでした。カナダ発の構築システムであることと、大手ブランドの導入事例も紹介されていて、このニュースにかなり惹かれた部分があります。調べていくにつれ、ユーザーエクスペリエンスを自社のコマースサイト上でどう感じてもらうえるかという課題に対し、早期に対応・実現できるシステムなのでは? という期待が持てました。
結果的には、自社内でShopifyの機能を試行錯誤しながら駆使し、やれるだけのことはやれたという感じでスタートさせています。
Shopify導入にあたり、富士ロジテックさんには適宜サポートいただけたりアドバイスしていただけて、すごく助かりました。サイトに訪れていただけた方などから「キレイなブランドサイトですね」などのコメントも頂けていますので、ブランドイメージ構築としてはまずまずの滑り出しではないかなと。
商品自体としては、テストユーザーさんからも好評価をいただけている状況ですし、当社が目指すブランドイメージ・世界観みたいなものは、成分・配合から、デザイン設計まで、しっかり手応えのある仕上がりになり、非常に自信をもてる商品になったと実感しています。
ただユーザーさんには、使っていただかなければ実際の商品の良さは伝わらないため、今は販促活動に注力していく時期として、初動のKPI数を確保するために、オフィシャルショップサイト限定ではありますが割引販売やクーポン配布などの施策と告知を実施しています。
ブランドの第一印象をどう与えていくのかが重要なタイミングなので、自分たちの品格はしっかりと守るのだけれど、ギリギリどこかでアピールしなければならない表現というのを、常に模索しながらチャレンジをし続けているという感じでしょうか。
西間木:
とても顧客視点のいいお話ですよね。世界観をしっかりと確立していく、初回限定割引きは実際、商品値引きなのでD2Cビジネスを標榜されるのであればあまりおすすめしていません。
いままで、お客様(将来の顧客)とタッチポイントとコミュニケーション、マーケティングができて、はじめてご購入いただけると思っています。
ご購入後のファネルを、CRMと定義してお話をお伺いしたいと思います。
CRMでお考えになっていらっしゃることはありますか?
CRMで大切にしたいこと
籔内 様:
もちろんリピートしてもらえるような施策は必要だと捉えています。CRMの評価として、まずは、お客様の声を重要視していて、例えば、商品検索の中でのキーワードやSNSでのハッシュタグ、評価を含めて、サポートと顧客ケアが必要だと捉えています。
D2Cとしてのブランド構築の基本である、「商品を評価してもらう」。それに私たちが応えていくという、お客様の体験ストーリーのストリームを、どこまでしっかりと一緒に創れるかということに重きを置いています。
西間木:
InstagramのDMでのコミュニケーション・メッセージングを重要視したいということですね。
信貴 様:
できる限りDMではお客様とは直接コミュニケーションできる状態でいたいと思っています。
西間木:
コマースサイトやインスタを拝見しているんですけど、D2Cの世界観を選出するために、本体容器とか、デザインとか、化粧箱の拘りを感じるのですが、お聞かせ頂けますか?
信貴 様:
はい。
ブランドとしてあらためてお客様にお届けしたいコンセプトは、
以下の 5つの「S」、
- SEED(種)
- SEEK(探求)
- SENSE(感覚)
- SIGN(兆候)
- SELF-LOVE(自愛)
です。
これを現すために容器の品質感にはとても拘っていて、蓋部分はほんのりマットなテイストで、色味も絶妙で上品なシャンパンゴールドというか、ライトゴールドを思わせるように仕立て、容器の質感はすり硝子風の高級感のある感じに仕上げています。
シリーズを象徴する「S」のマークは、ツヤ消しで立体感のあるような加工を特別に施して、ブランドの世界観がでるように工夫しました。化粧箱のマットゴールドの発色も施策を重ねた結果、とても満足できる仕上がりになりました。
籔内 様:
商品シリーズの旗印となる「S」により、加齢のきっかけとなる種(=要因)、それに気付くタイミング、そこに優しく付き添いながら、ファーストエイジングケアとして私たちができることを伝えたい。「気付きを認識した事自体を褒めてください。そこからケアを始めることが、貴方にとって本当に最適なチャンスなのです。」というメッセージが伝わればいいな、という思いがあります。
最終的にはお客様にとって、自身の肌に自信の持てるようになりたい方に歩み寄るブランドになっていきたいですし、当社の商品によって自分自身の肌を愛せるようになって欲しい。「理想肌」を実現して欲しい。そう思っています。
SHAROAID:代表取締役 籔内 浩平
1969年東京出身。1991年からブランディングファームのグラフィックデザイナーとしてさまざまなデザイン業務を担当。1995年、アートディレクター就任。日系企業の中国市場進出に伴うブランドデザイン業務に注力。2002年以降はクリエイティブディレクターとして化粧品等の総合ブランディングを担当。 2019年8月、現在の共同創業者と共に独立し化粧品会社SHAROAID(シャロエイド)を設立。代表取締役に就任。
SHAROAID:商品企画マネージャー 信貴 江梨佳
1989年東京出身。東京造形大学で建築やインテリアデザインを学んだのち、メーカーにてファッション雑貨の企画デザイン業務を担当。2021年SHAROAIDに参画。新商品の企画を中心に、メディア戦略等の企画立案も担当している。
株式会社富士ロジテックホールディングス 通販営業部 西間木 智物流業界で約20年のキャリアを持ち、およそ15年前からec通販に特化した営業を担当。
D2C_ec事業者のスタートアップから年商10億円以上の事業者様に対し、フルフィルメントからUnboxing、商品設計まで参画し、UI/UXでの購入者目線での施策提案等を積極的に行っている。
D2Cブランドインタビュー シリーズ コンテンツリスト
D2Cブランドの創業者、CEOへのインタビューはこちらにも随時掲載していきます。
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