EC物流/第2回:売上規模拡大のための倉庫戦略(出荷編)

皆さん、こんにちは。坊主の頭株式会社の加藤です。
前回に引き続きEC物流についてお話いたします。

今日は売上規模拡大のための倉庫戦略の出荷編です。

今回のテーマ

・EC領域における桶理論とは?
・最後に顧客と接点を持つのが実物(発送物)
・配送のクオリティが売上規模拡大にも必要不可欠

EC領域における桶理論とは?

ECの売上UP、その中でも物流戦略や倉庫委託の話の時にしばしば出されるのが桶理論です。

木の桶は複数のいたを組み合わせて作られています。その中の1枚でも短いと、1番短い高さまでしか水を貯めることができません。

例えば、
商品 100点
企画 100点
サイト設計 100点
受注対応 100点
発送作業 50点

だと、平均点は90点になりますが、お客様の受け取る印象としては50点になってしまうということです。一番低い点数が最終的なお客様からの評価になるよってことですね。

最後に顧客と接点を持つのが実物(発送物)

この例えが出荷で良く使われるのは、お客様との最後の接点かつ一番重要な接点が商品のお届け(受け取り)だからです。商品が届かない(遅い)、届いたけど梱包が汚い、などのマイナス要素が買い物の最後の感想になってしまい、汚名返上する機会が訪れる可能性が無いかもしれないからです。

お客様からご連絡があり、そこで挽回できるチャンスはあり得ますが、連絡があるかどうかはお客様次第です。

そして、1番短い板になってしまう危険性が高いのが受注処理→出荷作業の流れの部分なんです。ECの運営という点においては販促企画を考え実施したり、サイトの設計を考えて作りこんだりすることは重要ではあり時間もかかる仕事ではありますが、やらなければ信頼が減る・クレームが来る、という外部からの重圧は少ない仕事になります。

受注処理と出荷作業は思いっきり外部(お客様)からの重圧がある仕事になります。そのため、売れれば売れるほど対応件数が増え、それをクオリティを保った上で対応していかなければなりません。

受注→出荷の体制が整っていないまま売上が“伸びてしまう”と、受注処理や出荷作業がパンクして、遅配・誤配・要望の対応漏れ・梱包の質の低下などに繋がってしまいます。

配送のクオリティが売上規模拡大にも必要不可欠

さて、一連の取引の最後である商品のお届けで悪印象を与えてしまうと、またそのお店で再び購入しよう!という意欲は下がってしまうと思います。リピート率の低下に繋がってしまう危険性が高いと言えるでしょう。

売上の規模を拡大して行くにはリピーターを育てることも必要不可欠です。なぜならば、一般的に新規顧客を獲得するコストはリピーター顧客を獲得するコストの5倍かかると言われているからです。

新規顧客を獲得し続けることも勿論重要なのですが、1顧客を獲得するコストが高いので1度獲得した顧客に何度も買って貰えるようなお店作りをすることが売上規模を拡大していくためには超重要なポイントです。

商材、特に定期通販や消耗品を取り扱ってる店舗であればなおさらその重要性は高まるでしょう。

そのような側面からも売上規模の拡大のため、リピーターになって貰えるような配送のクオリティも必要になってきます。

【著者紹介】
坊主の頭株式会社(https://bozu-head.co.jp/)
代表取締役社長 加藤誠



EC店舗の成長には壁がある。2つ目の壁(受注数が増えて受注処理→出荷作業が回らなくなって来て売上規模の拡大に踏み切れない)を突破するまで伴走するECの家庭教師を行っております。

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