EC物流/第3回:売上規模拡大のための倉庫戦略(入庫編)

皆さん、こんにちは。坊主の頭株式会社の加藤です。
EC物流についての第3回目です。

今回は売上規模拡大のための倉庫戦略(入庫編)です。

今回のテーマ

・意外と軽視されがちな入庫について
・ECの売上を作るには『在庫』は超重要
・余談:モール内SEOからも『在庫』は超重要

意外と軽視されがちな入庫について

入庫作業は出荷作業に比べて軽視というか、後回しにされがちです。ちゃんとした入庫作業は手間ですし、何よりもお客様に届ける・物流業者へ引き渡すタイムリミットがある出荷作業の方を優先しがちだからです。出荷作業が大変で入庫作業まで手が回らない!って流れですね。

では、まず入庫について整理してみましょう。
そもそも入庫ってなんために行うんでしたっけ?

そう、発注してた商品が届いて、それを在庫として計上するため。ですね。

次の質問です。
在庫として計上すれば良いので、数を数えて適当にその辺に置いておいて良い?

確かに在庫として計上するという最低限のことは満たしていますね。でも、逆に聞きたいです。そんな管理の在庫をいざ出荷するって時にスムーズに出荷作業やれますか?と。ええ、きっとやれないでしょう。

業務を効率化するには一定のルール(パターン)を作ることで、業務の全体像を見て最適化することが必要です。

倉庫業務で見た場合「数を数えて適当にその辺に置いておく」は入荷作業だけの効率化を考えれば確かに効率的かもしれませんが、出荷作業へ多大な労力を強いることになります。タイムリミットがある出荷作業へ、です。

出荷作業もスムーズに行う為には、出荷作業をスムーズに進められるように入庫作業から戦略的に取り組む必要があります。

・納品物に不備がないかの検品
・バーコードやタグ付け(必要に応じて)
・置き場所の管理(ロケーション管理)

こんなようなことが必要になります。大変ではありますが、入庫作業を出荷作業の第1歩と考えると納得いただけるのではないでしょうか。

ECの売上を作るには『在庫』は超重要

さて、ここまではどちらかと言うと注文をいただいた後にお客様へしっかりお届けすることに着目した話をしてきました。が、実は注文を取る、売上UPのためにも入庫は超重要なのでその点についてお話いたします。

まず、凄く簡単な話です。在庫が無かったら売れますか?って話です。実店舗でも店頭に商品が並んでなければ売れません。EC店舗でも商品ページのカートが開いてなければ購入することができません。

入庫作業が遅れ、カートが閉じた状態が続けば、販売機会の損失期間が長くなってしまいます。勿体ないですよね。

余談:モール内SEOからも『在庫』は超重要

SEO:SearchEngineOptimization
検索エンジン最適化、検索対策、などと言われてるものです。
主にGoogleやYahoo!の検索結果で上位に表示されること。

楽天市場やYahoo!ショッピングといったECモールも商品検索ができます。そこで自分の商品を上位表示されるように対策することを「モール内SEO」と言います。

SEOにせよモール内SEOにせよ、検索結果の順位表示をどのようにするか決めるのは提供側です。提供側が設定したロジック(ルール、算出法)によって表示結果が決まるんですね。

ECモールのマニュアルを見るとどの項目に入ってる単語が検索対象になるか?などのガイドラインは記載されていますが、明確な順位付けのロジックはどこも公開されていません。

それでも、実際に上位に表示されてる商品(ページ)を見比べることで、どんなロジックになっているのか?の推測をすることができ、仮説に基づいて試行錯誤していくことがSEO対策・モール内SEO対策になります。

ECモールの検索ロジックの1つに「在庫切れ」商品、カートが閉じてる商品は検索結果に出さないってことも増えています。商品を買って貰うだけでなく、店舗の認知度向上に繋がるアクセス経路すら断たれてしまうということですね。

更に悪いニュースとしては、カートが閉じられた商品ページはその後に在庫を入れてカートを開けたとしても、同じ順位までなかなか戻れない、要はカートが閉じた事によってマイナス査定を受けているのでは?という説もあります。

カートを閉じない為に予約在庫を投入するという戦術もあったりします。
それだけ、カートを閉じないことがEC店舗での売上規模拡大には重要なことなのです。

在庫に関わる入庫についてもしっかり向き合うことをおススメいたします。

【著者紹介】
坊主の頭株式会社(https://bozu-head.co.jp/)
代表取締役社長 加藤誠

EC店舗の成長には壁がある。2つ目の壁(受注数が増えて受注処理→出荷作業が回らなくなって来て売上規模の拡大に踏み切れない)を突破するまで伴走するECの家庭教師を行っております。

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