Part-05 商品・CRM・CXの Personalize:パーソナライズ とは 本当のコスメ開発とCXの成功ポイント

Part-05 商品・CRM・CXの Personalize:パーソナライズ とは 本当のコスメ開発とCXの成功ポイント


前回、「「サブスク疲れ」 を招いている理由と「”シン”顧客体験重視」のCX とは サマリー

 

D2Cビジネスにおける顧客体験の重要性と、商品開発・マーケティングの課題

この対談では、D2C(Direct to Consumer)ビジネス、特に化粧品などのビューティー業界において、顧客体験の重要性と、商品開発やマーケティングにおける課題が議論されています。

**主な論点**

■商品力だけでは不十分:
 商品の機能性だけでなく、顧客の感情に訴えかける「情緒的ベネフィット」が重要。
■顧客体験の一貫性:
顧客とのすべての接点において、一貫したブランド体験を提供する必要がある。
■データに基づいた意思決定:
顧客データ分析を行い、効果的な施策を立案する。
■中長期的な視点:
短期的な利益だけでなく、顧客との長期的な関係構築を視野に入れる。

**成功するためのポイント**

■顧客中心の視点:
 顧客のニーズを深く理解し、そのニーズに合った商品やサービスを提供する。
■ブランドストーリーの構築:
 自社のブランドが持つ独自のストーリーを構築し、顧客との共感を深める。
■差別化:
競合他社との差別化を図り、自社だけの強みを打ち出す。
■継続的な改善:
市場環境の変化に対応し、常に商品やサービスを改善していく。

**失敗しやすいポイント**

■顧客の表面的な理解:
 顧客のデモグラフィックデータだけに基づいたペルソナ設定
■一貫性のない顧客体験:
 異なるチャネルで異なるブランドイメージを提示
■データの活用不足:
 顧客データに基づいた意思決定を行わない

**まとめ**

D2Cビジネスにおいては、単に商品を売るだけでなく、顧客との関係を深め、ブランドロイヤルティを高めることが重要です。顧客の「サブスク疲れ」を解消し、より良い顧客体験を提供することで、ブランドロイヤルティを高めることができます。

D2Cビジネスの成功戦略を考える上で役立てば幸いです。詳しく知りたい点があれば、お気軽にご質問ください。

例えば、

  •  情緒的ベネフィットを高めるための具体的な手法は?
  •  K-Beautyが成功している理由をもっと詳しく教えてください。
  •  自社の商品に情緒的ベネフィットを加えるにはどうすればいいですか?

 

Part-05 商品・CRM・CXの Personalize:パーソナライズ とは

ファシリテーター:吉村 典也(以下:ファシリテーター)

昨今よく言われるのが、「顧客体験」の中で、昔みたいなマスではなくて、パーソナライズ、パーソナライゼーションとよく言われるようになりました。
ビューティー系の中でパーソナライズとはどんなことかについて改めて教えてください、
松崎さん、よろしくお願いいたします。

松崎 淳 様(以下:松崎さん)

はい、そうですね。今、特にデジタルの世界でパーソナライズとなりますと、 いわゆる購入する前のタイミングで、ウェブ上でカウンセリングが受けられる。
もちろん、実際にやり取りするっていうパターンもあると思いますけれども、多くはそのアンケート設問に答えていって、その結果のアウトプットとして、複数パターンある中からあなたにはこれが「おすすめです」という形で納得感を持って購入していただくという形が多いと思います。

私自身は、このパーソナライズという潮流はすごくいい流れかなと思っておりまして、私も1ユーザーとして、もはや商品がたくさんありすぎて、広告もかなりの量が1日の中で入ってきますので、 自分がどれを買えばいいのかというのは、いまいちこう分かりづらくなってきています。
その中の選択として、能動的に自らの状態を伝えることによって、適切な商品をフィードバックしていただける。
それはかなり納得感があった上での購入になります。
広告で思わず買ってしまうとかになると、商品が届いた時に、「待ってました」という時もあるのですが、たまに、「これ買ったけ」「こんなの買っちゃったっけ」という罪悪感を感じることもあります。

パーソナライズっていうプロセスは、非常に自分の中で納得感が高いので、その後続けていただきやすいという部分もありますし、1度買って固定化されるわけではなく、 また、マイページの中から、 自分に合ったものに、毎月毎月オーダーをしていくということもできると思います。

非常に、価値観が多様化している今の時代においては、フィットするビジネスモデルではないのかなと、そして今後ますます伸びていくことを私自身としてはすごく期待をしている分野です。

ファシリテーター

ありがとうございます。
曽川さん。そこを踏まえてですね、CRM・CXでもパーソナライズというワードは、AIサービスも参入してもう大ブームです。
もう少し詳しく、噛み砕いていただけるとありがたいです。

曽川 雅史 様(以下:曽川さん)

パーソナライズとは、要は、「その1人1人のお客様に最適な体験を届けること」。
届けるための根拠とは何かと言うと、「データ」なのです。
では、データとは、何かというと、過去のCRMで言うと、いわゆる「顧客マスタ」と呼ばれる、プロファイリングデータです。年代、性別、スキンケアでは、肌質とかです。
お客様1人1人に紐づくような個人的な情報と、「購買履歴」という、トランザクション系のデータと呼ばれる、いつどの商品を買ったか、その購入間隔どれくらいかなどが計算できますので、その2つを掛け合わせて、セグメントを作って、おすすめする商品とかタイミングを変えたり、コンテンツを変えるということを「勘」でやっていたわけです。

今の時代では、お客様のデジタルデータ、ウェブサイト上の行動データであれば、Aさんがいつサイトに来て、どのページを何秒見て、どのコンテンツを見たかというのも全部取れますし、どこをクリックしたかも全部取れます。場合によっては外部のデータも、CDPとか、DMPとかを組み合わせると取ることができるようになっていますので、行動データを全て組み合わせてパーソナライズ、最適化を細かくしていくというのが、今言われてる「パーソナライズ」です。

これは、なかなか手作業だと難しいので、そこは、テクノロジーの力を借りていくのですが、商品がいくつかいろいろなタイプがあり、お客様の購入前、購入時のアンケート回答と、購入後アンケートの回答は、変わることがあります。
それによって、おすすめする商品を変えてあげるのは、1つのパーソナライズだと思います。コンテンツはたくさんあっていろいろな「肌悩み」の向けのコンテンツがあり、その顧客がどの記事を見てるかというデータが全部取れますので、この記事を読まれている人には、この商品をおすすめしようとすることもあらかじめ設定しておけます。

こういったことが自動でおすすめして、設定プログラムでEメールでしたり、LINEで発信することができますので、「行動データ」と、おすすめする「コンテンツ」、「商品」というのを、どう組み合わせていくのかは、これはブランド・事業者さんの方で考えていくのですけども、パーソナライズと言えます。

ファシリテーター

「単品リピート」時代に帰るのですけれども、パーソナライズでお客様の悩みを聞き出していくとお話がありました。単品リピートメーカーや、スタートアップもそうですけど、商品ラインナップを、4象限に展開作成するわけにいかなくて、最初は1個だけ売り出したい商品がある、オールインワンなど、いろいろなものがあると思いますが、商品を使う理由としてもパーソナライズのプロセスを使っていくという考え方でも良いのでしょうか。

曽川さん

いいですね、難しいですけど。おすすめするなら、商品は同じ商品なので、コンテンツや、 ブログ記事などを沢山設定します。お客様の声もコンテンツですので、それらを集めて分類をしておいて、同じような年代、ライフスタイルの方のタグ付けを、お客様のアンケートを回答、投稿していただく時に入力していただければ、デジタルに分解できます。
そのデータを、メールとかLINEで分類しておすすめしてあげることもできます。
商品が多ければ商品をおすすめすればいいのですけど、それがなければコンテンツはすごく大事です。

入口で、動機ですよね。そこに至った、サイトへ入ってきた動機の中から商品に、ストーリーとして落とし込んでいくことです。

商品が1つであれば、いろいろな立場の人によって、「商品を買った理由」というのはおそらく少しずつ変わるので、そのことを見せてあげる、それを後々のCRMのメール、LINE、同梱物で、相手のお客様によって、似たようなお客様の感想を紹介してあげると、共感を得られやすいです。
結局、共感ということは、ブランドへの帰属意識、 「好き」になっていくことです。
商品が少ないうちは、コンテンツをたくさん集めることを考えた方がいいです、商品が、ラインナップを増やしていけるのであれば、「この商品をどうですか」というおすすめに徐々に切り替えていくというやり方が良いと思います。

成長フェーズの商品拡張のポイント

ファシリテーター

今の話の中で、メイン商材があって、先ほど松崎さんがおっしゃった通り、クロスセルとかアップセルの商材というものを作っていかないといけないとします。
これは、どうやって補充していくかというか、フォローしていくような商品の開発の仕方はあるのでしょうか。

松崎さん

それに関しては、基本的に「顧客視点」で考えるということです。
ビジネス的に「客単価」をいくらにしたいからという考え方ももちろんありますが、それで作ったところで動かないという可能性もあります。
基本的には、ユーザーさんにとって、どんな「ベネフィット」があるかというところから考えるべきです。

すごく分かりやすい例でいきますと、いわゆる「基礎化粧品」のラインの中で、美容液だったり化粧水だったり乳液だったりっていうものをお作りになられてる企業様であれば、 やはり洗顔とかクレンジング、本商品をお肌につける前に、お肌が、どういう状態になっていると、より効果が発揮しやすいのかという観点で考えると、その手前の商品だったりします。

あるいは、顧客データの中で、お客様のレスポンスで、「朝になるとちょっと乾燥を感じてしまう」というお声が多いのであれば、フロントの商品自体を改良するというのも1つの考え方です。ナイトケアできるようなパック系のクリームを開発して、朝の水分の蒸散を抑えてあげるみたいな形で、最終的にお客様がお肌がどういう状態になっていただきたいのか。 今、その部分としてどこが足りてないのかという「顧客起点」で考えていただくことがベーシックな考え方です。

ファシリテーター

今日はどうもありがとうございました。
それでは、松崎さん、曽川さんの方から最後に一言ずつ、 ブランドの方にメッセージをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。

松崎さん

はい、ありがとうございます。
商品企画開発というのは本当に上流の部分でして、 ここを間違ってしまうと、後半の方をどんなにテクニカルに回してもなかなか事業としてグロースしないというところがあります。
急がば回れではないですけれども、先ほど私が申し上げたようなところを、1個1個具体に落としていただいて、抜け漏れがないかを、しっかりとご確認いただいてほしいですね。

ブランドとして成長できるような事業を推進していただけると良いと思います。

今日のお話は、 大学の授業からすると概論になっています。いわゆる大枠の話だと思っています。
より具体的にこのカテゴリーで戦うには「どう価値付けをすればいいのか」に関しては、 個別のご相談になります。もし何かお困りの企業様がいらっしゃいましたら、 ざっくばらんにフラットにお声がけをいただいて、「価値付け」をご一緒していけたら幸いです。

曽川さん

今日はどうもありがとうございました。
今回のテーマはコスメ、ビューティーということでしたけども、 私は、CRMツールというプラットフォームの販売ですけども、「商品」、「商品が提供するベネフィット」だと思ってます、そこがいいものでないといけないと考えています。
テクニカルに、CRMとか、マーケティングを回しても、お客様に選ばれないというのがあります。
先ずは、「良い商品」、「良いブランド」を作ること。それを、広めて、理解するお手伝いをするのが我々のツールの役割であり、座組と考えております。
今日のお話が、参考になれば幸いです。

ファシリテーター

ありがとうございました。それでは、また次回。よろしくお願いいたします。

 

購入後のフォローアップとアンケート

  • 購入後のフォローアップのベストプラクティスは何ですか
  • アンケートはどれくらいの数が多すぎるのでしょうか
  • 顧客に負担をかけずに有益なデータを収集するにはどうすればよいのでしょうか?
購入後のアンケートは必ず実施する必要があります。サンキューページにアンケートを掲載して、「当社のブランドをどのくらい前からご存知ですか」「購入の動機は何ですか」「当社について最初に知ったチャネルは何ですか」などのデータを収集します。この情報は、顧客の行動に関する非常に貴重なインサイトを提供します。

フォローアップ フローは、商品・製品ごとにカスタマイズする必要があります。リピート購入率の高い商品・製品の場合は、早期のフォローアップを使用して販売を増やしたり、商品・製品の使用方法を顧客に説明したりします。
1 回限りの商品・製品を販売している場合は、配達後数週間待ってからフォローアップします。たとえば、顧客がそれを使用する時間が経ってからアンケートを送信して使用感を尋ねます。リピート購入率の高い顧客に、早すぎる時期にアンケート リンクをスパム送信することも防止できます。

アンケートはいくら送っても多すぎることはありません。送信する数に関しては、多ければ多いほど良いと思います。データも増えるからです。簡単な if を設定すると、MAでトリガーされ、メールを開いたが完了しなかった人にアンケートが再送信されます。毎月アンケートを送信して、オプトイン率を高め、ブランドにとってより価値のあるデータを収集し続けます。

 

UGC は消滅しつつあるのでしょうか

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は衰退し始めていると思いますか。

一部のブランドは、静止画像に比べてUGCのパフォーマンスが低いことに気づいています。UGCが動画に効果がないなら、次に良いものは何でしょうか。

本物の UGC に重点を置く必要があります。

「偽のインフルエンサー」の UGC の時代は終わりました。人々は、本物ではないと感じられる脚本付きのコンテンツを見抜くことができます。
本物の顧客レビュー、証言、商品・製品の使用/ライフスタイル ビデオなどの本物の UGC は、今でも効果があります。

たとえば、顧客が湿疹に悩まされ、あなたの製品を使って解決策を見つけたという話は、非常に説得力があります。
対照的に、スクリプト付きの開封動画(「新しいウォーターボトルを開封しましょう!」など)のような「偽の UGC」は、信憑性に欠け、これまでに 1,000 回も行われてきたため、共感を呼びません。

セールシーズン中のプロモーション

シンプルにしましょう。セールシーズンM期間中、消費者は終わりのないプロモーションにさらされます。オファーが強力で、非常に目立つようにしてください。リマインダー メールを送信し、すべてのチャネルでオファーの内容を明確にします。多くのブランドは、プロモーションに慎重すぎるという間違いを犯すこともあります。
競争しようとする場合、プロモーションをやりすぎるということはありません。

再発明はしないでください。過去効果があったことがわかっているオファーやメディア ミックスがある場合は、完全に再発明するのではなく、これをリミックスして拡張することを検討してください。あらゆる方法ですべてを変える必要はありません。再び勝つためには、更新して広告、LP、Eメール、オファーを再スキン化するだけで十分です。

オファーも早めに発表する必要があります。

オファーは、かなり早めに発表するのがベストだと思います。期待感を高めることで、顧客はセールがいつ開始されるのか、何を期待できるのかを知ることができ、よりスムーズなショッピング体験と、参加したくなる FOMO が生まれます。これは非常に簡単に実行できます。大規模なセールの数週間前に、広告、メール、LINE、SNSメッセージ、その他のコンテンツを計画して公開するだけです。

顧客フィードバック ループの作成とコミュニケーション

ファンなど提携して自社製品を着用してもらい、フィードバックを得ましょう。
「〇〇 Club」 は商品・製品開発に意見を述べる権利を持っているため、商品は常に顧客を念頭に置いて作られていきます。

  1. 強力なコミュニティの構築に注力:
    サードスペースが存在しない状況では、ブランドは顧客がビューティへの愛情を通じてつながることができるコミュニティ運営のクラブの開発に重点を置いていきます。
  2. クリエイティブの調整:
    広告とランディング ページ間のメッセージの一貫性のなさが広告予算を浪費している原因です。
  3. 広告コピーのベスト プラクティス:
    今日の高速スクロール環境では、広告コピー、見出し、絵文字の使用を再検討してテストすることが重要です。
  4. ファネルの継続性:
    広告のクリックからクリック後まで一貫したエクスペリエンスを作成することで、コンバージョンを大幅に増加できます。
  5. 適切なリターゲティング:
    リターゲティング広告は、ブランドを再紹介するだけでなく、何か新しいものを提供する必要があります。
  6. コンテンツとコンバージョン:
    直接的な販売促進よりも意欲的なコンテンツを優先すべきタイミングを理解してください。
  7. 美観と機能:
    視覚的に魅力的で、デバイス間でシームレスに機能するメールをデザインし、ダーク モードとライト モードに合わせてメールを最適化してください。
  8. 商品・製品ライフサイクル戦略:
    発売から販売までの自然なショッピング サイクルを反映するように季節ごとの商品・製品メールを構成します。

■トークゲスト

松崎 淳 様 プロフィール

松崎 淳 様 プロフィール

2014年に医薬部外品、化粧品、健康食品のOEM会社に営業としてジョイン。
OEMの枠を超え、新規で事業を立ち上げるスタートアップや異業種から参入するクライアントに対し、商品の企画はもちろん事業の立ち上げまで包括的にサポート。
部門長、執行役員を経て、2019年10月に代表取締役社長に就任した。

その後、化粧品、健康食品を販売するメーカーの取締役を歴任し、現在はD2Cを展開する企業の事業戦略、商品企画を支援するビジネスコンサルタントとして活動している。

お問い合わせご相談 ご連絡先

https://bit.ly/3UE5eDJ

曽川 雅史 様 プロフィール

曽川 雅史 様 プロフィール

株式会社シナブル
クライアントコミュニケーション&マーケティング部 部長

クラウドCRMベンダーにて法人営業でトップセールスを達成後、同社のWebマーケティングを担当し、子会社にて広告事業の立ち上げに奔走。
その後Webコンサルティング会社へ入社。大手企業への法人営業に従事。

2020年シナブル入社。これまでの経験を活かし、施策の自動化をベースとしたEC売上向上を支援している。

お問い合わせご相談 ご連絡先

https://bit.ly/3NRncyR

 

本当のコスメ開発とCXの成功ポイント シリーズリスト

Part-01 スキンケアなどのビューティー業界 事業企画、参入整理するべきpoint

スキンケアなどのビューティー業界 事業企画、参入整理するべきPoint

1. **事業計画の重要性**
- 多くの企業が基本的な事業計画を軽視している
- 定量的目標(売上・利益)と時間軸の設定が必要
- 定性的な「ビジョン」と価値提供の明確化が重要

2. **よくある課題**
- 商品開発が先行し、事業ビジョンが後付けになりがち
- 「儲かりそう」という理由だけで参入するケースが多い
- 長期的な事業の展望が不明確なまま進めてしまう

3. **CRMとCXについて**
- フェーズに応じた適切な施策選択が重要
- 顧客数が少ない段階での注意点:
- クーポン配布などの売上促進策は効果が限定的
- 基本的な顧客体験の向上を優先すべき

4. **すぐに取り組むべきこと**
- 商品の使用方法の適切な案内
- サイトの使いやすさの向上
- 顧客状態に応じたコンテンツの出し分け
- 顧客体験(CX)の基本的な改善

ビューティー業界での成功には、明確な事業計画とビジョンの設定、そして顧客数のフェーズに応じた適切なCRM戦略の実施が重要だということです。

Part-02「失敗事例」から学ぶ他社の成功事例は再現性”なし”

「失敗事例」から学ぶ他社の成功事例は再現性”なし”



1. **成功の再現性の難しさ**
- 他社の成功事例の単純な模倣では効果が出にくい
- 商品の成分や価格だけでなく、総合的なマーケティング戦略が重要

2. **ペルソナ設定の重要性**
- 商品に合わせて実在しないペルソナを作らない
- コアなターゲット層の深い理解が必要
- ユーザーの価値観や悩みに真に響く商品開発が重要

3. **商品開発のアプローチ**
- 「作ってからターゲットを探す」のではなく
- 先に「誰に、どう届けるか」を明確にすべき
- 「購入理由」と「継続理由」を事前に具体化することが重要

4. **ブランドコミュニケーションの一貫性**
- LP、CRM、メールなど全てのチャネルで世界観を統一
- 特にビューティー商品は「世界観」が重要
- 伝え方の角度は変えても良いが、クリエイティブのトーンは統一すべき

5. **情緒的ベネフィット**
- 機能面だけでなく、感情に訴えかける価値提供が必要
- ユーザーの価値観に響く要素を含めることが重要

これらの要素を総合的に考慮し、一貫性のある戦略を立てることが成功への鍵となります。

Part-03 CRM+CXの重要なポイント 「情緒的ベネフィット」とは

CRM+CXの重要なポイント 「情緒的ベネフィット」とは

1. **商品力の重要性**
- プロダクトレッドグロース(PLG)が基本
- 単なるパフォーマンスマーケティングだけでは不十分
- 商品力が顧客体験や感情に直結

2. **競争激化市場での差別化**
- 商品が多すぎる市場環境
- 顧客の選択を獲得することが困難
- 実際の使用前に価値を伝える必要性

3. **感情に訴えかける要素の重要性**
- ブランドビジョンやプロミスへの共感
- パッケージデザインの魅力
- 商品の視覚的な特徴(2層式、伸びる質感など)
- SNSでの「映える」要素の重要性

4. **K-Beautyの成功例**
- ユニークで魅力的なデザイン
- 独自の処方・製法
- アイドルとのタイアップ戦略
- 原料の高配合とエビデンスの重視
- SNSでの効果的な情報拡散

5. **価格競争からの脱却**
- 低価格帯の一般商品との差別化
- 高価格帯商品を選んでもらうための感情的価値の創造
- 機能面と情緒面の両方からアプローチ

この内容から、日本のビューティー業界も商品開発とマーケティングの両面で、より戦略的なアプローチが必要とされていることが分かります。

Part-04 「サブスク疲れ」 を招いている理由と「”シン”顧客体験重視」のCX とは

「サブスク疲れ」 を招いている理由と「”シン”顧客体験重視」のCX とは


1. 定期購入(サブスクリプション)ビジネスの変化:
- 以前は3-4回の強制継続や解約困難な仕組みが一般的だった
- 現在は消費者庁の規制や消費者意識の変化により、そうした手法は通用しなくなっている
- 簡単に解約やスキップができる仕組みが求められている

2. 商品とマーケティングの重要性:
- 商品の価値とブランドの世界観が最も重要
- ステップメールなどの販売テクニックだけでは継続購入は難しい
- 商品の効果や価値を実感できなければ、マーケティング施策だけでは継続は困難

3. 顧客分析と商品開発:
- 以前より顧客のロイヤル化までに時間がかかるようになっている
- 成功している企業は:
- 社員が積極的に商品紹介を行う
- 顧客の声を真摯に受け止め、商品開発に活かす
- 効果的なクロスセル戦略を実施

4. 新商品展開と改善のプロセス:
- 新商品投入後、すぐに顧客の声に反応するのは避ける
- ある程度の母数が集まるまで(約6ヶ月)は辛抱強く待つ必要がある
- その後の半年で本格的な事業計画の見直しを検討
- 持続可能な事業展開のために、中長期的な資金計画が重要

5. 現代の事業展開の特徴:
- 短期的な売上目標達成よりも、顧客との関係構築を重視
- 商品とユーザー体験のフィット感を重視
- 十分な時間と資金的余裕を持った展開が必要

今日のビジネス環境では、単なる販売テクニックではなく、本質的な商品価値とカスタマーエクスペリエンスの質が重要となっています。

Part-05 商品・CRM・CXの Personalize:パーソナライズ とは

商品・CRM・CXの Personalize:パーソナライズ とは


1. デジタル時代のパーソナライゼーションについて:
- オンラインカウンセリングやアンケートを通じて顧客に最適な商品を提案
- 顧客の能動的な情報提供により、納得感の高い購買体験を実現
- 継続的な利用につながりやすい特徴がある

2. パーソナライズの仕組みと活用データ:
- 基本データ:顧客プロファイル(年齢、性別、肌質など)と購買履歴
- デジタルデータ:ウェブサイトでの行動履歴、閲覧時間、クリック情報など
- AIやテクノロジーを活用して自動的に最適なレコメンドを実施

3. 単品商品でのパーソナライズ戦略:
- コンテンツを活用したパーソナライズ(ブログ記事、顧客の声など)
- 顧客のライフスタイルや購入動機に応じたコンテンツ提供
- 共感を通じたブランドへの帰属意識の醸成

4. 商品ラインナップ拡充の考え方:
- 顧客視点を重視した開発アプローチ
- 既存商品の効果を高める関連商品の開発
- 顧客フィードバックに基づく商品改良や新商品開発

5. 総括的なメッセージ:
- 商品企画開発の重要性(上流工程の質が事業成長を左右する)
- 良い商品・ブランドづくりが基本
- マーケティングやCRMは、良い商品を広め理解してもらうための手段

このように、現代のビューティービジネスでは、データに基づくパーソナライズ戦略と、顧客視点に立った商品開発の両輪が重要となっています。