西間木 智
西間木 智

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

物流在庫とは

フルフィルメント 倉庫管理システム・WMS 物流 発送代行 配送・発送サービス 3PL

物流において在庫管理とは、在庫数を把握するだけでなく最適な状態を保つことをいいます。在庫とは商品をはじめとして、将来的に商品になる在庫も含まれます。たとえば、業界によっては原材料を前もって確保しておくことがありますが、これらも在庫です。在庫管理をすることで、これらの在庫がどのように、どこに管理されているかまたリアルタイムに在庫数を把握できます。さらに、在庫の保管状況が適切であるか、適切な在庫数であるかといった管理全般が必要とされます。

在庫とは 

在庫とは販売をする目的で保管している商品や原材料、製品のことであり、棚卸試算の扱いです。直接販売するものでなくても、ほかの商品を販売するために活用する事務用品なども在庫として数えられます。

在庫における役割の種類

在庫管理するべきなのは、販売できる状態にある商品だけではありません。製品を作るための原材料や仕掛品とよばれる半製品の状態の場合もあります。

会計上において在庫の考え方

在庫は棚卸資産として考えられるため、会計においては貸借対照表で資産として計上されるのが一般的です。つまり、在庫が数多く残ってしまうと現金化されないことになりキャッシュフローの悪化につながります。

過剰在庫の考え方

在庫を多く抱えるとキャッシュフローの悪化につながるだけでなく、短期借入金が発生するため過剰在庫を避ける必要があります。しかし、過剰在庫に対して意識しすぎると欠品につながり販売機会損失となるリスクがあります。このため、需要と供給のバランスが重要で適正在庫の維持が重要です。

物流在庫とは

物流在庫とは物流現場においての在庫管理業務のことです。物流在庫には、主に次の3種類の業務が挙げられます。

  • 入庫
  • 出庫
  • 在庫管理

入庫

物流在庫における入庫作業とは、商品の確認や保管場所への仕分け、伝票と商品の照らし合わせが挙げられます。

出庫

出庫作業には、購入者が商品の購入手続きをしたあとピッキングや検品、ラッピング、梱包、出荷伝票との照らし合わせなどがあります。

在庫管理

物流在庫において在庫管理とは、管理している場所や在庫数の変動、食品における消費期限や賞味期限などさまざまな管理があります。

在庫管理とは

物流において在庫管理が重要になります。適切な在庫管理ができていないと、過剰在庫や欠品といった結果につながる可能性があるのです。

在庫管理の目的

商品や資材を必要な場所に必要な運量を共有できるように維持することです。そのため、在庫管理は経営において重要な土台であるといえます。過剰在庫を抱えると余分な費用がかかり、在庫が不足すると売り上げの機会損失となる可能性があります。 

在庫管理の方法

在庫管理の方法として、Excelや手書きでの管理、在庫管理システムやバーコードを使う方法やWMS(Warehouse Management System、倉庫管理システム)との連携などさまざまな方法が挙げられます。

近年でもExcelや手書きで在庫管理をしている企業は少なくありません。Excelは手書きと比べて保存やバックアップがスムーズにでき、複数の担当者で扱いやすくなります。しかし、リアルタイムに在庫数を把握できない、属人化しやすい、ファイルが増えすぎて管理が大変になるなどの課題があります。

在庫管理システムとは、正確な在庫情報や入出庫の数などを把握して在庫の過不足をなくすことが目的のシステムです。WMSとは、在庫管理以外にも入荷から検品、梱包、出荷など物流における一連の作業を管理できることが特徴です。 

これらのほかにも、ERP(Enterprise Resource Planning、企業資源計画)やフルスクラッチの基盤システムの導入などさまざまな在庫管理方法があります。

物流在庫管理をするメリット

物流在庫管理をすると次のメリットが挙げられます。 

  • 物流サービスの向上
  • 物流コストの削減
  • 適切なスペースの確保

物流サービスの向上 

製品の競争力は、価格や商品のコストのほかに納期で決まるといわれます。在庫管理を徹底することにより、納期までの期間を短縮でき生産性の向上につながるのです。さらに、適切な在庫管理をすることで欠品を防いだり商品の劣化を防いだりすることが可能です。保管期間が長すぎる商品や、紫外線や湿気などにより品質が劣化し、商品として売れなくなることを防ぐことにもつながります。

物流コストの削減

的確な物流在庫管理をしていないと、余剰在庫が増えることからキャッシュフローが悪くなります。適切な在庫数を把握することで物流在庫管理をおこなうことで、余剰在庫が減ることから物流コストの削減につながります。 

適切なスペースの確保 

在庫管理を適切に進めるためには、管理しやすいような保管方法が必要です。より効果的に保管するために管理をすることで、効率よい在庫の収納ができるようになります。倉庫を運営するためには家賃や人件費、光熱費などがかかるため適切な保管をできるとコスト削減につながるのです。

さらに、BtoCにおけるEC市場が拡大していることにより扱う商品数が増えています。BtoCでは1度の購入数が少なく、さまざまな商品を購入する特徴があります。そのため、商品の保管方法を効率よく工夫することが重要です。

在庫管理システムを利用するメリット

在庫管理システムを活用すると次のメリットが挙げられます。

  • 在庫数をリアルタイムで確認できる
  • 管理業務におけるコストを削減できる
  • 管理業務の精度を上げられる

在庫数をリアルタイムで確認できる

在庫管理システムを導入することにより、在庫状況をスムーズにリアルタイムで確認できます。必要な在庫数を常にかかえることによって、余剰在庫や欠品を防ぐことが可能です。さらに、適切な在庫の確保は売り上げ向上につながります。

管理業務におけるコストを削減できる

物流における在庫管理はさまざまなプロセスがあり、人の手で管理をしていると多額の人件費がかかります。在庫管理システムを導入すると人件費の削減ができるほか、余剰スペースの削減ができる場合があり、倉庫に必要な光熱費や家賃などの削減につながる場合があるのです。

管理業務の精度を上げられる

在庫管理システムを導入することで、原材料の仕入れ数から商品の集荷、必要な在庫の把握まであらゆる種類の在庫を自動的に管理します。担当者が1つずつ数を数える必要がなくなるため、リアルタイムで在庫数を把握できるほかヒューマンエラーを防止することが可能です。ハンディーターミナルをはじめとして端末を活用することによって、棚卸業務においても自動化することで精度を高められます。

まとめ

適切な物流在庫を把握することで、余剰在庫のある状態や欠品といったリスクを防げます。余剰在庫を確保しているとキャッシュフローが悪化し、欠品が続くと販売機会を失うことになるのです。

在庫管理システムを導入することによって物流在庫管理業務を自動化でき、これまで担当者がおこなっていた作業を自動化することで、ヒューマンエラーを減らし業務効率化につなげられます。さらに、人件費や余分な商品を確保する場所を削減できることからコスト削減にもなるのです。

在庫データを蓄積することで、これまでの繁忙期における予測は適切な在庫数を把握でき、さらなる売り上げ向上や無駄な費用の削減などにつながります。

 

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西間木 智

監修者

株式会社富士ロジテックホールディングス

西間木 智 / 通販営業部 部長

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

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