物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
Written by
株式会社富士ロジテックホールディングス
通販営業部 部長
西間木 智
OMO トレンド
D2C/P2Cに代表されるように、E-コマースなどでの購買タッチポイントのシフトが進む中で店舗の役割が変化してきています。
従来の店舗営業機能に加えて、
- E-コマースフルフィルメント拠点
- E-コマースサービス拠点
- ラストマイル配送拠点(店頭ピックアップ以外として)
としての機能を担うようになってくるでしょう。
それは、顧客は店舗とE-コマースの両方を利用していくようになるためでもあります。
そのために、求められるカスタマージャーニー:顧客購買体験=購買前・後も変化してきています。
E-コマース利用者の70%は店舗も利用しているという調査もあり、店舗とオンラインのシームレスな体験が求められていると言われています。
*OMO online merged with offline とは
オフライン ビジネスとオンライン ビジネスを組み合わせて、より多くのビジネス チャンスと購買パターンを生み出す、2017年ころに出現したリテール マーケティングの概念です。
このマーケティング コンセプトが目指しているのは、オムニチャネルを超えてオムニプラットフォームに移行することです。
このコンセプトは、スマートフォン、オンライン決済システム、センサー、AI などのテクノロジーの進歩と利用の増加によって後押しされています。
オンラインとオフラインの顧客の行動データを組み合わせて、よりパーソナライズされたレコメンデーションを提供します。
さらに、オンラインとオフラインのコンポーネントをシームレスに統合することで、全体的なカスタマー エクスペリエンスが向上します。
購買体験では、パーソナライゼーションは以前から重視されてきていましたが、AIの利用が進むことで、一層、顧客個人の特性やニーズに焦点を当てたアプローチが可能になってくるでしょう。
店舗の役割が変化していますが、リアル購買体験の場としての役割は不変であることは間違いないです。
特に新たな発見(物ではなく、体験としてのインサイト)を、今まで以上に顧客に提供することが来店動機の高揚に不可欠になりそうです。
パーソナルスタイリストとしてのスタッフのスキルと役割を
- オンラインで店内接客と同様に提供して
- ストアピックアップをアレンジしていく
ようなことが顧客に求められていると言われています。
E-コマースシフトが起こるとともに、店舗の役割も変化していくのは当然です。
E-コマースと相互サポートするハイブリッド型に移行していくでしょう。
小売市場では、こうした変化に対応してDXによって店舗とEコマースの顧客購買体験をシームレスに提供するイノベーションが加速しています。
ファッションカテゴリーでのトレンド
*関連コラム
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ファッションテクノロジー "#3 CONNECTED STORES"
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フルフィルメントコスト
リアル店舗での購買行動は、顧客が商品を棚から取り出して自宅に持ち帰ることですから、小売事業者にとって最も時間がかからないものです。
しかし、コストと利益は別です。
たとえば、
10,000円のアパレルウエアの利益率は、店舗での販売や配送センターから出荷されるオンライン販売よりも、BOPISや、カーブサイドピックアップ(日本ではまだまだですがI)の方が、大幅に低くなっています。
この理由としては、DC配送センターの運営、配送、店舗のコスト、チャネル固有のオーバーヘッドなどのコストを考慮に入れてのコストとプロフィット計算しているからです。
10,000円のアパレルウエア利益額の想定
フルフィルメントチャネル 営業利益
DC:(配送センター)から発送 3,600円
店頭購入 3,300円
BOPIS 2,300円
店舗から発送 1,700円
この状態では、
最もコストがかかり、収益性が最も低いフルフィルメントチャネルは、
店舗からの出荷(Shop to Ship)
です。
これは、すべてのプロセスで最悪のものを組み合わせたワークフロー(工数)と時間と配送コストのためです。
また、Ship-to-Homeとオムニチャネルの両方のフルフィルメントプロセスのコストがここには含まれて現れていることが読み取れます。
- ブランドは配送センターからリアル店舗に商品を出荷しています。
- 店舗スタッフはそれをバックヤードで入荷処理し、棚に置く必要があります
- オンライン注文が入ります。
この時点から、フルフィルメント受注運用コストが追加されます。
- ピッキングを行い
- パッキングエリアに持って行き梱包を行います。
- 出荷・配送を依頼します。
現実の世界で展開されているように、
オンライン注文を選択するための人件費は小売業者によって、そして場合によってはその日によっても異なってきます。(稼働率などの問題)
店舗スタッフを活用する場合は、
- 顧客へのサービス
- 店舗へのサービス
が、基本のワーク設計でのコストです。
つまり、店頭での在庫の出し入れや片付けにをするためや、業務に忙しくない場合は、スタッフ労働コストの観点からは、ピッキング・梱包は無料(埋没コスト)です。
配送は、より顧客の近くになるので安くなるはずですが。(日本では果たして。エリア運賃を安くしてくれるでしょうか?)
*富士ロジテックホールディングスのフルフィルメントセンターからの発送費用はこちらを参考に
富士ロジテックホールディングスが提供する、フルフィルメントサービス
フルフィルメントタスクとは
フルフィルメントタスク(業務)は、ダウンタイムや店舗トラフィックの少い時間帯に行うことではないために、多くのスタッフの主要なタスクになります。
そのようになるとコスト構造は変わってきます。
小売事業者のスタッフの仕事=業務=スキルへの期待は絶え間なく、スタッフとマネージャーにとっても緊張なしには実現しません。
大手小売事業者が店舗とは何かを再定義をしているために、スタッフは業務管理に必要な追加のリソースや時間なしに
「余分なタスクが追加された」
と考えているかもしれません。
- オンラインコマースへの参加や
- インスタグラムなどのソーシャルネットワークへの投稿
- オンラインでのコンシェルジュ
など業務タスクは今後とも益々増えていきます。
一方で、リアル店舗スタッフの人員を削減すると同時に役割を再定義していることはご存知のとおりです。
たとえば、
パートタイマー(派遣)を優先して、店舗のフルタイムスタッフを削減しているのは今に始まったことではないです。
同時に、デジタルコマースでスタッフが担当する業務の範囲を拡大していることは良く知られています。
1人のスタッフが、
- BOPIS/BORISなどの注文を処理したり、
- カスタマーサポートをしたり、
- 小売事業者のアプリを通じて仮想(バーチャル)での専門家になったり
しています。
返品は絶対にキラー
- 数店から数十、数百の実店舗リース
- 数人から数十人、数百人の店舗スタッフ
- およびその他の大量のコスト
を削減し、代わりに1つまたは複数のフルフィルメントセンターから全国に商品を出荷(分散出荷)することは、商品を販売するために、より有益な方法である可能性があるかのように、そして簡単であるかのように言われています。
これ以外にも、拡張バージョンとして、ショールーミングショップ(売らない店)をしてもモデルも検討、展開されてもいます。
そもそも、実店舗ネットワークを持っていなかったDTC(D2C)事業者をみてください。
そこには、実店舗ネットワークを持たないことで回避できたコストと、単一の流通ポイントを持っているだけで参入障壁が低くかったことを考えてみてください。
小売事業者ブランドが、従来のリアル店舗というシングルチャネル販売を持っている限りでは…
「商品が戻ってこない」
確率はとても高かったので、それはとても美しいビジネスモデルでもあります。
しかし、デジタルも含めたOMOでは、
- デジタルマーケティングの高額な費用
- ラストマイル費用
- 収益
などの多くの要因がその方程式を複雑にします。
商品自体も重要です。
カテゴリごとの収益率の変化も、eコマースのコストを複雑にします。
収益が非常に高くなる傾向があるという理由だけで、アパレルとフットウェアはデジタルコマースへのチャネルシフトを実施しています。
しかし、返品・交換の購買後体験の流通コストが高いと指摘されてもいます。
オンラインでの返品コストが、顧客が実際に購入する1足あたり2足または3足の靴で、どれだけのコストと収益に相当するかを、ナイキなどは重要な指摘をしています。
慎重な小売業者が考えていることは、今ではよく知られているように、返品・交換はすべてのチャネルを通じてコスト全体を混乱させていることです。
「返品:リターンは絶対にキラーだ」
「それは販売の見返りであり、マージンの見返りであり、あなたはただコストを吸収しているだけだ。」
10,000円のアパレルウエアでは、マージンへのコストヒットは、
- 配送センターへの配送による返品の場合は1,000円で
あるのに対して - 店舗への返品の場合は200円かも
しれません。
言い換えれば、リターン・エクスチェンジまでを検討する場合は、オムニチャネルの設計と運用はさらに重要になります。
*オムニ・OMO TV で詳細をご確認ください。
店舗タギングとデジタルコマースタギング
オムニチャネルのアイデアが実際に店舗を持つ小売事業者が支持しているのは、店舗が収益を得るのに適した場所であるためです。
リアル店舗で返品するのは非常に経済的です。小売事業者はそれを再価格設定することができます。
また、販売セクションを持っている可能性があります。
それで、合理的な方法で返品商品を片付けることができます。
そして、再パッケージもします。
お金を節約するためにお金を使う
変動費に加えて、オムニチャネル機能(テクノロジー、プロセス、自動化など)には多大な費用がかかります。
これらはすべて利益を生みます、長期的にはより利益を後押しする可能性があります。
先行技術投資の多くは、長期的にはオムニチャネル運用をより効率的にすることに向けられている必要があります。
これらの機能が有効になると、
- コストの削減
- 在庫の生産性の向上
に本当にプラスの効果があります。
在庫は倉庫では生産的ではありませんが、店舗では非常に生産的です。それは、複数のチャネルで販売できることも含まれています。
注文と在庫の管理は、最も重要な機能の1つ
店頭からの発送データは、
- どのシステムで入力するのか
- 店舗間の発送依頼と在庫振り分けは
- リードメディアは
顧客がオンラインでの注文で、店舗でのピックを行うときはいつでも商品があることを確認するメールを待つように言われます。
顧客は、店舗へピックアップためにする移動を開始するだけですみます。(店頭在庫確認も同じです。)
そして、何らかの在庫の不一致がある場合、それはゲストの不満につながります。
レジでの昔ながらの販売の場合
POSおよび在庫システムは
「非常にハードで非常に成熟しているため、安価です」
オンラインで購入し、店頭で受け取るサービスを提供することと検討すると、突然、DCセンターと同様のハンドヘルドデバイスを入手する必要があると言われるかもしれません。
それは、在庫管理のためのスキャン機能が必要になるためです。そのスキャン機能には、ほぼリアルタイムの在庫が必要です…そこでコストが発生します。
マルチタスクは、複数のチャネルで小売事業者のお金を節約できます。同時に複数のバスケットを選ぶことで時間を節約できると考えています。
配送センターから出荷する際に、一度に複数のアイテムを選ぶと、「アイドルウォーキング」を減らすことで収益性を向上させることができます。(ロボットでも同じこと)
すべてのチャネルで、
返品業務工数を減らすためには、コマースとOMSなどのシステムでの自動化により、ピック時間と労働時間を減らすことでコストを節約することもできます。
そしてもちろん、返品と返品業務を減らすために小売事業者ができることはすべて販売の利益に役立ちます。
まとめ
店舗チャネルの収益計算は、単純なマージンの内訳や売上原価を超えて実施することになります。
複数の販売チャネルとフルフィルメントチャネルを、顧客購買体験の「前」と「後」で最適化して持つことで、顧客を最初に小売事業者に誘導することができます。
オムニチャネルコマース(小売業)の成功ためには
強力な社内パートナーシップが必要です。
オムニチャネルのイニシアチブには、店舗運営、e コマース、マーチャンダイジングから在庫管理、ロジスティクス、財務に至るまで、組織内の多くの部門からの賛同、専門知識、およびリソースが必要です。
そして、ITシステムとフルフィルメントロジスティックス
小売事業者は、オムニチャネル変革の経験があり、組織が特定の目標に向けて取り組むのを支援できる、既存の ERP および CRM システムと統合するのに十分な柔軟性を備えた構成可能なMACHソリューションを展開している、新しいテクノロジー ソリューション プロバイダーも必要としています。
また、フィジカルなフルフィルメントを克服するために、
- 配送
- その他のロジスティクス サービス
に特化したサービスを提供するパートナーのエコシステムを通じてビジネス機能を拡張できます。
富士ロジテックホールディングスへご相談ください。
富士ロジテックホールディングスが提供する、フルフィルメントサービス
<プロフィール>
西間木 智
発送代行完全ガイド
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監修者
株式会社富士ロジテックホールディングス
西間木 智 / 通販営業部 部長
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
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