通販・D2C・Eコマース事業者の
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Written by 吉村慎之助
概要
グローバルファッション企業のビジネスにテクノロジーが与える影響は計り知れません。Covid-19 の大流行により、テクノロジーはD2Cをはじめとするファッション業界において極めて重要な役割を果たすことが明らかになりました。
Covid-19は、消費者の間でeコマースの普及を加速させ、日々のワークフローや意思決定においてデジタルツールをさらに定着させるなど、この業界に限らず、I(インフォメーション)テクノロジーが果たす重要な役割を明らかにしています。これまでは、主に顧客向けのテクノロジーに焦点が当てられてきましたが、今日の経営環境において、ブランドはテクノロジーアプリケーションの領域と、より詳細な機能・サービス提供を拡大する必要があるようになってきています。
ファッションブランドや事業者は、サプライチェーンなどの混乱に対してより強く、対応できるようになるためだけでなく、サステナブルなソリューションを求めていると言われる状況の中で、よりレスポンシビリティとトランスパレンシーを高めて、顧客に提供するためにテクノロジーを必要としています。
このような背景から、ファッション企業はテクノロジーへの投資を拡大しています。2021年の売上高の1.6~1.8%から2030年には3~3.5%になると予想されます。
ファッション企業の機動性を高め、環境・社会的責任を果たすことを目的としたテクノロジー企業は注目をあびることになるでしょう。
これらのテクノロジーを採用できないファッション企業は深刻な課題に直面することになると思われます、 一方で、テクノロジーに精通した企業は、収益面で大きなメリットを得られるはずです。
テクノロジーの影響は、
- 卓越した「顧客体験」
- 「顧客エンゲージメント」の創出
- サステナビリティ問題への対応
- 社内プロセスやオペレーションの改善
など、主要なビジネス領域で顕著に現れています。このことは、あらゆる価値観のファッション企業に当てはまりますが、ラグジュアリーブランドとマスマーケットブランドでは、顧客ニーズや事業モデルやテクノロジー採用の優先事項の違いに対応するため、ソリューションの展開が異なる可能性はあります。
このコラムでは、
- 経営者や専門家へのインタビュー
- 公開・非公開企業の分析
- マーケット情報
- 消費者調査に基づいた
ファッション業界のリーダーがテクノロジーリソースと投資優先順位をファーカスさせるべきビジネスチャンスを、ナビゲートします。
また、これらの機会にフォーカスを当てることで、リーダーがハイプやバズワードを超えて、テクノロジーが実際の課題やテーマを軽減して、業績に具体的な影響を与える方法についてインサイト得たり、探索することのをご支援できれば幸いです。
ハイプといえば、メタバース(三次元の仮想空間)の問題は尽きません。しかし、ファッションブランドにとって、2021年にバーチャルグッズへの世界の支出が約1100億ドルに達し、2015年の総額の2倍以上になるという事実を無視することはできなく、賢明ではないかも知れません。この支出は、2024年までに少なくとも1350億ドル相当になると予想されています。
現段階では、メタバースにおける多くの試みは主にマーケティング上の演習ですが、今後5年間では革新的なファッションブランドは、メタバースにおける活動から収益の最大5%を生み出すことができると言われています。デジタルワールドにおけるバーチャルスキンは、その収益ストリームの大きな推進力となり、NFTは業界のペインポイント(*後ほど解説します。)の解決と顧客ロイヤリティの強化に貢献することができます。
について
- #1 METAVERSE REALITY CHECK"
- #2 HYPER PERSONALISATION"
- #3 CONNECTED STORES"
- #4 END-TO-END UPGRADE"
- #5 TRACEABILITY FIRST"
の5つのテーマで俯瞰していきます。
ファッション企業がテクノロジーを拡大する理由
企業はデジタルのチャンスに傾注する中で、顧客ロイヤルティを高めるため、体験のスーパーパーソナライゼーションに注目するようになります。
Netflix
タイトル:The Netflix Recommender System: Algorithms, Business Value, and Innovation
著者:Carlos A. Gomez-Uribe, Neil Hunt
掲載誌:ACM Transactions on Management Information Systems, Vol. 6, No. 4, Article 13
発行日: December 2015
URL:https://dl.acm.org/doi/pdf/10.1145/2843948や
Spotify
音楽サブスクの2トップ、SpotifyとApple Musicのレコメンドシステムはどう違う?
がAIを活用して個々の顧客の好みやニーズに合った体験を提供しているおかげで、買い物客は他の業界ではカスタマイズされパーソナライズされたサービスを期待するようになっています。
しかし、ファッション業界は、技術や人材の制約から、基本的な顧客セグメンテーションの域を超えることはほとんどできていないのが現状です。AIモデリングとビッグデータに投資し、1対1のパーソナライズされたショッピング体験を実現するブランドは、結果として顧客獲得率と売上が増加する可能性があります。
同様に、実店舗でテクノロジーを活用し、オムニチャネルの顧客体験を増強する必要があるでしょう。ブランドや小売事業者がリアル店舗内のテクノロジーを導入し、適応させることで、オンラインとオフラインのチャネル間のギャップを埋めることができます。
例えば、店員用の店舗内モバイルアプリは、良い接客方法を提供し、店舗内顧客用アプリは、顧客の関心を引き、店舗での滞在時間を増やすことができます。
一方、リアル店頭以外では、ロボット工学や在庫最適化ソフトウェアなどのツールにより、ブランドや小売業者がマイクロフルメントセンターを設立し、実店舗を流通・配送ネットワークにおけるデジタルノードとして統合することができます。マイクロ・フルフィルメント・テクノロジーは、効率を高め、フルフィルメント・コストを最大90%削減することができます。また、配送時間の短縮により、顧客満足度を向上させることができます。
その裏側では、需要予測から輸送業務に至るまで、バリューチェーンに沿った内部プロセスにテクノロジーが影響を与えています。ファッション企業のバリューチェーンの多くの部分はすでにデジタル化されていますが、多くの関係者にとっての課題は次の通りです。
ファッション企業のバリューチェーンの多くはすでにデジタル化されていますが、多くの企業での課題は、デジタル化がサイロで行われていて、機能間でデータや知識を共有する際にボトルネックやその他の非効率性を生み出していることです。
その結果、ファッション企業は、2025年に向けてデジタル化を進めるべき分野のトップ5に、組織全体のデジタルプロセスを統合することが含まれると考えています。このような統合のメリットには、
- 市場投入のスピード
- フルプライスセールススルー率(*解説)の向上
- 製造コストの削減
などがあります。
サプライチェーンのデジタル接続の重要性
サプライチェーンのデジタル接続は、ファッションにとってもう一つの領域のサステナビリティで重要となってきます。
トレーサビリティソフトウェアは、ブランドがライフサイクル全体やサプライチェーンのさまざまな部分で製品を識別、監視、管理するのに役立ち、ブランドの環境や社会的影響に関する透明性の向上を求める規制当局、顧客からの要求に対応しようとしながら、業界のサステナビリティへの取り組みに欠かせないものです。
サステナビリティの課題の大きさを考えると、こうしたトレーサビリティの取り組みは単独ではうまくいきません。ブランド同士や新興企業、業界団体と協力し、共通のデータ標準を確立し、ソフトウェアプラットフォームやオープンレジャー(非中央集権的な金融取引所のこと)、ビッグデータ技術を通じてデータや知識を共有することを検討すべきだと考えられます。
本コラムは、あらゆる価値観のセグメントとテクノロジー導入曲線のあらゆる段階にいる意思決定者を対象にして、ファッションのテクノロジードライブを担おうとするブランドと小売事業者にとって、これらのチャンスを明確にして実行可能なステップにしています。
今日まで、真に競争力のある考え方でテクノロジーを受け入れてきたブランドや小売事業者はほとんどいないと言われています。
現在、ファッションとテクノロジーは、企業が新しい市場に進出し、より深いレベルの顧客ロイヤルティを獲得し、データ駆動型の施策と意思決定を確立するために、作用し合っています。ファッション業界のリーダーたちは、組織全体のさらなるデジタル変革を求める中で、テクノロジーを優先し、それに応じて会社の人材とリソースを調整する必要があります。
業界の展望
技術の大加速に備えよ!
2021 年、ファッション企業は平均で売上高の 1.6 ~ 1.8% をテクノロジーに投資し、2030 年までに、この数字は 3 ~ 3.5% に増加すると予想されています 。
実際、顧客とのやりとりのデジタル化に焦点を当てた数十年にわたる技術革新の後、ファッション技術の進歩は現在、バリューチェーン全体にわたって加速しています。広範囲の自動化と、より高性能なAIの分析により、インサイドプロセスから顧客体験に至るまで、テクノロジーはファッション業界を飲み込みつつあります。
では、なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。専門家が指摘するように、今後10年間で、私たちは過去100年を超えるテクノロジーの進歩を目の当たりにすることになります。
一方、企業が生成するデータの75%以上はクラウドやエッジコンピューティングによって処理され、ウェブサイトやアプリのロード時間を改善し、顧客体験の満足度を向上させる事が予想されます。
2030年には、世界人口の80%以上が5Gネットワークにアクセスできるようになり、モノのインターネット:IoT(Internet of Things)機器間の接続とデータ転送の高速化が実現すると予想されています。
一方、パンデミックによって定着したファッション消費者のデジタル化は、今後も続くと考えられています。2022年には、人々は1日あたり平均4時間近くをスマートフォンでインターネットを利用するようになります。2022年にオフラインからオンラインショッピングのチャネルに移行した顧客の理由の内訳は以下の通りです。
- 48%がCovid-19の大流行、
- 27%が利便性
- 11%が商品の入手可能性
- 11%がプロモーションのため
と答えています。Covid-19は、ファッション業界の顧客のブランドとのデジタルでのやり取りを増加させ、2022年には半数以上がオンラインでの場・ランドとのやりとりをしたと回答しています。
テクノロジーに依存することでパンデミックやその他の難題を乗り切った企業は、今後のデジタルエコシステムで成功するための貴重な教訓を学んだことになります。これらの企業は、2030年までにキャッシュフローが累計で118%増加する可能性があるとされています。
ファッション業界に進出し始めた企業にとっては、現在から2030年の間にAIを活用した取り組みを行うことで、キャッシュフローを13%増加させることができます。2030年までにそのような取り組みを行っていない後発企業は、相対的に23%の減少を見込んでおく必要があるほどその効果は絶大です。
ファッション業界の経営者は、ビジネスを成長させ、収益性とキャッシュフローを最適化するだけでなく、サステナビリティに関する目標の達成やサプライチェーンのリスク軽減など、業界の現在求められる課題に対処するため、テクノロジーに傾注しなければいけなくなっています。
このように、これまでの業界のテクノロジーへの投資は、Eコマースへの投資が大きな割合を占めていましたが、現在は内部プロセスのデジタル化にも焦点が当てられています。ファッション業界の経営者が、現在から2025年の間にデジタル投資を行う予定の上位3分野は
あらゆるセグメントのブランドが、需要計画や価格設定などのプロセスに対して、AIや機械学習への投資を増やしているのが現状です。Inditexは2020-2022年の計画でオンライン機能とテクノロジーソリューションに27億ユーロの投資をするとし、Nikeは需要予測、インサイト収集、在庫管理などのデジタル機能に投資することで変革を加速しています。一方で、LVMHはGoogle Cloudと提携し、クラウドベースのAIや機械学習技術を利用して、需要予測、在庫最適化、パーソナライズドサービスを強化しています。
ビッグデータサイエンス、高度な分析、デジタルワークフローが従来のクリエイティブプロセスを強化することで、ファッションの新しいパラダイムが生まれつつあるのです。この移行は、ブランドがデータサイエンティスト、エンジニア、アナリストの雇用を増やす一方、パートナーシップや買収を追求する中で、新たな人材能力によって支えられる必要があります。
ファッション業界の重役がどこに注目し、リソースを向けるべきかを検討する際の、テクノロジー主導の業界における5つの必須事項が以下の通りです。
- メタバース・リアリティチェック:バーチャルグッズと拡張現実
- ハイパー・パーソナライゼーション。データおよびAIを活用したマーケティングとeコマース
- コネクテッド・ストア モバイルアプリやマイクロフルフィルメントによる店頭での顧客体験
- エンド・ツー・エンドのアップグレード AIを活用したバリューチェーンの統合
- Traceability First:サステナビリティのためのブロックチェーンとトラッキング技術
意思決定者は、ハイパーコネクテッドで急速に進化する業界の時代に向けて組織を準備しながら、ビジネス目標に沿った方法でこれらの機会を捉えるために、テクノロジー投資の優先順位を決定する必要があります。
しかし、新しいテクノロジーの統合は、特にそれが戦略的に適していなかったり、使い勝手が悪かったりすると、リソースを大量に消費することになり、その結果、試作的に適していなかったり、使い勝手が悪かったりして、従業員に採用されない場合は、リソースを浪費することになります。したがって、テクノロジーへの投資は賢く行う必要があり、コアテクノロジーそのものだけでなく、会社のチェンジマネジメントにも向ける必要があります。
どのような投資アプローチをとるにせよ、経営者は企業の変革意欲を理解し、工場から店舗に至るまで、新しいデジタル文化を実現するための環境を整える必要があります。変化を受け入れる事ができる柔軟な企業の競争優位は顕著なものになるでしょう。
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ファッションテクノロジー"#1 METAVERSE REALITY CHECK"
プロフィール
吉村慎之助
東京生まれ東京育ち、金髪坊主でピアノ弾けるやつだいたい俺っち
Z世代 Travis Scottレベルの家を持つのが夢$$$$
仮想現実関連の仕事に興味があります。将来誰も想像したことのないような自分のブランドを作りたいです。
SE勉強中 3Dアート制作に手を出し始めた。
日本にしかない良さと海外の合理的で革新的な仕組みを掛け合わせれば世界中がワクワクするモノを生み出せると考えています。
僕らの世代の日本を世界レベルにするため+自分の勉強のため、最新のアパレルファッションやEC、Metaverseに関連するテクノロジー、その他にもワクワクするような技術、海外の同世代のトレンドなどの情報を発信します。
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