国内外のECをはじめ、リユース、美容・健康、音楽などあらゆるジャンルで執筆中のフリーランスライター。中国への留学経験を生かし、13年間、繊維製品や楽器、雑貨の輸入業務に携わる。現在はライター業のかたわら、個人で越境ECのセラーとしても活動中。
「在庫が合わずに、売り越しが発生した」
「在庫管理を正確にする方法はないの?」
など、お悩みではありませんか?
売り越しが発生すると、顧客離れやショップへの評価が下がらないか不安になりますよね。売り越しを防止するには、正確に在庫を把握することが何より重要です。
そのためには在庫管理システムの導入やフルフィルメントサービスを利用し、業務を自動化することが解決への近道です。
この記事では売り越しについて、発生する原因や防止するための在庫管理方法、システム導入の成功事例まで解説します。
ECにおける「売り越し」とは?
ECや小売業で使う「売り越し」とは、把握している在庫数に対して販売数が上回り、在庫切れになることを指す用語です。
売り越しが発生すると注文キャンセルによる販売機会の損失だけでなく、クレームや顧客満足度の低下につながります。ショップの口コミで悪い評価がつくと、やがて大きな損失を招くことにもなるでしょう。
EC運営を成功させるには、在庫を正確に把握し、売り越しを防ぐことが重要なのです。
売り越しが発生する原因
売り越しの意味がわかったところで、ここからは売り越しが発生するおもな原因を3つ解説します。
- 在庫管理が不適切
- 販売経路のオムニチャネル化
- 複数の店舗展開
在庫管理が不適切
ヒューマンエラーが起きやすい管理方法では、在庫管理が適切とはいえません。
たとえば、Excelやスプレッドシートなど表計算を使って、在庫を管理しているという企業もあるでしょう。在庫管理は単純でありながら細かい作業です。たとえ数字ひとつ、もしくは一桁入力ミスをしただけでも在庫数に誤差が生じます。
また人が在庫管理をしている場合、担当者が固定化されているケースが多く、社内で適切に情報共有がされないこともあります。
とはいえ、人はどうしてもミスをしてしまうもの。こうしたヒューマンエラーによる売り越しを防ぐためにも、在庫管理はシステムを導入するなど自動化するのが好ましいでしょう。
販売経路のオムニチャネル化
オムニチャネルとは、オンラインとオフラインの複数の流通経路を顧客に提供する販売戦略のことをいいます。
具体的には、実店舗以外にもECサイトやカタログ、アプリなど同時進行で販売する形式がこれに該当します
オムニチャネルのメリットのひとつは、顧客の利便性が上がり、満足度を向上させられる点です。しかし一方で、チャネル(流通経路)間の在庫データが統一されていない場合、売り越しが発生しやすくなります。結果、利便性も顧客満足度も低下し、オムニチャネルが機能しない事態が引き起こされます。
オムニチャネル展開を成功させるには、在庫管理の一元化が不可欠だといえるでしょう。
<関連記事>「オムニチャネルとは?マルチチャネルとの違い・導入のメリットデメリットも解説」
複数の店舗展開
複数の店舗展開をしているショップも、売り越しが発生しやすくなります。
たとえば、楽天市場やAmazonなど複数のモールに出店しながら自社ホームページでも同時に販売するといったケースです。在庫数を更新するタイミングによっては複数の店舗で同じ商品が購入され、どちらかの店舗で売り越しが生じることがあります。
また店舗によってあらかじめ在庫数を振り分けておくという方法も主流です。しかしこの場合は他の店舗にある商品が違う店舗では在庫切れになっていることがあり、販売機会の損失につながってしまいます。
複数店舗の運営をするショップは、在庫管理システムの導入により機会損失を防ぐと同時に、煩雑な在庫管理からも解放されるでしょう。
在庫管理を徹底し売り越しをなくすメリット
在庫管理を徹底するためには相応の工夫が必要となりますが、売り越しを防止するメリットは大きいといえます。
なぜなら売り越しが原因のキャンセルにより、商品を購入してくれた顧客からの期待を裏切ることがなくなるからです。クレーム対応に時間を割く必要がなくなると同時に、ショップへの低評価を予防できます。販売できるはずだった注文のキャンセルがなくなり、販売損失を防ぐ効果も。
売り越しがなくなると顧客の信頼度が高まりリピーターが増えるため、長期の利益向上にもつながるでしょう。
売り越しを防ぐ在庫管理の特徴
では売り越しを防ぐための在庫管理には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは以下3点について解説します。
- 在庫管理を自動化している
- 在庫切れを把握している
- 受注や出荷、在庫管理をまとめて外注している
在庫管理を自動化している
在庫の一元管理ができるシステムを導入すれば、在庫の調整が自動化できます。
システムの中には店舗をまたいで在庫数が連動するものもあり、複数店舗の運営でも売り越しを防げます。
さらにオムニチャネルにも対応できるシステムなら、オンラインで注文した商品を実店舗で受け取るサービスの実現も可能です。
システムの導入によりヒューマンエラーによる在庫切れを防ぐだけではなく、事務処理にかかる人件費や労働時間の削減にもつながります。
在庫切れを把握している
在庫管理システムで在庫の連動が可能になっても、在庫切れを把握できなければ売り越しを起こしてしまいます。
在庫切れを把握するには、システムの導入時に在庫切れのお知らせ機能があることを確認しましょう。
在庫が残り少なくなった時と、切れた時の両方で通知が受け取れるのがベストです。
受注や出荷、在庫管理をまとめて外注している
物流代行会社にフルフィルメントサービスを外注すれば、物流作業も在庫管理もまとめて自動化できます。
フルフィルメントサービスとは、受注処理から在庫管理、出荷までを一括でおこなうサービスです。請け負う業務の範囲は、外注先の業者によって異なります。
フルフィルメントサービスを利用すれば、受発注を外注すると同時に売り越し問題もまとめて解決できます。
富士ロジテックホールディングスの物流代行サービスでは、受発注から在庫管理、出荷までを自動連携するシステムを採用。煩雑な業務の自動化が可能です。
自動連携システムについてより詳しく知りたい方は、
「ロジレスとShopifyを連携して出荷を自動化!メリットや料金、注意点を解説」をご参照ください。
在庫管理システム導入による売り越し防止の成功事例
実際に在庫管理システムを導入し、売り越しや在庫過多の防止に成功した事例を3つご紹介します。
事例1)OMSとWMSの在庫数が一致、売り越しを防ぎ省人化にも成功!
株式会社朝日新聞社のECサービス「朝日新聞モール」では、受発注から在庫管理、出荷までを自動連携する「LOGILESS(ロジレス)」を導入。売り越しの防止を実現しました。
LOGILESSはOMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)が一体型になっており、実在庫と理論在庫が1個単位で一致します。在庫管理を自動化した結果、人員を2人から0.3人にまで削減できました。
参照元:ロジレス
事例2)OMSとWMSの自動連携でリアルタイムに在庫を把握、作業の効率化を実現
物流代行サービスを提供する富士ロジテックホールディングスでは「LOGILESS」の導入により、OMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)の連携を自動化しました。両者が分かれている場合、CSVファイルの受け渡しが発生しミスが頻発します。
LOGILESSは受注と倉庫の管理が一体化したシステムなので、CSVファイルの受け渡し作業を省略できました。またリアルタイムに注文を把握できるので、誤出荷や出荷遅れ、売り越しの防止にもつながっています。
事例3)オムニチャネルにおける在庫過多と業務負担を解消
スポーツ用品を扱うタグチスポーツ店では、ネット通販の売上上昇にともない受注管理システム「ネクストエンジン」を導入。実店舗とネット通販のオムニチャネルの在庫データを一元化しました。
導入後は在庫過多が解消し、ピッキング作業時間を50%以上も短縮できています。
参照元:在庫スイートクラウド
外注なら在庫管理からリソース不足まで一気に解消!
在庫管理システムの導入を検討中で、人員不足や保管場所にもお困りならフルフィルメントサービスの外注がおすすめです。
外注により物流代行会社が利用している在庫管理システムを使えるので、新たに自社で導入するコストや手間が省けます。同時に、作業人員と保管場所の確保もかないます。
富士ロジテックホールディングスでは物流管理システム「LOGILESS」ほか、クラウドサービスを柔軟に導入し、受注管理から在庫データ、出荷までを一元管理しています。
業務の委託範囲はご相談によりオーダーメイドが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
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ライター
オガミキヨ
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