
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
佐川急便は、2023年4月1日より「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃値上げを行いました。
労働コストの上昇や労働環境の改善、品質の維持・向上のため、運賃値上げは必要なことではあるものの、値上げ分のコスト増加が懸念されています。少しでもコストを抑えるには、取り扱う商品に適した配送方法や、送料を把握しておくことが大切です。
本稿では、佐川急便の送料の算出方法・特徴を解説したうえで、具体的な料金シミュレーションまで紹介します。
佐川急便の送料算出方法
佐川急便の送料は、荷物の種類・輸送距離・サイズ・重さなど、さまざまな条件をもとに決定されます。さらに送る荷物の内容によって便種が分かれるため、送料が複雑となっています。
具体的な送料を知りたい場合は、佐川急便の公式ホームページに掲載される「料金検索」の利用がおすすめです。利用手順は以下を参考にしてください。
〇送料算出方法
|
ただし、配送地域によっては算出した送料に追加で中継料が発生します。発送先住所が離島や山間部などの場合は、担当営業所に問い合わせることで具体的な料金が把握できます。
佐川急便の主な配送サービス別概要と送料
ここからは、佐川急便の主な配送サービスの概要・送料について解説します。
- 飛脚宅配便
- 飛脚ラージサイズ宅配便
- 飛脚航空便
- 飛脚ラージサイズ航空便
- 飛脚ジャストタイム便
- 飛脚クール便
- 飛脚特定信書便
- 飛脚ゆうパケット便
- 飛脚ハンガー便
1.飛脚宅配便
飛脚宅配便は、3辺の合計が「160cm以内・重量30kg以内」の荷物を対象とするサービスです。ゴルフバッグ・スキー・スノーボードなどのレジャー用品も、配送可能です。往復便対応も可能なため、重たい荷物を運ぶ際にも便利に活用できるでしょう。
ただし、冷蔵品・冷凍品は、3辺合計が「140cm以内・重量30kg以内」と対象の荷物サイズが異なります。また、離島への配送は中継料加算があるなど条件が変わるため、注意してください。
運賃の目安は以下のとおりです。
〇運賃シミュレーション(関東から発送したケース)
サイズ |
北海道 |
関東 |
関西 |
南九州 |
60(2kg) |
1,340円 |
850円 |
970円 |
1,340円 |
80(5kg) |
1,650円 |
1,160円 |
1,280円 |
1,650円 |
100(10kg) |
1,960円 |
1,490円 |
1,610円 |
1,960円 |
140(20kg) |
2,460円 |
1,980円 |
2,100円 |
2,460円 |
160(30kg) |
2,690円 |
2,220円 |
2,340円 |
2,690円 |
出典:佐川急便「関東発 宅配(陸・航空)料金表」
また、荷送人が法人の場合はエリア限定ではあるものの、当日配達できる「飛脚即日配達便」が同一料金で利用できるため、急ぎの荷物の配送も安心です。
2.飛脚ラージサイズ宅配便
飛脚宅配便よりも大きな荷物の配送に利用できる飛脚ラージサイズ宅配便は、3辺合計が「160cm以上(260cm以内)・重さ50kg以内」の荷物と、複数個口の荷物が対象です。
ただし、自転車以外の二輪車(バイク)や大型家具など、車への積み下ろしが1人では不可能なものは対象外のため注意しましょう。
荷物が260サイズ以上、または重さ50kgを超える荷物は、佐川急便のチャーターサービスや飛脚大型家具・家電設置便にて対応可能です。
運賃の目安は以下を参考にしてください。
〇運賃シミュレーション(関東から発送したケース)
サイズ(※) |
北海道 |
関東 |
関西 |
南九州 |
170 |
4,240円 |
2,600円 |
3,360円 |
4,240円 |
180 |
4,780円 |
2,890円 |
3,660円 |
4,730円 |
200 |
5,890円 |
3,480円 |
4,480円 |
5,890円 |
220 |
7,480円 |
4,070円 |
5,240円 |
7,010円 |
240 |
9,360円 |
5,240円 |
6,830円 |
9,300円 |
260 |
11,720円 |
6,420円 |
8,420円 |
11,600円 |
※重さは50kgまで
出典:佐川急便「関東発 宅配(陸・航空)料金表」
3.飛脚航空便
飛脚航空便とは、航空機を利用し荷物を輸送するサービスです。航空機の利用によって、遠距離の輸送であっても最短で翌日午前中に荷物が届けられます。
航空便の運賃目安は以下のとおりです。
〇運賃シミュレーション(関東から発送・翌日中到着ケース)
サイズ |
北海道 |
四国 |
沖縄 |
60(2kg) |
1,914円 |
1,914円 |
1,914円 |
80(5kg) |
2,442円 |
2,343円 |
3,520円 |
100(10kg) |
3,410円 |
3,080円 |
4,686円 |
140(20kg) |
4,807円 |
4,686円 |
7,579円 |
160(30kg) |
6,292円 |
6,292円 |
10,560円 |
※沖縄向けは10kgごとに2,420円の加算
出典:佐川急便「翌日中配達の料金」
なお、航空便は「翌日中配達」「翌日午前中配達」「翌々日午前中配達(以下、R-Ⅳ)」と3種類に分かれており、運賃もそれぞれ異なります。
着日が翌々日でも問題なければ、R-Ⅳを利用すると翌日着の航空便料金よりも運賃負担が軽減されます。希望に合わせて選択しましょう。
4.飛脚ラージサイズ航空便
飛脚ラージサイズ航空便は、3辺合計「160cm以上(260cm以内)かつ50kg以内」の荷物・複数個口の荷物が対象です。
航空機の積載量に限度があるため、大型荷物や大量の荷物の輸送を依頼したい場合は、事前相談が必要です。
飛脚ラージサイズ航空便は、飛脚航空便同様にプランが3種類あるため、着日に合わせて選択することで、コストを抑えられるでしょう。運賃は下表を参考にしてください。
〇運賃シミュレーション(関東から発送・翌日到着ケース)
サイズ(※) |
北海道 |
四国 |
沖縄 |
170 |
10,692円 |
10,692円 |
15,400円 |
180 |
12,892円 |
12,892円 |
17,820円 |
200 |
17,292円 |
17,292円 |
22,660円 |
220 |
21,692円 |
21,692円 |
27,500円 |
240 |
30,492円 |
30,492円 |
37,180円 |
260 |
39,292円 |
39,292円 |
46,860円 |
※重さは50kgまで
出典:佐川急便「翌日中配達の料金」
5.飛脚ジャストタイム便
飛脚ジャストタイム便とは、翌日AM9時〜30分間隔で配達日時と時間指定ができるサービスです。通常の配送よりも運賃は上がりますが、急ぎの場合や着時間を指定したい場合に重宝します。
ただし、飛脚ジャストタイム便の利用対象は、荷物の受取人が「法人のみ」となっており、個人間でのやり取りでの利用はできないため注意してください。
〇運賃シミュレーション(関東から発送・翌日時間指定配達のケース)
サイズ |
北海道 |
関東 |
関西 |
沖縄 |
60(2kg) |
2,310円 |
1,980円 |
2,200円 |
2,200円 |
80(5kg) |
2,838円 |
2,090円 |
2,310円 |
3,806円 |
100(10kg) |
3,806円 |
2,266円 |
2,838円 |
4,972円 |
140(20kg) |
5,203円 |
2,640円 |
3,905円 |
7,865円 |
160(30kg) |
6,688円 |
3,190円 |
4,972円 |
10,846円 |
出典:佐川急便「翌日時間指定配達の料金」
6.飛脚クール便
飛脚クール便は、冷蔵品・冷凍品の品質を保ったままで配送できるサービスです。取扱ができる荷物サイズは「3辺の合計が140cm以内かつ重量30kg以内」であり、他社よりも扱える幅が広く、大きな荷物でも対応できる特徴があります。
飛脚クール便の運賃は、通常の配送料に追加で以下の「クール料金」が加算される仕組みです。
サイズ |
3辺合計・重量 |
料金(税込) |
60 |
60cm以内・2kg以内 |
275円 |
80 |
80cm以内・5kg以内 |
330円 |
100 |
100cm以内・10kg以内 |
440円 |
140 |
140cm以内・20kg以内 |
880円 |
- |
140cm以内・30kg以内 |
1,100円 |
出典:佐川急便「クール料金」
7.飛脚特定信書便
佐川急便が提供する飛脚特定信書便は、請求書や証明書などの「信書便物」が対象であり、特定の信書便の役務を提供するサービスです。佐川急便では、総務省より役務許可(許可番号総特49号)を取得済みであり、信頼のおけるサービスとなっています。
利用条件、送料は以下のとおりです。
〇利用条件
● 飛脚特定信書便【1号】 長さ・幅・厚さの合計が「73cm以上160cm以内」もしくは重量4kg以上30kg以内の荷物 ● 飛脚特定信書便【3号】() 3辺合計「160cm以内かつ重量30kg以内」の荷物、一冊の運賃が800円(税込)以上 なお、配送地域によっては、飛脚特定信書航空便を利用することで北海道から沖縄まで翌日のお届けも可能です。 |
出典:佐川急便「飛脚特定信書便 関東からの料金一覧」
〇運賃シミュレーション(関東から発送するケース)
サイズ |
北海道 |
関東 |
関西 |
南九州 |
80(5kg) |
1,650円 |
1,160円 |
1,280円 |
1,650円 |
100(10kg) |
1,960円 |
1,490円 |
1,610円 |
1,960円 |
140(20kg) |
2,460円 |
1,980円 |
2,100円 |
2,460円 |
160(30kg) |
2,690円 |
2,220円 |
2,340円 |
2,690円 |
出典:佐川急便「飛脚特定信書便 関東からの料金一覧」
8.飛脚ゆうパケット便
佐川急便と日本郵便が提携したサービスである飛脚ゆうパケット便は、衣類品やサプリメント、冊子やDVDなどを安価で発送できるサービスです。
配送方法は、ポスト投函する仕組みであり、受取人不在の場合でも受け取れるメリットがあります。以下のように利用条件がありますが、規定サイズのものであれば、全国一律料金で配達可能なため、送料のコスト削減がかないます。
〇利用条件
● タテ14cm以上34cm以内・ヨコ9cm以上・厚さ3cm以内 ● 3辺合計60cm以内・重量1kg以内 ● 送る側は法人のみ対象 |
出典:佐川急便「飛脚ゆうパケット便」
〇送料(全国一律)
厚さ |
送料(税込) |
1cm以内 |
250円 |
2cm以内 |
310円 |
3cm以内 |
360円 |
出典:佐川急便「飛脚ゆうパケット便」
他社類似サービスについて以下の記事で紹介しています。
「ネコポスとは?配送料金や送り方、梱包箱について徹底的に解説!」
「クリックポストとは?送り方や配達日数、料金、追跡を完全解説」(公開予定)
9.飛脚ハンガー便
飛脚ハンガー便は、スーツ・ブラウスなどの衣類をハンガーにかけた状態で配送できるサービスです。衣類限定であり、1枚〜大量の輸送まで利用可能です。衣類を畳む必要がなく、配送時のシワ防止などにも有効な手段となっています。
輸送には専用の梱包資材が必要になるものの、ハンガー便を利用することにより梱包や開梱などの手間が省け、人件費削減も期待できます。
送料は以下のとおりです。
〇送料(関東から発送するケース)
形式 |
送料 |
専用ハンガーBOX |
飛脚宅配便200サイズの運賃 ※発送地域が関東の場合:3,480円 |
専用ハンガーケース |
飛脚宅配便140サイズの運賃 ※発送地域が関東の場合:5,240円 |
出典:佐川急便「飛脚ハンガー便」
送料の例外
佐川急便の送料は、荷物サイズや地域によって規定がありますが、送る荷物によっては「例外」ケースがあるため、該当しているか事前に確認しておきましょう。
- 荷物別送料の例外
- 送料の割引サービス
荷物別送料の例外
荷物の送料は、種類や輸送距離、サイズなどで決定されます。ただし、ゴルフ用具や旅行カバン、スキースノボー用具、長尺物などは、3辺計が規定サイズを超えていても、例外として下表のサイズが適用されます。
荷物の種類 |
適用サイズ |
ゴルフバッグ 旅行カバン(スーツケース・ボストンバッグ) |
専用カバーの使用があれば、 140サイズを適用(重量は30kgまで) |
スキー用具・スノーボード用具 |
専用カバーの使用があれば 160サイズを適用(重量は30kgまで) |
長尺物 (最長辺600cmまで・短辺2辺の合計90cmまで・重量30kgまで、3辺計600cmまでの荷物) |
260サイズを適用 |
出典:佐川急便「飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便 運賃計算時のご注意」
なお、専用カバーを使用しなかった場合は、荷物の重量・サイズに応じた料金となるため、注意しましょう。
送料の割引サービス
大口出荷や持ち込みでの発送依頼は、以下のとおり割引サービスが受けられます。出荷量の多いEC事業者様は、割引サービスの利用により、経費削減が期待できるでしょう。
持ち込み割引
佐川急便の各営業所・サービスセンター・取次店へ荷物の持ち込み依頼をした場合、1個につき100円の減額が受けられる。
※ご契約運賃・着払い発送は対象外
数量割引
一度にまとまった荷物量を発送する場合、下表の割引が受けられる。
※着払い発送は対象外
数量 |
割引率 |
11個~50個 |
10%割引 |
51個~100個 |
15%割引 |
101個~500個 |
20%割引 |
501個以上 |
30%割引 |
出典:佐川急便「運賃計算時のご注意 信書(陸・航空)」
他社の宅配サービスと比較
佐川急便以外にも「ヤマト運輸」や日本郵便がサービス提供する「ゆうパック」などさまざまな宅配サービスがあります。送料のコスト削減には、取り扱う商品によって宅配サービスを使い分けることも有効な手段の一つです。
以下では、佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便の宅配サービスの内容を比較します。
〇小さな荷物の配送料金(東京~大阪への発送)
運送会社 |
60サイズ |
80サイズ |
佐川急便 |
970円 |
1,280円 |
ヤマト運輸 |
1,060円 |
1,350円 |
ゆうパック |
970円 |
1,200円 |
60サイズの小さな荷物は、佐川急便・ゆうパックであればお得に利用できます。
80サイズになると、最高値のヤマト運輸とゆうパックの送料の差は150円となっており、80サイズに収まる商品を扱っているEC事業者様はゆうパックを利用することでコスト削減が期待できるでしょう。
〇一般的な配送サービスの最大重量
運送会社 |
最大重量 |
佐川急便 |
50kgまで対応可能 |
ヤマト運輸 |
30kgまで対応可能 |
ゆうパック |
25kgまで対応可能 |
上記の表のように、宅配便で輸送できる荷物の重さは運送会社によって最大重量が決まっています。規定重量を超えた場合、大型家具などの家財専用の配送サービスへ切り替えとなってしまうため、コスト負担が大幅に増加するリスクがあります。
佐川急便(ラージサイズ宅配便)であれば、最大50kgまで配送可能なため、重たい商品を扱う場合にも有効活用できるでしょう。
EC事業者は発送代行の利用で送料が格安に!
佐川急便の配送サービスは、さまざまな種類があり、荷物の種類やサイズ、到着日・到着時間指定などによって送料が異なります。
佐川急便は宅配便のサービスレベルでは、他社サービスと比較しても安価であり、さらに割引適用があるため、コストを抑えられる運送会社といえるでしょう。なお、送料にかかるコストをさらに抑えたいEC事業者様は、自社発送よりも発送代行の利用も一つの手段です。
富士ロジテックホールディングスでは、100社以上の通販事業者との発送代行実績があります。毎月安定した出荷件数が確保できているため、一般運賃よりも安価な送料で利用可能です。「コストを抑えたい」とお考えのEC事業者様は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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ライター
梅山茜
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
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