物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
流通用語で広く使用される「アッセンブリ」は、一般的に「複数のものをまとめる・組み立てる作業」を意味します。
流通業界だけでなく、さまざまな業界で用いられている用語のため「具体的にどのような意味を指すのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
本稿では「アッセンブリ」の意味を解説したうえで、物流業界における定義や運用方法、アッセンブリ作業を自社で行うメリット・デメリットまで解説します。
アッセンブリの意味とは?
アッセンブリ(アセンブリ)とは、英単語の「assembly(組み立て・集合)」が由来です。日本語訳のとおり、一般的には商品の生産工程において、さまざまな部品を集めて組み立てる加工作業のことを意味します。
アッセンブリは、おもに流通(物流)業界で多く用いられていますが、他にも製造・印刷・食品・IT業界などで幅広く用いられています。
ただし、アッセンブリという言葉は業界によって意味合いが変わるため、使用する際は注意が必要です。各業界でのアッセンブリの意味合いを正しく理解したうえで活用しましょう。
各業界における意味合いは、別章にて解説します。
物流業界におけるアッセンブリの意味
物流業界におけるアッセンブリとは、商品を完成させる組み立て作業のみでなく、商品の箱詰めや販促物の封入、梱包作業などの「流通加工」も含みます。
具体的にはお中元やお歳暮、ギフトボックスのような箱詰め作業、販促チラシやサンプル品を仕分け・封入する作業などです。
つまり物流業界では、商品価値を高めるための加工全般を意味しています。
富士ロジテックホールディングスの倉庫では、自動車関連製品の組み立て作業も対象です。アッセンブリの言葉が示す範囲の広さがうかがい知れるでしょう。
他業界におけるアッセンブリの意味
物流業界以外にも、アッセンブリという言葉は多く用いられています。ここでは、各業界のアッセンブリの意味を解説します。
製造業界
製造業界で使用されるアッセンブリとは、さまざまな部品を集めて一つの製品を作り上げる「組み立て作業」のことです。
具体的には、テレビや電子レンジなどの電化製品の組み立て、自動車の各パーツ組み立て、大量生産工場におけるライン作業などが挙げられます。
また、企業によっては、ライン作業全般や組み立てられた部品そのものを「アッセンブリー」と呼ぶケースもあります。他にも「アッセン」や「ASSY(アッシー)」と略されて用いられることもあるため、把握しておくとよいでしょう。
印刷業界
印刷業界においてアッセンブリは、組み立て作業だけに留まらず、検品・封入・梱包までを含んだ広い意味で活用されます。
具体的には、DM用のチラシやクーポンと一緒に、ノベルティを封入する作業をアッセンブリと呼んでおり、印刷物の汚れチェックやノベルティの検品作業なども含まれます。
食品業界
食品業界で用いられるアッセンブリは、おもに食品・菓子の二次加工セットアップのことを意味します。
セットアップ加工とは、包装済みの食品などを、指定された数量に合わせて、箱や袋に詰める作業のことです。食品を直接包装することを「一次包装」と呼び、セットアップは「二次包装」とも呼ばれます。
IT業界
IT業界では、おもにプログラミング言語の「アセンブリ言語(アセンブラ言語)」もしくは「.NET Framework(ドットネットフレームワーク)」の用語です。
「組み立てる」という言葉は同じですが、物理的な組み立てではなく、システム構築に向けて使用するパーツの一部という意味合いで使用されています。
物流業界におけるアッセンブリ作業例
ここからは、物流業界におけるアッセンブリ作業の具体例を紹介します。
〇ギフト商品
・贈答箱の組み立て ・化粧品サンプル、お中元、お歳暮の箱詰め作業 ・福袋商品のセット作業 |
〇イベント向け商品
・イベント告知用DM封入作業 告知チラシ、参加申込書、入場券、ノベルティの仕分け、封入、発送 ・イベント配布用セット作業 イベントチラシ、パンフレット、参加者向けのノベルティを配布用袋へのセッティング・梱包・発送 ・展示用POPの組立・パッケージ |
〇スクール教材商品
・受講テキスト、DVD等の教材のセッティング・梱包・発送 |
上記内容は一部作業であり、物流の専門業者であれば、企業が求める仕上がりや希望に合わせて、さまざまなアッセンブリ作業の対応が可能です。
アッセンブリを自社で行うメリット
自社でアッセンブリの作業体制が整っていれば、委託コストを削減できる点がメリットに挙げられます。
自社で仕分け・セット作業・封入・梱包・発送まで一連の作業を担うことは、手間やコストがかかるものの、こうしたノウハウの蓄積は企業にとって大きな財産になるでしょう。
経験や実績の積み重ねによって、作業課題の解決方法や作業効率の向上に役立つため、より精度の高いアッセンブリ作業も可能になります。
アッセンブリを自社で行うデメリット
アッセンブリ作業は、キャンペーンなど商品の売り出し方法によって、作業内容が異なります。効率的に作業を行うには、ノウハウが必要となるケースも少なくありません。
アッセンブリ経験の浅い企業が自社で作業をする場合、作業コストや人材教育にかける時間や人員確保などに、多大なコストが発生する可能性も。
長期的にアッセンブリ作業を自社で対応する場合は、ノウハウ蓄積のための初期投資は有効です。しかし、今後委託を検討している企業は、初期投資をせずにあらかじめ経験豊富な代行業者に委託することも一つの手段です。
委託業者は物流業務を専門としているため、作業を行うための設備や人材教育などの環境も整っており、コストを抑えつつ委託したい業務を任せられるでしょう。
アッセンブリの委託先を選ぶポイント
ここでは、アッセンブリを委託する業者を選ぶポイントを解説します。
- アッセンブリのノウハウ・実績があるか
- 商品が適切に管理できる体制か
- コストが予算に見合っているか
アッセンブリのノウハウ・実績があるか
委託業者を決定する際に、アッセンブリ作業の経験値の確認は重要です。依頼内容によっては、作業内容が煩雑化するケースもあり、経験の浅い業者の場合、低品質な仕上がりになるリスクがあるためです。
安価な業者を選択することも一つの手段ですが、ノウハウや実績のない業者に委託してしまうと、ミスの発生リスクが高くなることが懸念されます。
ミスが頻発し、結果としてコストがかかりすぎる可能性も。業者を選ぶ際は、過去の実績や作業環境を細かく確認し、安定した作業を依頼できるかを見極めましょう。
商品が適切に管理できる体制か
委託業者を選ぶうえでは、在庫管理体制の確認も必要でしょう。流通加工を依頼する関係上、商品を預ける必要があるためです。
在庫管理システム導入の有無、棚卸のルール・報告方法など、現状の運用方法を事前確認しておくとよいでしょう。
自社商品のジャンルによっては、賞味(消費)期限や温度・湿度の管理体制など、商品の品質維持のために、委託業者が対応できる範囲を把握しておくことも大切です。
コストが予算に見合っているか
アッセンブリ作業を委託する場合、依頼したい作業内容や、どの程度コストがかけられるか事前に予算を算出しておくことも重要です。予算や作業内容が定まっていない場合、正確な見積りを依頼できないため、実稼働した際に追加コストがかかるおそれがあるためです。
また、価格の安さだけを売りにしている業者には、注意が必要です。低コストで依頼できるメリットはあるものの、低品質な仕上がりでは依頼する意味がありません。作業クオリティと予算のバランスが取れた業者を選ぶためには、複数社に見積り依頼をすると判断しやすくなるでしょう。
<関連記事>「梱包代行のおすすめ業者5選!集荷もできるサービスや料金、選定方法まで」
アッセンブリを効率よく運用するなら物流のプロに委託するのも効果的
アッセンブリとは、さまざまな部品を集めてセットする、組み立てる作業のことです。おもに流通業界で使用されており、業界によって意味合いが異なる特徴があります。
物流業界においてアッセンブリとは、商品価値を高めるための「流通加工」作業を意味しており、消費者ニーズに応えられるアッセンブリ作業は、多くの企業が重視しています。
富士ロジテックホールディングスでは、物流業務のアウトソーシングサービスを幅広く展開しており、豊富な実績とノウハウを蓄積しております。ニーズに合った作業内容を提案可能なため、アッセンブリ作業の委託をご検討中の企業様は、まずはお気軽にお問い合わせください。
<関連記事>「流通加工とは?その種類と課題、物流倉庫に外注するメリット・デメリット」
発送代行完全ガイド
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ライター
梅山茜
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
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