梅山茜
梅山茜

物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。

出荷作業を改善する5つの秘訣!改善フローと事例も紹介!

出荷作業

出荷作業を改善する5つの秘訣!改善フローと事例も紹介!

出荷作業とは、受注してから荷物を発送するまでの各工程を指します。工程が多く、ミスが発生しやすい作業です。

度重なるミスの発生は、物流業務全体の作業効率を低下させる要因の一つであり、会社全体の売上にも大きく影響します。とはいえ、出荷業務の効率化を図りたいものの、適切な改善策が分からずに悩む企業も多いのではないでしょうか。

本稿では、出荷作業を効率化するための具体的な改善フローや効率化するコツ、改善事例を解説します。参考にしてください。

出荷作業で問題が起こりやすい業務

まずは、出荷作業で問題が起こりやすい業務を確認しておきましょう。

  1. 受注情報の管理
  2. ピッキング
  3. 梱包・発送

1.受注情報の管理

まず1つ目は受注情報の管理です。手作業による受注管理は人的ミスが起こりやすいためです。

具体的には「受注数の確認・入力ミス」「商品コード・顧客番号の入力ミス」「特記事項の確認ミス」などが問題に挙げられます。

繁忙による焦りやチェックの体制の整備不足など、確認作業が曖昧な場合に特に発生しやすいため、注意しましょう。

2.ピッキング

ピッキングは、倉庫内に保管される多くの商品の中から、該当商品を探す作業です。見間違いや勘違いによって指示と異なる商品(数量・カラー・サイズ・商品コード間違え)を誤ってピッキングするリスクがあります。

また、人的ミスだけでなく、倉庫内が環境整備されておらず、商品の場所が分からないといった場合にも問題が発生しやすいため、要注意です。

<関連記事>「倉庫の作業を効率化する9つの方法!課題から見る改善のアイデアを解説

3.梱包・発送

梱包・発送作業時も手順を誤るとミスにつながりやすくなり、出荷作業が滞る要因となります。

具体的には、付属品の同梱漏れや、宛先の相違(送り状の作成間違い、貼り間違え)、納品書・明細書の相違、出荷漏れなどです。教育環境が整っていないことによる手順の曖昧さ、人手不足による業務過多なども要因に挙げられます。

梱包・発送時のミスは、顧客に誤った商品が届くなど、顧客満足度低下に直結する重大な問題に発展するリスクが高いため、ミスが多発している状況の場合は、早急な改善が必要でしょう。

<関連記事>「梱包作業を簡単に効率化!改善のコツ8つと事例をECの現場から解説

出荷作業の改善フロー

出荷作業の改善フロー

出荷作業の効率化には、現状の課題を正しく把握する必要があります。ここからは出荷作業の改善方法を3つの手順に沿って解説します。

  1. 現状把握
  2. 対策方法の検討・実行
  3. 効果検証・仕組化

1.現状把握

業務の改善をするうえで、初めに行うべき内容が「現状把握」です。状況が分かれば何をどのように改善すればよいか明確にできるためです。以下手順に沿って、現状の問題点を見極めましょう。

  1. 作業者・現場責任者など関係者全員で、出荷作業における根本的な問題点を探る
  2. ピッキング・検品・梱包・積込など出荷作業の各工程で作業手順・作業時間を明確にする
  3. 各工程の作業手順・作業時間をデータにまとめる
  4. 時間、日単位の出荷作業量、作業時間、作業人数を把握し、業務に最適な人数、人的ミスの目立つ工程を見つけ出す(問題点の抽出)

2.対策方法の検討・実行 

続いて、洗い出した問題点への対策を検討し、実行します。以下のように可視化したうえで、優先順位をつけて見直すとよいでしょう。

現状の問題点

対策

期待できる効果

ピッキングに時間がかかる

● 在庫保管場所の見直し

● 倉庫内の整理整頓

● ピッキング時間の短縮

● ピッキングミスの防止

作業手順が曖昧

● 手順の再確認

● マニュアルの作成

● 教育時間の確保

● 出荷業務の標準化

● 作業効率向上

● 作業ミスの軽減

人員不足

● 人材の確保

●アウトソーシングの活用

● 作業効率の向上

● 出荷ミスの大幅改善

3.効果検証・仕組化

最後に、効果検証・仕組化を行います。業務最適化には、対策を実行するだけでなく対策後の効果検証が重要です。効果が得られているか確認し、対策を継続するか見直すかの判断をしましょう。

効果検証は、出荷数・作業時間・費用対効果など、改善前と改善後の変化を数値で判断できる評価基準をあらかじめ決めておくと評価がしやすくなります。また、数値だけでなく、現場担当者にヒアリングを行い、体感での確認も大切です。

たとえば、「作業がスムーズになった」「残業が減った」などの意見が出れば、一定の効果があると評価できます。管理者だけで判断するのではなく、実際の作業者の意見や見解を取り入れることも大切です。

実行した対策に効果があると判断できた場合には、取り入れた対策を仕組化しましょう。PDCAのよい循環を作ることで体制強化につながるでしょう。

出荷作業を改善・効率化するコツ 

出荷作業を改善・効率化するコツ

ここからは、出荷作業を効率的に改善するコツを5つ解説します。自社の問題点を改善するヒントにしてください。

  1. 倉庫内の整理整頓
  2. 人員の確保
  3. 業務の標準化・見直し
  4. 倉庫管理システム(WMS)の導入
  5. アウトソーシングの活用

1.倉庫内の整理整頓 

倉庫内の整理整頓は、業務効率化に向けて重要な改善策の一つです。どこに何が保管されているか分からない状況は、ミスを招きやすいためです。

倉庫内の整理整頓をする際は、商品の整理だけでなく資材や梱包テープなど、頻繁に使用する作業道具も定位置に戻すとよいでしょう。作業時間の短縮につながります。

一目で保管場所が分かるだけでなく、円滑な作業動線の確保ができるため、出荷作業の効率化が期待できます。

2.人員の確保

出荷作業を円滑に行うために、十分な人員確保が必要です。慢性的な人員不足の企業は、現状の作業員のなかで業務を補うのではなく、まずは雇用確保に努めましょう。

繁忙期やセールなど、時期に応じて作業量が変わる場合、期間限定の臨時作業員や派遣スタッフで人員確保をする手段を用意しておくことが重要です。

また、人員の確保だけでなく、作業者の能力に応じた配置の変更も大切です。全体のバランスを見て、均等になるようにしましょう。作業者のレベルによっては、再教育を行うなどのサポートが必要になるケースもあります。

全体の配置を意識することで、作業レベルの向上につながり、業務改善の効果が期待できます。

3.業務の標準化・見直し

業務の標準化は、現状の運用フローが曖昧な場合に効果的です。出荷業務には、受注・検品・ピッキング・仕分け・梱包・発送といった多くの工程があります。各工程で明確な作業手順を定めていない場合、ミスの発生リスクが高まるだけでなく改善策も立てにくくなります。

全工程の業務をマニュアル化するなど、誰でも同じ手順で作業できる体制作りが業務効率化につながります。

すでにマニュアル化されているにもかかわらず、出荷作業に問題が見られる場合は、マニュアルの見直しが必要です。商材によって出荷作業の内容が変わることもあるため、定期的な見直しを行うとよいでしょう。

また、作業者にマニュアル内容を落とし込むために、半年~年1回程度の研修の実施も効果的です。

4.倉庫管理システム(WMS)の導入

倉庫管理システム(WMS)の導入も出荷位作業の改善に効果的です。システム未導入の場合、手作業で在庫管理をしなければなりません。、そのため、欠品や在庫差異のトラブルにつながる可能性が高くなります。

倉庫管理システムは、リアルタイムでの在庫管理が可能なため、トラブル を未然に防げるでしょう。システム管理によって商品在庫の保管(ロケーション)場所を一括管理可能であり、ピッキング時にもスムーズに商品を探せるメリットもあります。

さらに、バーコード・スキャナーを導入すれば、入出荷作業をシステム化できるため、人的ミスの削減にもつながります。

<関連記事>「在庫差異(棚卸差異)が起こる理由は?差異発生による影響、予防策まで解説!

5.アウトソーシングの活用

スタートアップ企業や出荷作業に不慣れな企業の場合「何から改善したらいいか分からない」「対策方法が思いつかない」など、出荷作業を改善したいものの、対応に悩む企業も多いのではないでしょうか。

その場合は物流のプロに出荷業務を委託する方法も有効です。物流業務のプロである第三者が間に入ることで、問題点や改善点の提案を受けられるメリットがあります。

物流のプロは出荷作業をはじめ、入荷作業や在庫管理の経験や実績が豊富です。企業の取り扱う商材や出荷規模に合わせて、さまざまなアドバイスが受けられるでしょう。

プロ目線での提案のため、コスト削減や品質向上など、大幅な業務改善にも期待できます。

なお複数プラットフォームを利用しているEC事業者様も、受注〜出荷までほぼ自動出荷が実現可能です。

EC自動出荷の仕組みとは?一般的な物流代行との違い、メリット、注意点を解説」の記事で詳しく解説しています。

富士ロジテックホールディングスの改善事例

富士ロジテックホールディングスの改善事例

出荷作業の問題点は、取り扱う商材や体制などによりさまざまです。業務量の多さから何から手をつけたらいいか分からず、業務効率化の手段に悩む企業も増えている状況です。

ここからは、弊社富士ロジテックホールディングスが実際に行った改善提案内容、改善結果を2つ事例として紹介します。改善策を検討する際の参考にしてください。

物流フローの再構築

まず1つ目は、アパレル商材を扱うスタートアップ企業様に向けての改善事例です。

<課題>

・通販では、成長段階に応じたさまざまな施策や改善施策を行う必要があったが、物流フローや配送手段が施策に対応しきれていない状況

・1日10件~100件と件数が少ない状況

→物流フローの再構築、配送の最適化が必要と判断

<富士ロジテックホールディングスからの改善提案>

・物流フローの再構築による作業規模の拡大

・配送モードの最適化

・物流情報のフィードバックによる新たな資材の提案

<改善結果>

・物流フローの再構築、最適化により改善の取組みを始めて1年余りで出荷件数が1日2,000件~3,000件の出荷数に増大し、企業の急成長につながった

(300~30倍以上の増加)

在庫水準の適正化

続いて2つ目は、在庫数にズレがあり欠品が発生するなど、在庫管理方法に悩む大手食品メーカー様への提案事例の紹介です。

<課題>

・各支店、店舗において在庫数が適正ではない

→在庫過多や在庫過少でバラツキがある

・欠品回避のために、支店間で製品を受け渡す横持ち輸送費の発生

・工場への緊急生産オーダーに伴う輸送効率の低下

<富士ロジテックホールディングスからの改善提案>

・各支店、店舗在庫の一元管理化を目的とした倉庫管理システムの導入

・工場周辺に用意する倉庫から全国の店舗に製品を直接供給

・工場や支店でのセット加工・物流業務の切り離し

<改善結果>

・在庫管理の一元化により、在庫水準の適正化に成功

→横持ち輸送費の削減につながった

・加工・物流業務を切り離し

→支店は営業活動、工場は生産業務に集中できるように

・工場倉庫~店舗への直送化の実現

→より鮮度の高い製品を市場に投入できるように

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出荷作業の大幅改善にはアウトソーシングの活用が効果的

出荷作業の大幅改善にはアウトソーシングの活用が効果的

出荷作業の改善には、現状把握をしたうえで問題点の洗い出しが必要です。取り扱う商材・物流体制によって取り組むべき改善策は異なるため、自社の体制に合った策の検討・実行が重要となるでしょう。自社内で改善に向けた取り組みが難しい場合は、物流のプロにアウトソーシングする方法も効果的です。

富士ロジテックホールディングスでは、化粧品や健康食品、アパレル、アウトドア用品、食品、ギフト用品など、幅広いジャンルの物流代行を請け負っています。創業100年以上にわたる豊富な実績・経験が強みであり、出荷作業の改善に悩む企業様に対し、最適なご提案が可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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梅山茜

ライター

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物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。

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