梱包作業を簡単に効率化!改善のコツ8つと事例をECの現場から解説 

Written by 梅山茜

近年、ECサイトの普及やコロナウイルスの感染予防対策による外出制限の影響もあり、配送量が増加傾向にあります。作業量は増えているものの、人材不足や体制改善が追いついておらず、現場の負担が増え続けているのが実情です。

現場の負担を軽減させるには、作業効率アップを図る取り組みが大切です。とはいえ、幅広い作業内容があるなかで、どのように改善を進めればよいか悩む企業も多いでしょう。

本稿では、梱包作業の業務効率化を図るコツを8つ解説します。業務を見直す際の参考にしてください。

梱包作業を簡単に効率化する8つのコツ

梱包作業を効率化するためには、現状を把握したうえで「見直す」ことが重要です。ここでは、梱包作業を効率化するコツを以下の内容に沿って解説します。

  1. 梱包資材の選定を早くする
  2. テープの貼り方を見直す
  3. ミスの削減をする
  4. 無駄な動線を見直す
  5. 適切な梱包台を使う
  6. 梱包資材・緩衝材を見直す
  7. 人手不足を解消する
  8. 5S活動への取り組み

    効率化のコツ1.梱包資材の選定を早くする

    商品のサイズや重さによって、梱包資材の種類が変わります。梱包資材を見誤ると「商品が入らない」「段ボールが大きすぎる」と作業に無駄が発生することは少なくありません。

    選定を早くするためには、現場作業員が梱包資材の種類を把握しておくことが重要です。

    梱包資材には、段ボールだけでなく、ボックスケース・宅配袋・クッション封筒など、種類が豊富にあります。あらかじめ梱包資材の目安を記載した一覧表などを用意すると、より選定が早くなるでしょう。

    効率化のコツ2.テープの貼り方を見直す

    梱包作業を効率化するためには、梱包テープの貼り方の見直しも有効です。テープ貼りは、おもに2種類あります。



    ・H貼り(えいちばり)

    閉じ口と両端をテープで留める方法であり、テープの見た目がアルファベットの「H」に見えることが由来です。段ボールの隙間をしっかりと留めるため、箱の形が崩れにくくなり、多少の重たい荷物にも適した梱包方法です。


    ・I貼り(あいばり)

    閉じ口を真っすぐにテープで留める方法です。アルファベットの「I」に見えることから「I貼り」と呼ばれます。H貼りに比べると強度はやや落ちますが、効率よく梱包ができるメリットがあります。軽い荷物に適した梱包方法です。


    梱包する商品サイズや重量に合わせて、テープの貼り方を変更することで効率アップを図れるでしょう。

    効率化のコツ3.ミスの削減をする

    梱包速度が上がり、作業効率が上がった場合でも一つのミスが、全体の作業効率を下げてしまう要因になります。

    たとえば、商品の入れ間違いや同梱物の入れ忘れが発生したとしましょう。該当の荷物を探し出し、段ボールを開封。さらに梱包し直すなど、時間と手間がかかります。

    さらにミスの対処をする間、通常の梱包作業もストップします。結果として落ち着いて正確に梱包するよりもかえって、作業効率が低下してしまうでしょう。

    梱包する前段階の作業手順に、ミスが発生しやすい工程がないかチェックし、ミス削減への対策が重要です。

    効率化のコツ4.無駄な動線を見直す

    作業効率を上げるためには、無駄の多い動線になっていないか見直しが大切です。たとえば、資材・緩衝材の置き場が離れている場合、2か所に取りに行かなければなりません。また、梱包した荷物の保管場所が作業場から離れていると、荷物を移動させる手間が発生します。

    商品・資材の準備、梱包、出荷までの一連の作業が円滑に行なえているか、改めて見直しを行いましょう。

    効率化のコツ5.適切な梱包台を使う

    作業効率を上げるためには「梱包台」の見直しも有効な手段です。

    梱包台とは、商品を梱包するための台です。毎日の業務に使われているため、非効率な状況であっても「これが普通」だと思い込み、気付きにくい箇所でもあります。

    見直すポイントは以下のとおりです。

    • 梱包台の高さ
    • 梱包台に無駄なスペースがないか
    • 梱包台に足りない資材はないか
    • 梱包する際に無駄な動作はないか

    無駄を省くことで、梱包台周辺で作業が完結できるようになり、必然的に業務効率が上がるでしょう。

    効率化のコツ6.梱包資材・緩衝材を見直す

    適切な梱包資材がなく、サイズが合わない資材を使用すると、隙間ができてしまい、緩衝材をたくさん入れて補うなどの梱包方法になってしまいます。

    緩衝材のコストが無駄に発生するだけでなく、梱包がスムーズにできないため、作業効率が大きく低下する要因となります。

    またワンタッチ式の段ボールや、あらかじめテープがついた資材を利用すれば、ガムテープやOPPテープを使用せず組み立てられます。作業時間の削減が可能です。

    現状の資材・緩衝材が取り扱う商品に適しているか、見直しを行ないましょう。

    効率化のコツ7.人手不足を解消する

    出荷量に対して人員が不足している場合は、採用活動を早急に行ない解消する必要があります。一人ひとりのマンパワーは決まっており、業務効率化を図っても補えない問題のためです。

    人々の生活にとって欠かせない職業を「エッセンシャルワーカー」といい、物流業務を担う人も該当します。世界情勢によって仕事を失う人が多いなか、物流業界は人員が不足している状況です。

    需要が高いにもかかわらず、供給が追いついていない背景には「仕事がキツイ」「待遇がよくない」など、働く環境も影響しているでしょう。現場作業員が無理のない作業ができるよう環境整備を行なうことも企業努力の一環です。

    効率化のコツ8.5S活動への取り組み

    5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字)活動も梱包の効率化に重要です。

    テープなどの梱包用具が散らばって置かれたり、必要なときに定位置に道具がなかったりすれば、探す手間が発生してしまいます。作業場が汚れていれば、汚損や破損のリスクも高まり効率化の妨げになります。

    5S活動を通じて現場スタッフの意見をヒアリングし、些細なことでも意見を言いやすい職場環境を整えましょう。日々の小さな改善が効率化につながります。

    梱包作業に入る前の「検品」も品質維持のために、注意深く行いたい工程です。「検品作業とは?仕事内容と問題点・ミスなく効率化するコツを紹介」の記事で解説しています。

    梱包作業における基本の流れもチェック

     

    梱包作業の効率アップを図るうえでは、現状の作業フローの見直しが重要です。梱包作業の基本の流れを改めて確認したうえで、改善できる工程がないかチェックしましょう。

    1. 荷物の重さと大きさを考慮した梱包資材の選択
    2. 荷物の特性に合わせた緩衝材の選択
    3. 商品と緩衝材を箱詰め
    4. テープなどで箱の封を閉じる

    1.荷物の重さと大きさを考慮した梱包資材の選択

    まずは、梱包する商品数・サイズによって梱包資材を選択します。段ボールの大きさは60サイズ・80サイズ・100サイズが多く使用されます。

    小さい商品には、宅配袋・クッション封筒などを利用する企業が多い傾向です。商品の大きさや重量に応じて、適切な資材を選択しましょう。

    2.荷物の特性に合わせた緩衝材の選択

    続いて、荷物に合った緩衝材を選択します。緩衝材は、配送中の衝撃から商品を保護することや段ボールの隙間を埋める役割があります。

    下表のように、緩衝材にはさまざまな種類があり、荷物の特性に合わせて緩衝材を選択しましょう。不慣れな場合、選ぶ際に時間がかかるケースがあります。

    気泡緩衝材(プチプチ)

    ・クッション性が高い

    ・商品の個別包装に向いている

    ・商品に合わせてカットが必要

    エアー緩衝材(空気袋)

    ・クッション性が高い

    ・サイズ変更ができない

    バラ緩衝材

    ・荷物の隙間をしっかり埋められる

    ・コストが高く、片付けに手間がかかる

    紙緩衝材

    ・紙製の緩衝材

    ・隙間を埋めやすいが、クッション性が低い

    緩衝シート(ポリエチレンシート)

    ・クッション性が高い

    ・商品に合わせてカットが必要

    ・薄く柔らかく割れ物に向いている

     

    3.商品と緩衝材を箱詰め

    次に用意した資材・緩衝材を使用し、商品を箱に詰めていく作業に移ります。

    商品がお皿などの割れ物であれば、緩衝シートを1つずつ巻いて梱包する必要があり、時間がかかる場合があります。

    また重たい荷物の場合は、配送時の衝撃から保護するため、段ボールと商品の間に緩衝材を入れることが一般的です。

    商品に合わせて緩衝材の加工が必要なケースもあり、箱詰めは梱包作業のなかで、手間と時間がかかる作業に該当します。

    4.テープなどで箱の封を閉じる

    最後に、商品を詰めた箱の封を閉じる作業です。配送時に封が空いてしまわないよう、OPPテープやガムテープでしっかりと貼り付けます。

    商品の重さ・サイズによっては、配送中に箱が崩れてしまい、商品が出てしまう(配送事故)ことがあるため、商品に合わせてテープの貼り方の変更が必要です。

    梱包作業効率化への改善事例

    ここからは、梱包作業が効率化した具体的な事例を紹介します。すぐに取り組める内容のため、業務を見直しするうえでの参考にしてください。

    作業台の継ぎ足を使い、高さを柔軟に変更

    業務効率化の取り組みによって、4か月間で約400時間もの業務時間を削減に成功した企業があります。

    株式会社低温では、冷凍食品の仕分け・梱包・出荷作業まで業務を担っています。同社の作業台は会議用テーブルを使用しており、高さの調節ができませんでした。

    低い作業台は、背が高い人にとって腰への負担が大きく、長時間作業を行なうと作業ペースが落ちることが課題でした。

    改善策として、高さ調節ができるよう作業台の足に2種類の継ぎ足を設置。身長に合わせて3段階に高さ調節が可能となり、無理のない姿勢で作業が行なえるようになりました。作業ペースが安定し、業務改善へつながった一例です。

    梱包資材の見直しでテープ貼りや資材選定の時間を削減

    出荷件数が多いものや梱包作業に時間がかかる場合、オーダーメイド資材などを取り入れることで、作業時間の削減が図れます。

    パッケージの専門業者である美鈴紙業株式会社では、取り扱う商品に応じて、オーダーメイド資材の提案を行なっています。

    成功事例としては、底に組仕切りを入れることで割れやすい瓶の商品破損の削減ができたケースや、仕切りを資材と一体型にし、箱の組み立て作業の効率化につながったケースなどが挙げられます。

    導入コストにもよりますが、資材を工夫することで業務効率化につながった成功事例の一つです。

    梱包作業の自動化も効率化に有効

     

    業務効率化は重要ですが、品質はしっかりと担保する必要があります。

    適切な業務改善にはQCD(品質・コスト・納期)のバランスが重要であり、すべての要素を向上させるのは困難です。改善する際には、QCDの優先順位を見極める必要があるでしょう。

    品質を保ちながら作業効率の向上が難しい場合、梱包作業の自動化も有効な手段の一つに挙げられます。

    梱包機械の導入

    梱包機械には、作業によってさまざまな種類があります。たとえば段ボールの組み立てを自動化できる「製函機」、箱に封をする「封函機」、PPバンドを固定する「梱包機」などが挙げられます。

    業務効率が低い作業に対して導入できるため、一部だけを自動化できる点もメリットです。

    機械導入により、作業効率が改善できる可能性が高くなりますが、導入コストや設置スペースなどの問題も挙げられます。よく検討したうえで導入しましょう。

    ピッキング効率化のツールも「物流における「ピッキング」の仕事とは?意味・種類・効率化のコツを解説」の記事で解説しています。上手に活用しましょう。

    発送代行の利用

    自社努力による業務効率化が厳しい場合は、物流のプロが行なう「発送代行」の利用も手段の一つに挙げられます。

    たとえば弊社が担う「発送・物流代行」であれば、人員不足などにより業務が追いつかない場合でも、早期対処が可能です。

    「出荷業務だけを依頼したい」「物流業務全般を依頼したい」「業務の見直しをしたい」など、さまざまなケースの相談が可能なため、物流業務に課題を感じている場合は、活用するメリットが大きいといえます。

    倉庫作業全体の効率化については「倉庫の作業を効率化する9つの方法!課題から見る改善のアイデアを解説」の記事でも解説しています。

    梱包作業効率化に向けて1つずつ改善していこう!

    梱包作業の効率化は、現状の運用フローの見直しが大切です。改善ポイントを見逃している可能性があるため、まずは改善のコツを参考に比較・検証を行なってみましょう。

    人手不足が要因の場合は、すぐに改善が難しいこともあるため、梱包機械の導入、発送代行の利用も有効な手段の一つです。

    物流代行を支援する富士ロジテックホールディングスでは、物流業務全般(受注・梱包・発送・受け渡し・代金回収・アフターサポート)をワンストップで請け負うフルフィルメントサービスを提供しています。物流業務に課題がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。

     

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    【ライター】梅山茜

    物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。
    好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。
    カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。
    趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。