
こねこ便420は、ヤマト運輸が提供する新たなポストイン配送サービスです。小さな荷物を手軽に送れることから、注目を集めています。
本記事では、こねこ便420のサービス内容や発送手順、ネコポス、クロネコゆうパケット、レターパックライトなどの他サービスとの違いを徹底比較します。
こねこ便420を利用するメリットも解説しますので、「どの方法を選べばいいの?」と迷っている方はぜひ参考にしてください。
こねこ便420は全国一律420円の配送サービス
こねこ便420は事前に専用資材を購入するだけで、全国どこへでも一律420円で送れるポスト投函型の配送サービスです。2024年8月26日に東京限定で先行販売が開始され、2025年5月21日から全国展開されています。
この新サービスが登場した背景には、EC市場の拡大やフリマサイトの普及による小型荷物の配送ニーズの高まりが挙げられます。ヤマト運輸ではこれまでも「宅急便コンパクト」や「クロネコゆうパケット」といった小型配送サービスを提供してきました。
しかし、これらのサービスでは荷物のサイズや配送距離によって料金が変わるため、事前に正確な送料を把握しづらく、毎回の支払い手続きが手間になるという声も多く寄せられていました。
そこで開発されたのがこねこ便420です。こねこ便420は料金体系がシンプルでわかりやすく、あらかじめ購入した専用資材に荷物を入れるだけでスムーズに発送できるのが特徴です。
こねこ便420は、現代の配送ニーズに応えるサービスとして評価されています。
こねこ便420の基本情報|サイズ・配達日数・追跡サービスの有無等
こねこ便420の具体的なサービス内容は、以下のとおりです。
【こねこ便420の基本情報】
利用対象者 |
どなたでも利用可能 |
料金 |
全国一律420円(税込) ※資材代金と運賃を含む ※沖縄県からは発送できません |
サイズ |
縦24.8cm × 横34cm × 厚さ3cm(3辺合計61.8㎝) |
厚さ |
3cm以内 |
重さ |
規定なし |
お届け方法 |
ポストイン配送 |
配達日数 |
翌日配送(1日)・もしくは翌々日配送(2日) |
追跡サービス |
あり |
補償制度 |
1個につき3,000円(税込み) |
こねこ便420は小型の荷物を郵便受けに届けるサービスです。専用資材の規定サイズに収まる荷物が対象で、法人、個人事業主を問わずどなたでも利用できます。
重さに制限はなく、サイズ内であればどれだけ重くても全国一律420円で発送可能です。そのため、書籍や雑誌、CD、DVD、衣類、化粧品などの比較的重さのある小型商品の発送に適しています。
追跡サービスや補償制度も整っており、安心して配送できる点も特徴です。
<関連記事>「EC事業者必見!ポストイン配達で再配達・対面不要!配送サービスを比較」
こねこ便420の発送手順
ここではこねこ便420の発送方法について、以下の手順に沿って解説します。
- 専用資材の購入
- 荷物の封入
- 宛先・依頼主情報を記入
専用資材の購入
こねこ便420の専用資材は以下の方法で購入できます。
- ヤマト運輸のセールスドライバーに配達依頼(10枚以上)
- ヤマト運輸の営業所での購入(1枚単位)
- クロネコゆうパケットマーケット(Webサイト)での購入
※沖縄県では販売されていません。
価格は専用資材代と送料込みで、1個あたり420円(税込み)です。クロネコゆうパケットマーケットで購入した場合、資材は当日〜翌日の間にセールスドライバーから届きます。
荷物の封入
購入した専用資材のサイズに荷物を封入します。荷物は「縦34cm×横24.8cm×厚さ3cm」に収まるように梱包しましょう。
厚みが3cmを超えたり、著しく変形したりすると発送できない場合があります。また、専用資材以外のレターケースなどの使用はできません。
宛先・依頼主情報を記入
荷物を封入したら、宛先・依頼主の情報を記入します。専用資材に送り状が印刷されているため、送り状を別途用意する必要はありません。
ボールペンなどの細めの筆記具を用いて、以下の情報を手書きで記入しましょう。
- お届け先の郵便番号
- 住所
- 氏名
- 電話番号
品名欄には「雑貨・衣類・日用品」などの総称ではなく、「キーホルダー・靴下・漫画本」などの具体的な品名を記載します。
<関連記事>「送り状とは?」
発送方法の選択
こねこ便420の発送は、以下の2つの方法があります。
- セールスドライバーによる集荷
- 営業所への持ち込み
セールスドライバーによる集荷は、Webまたは電話(AIオペレーター対応)から依頼できます。電話番号は以下の通りです。
スマートフォン、携帯電話:0570-200-000
固定電話:0120-01-9625
また、営業所はヤマト運輸のホームページ(直営店・取扱店検索)から検索可能です。
出典:集荷申し込み|ヤマト運輸
こねこ便420と他サービスとの違いを徹底比較
ここでは、こねこ便420と以下の他サービスとの違いを徹底比較します。
- こねこ便420とネコポスとの違い
- こねこ便420とクロネコゆうパケットとの違い
- こねこ便420とレターパックライトとの違い
- こねこ便420とゆうメールとの違い
こねこ便420とネコポスとの違い
ヤマト運輸の「ネコポス」の特徴と「こねこ便420」との違いを解説します。
【ネコポスの特徴】
利用対象者 |
・ヤマト運輸と契約している法人や個人事業主 ・一部の個人間取引サイトの利用者 |
料金 |
全国一律料金 ※応相談 ※個人間取引サイトによって異なります |
サイズ |
・大きさ(上限):縦31.2㎝以内・横22.8㎝以内 ・大きさ(下限):縦23㎝以上・横11.5㎝以上 |
厚さ |
2.5cm以内 |
重さ |
1kg以内 |
配送日数 |
翌日配送(1日)・もしくは翌々日配送(2日) |
追跡サービス |
あり |
補償制度 |
1個につき3,000円(税込み) |
「ネコポス」はヤマト運輸と契約している法人・個人事業主、または一部の個人間取引サイトの利用者を対象にしたサービスです。料金面ではどちらも一律料金ですが、ネコポスは契約内容や発送数量によって料金が変動します。
ネコポスのサイズはこねこ便420より一回り小さく、厚さは0.5cm薄く設定されています。重さは1kg以内に制限されているため、こねこ便420の方がサイズや重さの柔軟性が高いサービスといえるでしょう。
送り状の作成方法にも違いがあります。法人契約のネコポスの場合は「送り状発行システムB2クラウド」を利用したラベル印字が可能です。一方こねこ便420は専用資材に直接宛名を記入する必要があり、送り状発行ツールで印字した印字伝票は利用できません。
ネコポスは2024年度末で新サービスの「クロネコゆうパケット」へ移行し終了する予定でしたが、2025年6月現在ではサービスが再開されています。そのため、今後の展開には引き続き注意が必要です。
出典:ネコポス|ヤマト運輸
こねこ便420とクロネコゆうパケットとの違い
ヤマト運輸が展開し、日本郵便が配送するサービス「クロネコゆうパケット」の特徴と「こねこ便420」との違いを見ていきましょう。
【クロネコゆうパケットの特徴】
利用対象者 |
ヤマト運輸と契約している法人・各種団体・個人事業主 |
料金 |
3サイズの単価で全国一律料金 ※応相談 ※1cm・2cm・3cmの厚みに応じた規格 |
サイズ |
大きさ(上限):3辺合計の大きさ60cm以内・長辺は34cm以内 大きさ(下限):縦14cm以上・横9cm以上 |
厚さ |
1cm以内・2cm以内・3cm以内 |
重さ |
1kg以内 |
配送日数 |
3日~1週間ほど |
追跡サービス |
あり |
補償制度 |
1個につき3,000円(税込み) |
※2025年6月時点での価格です
「クロネコゆうパケット」は2023年10月から開始されたヤマト運輸のサービスで、日本郵便の配送網を活用して荷物を届ける仕組みです。ポスト投函便に長年の実績を持つ日本郵便の配送ノウハウが活かされるため、安心して利用できます。
価格設定は厚さに応じて段階的に設定されており、一律料金のこねこ便420とは異なります。そのため、厚みが薄い荷物ほど送料が抑えられます。利用には法人契約が必要ですが、1か月分の送料をまとめて後払いできる掛払いができるため、経理処理の負担を軽減できるでしょう。
こねこ便420とレターパックライトとの違い
ここでは日本郵便の「レターパックライト」と「こねこ便420」を比較します。
【レターパックライトの特徴】
利用対象者 |
どなたでも利用可能 |
料金 |
全国一律430円 |
サイズ |
縦24.8cm × 横34cm |
厚さ |
3cm以内 |
重さ |
4kg以内 |
配送日数 |
土・日・休日を含めて毎日配達 ※配達日数はエリアによって異なる |
追跡サービス |
あり |
補償制度 |
なし |
※2025年6月時点での価格です
こねこ便420とレターパックライトは、どちらも専用資材を使用し、A4サイズ・厚さ3cmまでの荷物を送れるポスト配送サービスです。両者はよく似たサービスですが、こねこ便420の方が10円安く、コストが抑えられます。
レターパックライトは郵便窓口のほか、コンビニや郵便局のネットショップから専用資材を購入できるため、手軽に入手しやすい点がメリットです。また、郵便局の窓口だけでなくポスト投函による発送も可能なので、発送の手間が少ない点もこねこ便420との違いです。
さらに、レターパックライトは契約書や請求書、証明書などの信書の配送にも対応しています。
出典:レターパック|日本郵便
こねこ便420とゆうメールとの違い
「こねこ便420」と日本郵便の「ゆうメール」の違いを詳しく解説します。
【ゆうメールの特徴】
利用対象者 |
どなたでも利用可能 |
料金 |
~150g:180円 ~250g:215円 ~500g:310円 ~1kg:360円 |
サイズ |
縦:34cm以内 横:25cm以内 |
厚さ |
3cm以内 |
重さ |
1kg以内 |
配送日数 |
差出日の翌々日以降 ※宛先によって異なります。 ※土曜日・日曜日・休日は配送をしていません |
追跡サービス |
なし |
補償制度 |
なし |
※2025年6月時点での価格です
ゆうメールを利用する際は、内容物を確認できる状態にする必要があります。確認方法は以下のいずれかが求められます。
- 封筒または袋の納入口などの一部を開けておく
- 包装の外部に無色透明の部分を設ける
- 内容品の見本を郵便局で提示する
ゆうメールは重さに応じて料金が設定されているため、軽い荷物を安く送りたい方に向いています。しかし、こねこ便420とは異なり、追跡サービスや補償制度が付いていない点には注意が必要です。
さらに、土日祝の配達はしていないため、休日をまたぐと到着が遅れる可能性があります。追加料金を支払うことで、速達・書留・配達日指定・着払いといったオプションを付けることが可能です。
出典:ゆうメール|日本郵便
<関連記事>「【2024年9月】宅急便・宅配便・郵便の料金比較!送料が安い業者は?」
こねこ便420を利用するメリット
ここでは、こねこ便420はどのような方におすすめのサービスなのか、利用するメリットを解説します。
- 誰でも利用可能
- 明確な料金体系
- 荷物1個からの集荷サービス
- 安心できる補償制度
誰でも利用可能
こねこ便420は、だれでも利用できる点がメリットです。ヤマト運輸との事前契約が必要ないため、使いたいときにすぐに利用できます。
個人の荷物発送や小規模なビジネスでも、手軽に活用できる点が魅力です。
明確な料金体系
こねこ便420は配送距離やサイズに関わらず料金が全国一律のため、複雑な料金計算をする必要がありません。また、支払方法は、現金のほか電子マネーやコード決済にも対応しています。
明確な料金体系であるため事前にコストを把握しやすく、業務の見積もりや経費管理がしやすい点がメリットです。
荷物1個からの集荷サービス
こねこ便420は、荷物1個から集荷が依頼できます。そのため、急な発送にも柔軟に対応でき、営業所に持ち込む手間も省けます。
迅速な発送
こねこ便420はポストイン配送のため、受取人が不在でも確実に荷物を届けられます。再配達の手間がかからず、迅速な発送が可能です。
さらに、宅配便と同程度の配送日なので、スピードを重視したい方におすすめです。
安心できる補償制度
こねこ便420の大きなメリットの一つが、最大3.000円(税込み)までの補償が付いている点です。一方で、ゆうメールやレターパックライトにはこのような補償制度がありません。
そのため、配送時のトラブルが気になる方は、補償付きのこねこ便420の方が安心して利用できるでしょう。
こねこ便420に関するよくある質問
こねこ便420に関するよくある質問と回答をまとめました。
- こねこ便420の評判は?
- こねこ便420で送れないものは?
- こねこ便420はコンビニから発送できる?
- こねこ便420は着払いで送れますか?
- こねこ便420は追跡できる?
こねこ便420の評判は?
こねこ便420は他の配送サービスと比較して420円と明瞭な金額設定であるため、使いやすいと評判です。
「夕方発送して翌日午前中に届いていることが多い」など、スピード感を評価する声が多く見受けられます。その一方で「リードタイムを気にしないのであれば、日本郵便系のサービスが選択肢に上がる」との声もあります。
こねこ便420で送れないものは?
こねこ便420は送れる内容物に制限があります。信書や冷凍(-15℃以下)、冷蔵(0~10℃)が必要な商品、さらに宅急便で送れない現金やクレジットカード、パスポートなどは配送できません。
こねこ便420の送り状に宛名シールは利用できる?
宛名を印刷した自作シールを使って貼り付けることも可能です。ただし、利用の際は、専用資材に印刷されているオレンジ色の太枠からはみ出さないサイズで作成しましょう。
こねこ便420はコンビニから発送できる?
こねこ便420は、コンビニからの発送には対応していません。
こねこ便420は着払いで送れますか?
こねこ便420は着払いには対応していません。着払いを利用する場合は、宅急便コンパクトや宅急便を利用しましょう。
こねこ便420は追跡できる?
ヤマト運輸の「荷物お問い合わせシステム」に12桁の伝票番号を入力すると、配送状況が確認できます。
多様な発送ニーズに応えるなら富士ロジテックホールディングスがおすすめ
ポスト配送サービスの「こねこ便420」は全国一律料金で追跡や保証サービスが整った便利なサービスです。EC市場が普及するなかで、迅速な配送やポスト投函による受け取りなど顧客のニーズが多様化しています。
このような多様な発送ニーズに対応するには、発送業務を外部委託するのがおすすめです。富士ロジテックホールディングスでは、ヤマト運輸をはじめ複数の配送会社と提携しており、商品の特性に合わせた最適な配送方法を提案しています。
ポスト投函は340円(※2025年6月現在)から利用でき、専門のサービスを活用することで業務の効率化が期待できます。小型商品が多い事業者は発送の手間を減らして、効率的な物流体制を実現しましょう。


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発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

ライター
森恵
貿易事務と物流代行営業の経験を活かし、専門知識に基づいた記事作成を行っています。お客様に寄り添い、分かりやすく役立つ情報を提供します。
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