
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
ネコポスは、ヤマト運輸による発送サービスの一つです。出荷した荷物がポストに投函される仕組みであり、サイズ・重量に制限はあるものの、送料を安く抑えられるメリットがあります。
おもに書籍や薄手の衣類、CDなど、軽くて小さな荷物の配送に適しています。商品の大きさに合わせて配送方法を使い分けることでコスト削減が期待できるでしょう。
本稿では、ネコポスの具体的なサービス内容を紹介し、実際に利用する際の配送料金・発送方法・梱包資材についても解説します。
ネコポスとは?
ネコポスは、対面で荷物を届ける「宅急便」とは異なり、受取人の在否にかかわらず荷物をポストに届けるサービス形態です。受取時の押印や署名の手間が省けることや、不在でも荷物が届けられるため、荷送人・受取人の双方にメリットのある配送方法です。
ネコポスのサービス利用の開始にはヤマト運輸との契約が必須です。法人・個人事業主向けのサービスであり、基本的に個人の方は利用できません。
ただし、ヤマト運輸と契約締結済みのフリマアプリ・オークションのサイトにて、個人間取引を行なった場合は、個人の方も利用可能です。
ここからは、ネコポスのサービス内容を解説します。
ネコポスで発送できるもの・発送できないもの
ネコポスを利用した出荷をする場合は、発送できるもの・できないものが定められています。発送前に確認しておきましょう。
〇発送できるもの
書類・書籍・薄手の衣類・小物・CD・DVDなど |
✕発送できないもの
・冷凍便(マイナス15℃以下)、冷蔵便(0℃~10℃)が必要な荷物 ※食品の場合も、常温保管が可能な場合はOK ・ネコポスの規定サイズを超えた荷物 ・「宅急便で送れないもの」に記載される荷物 ※ヤマト運輸「宅急便等で送れないものについて」をご参照ください。 |
出典:ヤマト運輸「よくあるご質問(FAQ」
ヤマト運輸の規定外の荷物は、ネコポス・宅急便などの配送手段にかかわらず、すべて対応できません。
発送のルールを知らずに対応不可の荷物を送ってしまうと、紛失や配送事故などのトラブルが起こった場合に補償されないことや、発送した荷物によっては損害賠償を請求されるリスクもあるため、要注意です。
ネコポスの対応サイズ・重さ
ネコポスの対応サイズ・重さは以下のように規定があります。
|
法人・個人事業主 |
フリマ・オークションサイト経由 |
大きさ |
最小サイズ:タテ23cm以上・ヨコ11.5cm以上 最大サイズ:タテ31.2cm以内・ヨコ22.8cm以内 |
|
厚さ |
2.5cm以内 |
3.0cm以内 |
重さ |
1kg以内
|
規定サイズを超えた荷物は、宅急便へ配送手段が変更されます。ネコポス運賃よりも運賃の負担額が増加するため、サイズオーバーには注意しましょう。
ネコポスの配達日数
ネコポスは、離島などの一部地域を除いて約1日〜2日で配達されます。配達スピードが速く、さらに安価で発送できるため、魅力あるサービスとなっています。
ただし、宅急便のように到着日の指定や時間指定には対応していません。お客様より到着希望日や希望時間がある場合は、宅急便を利用しましょう。
類似する配送サービスに日本郵便のクリックポストが挙げられます。「クリックポスト(公開予定)」の記事で詳しく解説しています。
ネコポスの料金
ここからは、ネコポスの発送料金・梱包資材の料金について解説します。
ネコポスの配送料
ネコポスは全国一律の料金設定となっており、出荷の上限金額は荷物1個あたり385円(税込)と定められています。配送料金は、ヤマト運輸と契約を結ぶ際に出荷量などの諸条件によって、一律の配送料が変わります。
そのため、コストを少しでも抑えたい場合は、出荷数が多い発送代行業者に委託することで、自社で契約するよりも発送料を抑えられる可能性があります。
フリマアプリ・オークションのサイトを経由して出荷する場合は、各サイトで定められた一定の配送料が発生する仕組みです。
ネコポスの配送料は、下表を目安にしてください。
送料(税込)
|
|
法人・個人事業主
|
上限385円(契約によって異なる)
|
富士ロジテックホールディングス
(発送代行)
|
320円~
|
メルカリ
|
210円
|
ラクマ
|
200円
|
ヤフオク!
|
出品者負担 175円
落札者負担 210円
|
ネコポスの箱にかかる料金
ネコポスには、専用資材はありません。そのため、ネコポスの規定内のサイズであれば、一般的な封筒でも送れます。
しかし紙袋や封筒で出荷した場合、保護されていないため、配達中に袋が破れ破損するリスクが伴います。商品を安全に発送するには、商品を保護できる専用のクッション封筒や梱包箱の利用がおすすめです。
梱包資材はコンビニエンスストアや100円均一ショップ、包装資材のオンラインショップなど、さまざまな場所で購入できます。値段は販売場所によって異なります。下表を参考にしてください。
販売場所 |
料金 |
コンビニエンスストア (セブンイレブン・ファミリーマート) |
箱:66円/枚(A4サイズ) クッション封筒:130円(2枚入り) |
ネコハコ (包装資材のオンラインショップ) |
箱:39.6円~181.5円/枚(A4サイズ) クッション封筒:23.8円/枚 |
メルカリストア |
箱:60円~/枚(A4サイズ) クッション封筒:50円~/枚 |
なお、メルカリストアはメルカリアプリ内にて梱包資材が購入できます。支払いはカードやキャリア決済のほかに、メルカリのポイントやメルペイ残高での支払いも可能です。
メルカリでの取引が多い場合は、便利に活用できるでしょう。
「【2023年4月改訂】宅急便・宅配便・郵便の料金比較!送料が安い業者は?」の記事では、その他サイズの各社料金比較がチェックできます。参考にご覧ください。
【フリマ・オークション】ネコポスを利用した荷物の送り方
フリマアプリ・オークションのサイトにて売却した商品の発送は、セブンイレブン・ファミリーマートなどのコンビニエンスストアの利用がおすすめです。手続きが容易であり、手間もかからないためです。
以下では、具体的な発送手順を解説します。
セブンイレブンの場合
<手順>
|
セブンイレブンでは、手続き完了後に発送証明である「ご依頼主控え」が受け取れます。トラブルに備えて、取引完了まで大切に保管しておきましょう。
ファミリーマートの場合
<手順>
|
ファミリーマートの場合、申込券発行後30分以内に手続きを行なう必要があるため、準備したうえで、手続きを開始しましょう。
【法人・個人事業主】ネコポスを利用した荷物の送り方
ネコポス出荷の開始には、ヤマト運輸との運送委託の締結が必要です。契約方法は、ヤマト運輸の専用サイトにて申し込み可能です。
ネコポスで発送するための、送り状作成、発送手順は以下のとおりです。
<手順>
1.送り状の作成
「B2クラウド(※)」に送り先の情報を載せたデータをアップロードし、送り状の作成をする 2.送り状の発行 3.宛名ラベルを荷物に貼りつける 4.商品を発送する |
※B2クラウドとは、宅急便の送り状・ネコポス・クロネコDM便などの宛名ラベルを無料発行できるヤマト運輸が提供するシステムのこと
なお、法人・個人事業主がネコポスを出荷する際は、コンビニエンスストアなどで発送依頼はできないため注意しましょう。
ネコポスを利用するメリット
ここからは、ネコポスの利用によって得られるメリットを3つ解説します。
- 配達スピードが宅急便レベルの高品質
- 追跡調査が可能
- わかりやすい全国一律料金
- 不在による持ち戻りが削減可能
配達スピードが宅急便レベルの高品質
ネコポスは、出荷した翌日・もしくは翌々日に荷物が届く(一部地域を除く)など、宅急便と同様の条件で配達されます。配達スピードが早く、お客様を待たせることなく商品を届けられる点が魅力です。
追跡調査が可能
荷物の追跡調査も可能です。宅急便と同様、発送時に発行される12桁、または11桁のお問い合わせ送り状(伝票)番号をもとに、荷物お問い合わせシステムから確認できます。到着状況の把握も容易であり、安心して任せられます。
わかりやすい全国一律料金
宅急便の場合、ダンボールサイズや重さ、配達地域によって配送料金が変わります。出荷地域によっては、想定よりも高額な運賃になる可能性があります。
一方、ネコポスでの発送であれば全国一律料金のため、低コストでの出荷がかなえられるでしょう。EC事業者様で運賃を負担する場合、運賃にかかるコストをぐっと抑えられます。
また、固定された運賃のため、送料の負担コストが明確になり、売上予測や粗利を把握しやすいメリットもあります。
不在による持ち戻りが削減可能
ネコポスは、ポストに入らないなどの理由がない限り、受取人が不在であっても、荷物の配達完了できる仕組みです。
受取人は荷物の到着を気にせずに、外出などの用事を優先できるため、お互いにとって手間が省けるメリットがあります。
その他ポストインサイズの配送サービスやECの事例を「EC事業者必見!ポストイン配達で再配達・対面不要!配送サービスを比較」の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
ネコポス利用時の注意点
ネコポスは「配送料金が安価」「受け取る手間が省ける」など、メリットの大きい配送方法の一つです。
ただし、こうしたメリットを享受するためには、注意点が2つあります。ネコポスのルールを理解したうえで、お得に活用しましょう。
紛失・破損への補償上限あり
ネコポスには、宅急便と同様に補償サービスがついています。配送事故や紛失など、万が一のケースでも安心です。ただし、ネコポスの補償額は最大3,000円(税込)となっており、補償額を超える商品の発送には適さないため、注意しましょう。
宅急便で発送した荷物の補償金額(責任限度額)は、1個につき30万円(税込)と、増額されます。発送する商品が高額の場合は、宅急便で出荷するなど、起こり得るリスクに備えて配送方法を選択しましょう。
ポストに入らない場合、持ち戻り
ネコポスは、ポストに入らない場合に持ち戻りになる可能性があり、投函できなかった荷物は、7日以内に受取人より再配達を依頼する必要があります。
保管期間が過ぎてしまうと、発送元に返送されてしまうため、再出荷の対応やお客様への連絡など、さまざまな手間が発生するリスクがあります。サイズオーバーにならないよう注意しましょう。
ネコポス同等サイズ発送代行は320円〜の格安で利用可能!
ネコポスとは、ヤマト運輸による発送サービスの一つです。全国一律での料金設定であり、取り扱う商材によってはネコポス利用によるコスト削減が期待できます。
また、荷物の配達をポスト投函にて行なうため、受け取る煩わしさがないなど、お客様側にも多くのメリットがあります。
富士ロジテックホールディングスは、ネコポス同等サイズでの発送代行を320円から対応しており、低価格での発送が可能です。また、EC事業者様のブランドイメージに合わせた独自のオリジナル梱包箱の提案を行なっており、他社との差別化を図るサポートも担っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
<関連記事>「佐川急便 送料(公開予定)」


発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

ライター
梅山茜
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
タグ一覧
カテゴリー