元銀行員で、物流業界の融資案件を担当した経験を持つウェブディレクター。 現在はBtoBやEC向けのコンテンツマーケティングに従事し、経営視点とウェブ視点を融合させた提案を得意としている。 赤上ウェブ編集室代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を保有。https://marketing-analytics.work/
オンラインで衣服を販売するアパレルEC市場は成長を続けており、多くの事業者が成功を目指しています。
しかし、顧客のニーズ把握や優れた顧客体験の提供、物流と在庫管理の効率化、顧客とのコミュニケーション強化といった課題に直面することが少なくありません。
この記事では、アパレルECの運営にともなう4つの課題について解説します。また、課題を解決して運営を成功させるためのポイントを紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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富士ロジテックホールディングスのD2Cアパレル・ファッション物流サービス
アパレルECとは?市場規模と成長の背景
ECとは、英語の「Electronic Commerce」(Eコマース)の略で、日本語では「電子商取引」と訳されます。インターネット上で行なわれる商取引全般を表しており、アパレルECは、そのなかでも衣服などをオンラインで販売するサービスを指します。
アパレルECの市場は着実に成長しています。経済産業省のデータによれば、2022年のアパレルEC(衣類、服装雑貨分野におけるBtoC-EC)の市場規模は2兆5,499億円で、前年比で5.02%増加しました。また、アパレル市場全体に占めるEC化率は21.56%に達しています。
出典:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」
この成長の背景には、新型コロナウイルス感染症の流行によるオンライン需要の増加、スマートフォンやSNSの普及が挙げられます。企業側から見ると、ECは実店舗のみの販売よりも費用対効果が高く、立地の影響を受けないため、参入障壁が低いことがメリットです。
今後もアパレルEC市場の拡大が期待されており、企業はこのトレンドに対応するための戦略を強化する必要があります。
アパレルEC運営における4つの課題
アパレルECを運営する際に、抱えることの多い課題を4つ紹介します。
在庫管理の難しさ
アパレルECは、シーズンごとにアイテムが頻繁に入れ替わり、多種多様な商品を取り扱うため、在庫管理が非常に困難です。実店舗、自社EC、ECモールなど複数の販売チャネルを運営している場合、在庫管理は一層複雑になります。
適切な在庫管理を行なわないと、販売機会の損失や顧客の不満を招く可能性が高くなります。また、過剰な在庫を抱えることで、保管コストの増加やキャッシュフローの悪化といったリスクも生じるでしょう。
集客競争の激しさ
アパレルEC市場は成長を続けていますが、それにともない競合他社の数も増加しています。
アパレルECには「自社EC」と「ECモール」の2種類がありますが、特にECモールは出店のハードルが比較的低いため、多くの事業者が参入しています。この結果、モール内のECサイト数が増えることで集客争いや価格競争が激化しているのが課題です。
また、低価格を特徴とする海外ファッションブランドの人気が日本でも高まっており、独自の商品やサービスを提供するメーカーやブランドが、ブランド力を活かして競争しています。これらの要因が相まって、集客競争はますます厳しくなっています。
サイズに関する顧客の不安
アパレルECでは、実店舗のように接客や試着ができないため、顧客が自分に合ったサイズを見つけにくいことが課題です。そのため、商品の購入をためらう顧客が増える可能性があります。
商品が届いてから「思っていたのと違った」と感じて返品するケースも少なくありません。
また、店舗スタッフが直接接客できないためコーディネート提案が難しく、複数の商品をまとめて購入してもらう機会が減少するのも大きな課題です。
IT人材の不足
社内にITに精通した人材がいない場合、ECサイトの構築や運用がスムーズに進まず、課題が増えます。マーケティングやブランド戦略を思うように進めることも難しくなるでしょう。
例えば、オンラインストアのモバイル対応が遅れると、スマートフォンユーザーからのアクセスが減少し、売上が低下する可能性があります。また、データ分析を担当するIT人材が不足していると、売れ筋商品の予測が遅れ、在庫過多の問題を引き起こすリスクが高まります。
これらの問題は、競合他社に対して不利な状況に陥る要因となりかねません。
アパレルECを成功させるための5つのポイント
前章ではアパレルEC運営における課題を紹介しましたが、それらの課題を踏まえてアパレルECを成功させるためのポイントを5つ紹介します。
顧客体験の向上
アパレルECでも、実店舗のような購入体験を提供することは可能です。
例えば、マネキンの全身コーディネートを見たいユーザー向けにコーディネートを載せたページや各商品の購入ページを一つにまとめることで、マネキン買いがしやすくなり、ユーザーのサイトからの離脱も防げるでしょう。
また、ユーザーがカート(買い物かご)に入れた商品と関連性の高い商品をおすすめすれば、クロスセルの機会を増やすこともできます。さらに、クレジットカード情報を事前に登録することで、ワンクリックでの購入を完了できる決済機能を導入すれば、ユーザーの購買体験が向上します。
このような施策を通じてユーザーに優れた購入体験を提供し、売上を伸ばすことが可能です。
魅力的で使いやすいECサイトの構築
自社が運営するECサイトには、ECモールに比べて価格競争に巻き込まれにくいという利点があります。
InstagramなどのSNSを活用したインフルエンサーマーケティングやデジタル広告の最適化、検索エンジン対策を行なうことで、効果的に集客を増やすことが可能です。また、専用アプリを利用してファンを囲い込み、カート周りの最適化やスマートフォン対応を強化することで、売上を最大化する取り組みも重要です。
モールに依存せず、自社ECサイトの運営に注力することも検討してみましょう。
オムニチャネル戦略の採用
オムニチャネルとは、実店舗やECサイトを含むオフライン・オンラインのチャネルを連携させ、ユーザーにシームレスな購入体験を提供する戦略です。オムニチャネルの導入により、顧客データや在庫情報を一元管理し、売上拡大や業務効率化を実現できます。
例えば、オンラインで購入した商品を店舗で受け取るサービスや、店舗とECサイトで使える共通のポイント制度などが挙げられます。
また、データの統合により精度の高い顧客分析が可能となり、顧客ニーズに合わせた施策を実行しやすくなります。
サイズ感への不安の防止
近年、アパレルECでは肩幅や胸囲、腹囲などの簡単な質問に答えると、商品のサイズ感を表示するサービスが登場しています。
さらに、AR(拡張現実)を利用したバーチャル試着体験も普及しつつあります。このようなサービスにより、顧客がサイズ感に不安を感じることを防ぐことが可能です。
ただし、サイズに起因する返品を完全に防ぐのは難しいため、サイズが理由の返品や交換は無料で対応するなどのサービスを行なうことが必要です。これにより、顧客は気軽に商品を試しせるようになり、ECサイトの信頼性も向上するでしょう。
効率的なシステムの導入
ITの専門知識がなくても、簡単にECサイトの構築や運営、オムニチャネル化ができるシステムやサービスを導入するのも一つの解決策です。
例えば、在庫管理システムを活用することで、在庫数や入出庫の管理、返品時の情報管理など、複数の課題を同時に解決できます。入出庫作業の自動化、データの自動反映、在庫数のリアルタイム更新などにより、高い効果が期待できます。また、ECサイトや店舗などのチャネル別データを把握することで、店舗間の在庫移動を効率的に行なうことが可能です。
アパレルECを成功させるなら「富士ロジテックホールディングス」D2Cアパレル・ファッション物流サービスがおすすめ
富士ロジテックホールディングスでは、創業以来100年以上の経験と実績を活かし、高い効率性や拡張性、低コストや正確な注文処理を実現した物流サービスを提供しています。
中央の拠点(ハブ)を中心に、複数の支店や配送センターをネットワークで結ぶ物流システムにより、アパレルEC運営の課題を解決します。
富士ロジテックホールディングスのD2Cアパレル・ファッション物流サービスのおもな特徴を以下に紹介します。
高度なオムニチャネル対応
オムニチャネルとは、実店舗とオンラインショップを組み合わせて、どこで買っても快適な体験を提供する戦略です。
富士ロジテックホールディングスは、以下のオムニチャネル戦略に対応しています。
- BOPIS:オンラインで購入した商品を店舗で受け取る
- BORIS:オンラインで購入した商品を店舗で返品・交換する
- BOSS:オンラインで購入した商品を実店舗に配送し、そこで受け取る
これらのサービスを導入することで、顧客の購買体験を向上させ、ブランドへの信頼感を高めることが可能です。
先進的なフルフィルメントシステム:一気通貫したサポートシステム
フルフィルメントとは、ECで商品が注文されてから顧客に商品が届くまでに必要な業務全般のことです。
富士ロジテックホールディングスでは、テクノロジーを活用した省人化物流を導入し、ワンストップのサポートシステムを提供しています。
独自のソフトウェアを使い注文管理(OMS)、在庫追跡、返品・交換をクラウドベースのプラットフォームで一元管理し、完全な可視性と制御を実現できるのが強みです。
全国11のEC・通販に特化した物流センターから、毎日何千もの注文を迅速に処理します。分散在庫・分散出荷で最短距離の配送を実現し、物流コスト削減と顧客満足度向上を同時に達成することが可能です。
倉庫管理も効率化し、ハンガー商品の保管や多品種小ロットの管理にも対応しています。
充実したリバースロジスティクス:消費者から生産者への対応
返品や交換は、顧客のニーズをとらえ、次の購買行動につなげる重要な機会です。
富士ロジテックホールディングスでは、返品・交換の受付から受入、発送、在庫管理までのプロセスを自動化し、効率的なカスタマーサポートを提供しています。
これにより、顧客満足度を高めて顧客の「ファン化」を促進し、売上向上と利益拡大につなげることが可能です。
アパレルECの返品・交換サービスの導入に興味のあるアパレル事業者様に、充実した運用サポートを提供いたします。
アパレルECについてのまとめ
アパレルECとは、衣服などをインターネット上で販売するサービスです。オンライン需要の増加やスマートフォン・SNSの普及を背景に、近年アパレルEC市場は着実に成長しています。
しかし、アパレルECの運営には在庫管理の難しさや集客競争の激しさ、サイズ感への顧客の不安などの課題がともないます。
アパレルECで成功を収めるためには、顧客体験の向上やオムニチャネル戦略の採用、効率的なシステムの導入などのポイントを押さえることが重要です。
富士ロジテックホールディングスでは、アパレルEC運営の成功をサポートするD2Cアパレル・ファッション物流サービスを提供しています。
オムニチャネル対応やワンストップのサポートシステム、返品・交換サービスの運用に興味のあるアパレル事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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ウェブディレクター
赤上 直紀
元銀行員で、物流業界の融資案件を担当した経験を持つウェブディレクター。 現在はBtoBやEC向けのコンテンツマーケティングに従事し、経営視点とウェブ視点を融合させた提案を得意としている。 赤上ウェブ編集室代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を保有。https://marketing-analytics.work/
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