梅山茜
梅山茜

物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。

冷凍配送とは?|適切な発送方法・梱包資材、注意点を解説

冷凍・冷蔵物流
冷凍配送とは?|適切な発送方法・梱包資材、注意点を解説

冷凍配送とは、商品を冷凍状態で届ける配送手段の一つです。品質を維持したまま消費者に商品を届けられるため、野菜や肉、魚、乳製品などの食品を中心に取り扱うEC事業者に多く活用されています。

冷凍の商品は、配送時に温度管理が必要になるため、出荷する際には注意点があります。事前に冷凍配送の仕組みを知っておくと、発送がスムーズです。

本稿では、冷凍配送の基礎知識や発送方法、適切な梱包資材、注意点を解説します。

冷凍配送とは

冷凍配送とは、冷凍状態を保った状態(-15℃以下)で荷物を運ぶ配送手段です。温度が上がると品質の劣化につながる商品を、鮮度を保ったまま届けられるメリットがあります。

商品の鮮度を保つためには、配送前の保管倉庫での徹底的な温度管理が重要となります。適切な保管には、保管温度帯の専門知識やノウハウ、冷凍設備が必要になり、管理の難易度が高いといわれています。

また、依頼する配送業者によって、配送中の管理温度が異なるため、冷凍配送を利用する際は、事前に確認しておきましょう。なお、冷凍配送は、通常の配送料金に追加でオプション料金が発生します。

3つの温度帯の違い(冷凍・冷蔵・常温)

配送時・保管時の温度は、3温度帯と呼ばれる「冷凍・冷蔵・常温」の3つに分かれます。その他、次のようにC級・F級・SF級に細分化されています。なお、温度帯区分は令和5年12月28日に改正されています。

等級

温度帯

おもな保管品

C3級

10℃~-2℃

 

乳製品・練り製品・食肉など

C2級

-2℃~-10℃

鮮魚類

C1級

 

-10℃~-18℃

・パン生地

・冷凍食品

・アイスクリームなど

 

 

F1級

-18℃~-24℃

F2級

-24℃~-30℃

F3級

-30℃~-35℃

SF1級

-35℃~-40℃

SF2級

-40℃~-45℃

マグロなど

SF3級

-45℃~-50℃

SF4級

-50℃以下

ここからは、3つの温度帯の違いを解説します。

冷凍

冷凍は、-18℃以下で管理する温度帯のことを指します。「フローズン」とも呼ばれています。

冷凍の温度帯は、商品の品質が低下しやすい傾向にあります。冷凍品は温度変化に弱く、温度が高さだけでなく、低くなっても劣化が生じるためです。適切な温度を保つためには、冷凍保管のノウハウや経験が必要になります。

冷蔵

冷蔵は「チルド」とも呼ばれ、一般的に10℃以下で保管する温度帯のことです。おもに青果・鮮魚・精肉などの生鮮食品を保管します。

加えて、医薬品の保管ニーズも高まっています。

常温

一般的な配送・物流倉庫が常温に該当します。「ドライ」とも呼ばれ、10~20℃程度の温度帯です。

常温は、飲料や食用油、日用雑貨など、低温管理が必要ない商品が対象です。また、缶詰や非常食など、長期間の保管にも向いており、多く活用されています。

<関連記事>「3温度帯とは?4温度帯との違いや冷凍・冷蔵倉庫の温度について解説

冷凍配送に適した梱包資材

冷凍配送に適した梱包資材

冷凍配送は指定の専用箱は定められておらず、簡易的な紙袋で送ることも可能です。しかし、梱包が適切でないと、配送中に水濡れを起こすリスクがあるため、注意が必要です。

水漏れは、ほかの荷物に影響を及ぼす可能性があるため、安全に配送できるダンボールの使用が推奨されています。ここからは、冷凍配送に適した梱包資材を紹介します。

A式ダンボール

A式ダンボール

画像引用:canal

天面と底面が観音開き形状のダンボールのことで、一般的に「みかん箱」とも呼ばれています。A式ダンボールは、型なし作成が可能であり、寸法が自由に指定できます。商品に合わせて材質や厚みが選択できる点がメリットです。

A式ダンボールは、型が不要なためコストパフォーマンスが高い資材といわれています。また、コストが抑えられるだけでなく、冷気を通しやすいため、冷凍品の配送に適している資材です。

N式ダンボール

N式ダンボール

画像引用:canal

1枚で形成されるフタ付きの組み立て式のダンボールのことで、型を使用して作成します。接合箇所がないため、作成に型が必要なダンボールの中では比較的安価な資材です。

フタを差し込んで閉じる仕様であり、テープで簡単に密閉できます。外装箱にショップのロゴなどのオリジナルデザインを施すことも可能であり、ギフト用のパッケージに多く用いられています。

富士ロジテックホールディングスの提携先である「canal」では、冷凍に適した箱を販売中です。規格サイズはもちろんのこと、オリジナルサイズの注文も可能なため、冷凍便の利用が初めてのEC事業者様でも安心して依頼できます。

冷凍配送できる運送業者

冷凍配送できる運送業者

冷凍配送を依頼できる運送業者は複数ありますが、おもに国内の冷凍配送を担う企業は、ヤマト運輸、佐川急便の2社が挙げられます。日本郵便では、個人からの冷凍配送を受け付けていない状況です。

ここからは、各サービス内容を解説します。

ヤマト運輸(クール宅急便)

ヤマト運輸が提供するクール宅急便は、冷蔵・冷凍の配送サービスです。法人・個人にかかわらず誰でも利用可能です。冷蔵は「0~10℃」冷凍は「-15℃以下」の荷物に対応しています。

クール宅急便の料金は、下表のように荷物のサイズに応じて配送料金に追加でオプション料金が別途発生する仕組みです。

サイズ

縦・横・高さ3辺合計

(重さ)

オプション料金

(税込み)

60サイズ

60cm以内

(2kg以内)

275円

80サイズ

80cm以内

(5kg以内)

330円

100サイズ

100cm以内

(10kg以内)

440円

120サイズ

※上限サイズ

120cm以内

(15kg以内)

715円

参考:ヤマト運輸「クール宅急便

120サイズ以上・15kg以上の荷物は、受付できないため、梱包時は重量やサイズを超えないよう注意しましょう。なお、発送は集荷もしくは宅急便センターでの受付となっており、コンビニは受付不可です。受取時も宅配ボックスやコンビニ受取ができないため、注意が必要です。

また、不在時の保管期間は、最初の不在票が届いた日を含め3日間となっているため、事前に日付指定をしておくと安心です。

クール宅急便における責任限度額は、通常配送と同様であり、1個あたり30万円(税込み)までとなっており、30万円を超える荷物は受け付けていません。

佐川急便(飛脚クール便)

佐川急便が提供する「飛脚クール便」は、冷蔵・冷凍専用の配送サービスです。ヤマト運輸同様に法人、個人かかわらず利用できます。

対応サイズは3辺合計140cm以内・重量30kg以内と、他社よりも大きな荷物を取扱いしているため、大口出荷などで便利に利用できる利点があります。

料金は下表のように、ヤマト運輸同様に配送料金に追加で別途料金が発生します。

サイズ区分                       

3辺合計・重量

クール料金(税込み)

60サイズ

60cm以内・2kg以内

275円

80サイズ

80cm以内・5kg以内

330円

100サイズ

100cm以内・10kg以内

440円

140サイズ

140cm以内・20kg以内

880円

140cm以内・30kg以内

1,320円

参考:佐川急便「飛脚クール便

冷蔵・冷凍便の受取は対面のみであり、宅配ボックスやコンビニ受取はできません。不在時の保管期間は、4日間となっています。

<関連記事>「【2024年最新】クール宅急便・宅配便の配送料金比較!冷蔵冷凍で安い業者は?

冷凍配送における送り方の手順

冷凍配送における送り方の手順

冷凍配送は、梱包方法が適切でない場合、水濡れを起こすリスクが伴います。商品が水濡れで汚損や破損をしてしまうと、予定日に荷物を届けられなくなり、顧客満足度の低下につながる可能性も。荷物を安全に届けられるよう梱包は慎重に行いましょう。

ここからは、冷凍配送に適した送り方の手順を解説します。

 1.商品を予冷する

商品を傷めないよう、梱包前に予冷をする

(依頼する運送業者によって基準は異なる)

 

 2.商品を包む

冷凍した商品を冷凍庫から取り出し、ジップロックやビニール袋に入れる

緩衝材を巻き、テープでしっかりと固定する

 

  3.梱包する

ダンボールの底面に緩衝材を敷き詰め、商品が動かないよう緩衝材で固定する。ガムテープで封をする

 

 4.伝票を貼る

発送伝票を用意し、荷物に貼りつける

冷凍便の専用シールを貼りつける

 

 5.運送業者に引き渡す

冷凍品であることを伝え、集荷依頼もしくは配送センターへ持ち込む

冷凍便の資材は、冷気を通すダンボールが推奨されています。発泡スチロールは外からの冷気を通さないため、利用する際は保冷剤やドライアイスを入れて温度を保てるよう工夫が必要です。

冷凍配送時の注意点

冷凍配送時の注意点

冷凍配送時は、次のような注意点があります。発送前に確認しておきましょう。

  • 荷物を予冷する
  • 日時指定をする
  • 配送できない荷物もある
  • 配送コストが上がる

荷物を予冷する

運送業者の冷凍便車両は、あくまで保冷する設備のため「冷やす・凍らす」ことができません。そのため、出荷する際には商品の予冷が必須となります。

予冷とは、商品をあらかじめ冷やしておくことです。依頼する運送業者によって、予冷の基準が異なります。ヤマト運輸は-15°C以下で12時間以上、佐川急便は-18℃以下で12時間以上の予冷をしておく必要があります。

予冷していない商品は、出荷依頼ができないため注意しましょう。

日時指定をする

冷凍配送は受取人が不在の場合、商品の品質劣化に大きくかかわります。冷凍便の専用トラックに積み込まれているものの、配達時は一時的に外気に触れるためです。

不在で何度も荷物を持ち出すと、商品の温度が変化し劣化するおそれがあります。事前に日時指定をしておくことで、品質を落とさず安全に顧客に荷物を届けられます。

また、冷凍配送は常温配送時よりも、保管期間が3日~4日と短いため、不在が続いた場合に返送されるリスクも高まります。場合によっては、再出荷やキャンセルなどの手続きが必要になることも。円滑に届けるためにも日時指定を行いましょう。

配送できない荷物もある

運送業者が対応できる温度帯よりも低い温度管理が必要な商品は、取扱いできないケースがあります。たとえば、アイスクリームやバター、マグロ、カツオなどです。これらの商品の品質保持のためには-20℃以下の管理下での配送が必要です。

なかには、ドライアイスの利用によって配送できる場合もありますが、運送業者によって受付条件が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

配送コストが上がる

冷凍配送は、通常の配送料金にオプション料金が上乗せされるだけでなく、サイズや重量にも上限があります。大口出荷の場合、小口数が増えるため、コストが想定よりも上がる可能性があります。

コストを少しでも抑えたい場合は、自社で物流を担うよりも、物流業務を外部委託することも有効な手段の一つです。物流代行サービスの活用によって、自社の物流業務の負担や人件費を削減できるため、コスト削減が叶います。

また、配送コストを低価格で提示する物流代行業者もあるため、委託先によっては、配送コスト削減も期待できます。

<関連記事>「冷凍や冷蔵食品物流における現状とは?EC物流代行サービスの選び方

冷凍配送なら、ノウハウを持つ富士ロジテックホールディングスにお任せください

冷凍配送なら、ノウハウを持つ富士ロジテックホールディングスにお任せください

冷凍配送とは、商品を冷凍状態で顧客へ届ける配送手段です。冷凍食品や肉類、魚介類などの食品を扱うEC事業者を中心に多く利用されています。

冷凍配送を依頼する際には、出荷前に予冷が必要、梱包時は水漏れ防止のためにジップロックやビニール袋に入れるなど、安全に商品を届けるための注意点が複数あります。

また、冷凍商品の品質を維持するには、保管倉庫内の温度管理が重要です。保管温度が適切でない場合、商品が劣化しやすいためです。冷凍商品を適切に保管するためには、保管ノウハウや経験が必要となるでしょう。

富士ロジテックホールディングスでは、商品の特性に合わせた温度帯で、衛生的で正確な商品管理を行っています。検査分析のための高温度帯での保管設備も備えているため、お客様の商品を万全な状況で管理できる体制が整っています。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

<関連記事>「冷凍冷蔵食品の発送代行も対応可能なおすすめ業者を一挙紹介

 

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梅山茜

ライター

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