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国内外のECをはじめ、リユース、美容・健康、音楽などあらゆるジャンルで執筆中のフリーランスライター。中国への留学経験を生かし、13年間、繊維製品や楽器、雑貨の輸入業務に携わる。現在はライター業のかたわら、個人で越境ECのセラーとしても活動中。

【2024年4月最新】楽天の最強配送ラベルとは?獲得条件と対策法

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【2024年4月最新】楽天の最強配送ラベルとは?獲得条件と対策法

楽天市場の最強配送ラベルについては、仮称「配送認定ラベル」として以前から何度か規制緩和や調整が実施されてきました。

本記事では運用を3ヶ月後に控え、今いちど最新の情報を整理してお伝えします。物流整備のご参考になさってください。

最強配送ラベルとは|基準を満たした商品に付与されるラベル

2024年7月1日から、楽天市場で「配送品質向上制度」の基準を満たした商品に「最強配送ラベル」が付与されます。以前は仮称として「配送認定ラベル」と呼ばれていたものです。これにともない、同年6月30日付けで現行の「あす楽ラベル」が廃止になります。

最強配送ラベルは、Yahoo!ショッピングでいうところの優良配送ラベルに該当します。配送品質の向上により顧客の利便性と満足度を上げ、楽天市場の集客力をアップする狙いがあります。出店中の店舗への利益還元にもつながる取り組みです。

<関連記事>「ヤフーが定める優良配送とは?条件やメリット、土日の取扱まで徹底解説!」

最強配送ラベル獲得のための4つの条件

最強配送ラベル獲得のための4つの条件

最強配送ラベルを獲得するには、以下4つの条件を満たす必要があります。

  1. 楽天SKUへの対応
  2. お届け日表示機能への対応
  3. 「店舗基準」4項目をクリア
  4. 「商品基準」3項目をクリア

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

条件1:楽天SKUへの対応

最強配送ラベル獲得の1つ目の条件は、楽天SKUへの対応です。

2023年4月に楽天市場でSKUプロジェクトがスタートしました。

これにより、SKUへの移行が最強配送ラベルを獲得する条件の一つになっています。

商品ごとではなく、異なるサイズ、色などのバリエーションごとに異なるSKUコードを割り当てる管理方法です。

これまでは、同じ商品でもバリエーションごとに違うページで管理し、リンクさせていました。SKU管理に移行することで、Amazonのように同一商品のバリエーションを1商品ページ上に表示できます。購入までの導線が使いやすくなるため、顧客の途中離脱を防げます。

SKUに移行後、180日以内に商品の属性を入力完了させなければ新規商品の登録・更新ができなくなります。ご注意ください。

条件2:お届け日表示機能への対応

最強配送ラベル獲得の2つ目の条件は、お届け日表示機能への対応です。

配達日時が指定できる商品に関して、1SKUごとに発送元の住所と、出荷リードタイムの登録が必要です。2023年8月から最短のお届け日が注文画面に表示され、顧客からひと目でわかるようになっています。

同時に2024年問題※への対応として、再配達の負担を減らせる取り組みです。

※トラックドライバーの時間外労働が制限され、配送可能な物量が減るなどの諸問題

条件3:「店舗基準」4項目をクリア

最強配送ラベル獲得の3つ目の条件は、以下4つの基準を店舗単位で満たしていることです。一部、特例があります。

店舗基準の条件

特例

1)納期の遵守率96%以上

-

2)6日以内のお届け件数80%以上

ジャンルによって6日以内の配送が難しい商品※は母数から除外

3)出荷件数が月100件以上

-

4)出荷無料ライン(送料込みライン39ショップ)の導入

-

(※除外商品の一例)

  • 発売日が未来の商品(予約商品のDVD・アパレルなど)、名入れ・オーダーメイド商品など
  • バレンタイン、ホワイトデー、母の日、父の日、敬老の日、ハロウィン、クリスマス、おせちの8イベント

上記の特例は、これらの商品を取り扱うショップが検索順位で不利にならないための措置です。

条件4:「商品基準」3項目をクリア

最強配送ラベル獲得の4つ目の条件は、以下3つの基準を商品単位で満たしていることです。

商品基準の条件           

特例

1)365日いつでも出荷が可能

年末年始(12/31〜1/3)および月1回の休業日は除外

2)午前の注文は「翌日お届け」可能
午後の注文は「翌々日お届け」可能

土日祝は翌日お届け注文締め切り時間を最短午前9時に設定可(平日は正午以降)

3)日付指定が可能

「追跡可能メール便」
「追跡可能メール便(特定送料)」は除外

これらの商品基準を満たした商品は、翌日~翌々日配送が可能な地域の顧客にのみ最強配送ラベルが表示されます

たとえば本州からの出荷で離島や北海道への配達が翌日〜翌々日には間に合わない場合、離島や北海道の顧客にはラベルが表示されません。

最強配送ラベルを獲得するメリット

最強配送ラベルを獲得するメリット

最強配送ラベルを取得すると、大きく分けて3つのメリットがあります。

  1. 検索順位が上がりやすい
  2. 競合との差別化が図れる
  3. ショップの信頼度が増す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

検索順位が上がりやすい

楽天担当者の話によると、最強配送ラベルの有無が検索順位を決める一要素になる可能性が高いようです。

ラベルがついた商品が検索上位に表示されると顧客の目にとまる機会が増え、購入されやすくなります。

競合との差別化が図れる

検索画面に同じ商品が並んだ場合、最強配送ラベルがついた商品は顧客の目に止まりやすいメリットがあります。

また配送品質の向上によりショップに高評価が集まるため、さらに顧客が増える効果もあります。購入前にショップレビューを確認する顧客も多いため、競合との差別化が図れるでしょう。

ショップの信頼度が増す

最強配送ラベルは、厳しい条件をクリアしなければ獲得できません。最強配送ラベルは納期の遵守率が96%以上、6日以内のお届け件数が80%以上の条件を満たしている証明です。

ラベルの表示により顧客のショップへの信頼度が高まり、安心して購入できるでしょう。

また楽天は、最強配送ラベルを獲得している商品が配達指定日に遅れた場合、楽天から顧客にお詫びとして5%ポイントバックの補償サービスを実施するとのこと。ショップへの信頼度を向上させるため、楽天側もバックアップ体制を整えています。

最強配送ラベルを獲得するデメリット

最強配送ラベルを獲得するデメリット

最強配送ラベルを取得する際のデメリットは、物流コストと利益率のバランスを取るのが難しい点です。

365日配送や即日配送に対応するには、土日祝にも出社できる人員の確保や、自動化にあたりシステムを開発するなど新たなコストが発生します。

外部倉庫を利用する場合も、保管費用を含む物流コストが利益率を圧迫するリスクがあるでしょう。利益を確保するには、売れ筋商品とそうでない商品を把握し売れ筋のみ委託するなどの対策が必要です。

ラベルの獲得には、コストと利益率のバランスを考慮した業務改善が求められます。

配送品質向上制度への対策方法

配送品質向上制度への対策方法

配送品質向上制度に対応し最強配送ラベルを取得するには、以下の4つの対策法があります。

  1. 土日対応の外部倉庫に物流委託する
  2. RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用する
  3. 楽天市場と提携する受注管理システムBOSSを利用
  4. 自社で土日祝日に対応できる体制を整える

順に解説します。

土日対応の外部倉庫に物流委託する

自社発送で土日休みの企業は、最強配送ラベル取得の条件である365日発送ができません。その場合、土日も物流・受注処理に対応できる外部倉庫に委託する選択肢があります。

委託する業務範囲を柔軟に調整できる物流会社を選べば、コストと利益のバランスまで相談しながら委託できます。また一部の会社では、受注管理から倉庫管理まで一体化したシステムの利用により、業務の大幅な効率化も可能です。

<関連記事>「EC物流の比較ポイントとおすすめ発送代行会社7選、その特徴

RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用する

RSLとは楽天スーパーロジスティクスの略で、楽天が運営する出店者向けの物流アウトソーシングサービスです。

荷受けから保管、梱包や出荷までの一連の物流業務を一括して委託できます。365日出荷や土日祝日の出荷にも対応可能です。

利用には別途、受注管理システムの導入が必要です。また冷凍や冷蔵商品は取り扱い不可となっています。

楽天市場と提携する受注管理システムBOSSを利用

BOSSとは、「楽天市場」が提供している受注管理システムです。

前述のRSLと連携させると、自動出荷が実現します。

RSLを利用せず委託先の倉庫や自社倉庫から出荷する場合も、BOSSを利用してSKUごとに在庫数と保管場所の管理が可能です。委託先の倉庫のWMSや自社とのCSV連携により、一部もしくはすべての注文を自動化できます。

自社で土日祝日に対応できる体制を整える

自社で対応するなら、休日対応の人員を新たに雇用するか、休日に社員が出社できる体制を整えなければなりません。

この場合、人件費や社員の負担が大きくなるのがデメリットです。

<関連記事>「発送代行の選び方とは?楽天APIと連携するメリットを解説

富士ロジテックホールディングスは自動出荷や土日祝出荷にも対応!

富士ロジテックホールディングスは自動出荷や土日祝出荷にも対応!

Yahoo!ショッピングの優良配送と同様、今回の楽天の最強配送ラベル獲得は売り上げ向上に欠かせない施策となっていくでしょう。

富士ロジテックホールディングスでは、OMS(注文管理システム)、WMS(在庫管理システム)一体型システムによる自動出荷が可能です。土曜日の出荷にも対応しており、物量に応じて日曜・祝日出荷サービスもご利用いただけます。冷蔵・冷凍商品も取り扱い可能です。

また、受注業務やコールセンター業務も代行できます。土日祝日のみ、ワンストップでEC運営をおまかせいただくといった柔軟な対応も可能です。

最強配送ラベル獲得に向けて配送周りの改善を検討中のお客様は、まずは無料相談フォームよりお気軽にご連絡ください。

 

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<関連記事>「Amazon・楽天・ヤフーを7つの出品者視点で徹底比較【購入者視点の解説もあり】」

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