オガミキヨ
オガミキヨ

国内外のECをはじめ、リユース、美容・健康、音楽などあらゆるジャンルで執筆中のフリーランスライター。中国への留学経験を生かし、13年間、繊維製品や楽器、雑貨の輸入業務に携わる。現在はライター業のかたわら、個人で越境ECのセラーとしても活動中。

【ECサイトを初めて構築する方向け】作り方・サービスとその費用を解説

D2C eコマース スタートアップ ビジネスモデル 成長のためのTips

会社や個人でECサイトを構築したいけど、どの方法が最適なのか迷っていませんか?

サイトを立ち上げてみたものの、予想外の費用がかかったりビジネスの規模に合わなかったりして後悔するのは避けたいですよね。

当記事では代表的なプラットフォーム(ECサイトを構築するシステムやソフトウェア)6種類の特徴や費用相場、構築の手順とポイントまで解説します。

記事を読めば、あなたのビジネスにとって最適な構築方法が分かり、選択ミスを未然に防げます。
ぜひ最後までご覧ください。

ECサイト構築プラットフォーム【個人・企業別おすすめ6種類】

まずは、ECサイトの構築に必要なプラットフォームの種類を理解しましょう。個人と企業それぞれの事業規模に応じたおすすめの6種類について解説します。

ご自身のビジネスにどの方法が合うのか、大枠のイメージをつかんでおくとよいでしょう。

  1. 【個人向け】ASP|とにかく簡単
  2. 【個人・企業向け】モール型|集客力あり
  3. 【個人・企業向け】オープンソース|安価でカスタマイズ可能
  4. 【企業向け】クラウドサービス|必要な分だけ
  5. 【企業向け】パッケージ|機能充実
  6. 【企業向け】フルスクラッチ|フルカスタマイズ

1)【個人向け】ASP|とにかく簡単

ASPとは、Application Service Providerの略。ECではASPカートともいいます。

カートや決済システムなど必要な機能、ショップデザインのテンプレートなどがあらかじめ備わっているプラットフォームです。

ITスキルが不要で、低コストでショップを開設できるのが魅力です。

おもなサービスの例

無料:

BASE

有料:

・futureshop

・MakeShop

・shopify

・shopserve

メリット

・最も低コストで構築できる

・ITスキルが不要

・短期間で導入できる(アカウント開設当日〜数週間)

デメリット

・仕様や機能を自由にカスタマイズできない

・商品が売れるたびにサービス利用料や決済手数料がかかる

・自社システムなど外部との連携が難しい

・アクセスが集中するとサーバーダウンするおそれがある

個人でショップを開きたい方や、小規模の企業などにおすすめします。

2)【個人・企業向け】モール型|集客力あり

複数の店舗が集まったオンライン上の仮想ショッピングモールのようなものだとイメージするとよいでしょう。

集客力が高いので、比較的短い期間で売り上げを伸ばせます。

おもなサービスの例

マーケットプレイス型(商品自体を出品):

Amazon

Qoo10

テナント型(企業ごとに店舗として出店):

・楽天市場

・Yahoo!ショッピング

メリット

・モール自体に数多くのユーザーがついている

・サイトに対する信頼感が高い

・検索結果で上位に表示されやすい

デメリット

・同じジャンルの店が多数あり、価格競争になりやすい

・顧客情報はモール側の管理になり、自社にファンを取り込めない

・月額利用料のほか、広告費や各種課金ポイントなどの変動コストがかかる

新規でECに参入したい個人や企業におすすめです。

・モール型が新規で参入したい方へおすすめな理由について詳しく解説している、こちらの記事も参考にご覧ください。

ECサイトを立ち上げたい方必見!ECサイトの作り方とおすすめの出店|ピュアフラット

3)【個人・企業向け】オープンソース|安価でカスタマイズ可能

ソースコード(プログラムの元になるデータ)が公開されているソフトウェアをアレンジして構築する方法です。

スキルがあれば、安価でサイトをカスタマイズできます。

おもなサービスの例

個人・企業向け:

WordPress(Welcartのプラグイン追加により、ECサイトの構築が可能)

企業向け:

EC-CUBE

メリット

・ソースコードを変更し、サイトを自由にカスタマイズできる

・低コストで自社の独自性が出せる

デメリット

・ドメイン取得やサーバー契約の初期費用がかかる

・カスタマイズやメンテナンス、セキュリティ保守にはITスキルのある人材が必要

・ソースが公開されているので、セキュリティの脆弱性を狙ったサイバー攻撃にあうリスクがある

ITスキルがある個人から大規模な企業にまでおすすめします。

4)【企業向け】クラウドサービス|必要な分だけ

決済機能やカートのほか、自社で必要な機能だけをクラウド上で利用できるプラットフォームです。

ITスキルが不要で、必要な機能だけを選択して使えるのでコストが抑えられます。

おもなサービスの例

国内向け:

・ebisumart
・メルカート

・MakeShopエンタープライズ

海外対応:

・Salesforce Commerce Cloud

メリット

・必要なサービスに絞りコストを抑えられる

・カスタマイズ性に富む

・システムの管理やアップデートはベンダーに任せられ、ITスキルが不要

・自社システムなど外部との連携が可能

・サーバー数を増減でき、大量アクセスにも対応

デメリット

・構築と運用にかかるコストが高い(ひと月数十万円ほど)

年商がおよそ数千万円以上で、IT人材の確保が難しい企業におすすめします。

 5)【企業向け】パッケージ|機能充実

機能がパッケージングされたソフトウェアを自社サーバーにインストールし、ニーズに合わせてカスタマイズをしていく方法です。

充実した機能がパッケージングされており、ゼロからサイトを構築する手間が省けます。
またオープンソースのようにソースコードが開示されていないので、セキュリティ面も安心です。

おもなサービスの例

・ecbeing

・Commerce21

メリット

・商品在庫や顧客管理をはじめ、売り上げ解析まで幅広い機能が充実

・カスタマイズ性が高い

・カスタマイズやサポートはベンダーに任せられる

・セキュリティー面も安心

デメリット

・システムのメンテナンスやサイトリニューアルのためベンダーと密に連携が必要

・導入コスト、運営コストともに高額になる

・企業のニーズに合わせてカスタマイズするので導入に最短でも3カ月はかかる

使える機能の幅広さとセキュリティ面の利便性を求める企業には、パッケージがおすすめです。
コストの面から、年商1億円以上の中・大規模企業に向いています。

6)【企業向け】フルスクラッチ|フルカスタマイズ

他のサービスとは違い、既存のプラットフォームを使わずゼロからオリジナルのECサイトを構築する方法です。

デザインや機能、販売戦略にいたるまで、全面的に企業の独自性を出せます。

おもなサービスの例

システム開発会社などに依頼

メリット

・自社のデザインの機能すべてを自由に構築できる

・オムニチャネル化など、将来的に独自の販売戦略を展開しやすい

・社内の計画を実行し、問題点を改善しやすい

デメリット

・開発期間が長い

・開発費用が高額になる

・高レベルのIT人材の確保が必須

・アップデートやセキュリティ確保のため定期的なメンテナンスが必要

IT人材が確保できる、年商およそ数十億円以上の大規模な企業におすすめです。

ECサイトの構築にかかる費用【比較】

ECサイトにかけられる予算は、企業規模によって大きく変わります。

ぞれぞれの構築方法でかかる費用の目安を、比較表で見てみましょう。

構築方法

事業規模(年商)

初期費用

月額利用料

カスタマイズ

ASP

〜1億円

0円〜10万円

0円〜30万円

モール型

0円〜6万円

0円〜10万円

オープンソース

〜5億円

0円

0円〜数千円

クラウドサービス

1億円〜

300万円〜

10万円〜

パッケージ

1億円〜

500万円〜

10万円〜

フルスクラッチ

数十億円〜

数千万円〜

数十万円〜

 

ASPやECモールは、月額費用が無料や安いものが多く低コストではじめられます。ECに参入したばかりで、売り上げのめどがたたない個人や企業に向いているといえるでしょう。

オープンソースはITスキルがある場合、コストが安く抑えられます。しかし制作会社に外注する場合は数百万円かかる場合もあり、コストが大幅に変動することにも注意が必要です。

パッケージは充実した機能が備わっているので、初期費用が高額になります。サイトのリニューアルやメンテナンスにかかるコストもかかるので、中規模以上の企業に抜いているといえるでしょう。

フルスクラッチはゼロからシステムを開発するため、初期費用が非常に高額です。さらにIT人材の確保やシステムのリニューアル、メンテナンスなどにかかるコストも高く、大規模なECに向いています。

一方で手軽に始められるサービスは別途販売手数料がかかる場合がほとんどです。そのため、代理店を通さない直販に注力する企業が増えています。「メーカー直販とは?メリットと問題点、事例から見る成功のポイント」の記事で詳しく解説しています。

ECサイトの作り方・手順

ここからは、ECサイトを作る手順について見ていきましょう。

クラウド、オープンソース、フルスクラッチの場合、ここで解説する手順のほかに開発に必要な「要件定義」などの段階を踏む必要があります。要件定義とは、自社で必要なデザインや機能をシステム開発者、制作会社と認識のズレがないよう擦り合わせをすることです。

では手順を見ていきましょう。以下の通りです。

  1. サービスの選定
  2. ショップ作成
  3. デザイン設計
  4. 配送の設定
  5. 決済の設定
  6. 商品登録
  7. テスト注文

ECサイトの作り方1.サービスの選定

まずは、事業規模や計画、予算にもとづき、どのプラットフォーム(または構築方法)を使うか大枠を決めます。

その中から、予算やカスタマイズ性など自社のコンセプトや目的に適したサービスを選定します。

ECサイトの作り方2:ショップ作成

ASPなら会社情報や利用案内、お問い合わせ先などを登録します。

モール型なら出店の申し込みにあたる作業です。

その他のプラットフォームではショップの大まかなフレームや、特定商取引法の表記などを決めます。

ECサイトの作り方3.デザイン設計

ECサイトのデザインは、実店舗でいう内装のようなものです。トップページや商品詳細、カテゴリ一覧、ショッピングカートなどのデザインを決めていきます。

パソコンだけでなく、スマートフォン対応のデザインも必須です。

ECサイトの作り方4.配送の設定

つづいて、配送方法の設定です。商品ごとの配送方法オプションや、地域別の配送料を決めておきます。

自社で配送の管理が難しい場合、外注も視野に入れるとよいでしょう。富士ロジテックホールディングスは、商品の在庫管理や配送伝票の出力ほか物流業務を一括でサポートします。

ECサイトの作り方5.決済の設定

次に、決済方法を設定します。ECサービス会社によって、利用できる方法とできないものがあるので注意が必要です。クレジット決済やコンビニ決済、PayPayなどできるだけ多くの決済手段があるのが理想的です。あわせて、クレジットカードの手数料率も設定しましょう。

ECサイトの作り方6.商品登録

商品写真を撮影、価格やサイズ等の詳細を書いた説明文を作成します。ほかにも、在庫数の登録など商品に応じて必要項目を登録していく作業です。

ECサイトの作り方7.テスト注文

ECサイトの運営が始まる前に、必ず購入者の立場で注文から決済までの流れをテストしておきましょう。

パソコンとスマートフォン、どちらからもテストを実施し、改善点があれば調整します。複数の決済方法がある場合は、すべてテストしておくとよいでしょう。

ECサイト作成・構築成功のポイント

ECサイトは実店舗のように商品を手にとることもできなければ、接客もできません。ですので、顧客は少しでも不安や疑問に思うことがあれば、すぐに離脱してしまいます。

ここからは、顧客の離脱を防ぎECを成功させるポイントをいくつか見ていきましょう。

  • 必要な機能の充実
  • ユーザーに寄り添ったデザイン
  • セキュリティーへの対策
  • 決済システムの充実
  • 集客への対策

必要な機能の充実

ユーザーの利便性を第一に考え、必要な機能を充実させましょう。

必要な機能は、越境EC、定期販売、アパレルEC、BtoBなど形態によっても異なります。

それぞれに必要な機能の例として、以下のようなものがあります。

  • 越境EC:外国語や通貨、国に応じた機能を搭載したカート
  • 定期:自動課金・受注生成機能
  • アパレル:お気に入りや自動レコメンド
  • BtoB:請求書による後払い(掛け売り)対応のカート、買い手によって価格・商品の表示を変える機能

ユーザーに寄り添ったデザイン

ユーザーがストレスを感じないよう、使いやすいデザインにするのが離脱を防ぐために重要です。

たとえば、検索窓を分かりやすく配置したり、FAQページの質問をカテゴリー別に整理するなどするとユーザーが迷いません。商品画像を多めに、必要に応じて動画を使うのも効果的です。

ただし、ページの読み込みが遅くならないよう最適なデータ量に収めるよう注意しましょう。

セキュリティーへの対策

顧客情報を預かるうえで、万全なセキュリティー対策が必須です。情報漏えいを防ぐために、顧客情報は暗号化しておくのがよいでしょう。

システムが古くなると脆弱性をついたハッキングに合いやすくなります。常に最新の状態にアップデートすることも重要です。

決済システムの充実

ユーザーによって、使いやすい決済方法が違うので決済システムはなるべく充実させたいもの。

とはいえ、決済方法を増やせば増やすほど支払う手数料も多くなります。ターゲットによって決済方法を絞り、かつ狭くしすぎないよう適度に充実させるのが重要です。

楽天 Payなど面倒な個人情報の入力がいらない決済方法との連携も、顧客の離脱を防ぐのに有効です。検討してみるとよいでしょう。

集客への対策

集客には、サイトのSEO対策や広告、SNSとの連携などの対策が必要です。

SEOとは、顧客がキーワードで検索した時に検索結果の上位に表示されるようにおこなう施策を指します。詳細はここでは割愛しますが、上位に表示されればサイトを訪れるユーザーを増やせます。

リピーターを増やすなら、メルマガやLINEで定期的に情報を発信するのなども効果的です。

富士ロジテックは売れるECサイトの構築から物流までフルサポート

当社富士ロジテックホールディングスでは、ECサイトのスタートアップを応援します。

売れるECサイトの立ち上げを支援するパートナーの紹介から、売り上げ拡大に必要な物流支援(倉庫管理や注文管理などの物流運用など)までフルサポートします。低価格で明瞭な料金体系のスタートアップ限定プランもご用意し、小ロットのビジネスや個人のお客様にも安心してご利用いただけます。

自社で配送や倉庫管理が難しいかたは、まずはお気軽にご相談ください。

 

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ライター

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