梅山茜
梅山茜

物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。

SKUとは何か?基礎知識や設定ルール・注意点をわかりやすく解説

EC物流 SKU

SKUとは何か?基礎知識や設定ルール・注意点をわかりやすく解説

SKU(エス ケー ユー)とは在庫管理に活用される用語の一つであり、在庫の「最小管理単位」を意味します。SKU管理によって、商品数が増加した場合でも、効率的な在庫管理ができます。

アイテム数だけではなく、サイズ・カラーも幅広く展開をしたい場合は、正確な在庫管理をするうえで、SKUの活用が必要不可欠です。

本稿では、SKUの基礎知識から設定ルール、SKUの注意点までわかりやすく解説します。

SKUとは|基礎知識

SKUとは|基礎知識

在庫管理を行う現場では「この商品は、何SKUあるの?」「新商品は12SKUです」など、会話のなかでも多く使用されます。SKUの知識がないと話している意味がわからないかもしれません。

まずは、SKUの意味や数え方などの基礎知識を理解しておきましょう。

SKUの意味|最小在庫管理単位

SKUとは「Stock Keeping Unit」を省略した言葉であり「最小在庫管理単位」を示す用語です。最小識別単位と、呼ばれるケースもあります。

1つの商品を1アイテムと大きく分類するのではなく、サイズやカラー、デザインまで区分けして、細分化して管理する運用を意味します。

SKUで管理する場合は、たとえ同じ商品であっても「色違いやサイズ違い」など分類できるものは、別のSKUで管理することが一般的です。

SKUの数え方

SKUは、細分化できる限界まで種類分けを行います。SKU数は、次のように算出されています。以下の例をもとに、イメージしてみてください。

アパレルの場合

商品 :スカート

カラー:白・黒・ネイビー・ブラウン(4種類)

サイズ:S・M・L(3種類)

・カラー4種類×サイズ3種類=12SKU

・アイテム数は「1」、SKUは「12SKU」と数える

食品の場合

商品 :キャベツ

サイズ:1個・1/2個・1/4個(3種類)

・サイズ3種類=3SKU

・アイテム数は「1」、SKUは「3SKU」と数える

SKU管理が有用な理由

近年、多様なニーズに応えるために、豊富な商品数や幅広いカラー・サイズ展開が一般的になりつつあります。膨大な量の在庫を適切に管理するにはSKU管理が基本になり、多くの企業で取り入れられている管理方法です。

ここからは、SKU管理が推奨される理由を解説します。

  • 商品管理の効率化につながる
  • 多くの商品を扱える

1.商品管理の効率化につながる

SKUは、煩雑な作業である入出庫や発注業務などの商品管理を効率化するメリットがあります。たとえば、アパレル商品で考えてみましょう。

〇在庫発注

「長袖シャツ・黒・Lサイズ」を100枚発注したい

「長袖シャツ・白・Mサイズ」を10枚発注したい

<発注方法>

・指定条件を入力→アイテム・色・サイズを目視確認する→枚数を入力→発注完了

→上記手順を商品ごとに繰り返す必要がある

<発注時のリスク>

・入力箇所が多く、確認に時間がかかる

・商品が混ざり、発注枚数のテレコなどの人的ミスが発生しやすい

SKU設定をしていれば、「長袖シャツ・黒・Lサイズ」=「NKL-2023」と管理できます。発注時にSKUを確認すればよいため、発注時間の短縮やミス発生の防止にもつながりやすくなります。

また、最小単位の管理(カラー・サイズなど)で、種類ごとに在庫数を把握できるメリットも。在庫数を正確に把握できるため、追加発注数の適正化も可能です。

2.多くの商品を保管できる

SKUを設定しなくとも、在庫管理は物理的には可能です。しかし、在庫量が増えてくると「商品がどこにあるのかわからない」状態に陥るリスクがあります。カラーやサイズが異なっているにもかかわらず、同じものとして商品管理されているためです。

適切な管理ができなくなるだけでなく、出荷の際は該当商品を探し出す作業に、時間や手間もかかります。そのため、多くの商品を正確に管理しながら出荷業務を円滑にするには、細かく管理できるSKUが必須となるのです。

SKUの活用により、膨大な数の商品を細かく仕分けし管理できるため、在庫が増加しても商品がどこに保管されているか一目でわかるようになります。

SKU区分が必要な例

SKU区分が必要な例

ここからは、次のように同一商品であってもSKUを区分けした方がよい商品を紹介します。

  • 内容量が異なる商品
  • 販売方法が複数ある商品
  • パッケージデザインが異なる商品
  • 販売金額が異なる場合

内容量が異なる商品

飲料水や化粧品のように、同一商品でも「内容量が異なる」場合、別のSKUにすると出荷ミスなどを防げるケースがあります。内容量の違う商品を誤発送してしまった場合、消費者からのクレームにつながる可能性もあるため、徹底した管理が重要となるためです。

あらかじめ別商品と認識させておけば、誤った商品を取り違えるリスクも減ります。

ただし、増量キャンペーンなどで「一時的に内容量が異なる商品が存在する」状態は、SKUを分けない場合もあるため、注意しましょう。内容量が異なるものが混在する場合は、販売期間をメーカーに事前確認しておくなど、情報収集したうえでSKU設定を行いましょう。

販売単位が複数ある商品

同一商品であっても販売単位が複数ある場合は、SKUを分けた方がよいとされています。食品や飲料品などに多く発生するケースです。

たとえば、ペットボトルを1本から販売するバラ売りと、1ダースで販売するケース売りする場合は、商品は2パターンで販売されます。

同じSKU管理にしてしまうと、ケース売り用に分けておいた在庫と気付かずにピッキング作業者がケースを開梱してしまうリスクがあります。

そうなると、バラ売り用の在庫は豊富にあるものの、ケース売り在庫がなくなってしまい、ケース販売ができなくなるなど、販売機会損失につながりかねません。

SKUを区分けしたうえで、誤って開梱しないよう保管場所を検討する必要もあるでしょう。

パッケージデザインが異なる商品

期間限定などでデザインが大幅に変更された商品は、パッケージごとに異なるSKUを設定するとよいでしょう。

コラボ商品やキャラクターデザインなどの場合は、パッケージを目的とする購入顧客もいるためです。SKUを分けることで、別商品として判別できるため誤発送のリスクも減らせるでしょう。

ただし、変更内容によってはSKUを分けないケースもあります。デザインの一部がマイナーチェンジされた場合などです。残り在庫が少ない場合、以前のデザインは先出しされるため、同じSKU管理でも大きな問題はありません。

そのため、パッケージ変更がある場合は、変更内容に合わせてSKUを設定しましょう。

販売金額が異なる場合

一時的なセールで販売金額が定価よりも安くなっている場合も、価格ごとにSKUを分けるとよいでしょう。

価格ごとの販売数が明確になり、セールによる広告効果などでどの程度の反響があったかなど、売上分析も可能になるためです。SKU管理による売上管理は、今後の販売促進にも役立ちます。

SKU設定時の注意点

SKU設定時の注意点

ここからは、実際にSKU設時の注意点を解説します。ある程度のルール厳守により、円滑な在庫管理が可能になるため、事前に把握しておくとよいでしょう。

  • SKUの頭文字に「0」を使用しない
  • SKUを重複させない
  • SKU桁数の変更は行わない
  • 大文字と小文字を混同させない

SKUの頭文字に「0」を使用しない

SKUの頭文字は「0」以外を設定しましょう。管理システムによってはSKUが0から始まるコードは認識されないリスクがあるためです。

システムだけではなく、コード登録時にcsvデータの加工方法によっては、気付かないところで元データ内の「0」が消えてしまうリスクも懸念されます。

SKUコードを「01」から始めたい場合でも、以下のように設定することをおすすめします。

<参考例>

「01_NKL_2023」→✕

「1_NKL_2023」→〇

SKUを重複させない

在庫管理を適正に行うためには、SKUを重複させないことも大切です。

SKUが重複している場合、商品情報が2つ表示されてしまい、誤った商品を発送してしまうおそれがあるためです。出荷だけでなく、商品を誤発注してしまうリスクもあります。

システム内で重複登録が制御されているケースもありますが、システムによっては登録できるケースもあるため、マスタ登録時には注意が必要です。

誤って登録しないよう、事前にSKU設定時のルールを明確にしておきましょう。

SKU桁数の変更は行わない

SKUの桁数は、JANコードと同様に13桁にあらかじめ揃えておくとよいでしょう。桁数が短い場合、先々に扱う商品数が増えた場合に、桁数を増やすなどの変更を加える必要があるためです。

さらに、桁数が統一されていないと、さまざまなパターンのSKUコードが存在してしまい、管理が煩雑になるリスクもあります。

桁数を揃えることで、コード情報が統一化され、見やすいだけでなく商品管理も簡素化できるメリットがあります。

大文字と小文字を混同させない

桁数同様に、大文字と小文字のどちらを使用するか統一しておくと、管理が円滑になります。

また、円滑になるだけでなく重複を防ぐことにもつながります。同じ並びで、大文字・小文字だけの違いでSKUを登録してしまうと、システムによっては同じものとして判別されてしまい、SKUが重複してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

現場作業者が間違えないよう、誰が見ても、異なる商品だと認識できるよう配慮したSKU設定が大切です。

SKU管理に課題がある場合は物流アウトソーシングの利用もおすすめ

SKU管理に課題がある場合は物流アウトソーシングの利用もおすすめ

SKUとは、在庫発注や入出荷が円滑になる在庫管理方法の一つです。在庫管理に使用される用語であり「最小在庫管理単位」を意味します。

SKUは正確な在庫管理に有効な手段ですが、SKU管理に不慣れな場合、運用ルールが曖昧になってしまい管理が難しくなるリスクも。自社だけで完結するのではなく、物流業務をアウトソーシングすることも有効です。

富士ロジテックホールディンクスでは、創業100年以上にわたる経験と実績があり、正確な在庫管理が可能です。SKU単位で荷動きのトレンド情報を確認できるため、販売状況のデータ把握にも対応しています。在庫管理に課題のある企業様はまずはご相談ください。

 

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梅山茜

ライター

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物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。

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