イノウエ
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物流業界歴15年以上。港湾の職業訓練校卒業後、港湾荷役作業会社にてRORO船等への本船荷役に従事。フォークリフト、クレーン運転士、大型特殊など現場必須の資格を多数所持。Amazonのセラーとして出品経験あり。長年の経験と専門知識を活かし、現場目線でのリアルな記事執筆が得意。物流以外に自動車関連の執筆実績も多数。

【物流担当者必見】コンテナ入庫とは?効率化のコツ4選|デバンニング作業をプロが徹底解説

コンテナ
【物流担当者必見】コンテナ入庫とは?効率化のコツ4選|デバンニング作業をプロが徹底解説

海外からの輸入をしている、あるいは、これから始めようとしている企業の物流担当者の中には、以下のような悩みを持つ方もいると思います。

「コンテナ入庫はどう始めればいい?効率化の方法は?」

「デバンニング作業とは?」

コンテナでの輸入および入庫業務は、物流担当者であっても誰しもが経験することではないため、そう思うのは当然です。

結論から申し上げますと、コンテナ入庫を自社で完結させるのは困難なため、ノウハウを持つ業者への外部委託をおすすめします

本記事では、コンテナ入庫の実務に15年以上携わる筆者が、コンテナ入庫の基礎知識から、失敗しないための具体的な方法を徹底解説します。

この記事でわかること

      コンテナ入庫の流れとかかる時間・費用

      コンテナ入庫で発生する「デバンニング作業」とは

      コンテナ入庫を効率化する方法

      信頼できる外部委託先選びのポイント

 

ぜひ最後まで読んでいただき、コンテナ入庫を効率的かつスムーズに進めるための参考にしてください。

コンテナ入庫の流れとかかる時間・費用

コンテナ入庫の流れとかかる時間・費用

はじめに、コンテナ入庫の基礎を理解していただくため、以下の3つを解説します。

  •         コンテナ入庫の「流れ」
  •         コンテナ入庫にかかる「時間」
  •         コンテナ入庫にかかる「費用」

コンテナ入庫の「流れ」

まずは、海外から出荷された商品がどのような手続きを経て国内の倉庫に入庫されるのか、コンテナ入庫のおおまかな流れについて解説します。

  •  輸入貨物を載せた本船が日本に到着
  •  本船からコンテナをおろす
  •  保税地域へ搬入
  •  必要に応じて税関の審査や検査を受ける
  •  デバンニング作業(※)
  •  検品、入庫

参照:独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)「輸入貨物の到着から引き取りまでの手続き:日本

この間、申告に必要な書類の準備や通関、デバンニング作業(※)の手配など複雑な手続きが必要になります。

※デバンニング作業とは、コンテナから商品を荷おろしする作業です。詳しくは後述します。

先述のとおり、すべての工程を自社で完結するのは、多くの時間と手間が必要です

<関連記事>「保税倉庫とは?メリットとデメリット、一覧表と通関に対応できる事業者3選

コンテナ入庫にかかる「時間」

次に、コンテナ入庫にかかる時間について解説します。

財務省「第13回輸入通関手続の所要時間調査集計結果(海上貨物)」では、コンテナ貨物の本船の入港、手続きから入庫の許可がおりるまでの総所要時間を「平均53.9時間(2.2日)」と算出しています

実際には、これに加えてデバンニング作業の時間(約15分~2時間)が必要です。

コンテナ入庫にかかる「費用」

次に、コンテナ入庫にかかる費用相場を解説します。

具体的な費用は扱う商材や契約内容によりさまざまですが、外部委託した際の一般的な相場は以下のとおりです。

項目

料金

入庫料

10~30円程度/1個あたり

デバンニング料

20,000円~30,000円/コンテナ(20フィート)1本あたり

検品料

10~100円程度/1個あたり

 

出典:物流のアウトソーシングにかかる費用はどのくらい?料金体系 と相場を解説

さらに具体的な料金について知りたい方は、お気軽に「富士ロジテックホールディングス」までお問合せください。

コンテナ入庫の費用を問い合わせする

コンテナ入庫で発生する「デバンニング作業」とは

コンテナ入庫で発生する「デバンニング作業」とは

デバンニング作業とは

コンテナからの荷おろし作業のこと。フォークリフトやハンドリフトを使用するか、手おろしでコンテナ内から貨物を降ろします。

 

ここでは、デバンニング作業の実務に15年以上携わっている筆者が、以下の項目について詳しく解説します。

  •         デバンニング作業の手順
  •         デバンニング作業の注意点
  •      【予備知識】出荷時に行うのは「バンニング作業」

デバンニング作業の手順

まずは、デバンニング作業の手順について解説します。

1.コンテナが作業場へ到着

手続きを終え入庫の許可を得たコンテナが、作業場に到着するとデバンニング作業開始です。

コンテナは台車に載せたままプラットホームに据え付けるか、大型リフト等を使用し地面に降ろして、作業ができる体勢にします。

2.扉を開ける

次に、コンテナ扉に付いている「封印(シール)」を切断し、扉を開けます。

コンテナ開放時は、貨物の落下に注意が必要です(輸送時に荷崩れしている恐れがあるため)。

3.必要に応じてスロープやドッグレベラーを設置

コンテナ内へフォークリフト(ハンドリフト)を侵入させる必要がある場合は、「スロープ」や「ドッグレベラー」を設置します。これは、地面やプラットホームとコンテナ入口の段差をなくすためです。

4.荷下ろし

準備が整えば、デバンニング作業開始です。

貨物の積み付けの状態に応じて、荷降ろしの方法が異なります。

積み付けの状態

デバンニング方法

所要時間目安

必要な作業員数

パレット積み

      フォークリフトやハンドリフトを使用し降ろす

15分~1時間

1~2名

バラ積み

      パレットに積み付けてフォークリフトやハンドリフトで降ろす

      ローラーコンベアーを使用しコンテナ外部へ流し出す

30分~2時間

2~4名

 

5.コンテナを清掃し、扉を閉める

荷降ろしが終われば、コンテナ内を掃き掃除し扉を閉めればデバンニング作業完了です。

6.検品・保管

デバンニングした貨物を、必要に応じて検品し倉庫に保管します。

デバンニング作業の注意点

続いて、デバンニング作業の注意点について解説します。

適した場所と機器が必要

デバンニング作業を行うには、適した環境が必要です。

具体的には、以下のようなものがあげられます。

  •         コンテナを搬入できる場所
  •         貨物を移動させられる輸送用具(フォークリフトやハンドリフト)
  •         輸送用具をコンテナ内に侵入させられる設備(スロープやドッグレベラー)

これらをすべて揃えるのは、多くのコストや時間を必要とします。

そのため、十分な設備と豊富なノウハウを持つ物流企業への外部委託がおすすめです

「富士ロジテックホールディングス」なら、商品形態に応じてさまざまな機器を使用し入出庫作業を行います。

豊富な経験と、多種多様な商品の取り扱い実績が強みで、貴社に最適な提案が可能です。

まずはお気軽にお問い合わせください。

富士ロジテックホールディングに問い合わせをする

過酷な労働環境

デバンニング作業において、特に手おろしは、かなりハードな作業です。

以下のようなことが理由となります。

  •         夏場のコンテナ内は40~50℃と暑い
  •         重量物であれば身体への負担が大きい
  •         コンテナによっては汚れていたりホコリが多い

特に設備が整っていないケースでは、過酷な労働環境であることを否定できません

【予備知識】出荷時に行うのは「バンニング作業」

入庫したコンテナから貨物を降ろすことを意味する「デバンニング作業」の

反対に、コンテナに貨物を積み込むことを「バンニング作業」と言います

基本的な作業方法や使用する輸送機器はデバンニング作業と同じで、大きな違いは「おろす」か「積む」かだけです。

<関連記事>「アパレル物流とは?特徴と課題、おすすめの物流会社3選

コンテナ入庫を効率化する方法3つ

コンテナ入庫を効率化する方法3つ

ここからは、コンテナ入庫を効率化する具体的な方法として、以下の3つを解説します。

  •         環境の整備
  •         作業手順の標準化
  •         外部委託

環境の整備

これからコンテナ入庫を行うのであれば、まずやるべきは「環境の整備」です。

コンテナ入庫にはさまざまな専門業務や機器が必要になります。

具体的には以下のような点を整備すべきです。

  •         書類や手続きの専門職員の雇用または教育
  •         入庫できる場所の確保(物流倉庫など)
  •         デバンニング作業に必要な設備と人員の整備(フォークリフトや作業員など)
  •         コンテナ内の暑さ対策

作業手順の標準化

コンテナ入庫作業の効率化において「作業の標準化」は非常に重要です。

作業の標準化とは

作業の手順や方法を統一し、誰が作業しても同じ品質と効率で業務を遂行できるようにすることです。

 

属人性が高くなってしまうと、作業時間や品質にムラが出るだけでなく、作業員の教育や入庫後の管理にも手間と時間を使うことになってしまいます

標準化にあたり、具体的に整備すべきは以下のようなことです。

  •         詳細な作業マニュアルの整備
  •         仕分け作業の簡素化(例:梱包材(段ボールケース)に封をするテープの色を変える など)
  •         システムの導入(WMS(倉庫管理システム)やDPS(デジタルピッキングシステム)など)

外部委託

最も効率的で効果が高いのは「外部委託」です。新たな設備の導入や教育にコストをかけずに完結できます。

その際、重要となるのは信頼できる業者を見つけて委託することです

手のかかる作業を委託すれば、営業活動や商品開発など、他の業務に集中できます。

具体的な外部委託先選びのポイントについては、次項で詳しく解説します。

コンテナ入庫で信頼できる外部委託先選び4つのポイント

コンテナ入庫で信頼できる外部委託先選び4つのポイント

コンテナ入庫は信頼できる物流業者に外部委託するのがおすすめです。

では具体的にどのような業者を選べばよいのでしょうか。

以下の4つのポイントを押さえておけば、失敗する可能性は低くなります。

  •         複数の物流業者を比較し検討する
  •         豊富な取引実績
  •         一貫したサービス
  •         明確な料金設定

複数の物流業者を比較し検討する

1つ目のポイントは「複数の物流業者に見積もりを依頼し比較検討すること」です。なぜなら、各社それぞれに強みや特性があるからです

例えば、これからEC事業を始める企業であれば、Amazonや楽天市場などのECモールへの出荷体制が整っているかのチェックが必要な方も多いでしょう。

ここで重要となるのは、費用だけでなく総合的なコスパで選ぶことです。安さだけにとびつけば、紛失・破損・在庫ずれなどのトラブルが多い物流業者にあたってしまう可能性もあります。そうなれば、自社の負担が思うように軽減されず、外部委託のメリットを最大限に活かせません。

豊富な取引実績

コンテナ入庫には通関や書類手続きなど専門的な知識が必要です。

複雑な手続きが多いからこそ「取引実績」は重要なポイントとなります

コンテナ入庫自体の実績はもちろん、自社と同じジャンル(アパレル、医療品など)を扱ったことがある業者は信頼度が高いです。

商品の特性を知る物流業者であれば、打ち合わせもスムーズでストレスのない取引が可能になります。

一貫したサービス

外部委託先選び3つ目のポイントは「一貫したサービスを請け負える物流業者かどうか」です。

実際に顧客の手元に商品が届くには、さまざまな工程が必要になります。

だからこそ、コンテナ入庫だけでなく、保管や出荷はもちろんラベル貼りなどの流通加工まで一貫して請け負える物流業者を選びましょう

物流業務全般を安心して任せられる上、物流の困りごとをなんでも相談できます。

見積もりの際、どこまで委託できるか確認しておくのがおすすめです。

明確な料金設定

4つ目のチェックポイントは、料金設定が明確であるかどうかです。

分かりやすい料金設定があるほど、信頼できる業者だといえます

以下が、コンテナ入庫にかかわる料金相場です。

項目

料金

入庫料

10~30円程度/1個あたり

デバンニング料

20,000円~30,000円/コンテナ(20フィート)1本あたり

検品料

10~100円程度/1個あたり

 

出典:物流のアウトソーシングにかかる費用はどのくらい?料金体系 と相場を解説

見積もりの単位が曖昧な業者は、後から余計に料金を請求されるなどのトラブルになりかねないので、避けるべきです。

物流業務は「富士ロジテックホールディングス」への委託がおすすめ

物流業務は「富士ロジテックホールディングス」への委託がおすすめ

本記事では、「コンテナ入庫」について、基礎知識から効率化の具体的な方法について解説しました。

コンテナ入庫には専門的な知識や設備が必要となるため、信頼できる物流業者へ委託するのがおすすめです

外部委託先を選ぶ際に比較すべきポイントとして、以下の3つが挙げられます。

  •         豊富な取引実績
  •         一貫したサービス
  •         明確な料金設定

「富士ロジテックホールディングス」はこれらのポイントをすべて備えた、創業100年を越える物流業者です。

日本国内だけでなく、上海や釜山、ロサンゼルスにも拠点を構えており、グローバルな事業展開を行っています。

コンテナ入庫について気になっている方は、ぜひ一度お気軽にお問合せください。

専門知識を有した担当者が丁寧にヒアリングし、お客様のお悩みを解決いたします。

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物流業界歴15年以上。港湾の職業訓練校卒業後、港湾荷役作業会社にてRORO船等への本船荷役に従事。フォークリフト、クレーン運転士、大型特殊など現場必須の資格を多数所持。Amazonのセラーとして出品経験あり。長年の経験と専門知識を活かし、現場目線でのリアルな記事執筆が得意。物流以外に自動車関連の執筆実績も多数。

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