西間木 智
西間木 智

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

棚卸しを効率化する6つの方法!棚卸しを効率的に行うための準備や注意点を解説

棚卸し
棚卸しを効率化する6つの方法!棚卸しを効率的に行うための準備や注意点を解説

「棚卸し業務に時間がかかりすぎる…」
「人為的なミスが多くて困っている…」
「もっと簡単に、そして正確に棚卸しをしたい…」

このような悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。棚卸しは、企業の経営状況を正確に把握するために欠かせない業務ですが、多くの時間と労力を必要とするため、負担に感じている方も少なくないはずです。

しかし、適切な方法とツールを使えば、棚卸しにかかる時間とコストを大幅に削減し、精度の向上も実現可能です。この記事では、棚卸し業務を効率化する6つの具体的な方法に加え、事前準備や手順、注意点、そして業務効率化に役立つサービスやアプリまで、分かりやすく解説します。明日から使える実践的なテクニックを身につけて、スムーズで正確な棚卸しを実現しましょう。
さらに、在庫管理にお悩みの方は、富士ロジテックホールディングスが提供する「発送代行365」もぜひご検討ください。

棚卸しを効率化する6つの方法

棚卸しを効率化する6つの方法

棚卸し業務の効率化を実現するための具体的な6つの方法を紹介します。それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

  •         棚卸しの頻度を高める
  •         自社に適した実地棚卸の方法を導入する
  •         商品画像と合わせて管理する
  •         確認済みの商品には明確な目印をつける
  •         在庫管理システムやアプリを導入する
  •         物流アウトソーシングを活用する

棚卸し業務の効率化は、日々の業務改善の積み重ねから生まれます。以下の解説を参考に、自社に最適な方法を見つけて、実践してみてください。

棚卸しの頻度を高める

棚卸しの頻度を高めることで、帳簿とのずれを早期に発見できます。棚卸しは、半期ごと、または四半期ごとなど、短いスパンで行うのがおすすめです。帳簿とのずれは、時間が経つほど原因究明が困難になるため、早期発見が重要です。大規模な倉庫など、年に複数回の棚卸しが難しい場合は、日々の検品作業を丁寧に行うことで、帳簿とのずれを予防できます。例えば、入出庫時に商品数をダブルチェックする、商品に破損がないか確認するなど、細かな点に注意を払いましょう。

自社に適した実地棚卸の方法を導入する

実地棚卸には、「一斉棚卸」と「循環棚卸」の2種類があります。在庫数が少ない場合は、全品目を一度に数える「一斉棚卸」が効率的。一方、在庫数が多い場合は、エリアや商品の種類ごとなど分割して棚卸しを行う「循環棚卸」が適しています。「循環棚卸」は時間がかかりやすいものの、普段の業務と並行して実施できるメリットがあります。自社の在庫状況や業務体制に合わせて、適切な方法を選択しましょう。

商品画像と合わせて管理する

商品画像と合わせて管理する

商品画像と合わせて管理表に記載することで、視覚的に確認しやすくなり、在庫管理の効率を高められます。商品名だけでは、類似商品が多く商品の判別が難しい場合がありますが、商品画像があれば、作業に不慣れな人でも実棚を取る商品がひと目で分かります。これにより、品目間違いなどのミスを防止できます。

確認した品には目印をつける

棚卸し作業において、確認済みの商品に明確な目印をつけることは、作業効率の向上とミスの防止に大きく貢献します。目印をつけることで、どの商品が既に確認済みで、どの商品が未確認なのかが一目で分かり、重複カウントやカウント漏れを防ぎます。

具体的には、シールや付箋、チェックシートなどを活用する方法が考えられます。シールや付箋を使用する場合は、棚卸し年度ごとに色分けすることで、いつ確認したかを容易に識別できます。例えば、2025年は赤、2026年は青といったように色を割り当てておくと、過去の棚卸し状況も把握しやすくなります。

チェックシートを活用する場合は、商品名や商品番号、数量などをリスト化し、確認済みの商品にチェックマークを入れていく方法が一般的です。この方法では、確認漏れを防ぐだけでなく、棚卸し作業の進捗状況も把握しやすくなります。デジタルツールを活用する場合は、在庫管理システムに棚卸し機能が備わっている場合、確認済みの商品に自動的にマークがつく機能を利用できます。

目印をつける際には、以下の点に注意しましょう。

  •         目印は、はっきりと見える場所に付ける
  •         目印の種類を統一する
  •         目印の意味を全員で共有する

これらの点に注意することで、目印の効果を最大限に発揮できます。目印をつけるというシンプルな工夫で、棚卸し作業をよりスムーズに進められるため、ぜひ取り入れてみてください。

在庫管理システムやアプリを導入する

在庫管理システムやアプリの導入は、棚卸し業務の効率化を図る上で非常に効果的な方法です。これらのツールを活用することで、手作業による棚卸しにかかる時間と労力を大幅に削減し、精度の向上も期待できます。

在庫管理システムやアプリには、様々な機能が搭載されています。例えば、バーコードリーダーやQRコードリーダーと連携して商品情報を読み取る機能、在庫数を自動で更新する機能、入出庫履歴を記録する機能などがあります。これらの機能を活用することで、棚卸し作業を自動化し、人為的なミスを最小限に抑えることが可能です。

また、在庫管理システムやアプリの中には、棚卸し業務に特化した機能を備えたものもあります。例えば、棚卸し予定日を設定し、事前にアラートで通知する機能、棚卸し結果を自動で集計する機能、差異が発生した場合にアラートで通知する機能など。これらの機能を活用することで、棚卸し作業をよりスムーズに進められます。

システムやアプリを選ぶ際には、自社の業務規模やニーズに合ったものを選ぶことが重要です。小規模な事業者であれば、無料または低価格で利用できるアプリで十分な場合もあります。一方、大規模な事業者や複雑な在庫管理を行う必要がある場合は、高機能なシステムの導入を検討する必要があります。

在庫管理システムやアプリの導入は、初期費用や運用コストがかかるというデメリットもありますが、長期的には棚卸し業務の効率化によるコスト削減効果が期待できます。

物流アウトソーシングを活用する

物流アウトソーシングを活用する

物流アウトソーシングとは、倉庫管理や配送、在庫管理などの物流業務を外部業者に委託することです。棚卸し業務も物流業務の一部であるため、アウトソーシングすることで、自社で行う必要がなくなり、業務効率化に繋がります。

物流アウトソーシングのメリットは、棚卸し業務だけでなく、物流業務全体を効率化できる点です。専門業者に委託することで、自社では対応が難しい高度な技術やノウハウを活用できます。また、人材不足の解消にも繋がり、コア業務に集中できるようになります。

棚卸し業務をアウトソーシングする場合、委託先業者が持つ在庫管理システムを利用できるケースが多く、リアルタイムで在庫状況を把握できます。これにより、棚卸し作業の手間を省くだけでなく、在庫管理の精度向上にも貢献します。

ただし、物流アウトソーシングにはコストがかかるため、費用対効果をしっかりと検討する必要があります。自社の業務規模や予算に合わせて、適切な業者を選定することが重要です。

物流アウトソーシングを検討する際には、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較検討することをおすすめします。また、委託先業者の実績や信頼性も重要な選定基準となります。

物流アウトソーシングは、棚卸し業務の効率化だけでなく、物流業務全体の最適化を実現する上で有効な手段です。自社の状況に合わせて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

棚卸しの効率化のための2つの事前準備

棚卸しの効率化のための2つの事前準備

棚卸しをスムーズに進めるために、2つの事前準備を行いましょう。事前の準備を怠ると、棚卸し当日に混乱が生じる可能性があります。

  •         棚卸しのマニュアルや管理表を作成する
  •         棚卸しの人員配置やスケジュールを決める

これらの準備をしっかりと行うことで、当日の作業をスムーズに進められます。

棚卸しのマニュアルや管理表を作成する

棚卸しのマニュアルや管理表を作成することで、棚卸し作業を効率的に進められます。作業手順を詳細にまとめたマニュアルを作成しておけば、担当者が不在の場合でも、誰でもスムーズに棚卸し作業を行えます。管理表には、商品名、商品番号、数量、確認者名などを記載する欄を設け、作業漏れやミスを防ぎましょう。

棚卸しの人員配置やスケジュールを決める

棚卸しの人員配置とスケジュールを事前に決めておくことで、計画的に棚卸しを進められます。スケジュールを設定する際は、トラブル発生時の対応も考慮し、余裕を持たせることが重要。また、スケジュール通りに棚卸しを進めるために、倉庫内を整理整頓し、動線を確保しておくことも大切です。

効率的な棚卸しの手順 【2STEP】

効率的な棚卸しの手順 【2STEP】

棚卸しを効率的に行うための手順を2つのステップに分けて解説します。

  •         1.実地棚卸をする
  •         2.帳簿棚卸をする

実地棚卸をする

実地棚卸では、商品の現物をチェックし、管理表に必要な情報を記入します。商品を確認できなかった場合は、作業完了後に再度調査を行いましょう。

帳簿棚卸をする

実地棚卸の後、帳簿に現物の在庫状況を反映させる帳簿棚卸を行います。実地棚卸から先に行うと、帳簿の在庫数と実際の在庫状況が一致するように処理できます。帳簿と実地棚卸の数値が合わない場合は、原因を調査した上で帳簿の在庫数と一致させる必要があります。

棚卸しを効率化するサービス・アプリ2選

棚卸しを効率化するサービス・アプリ2選

棚卸しを効率化する上で役立つサービスとアプリを2つご紹介します。

  •         発送代行365 | 在庫管理から発送業務までワンストップで依頼できる
  •         zaico | 在庫管理アプリとしてスマートフォンでも利用できる

発送代行365 | 在庫管理から発送業務までワンストップで依頼できる

発送代行365は、ECサイトにおける在庫管理から受注処理、入荷、出荷業務、アフターサポートまで、物流関連業務を丸ごと任せられるサービス。365日体制で、顧客ニーズに合わせた柔軟な対応が強みです。創業から100年以上にわたる在庫管理の豊富なノウハウを活用し、ミスなく効率的な在庫管理が期待できるため、棚卸しもスムーズに行えます。発送代行365の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

zaico | 在庫管理アプリとしてスマートフォンでも利用できる

zaicoは、PCだけでなくスマートフォンからも利用できる在庫管理アプリ。簡単な操作で在庫管理ができ、QRコード・バーコードを活用することで在庫を効率的に管理し、棚卸しのミスを防止できます。クラウド型のサービスなので、複数人が同時にデータベースを確認できます。zaicoの公式サイトはこちらです。

棚卸しを効率化する際の3つの注意点

棚卸しを効率化する際の3つの注意点

棚卸しを効率化する上で注意すべき3つのポイントを解説します。これらの点に注意することで、よりスムーズで正確な棚卸し作業を実現できます。

  •         ミスを防止する仕組みを取り入れる
  •         品数だけでなく品質に問題がないか確認する
  •         棚卸表の保存義務は7年間と理解しておく

ミスを防止する仕組みを取り入れる

棚卸しのミスは、カウントミスやカウント漏れ、記載間違いなど、人為的なものが原因です。扱う在庫が増えれば増えるほど、ミスも発生しやすくなります。普段の検品作業を丁寧に行うことはもちろん、複数人でチェックを行うダブルチェックやトリプルチェックを取り入れることでミスを未然に防ぎましょう。

品数だけでなく品質に問題がないか確認する

棚卸しでは在庫数を確認するだけでなく、品質に問題がないかどうかも確認することが重要です。品質チェックも棚卸しの段階で行うことで、販売できない商品を早期に取り除けます。在庫の期限切れや劣化、破損などを見つけた場合に速やかに報告する体制を整えることで、出荷時のトラブルや顧客からのクレーム防止につながります。

棚卸表の保存義務は7年間と理解しておく

棚卸表は、確定申告書提出期限の翌日から7年間の保存が国税庁により義務付けられています(参考:国税庁「帳簿書類等の保存期間」)。保存方法は紙、あるいは一定の要件を満たせば電子データでも保存可能。ただし、電子データで保存する場合は事前に税務署に申請し、承認を得る必要があります。

在庫管理の効率化には「発送代行365」がおすすめ!

在庫管理の効率化には「発送代行365」がおすすめ!

この記事では、棚卸しの効率化を実現するための6つの方法、事前準備の重要性、具体的な手順、注意点、そして役立つサービスやアプリを紹介しました。棚卸し業務の効率化は、ミスを減らすための工夫や日々の検品作業を丁寧に行うことから始まります。システムやアプリの活用も効果的。また、物流アウトソーシングを利用して在庫管理を外部委託することで、棚卸し業務だけでなくコア業務の効率化も期待できます。在庫管理でお困りの方は、富士ロジテックホールディングスが提供する「発送代行365」をぜひ検討してみてください。

 

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発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

西間木 智

監修者

株式会社富士ロジテックホールディングス

西間木 智 / 通販営業部 部長

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

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