物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
流通加工とは、商品加工によって商品価値を高める作業全般のことです。消費者ニーズを満たした加工を行うため、消費者の手元に商品が届くまでの流通過程において重要な業務の一つといわれています。
流通加工の種類は幅広くあり、取り扱う商品によっては専門知識が必要な作業も存在します。製造メーカーが自社で行う場合、十分な人材や作業スペースが必要となることから、流通加工業務をアウトソーシングする企業も増加傾向です。
本記事では、流通加工の定義や種類を解説し、物流倉庫に委託するメリット・デメリットまで紹介します。
流通加工とは
流通加工は、物流の5大機能と呼ばれる「輸送・保管・荷役・包装・流通加工」の一つに含まれる重要な業務です。物流企業においては、この5つの機能を効率よく運用することが重視されており、物流業務の効率化や最適化が図れている企業であるかを判断する基準にもなっています。
以下では、流通加工の定義、物流倉庫が担う背景について解説します。
流通加工の定義
流通加工とは、商品価値を向上させる加工作業のことです。
商品をカットする、組み立てるなど、商品そのものを加工する「生産加工」と、ラッピングやタグ付けなどを付加する「販促加工」の2種類に大別できます。製造メーカーだけでなく物流倉庫や実店舗においても実施される作業です。
流通加工は、消費者ニーズに沿った価値提供が可能になるため、顧客満足度の向上につながるといわれています。また流通加工済みの商品を供給することによって、販売可能な状態で納品されるため、販売側の負担軽減にも役立っています。
流通加工を物流倉庫が担う背景
流通加工を物流倉庫が担うようになった背景は、生産性の低下を避けることが理由に挙げられます。
多くの生産工場は、ライン生産方式の製品作りを行なっています。ライン生産とは、ベルトコンベアを利用した製法のことです。ベルトコンベア上に流れる部品を作業分担して加工するため、商品や部品を運ぶ手間が省け、一定の品質で大量の商品を効率よく生産できる仕組みとなっています。
一方、メーカー側には、取引先より商品に対して値札・タグ付けや箱詰め、ラベル貼りなど、販売するうえで必要な追加作業を依頼されることが多くあります。
取引先の要望には応えたいものの、流通加工を生産工場で対応すればライン生産ができなくなり、作業効率が大幅に低下してしまうことが課題でした。
取引先や顧客の要望に応えつつ、生産効率を落とさない手段として、流通加工を物流倉庫に委託する手段が注目されており、需要が増加傾向にあります。
倉庫の作業効率化についても「倉庫の作業を効率化する9つの方法!課題から見る改善のアイデアを解説」の記事で解説しています。
流通加工の種類
ここからは、商品別に具体的な流通加工の種類と例を紹介します。
アパレル系の流通加工例
アパレル商品の流通加工は、おもに以下の内容を中心に作業が行なわれています。
- X線検針・検針
- 品質検査
- プレス加工
- 刺繍
- タグ付け・タグ外し
- 袋入れ/畳み直し
- 洗濯ネーム付け
- 汚れ落とし
- ハンガー掛け
- アソート
化粧品系の流通加工例
- 輸入製品の出荷判定
- シュリンク包装
- ラベリング
- パッケージ変更
- 能書差替
- アソート
- 販促用セット組み
化粧品や医薬品の流通加工には、薬機(薬事)法の対象となる作業も存在します。化粧品製造業や医薬品製造業の許可を受けていない場合、加工作業はできません。
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食品系の流通加工例
- 各種ラベル・シールの発行
- 検品
- 検量
- シュリンク包装
- アソート
- 金属探知機による検品
- 梱包
食品系の流通加工は品質保持のため、取り扱う商品によって適切な温度管理をしながら作業が行われています。
その他流通加工例
「生産加工」と「販促加工」は次のような作業が該当します。
委託を考える際、流通加工の内容によっては設備がなく対応できない物流倉庫もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
生産加工 (加工作業) |
● 材料加工 ● カット、カッティング ● 商品組み立て ● 丁合 ● 梱包 ● 食品切り分け など |
販促加工 (付加作業) |
● 値札・ラベル貼り ● アソート ● ハンガーがけ ● 食品の袋詰め ● ギフト包装・のし ● 検針 など |
流通加工が重要視される理由
流通加工は、消費者に対して商品価値の向上や商品の安全性の証明になるため、多くの企業が重視しています。
たとえば、洋服を店舗で購入しようと思った時に、生地に汚れがある、ボタンが取れている、製造時の針が刺さったままといった商品を発見した場合、購入意欲はなくなるのではないでしょうか。
流通加工で、検針や品質検査、汚れ落としを行なっていれば、上記のような出来事は起こらず、消費者は安心して買い物ができます。
「商品の品質が守られている」「希望に沿った商品が届く」ことは、顧客満足度の向上につながるため、流通加工は重要視されているのです。
また、購入商品のみを発送するのではなく、商品案内などを記載した同梱チラシを入れることによって再購入を促せるメリットも重視される理由の一つに挙げられます。
流通加工を自社工場で行う際の課題
自社で流通加工を実施するには、以下3つの課題が挙げられます。
- 人材確保が困難
- 作業者が慣れるまで時間が必要
- スペースの確保が必要
人材確保が困難
取引先からの要望に応えるためには、作業を行なう人材確保が必要です。作業者の必要人数は、取引先から依頼される流通加工の内容や作業量などによって異なるため、予想できないことも人材確保の難しさに挙げられます。
さらに、オーダー指示があるまでは、前倒しで作業できないケースも多くあるため、自社の既存の人材だけでは、納期に間に合わないリスクも考えられます。
作業者が慣れるまで時間が必要
流通加工は商品や販売手法によって、作業が異なります。さらに、効率よく作業を行なうためには、作業スピードも一定の基準を保つ必要があります。
作業者が不慣れな場合「想定よりも時間がかかる」「質の悪い仕上がりになる」などのリスクも。取引先の指示と異なる仕上がりになってしまうと、消費者からクレームが発生することも考えられます。
安定した品質のもと流通加工を行うには、作業者を教育する時間が必要でしょう。
スペースの確保が必要
自社で流通加工を行う場合、商品を保管できるスペースの確保が必要です。
スペースを広く確保できない場合、保管場所が商品で溢れてしまい、保管状態が悪くなることが懸念されます。
保管状態が悪いと、出荷時に商品の保管場所が分からないだけでなく、作業スペースの確保もできず、円滑な作業が難しくなります。商品が出荷作業の邪魔になってしまい、作業効率を大幅に低下する可能性も。
保管スペースの確保が難しい場合は、保管や流通加工依頼ができる物流倉庫に委託することも一つの手段でしょう。
流通加工をアウトソーシングするメリット
流通加工を物流倉庫に委託する場合、要望に合わせて1点から作業を依頼できます。最低ロットでの依頼ができるため、コストを抑えながら取引先の要望にも応えられるメリットがあります。
さらに、流通加工だけでなく「在庫保管」「在庫管理」「入荷対応」「出荷対応」まで、商品を発送するまでに必要な一連の業務をまるっと委託できます。
商品を保管する倉庫を持たない企業や、人材不足に悩む企業にとって、アウトソーシングの利用は、得られるメリットが大きいでしょう。
流通加工をアウトソーシングするデメリット
流通加工をアウトソーシングするデメリットは、委託先とのコミュニケーションが円滑でない場合、メーカー側の意図が正確に伝わらず、加工ミスなどのトラブルが起こるリスクが挙げられます。
とはいえ、ミス・トラブルの問題は流通加工手順を記載した仕様書の用意や、品質確認の時間を設けることで、解決できる問題です。また、流通加工の豊富な実績のある物流倉庫を選ぶことも有効な手段です。
流通加工が得意な倉庫業者なら富士ロジテックホールディングス!
流通加工とは、企業の商品価値を向上させる加工作業です。取引先や消費者の希望に合わせて流通加工を行うことで、顧客満足度向上につながるメリットがあります。
とはいえ流通加工の種類は幅広く、自社で対応する場合には、人材や作業スペースが必要となり、コストがかかります。コストを抑えつつ流通加工を施す体制を整えるには、流通加工業務を物流倉庫へアウトソーシングすることも一つの手段です。
富士ロジテックホールディングスでは、アパレル・食品をはじめ、日用雑貨品、精密機器、通信機器、PC、医療機器など、幅広い商品の流通加工に対応しています。豊富な経験と実績があるため、正確で安定した流通加工技術を提供可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。
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ライター
梅山茜
物流会社でEC発送代行のバックオフィス業務に従事する複業ライター。好奇心旺盛な性格で、過去に営業職や販売職、医療ソーシャルワーカーなどを経験。豊富な経験を活かして物流、医療・福祉、資格、ライフスタイル記事など幅広い分野の執筆を担当する。カテゴリー問わず、便利で使いやすい商品やサービスを求めて、ネットサーフィンを繰り返す日常を送る。趣味は旅行とレトロモダンなカフェ巡り。
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