ロケーションとは?倉庫の在庫管理を効率的にするロケーションの付け方

Written by 梅山茜

 ロケーションとは、倉庫内で保管する商品や材料に割り当てる住所のようなものです。

倉庫に保管される商品在庫は、滞留しているわけではありません。入荷・出荷を繰り返す流動性があるものです。

在庫管理が正しくない場合「商品が見つからない」「在庫数が合わない」などのトラブルが発生する可能性があり、注意が必要です。

適切なロケーション管理ができれば、トラブルを回避するだけでなく、業務効率化も図れるでしょう。

本稿では、ロケーション管理の概要、在庫管理を効率化する方法を解説します。

ロケーション/ロケーション管理とは

ロケーション管理とは、商品の所在を明確にする保管方法であり、多くの物流倉庫で使用されています。

エリアと棚の列・連・段数で区切り、数字やアルファベットで間口にロケーション(住所)を割り当てます。

商品を把握するうえでは、ロケーションマップの作成が有効です。マップを確認すれば、どこに在庫があるかすぐに分かるため、誰でも作業できる点がメリットです。

保管位置が一目で分かるよう、倉庫にロケーションを表示する方法が一般的です。看板は、ラミネートやビニールテープ、マグネットシートなどを用いて作成します。広い倉庫であれば、色で分ける方法も有効です。

物流業務の効率化にお悩みの方は「倉庫の作業を効率化する9つの方法!課題から見る改善のアイデアを解説」の記事もおすすめです。

ロケーションの一般的な付け方3種類

ロケーション管理を適切に行なうためには、明確なルールのもとロケーションを振り分ける必要があります。

物流倉庫の大きさによって、振り分け方法はさまざまですが、一般的に使用されるロケーションの付け方を3つ紹介します。

ロケーション管理1:軽量ラックの場合

軽量ラックは、1段あたりの耐荷重が150kg未満であり、書類・雑貨・アパレルなどの軽量物保管に多く使用される保管棚です。

軽量ラックの場合、本体と棚1段ずつにロケーションを割り振り、どこのラックで何段目の何番目に保管されているか、分かるように定義します。

例えば、上の図で枠内のロケーションは、棚をAとすれば、1段目の左から1個目に位置するので「A-1-1」とします。

人の手が届く範囲で空間の高さを活用できる特徴があります。

 ロケーション管理2:重量ラックの場合

重量ラックは、1段の耐荷重が500kg以上で重量物やサイズの大きい荷物をパレットに載せたまま保管ができるラックです。

重量ラックの場合、棚の1つずつにロケーションを振り分けます。細かくロケーションが分かれないため、商品を見つけやすい点がメリットです。

例えば上の図の枠で囲った場所を示す場合、この重量ラックの並びを列Aとし、2段目の左から1番目という意味あいで「A-2-1」などとロケーションを振ります。

在庫によって棚の高さを自由に調節できるなど、利便性の高さが特徴です。平置きよりもスペース効率がよく、多くの倉庫で活用されています。

 ロケーション管理3:平置きの場合

平置きはパレットに載せたまま商品を床に並べる保管方法です。保管商品ごとに境界線が分かるよう、床面にテープなどで線を引いてロケーションを割り振って管理します。

例えば上の図のように1パレットずつA、Bとロケーションを分けることもできれば、2つのパレットを合わせてAのロケーションと定義することも可能です。

保管場所の面積を十分に確保する必要がありますが、パレットに載せたままフォークリフトで移動も可能です。ラックに入らないサイズの大きな商品や、重量のある商品の管理に多く用いられています。

ロケーション管理の手法3種類とそのメリット・デメリット

ロケーション管理の方法は、主に3種類に分かれます。具体的な保管ルール、メリット・デメリットをそれぞれ確認していきましょう。

固定ロケーション:決められた場所に保管

固定ロケーションは、アイテムごとに保管場所を決定する管理方法です。基本的に保管場所が変わらないため、分かりやすく覚えやすいメリットがあります。

デメリットとしては、空きスペースがあった場合でも別のアイテムの保管ができない、在庫が入りきらない場合は、ロケーションが複数に分かれることが挙げられます。

保管場所が分かれてしまった場合は、在庫探しに手間がかかるケースもあり、注意が必要です。

基本的には、迷わないシンプルな作業なため、入出庫業務は比較的容易です。システム管理をしていない物流倉庫などで活用されています。

フリーロケーション:空いている場所に保管

フリーロケーションとは、倉庫内の空きスペースを活用して保管する方法です。在庫サイズや数量に合わせてロケーションを割り当てられるため、固定ロケーション管理よりも、多くの在庫保管ができます

出荷作業の際は、商品を探す手間が発生しますが、在庫入れ替えや在庫数が増えた場合には、保管場所の変更や追加が容易です。シーズンごとに商品入れ替えが多いアパレル商品の保管に多く使用されます。

ダブルトランザクション:フリーと固定のいいとこ取り

ダブルトランザクションは、固定ロケーションとフリーロケーションのよい面を掛け合わせた保管方法です。

商品を保管するストックエリアは「フリーロケーション」、商品を探すピッキングエリアは「固定ロケーション」と、段階に分けて保管します。

2段階に分けることで商品入れ替えの際に、柔軟な対応が可能です。また、商品のピッキングも効率よく行なえるため、まさに「いいとこ取り」の保管手段といえるでしょう。

ただし、ピッキングエリアの在庫がなくなった場合にストックエリアから、補充する作業が加わるため、倉庫によって使い分けが必要です。

ロケーション管理の運用方法

ロケーション管理は、主に「エクセル管理」「倉庫管理システム」の2種類の方法が挙げられます。倉庫の規模や保管する商品によって適切な運用方法を選ぶとよいでしょう。

エクセル

エクセルでロケーション管理をする場合、入力する手間はかかりますが、コストが抑えられるメリットがあります。関数を用いた在庫管理表を作成すれば、少ない入力作業でロケーション・在庫数・入出荷の管理が可能です。

アイテム数や入出荷が少ないなどの小規模倉庫の場合は、有効に利用できるでしょう。

しかしアイテム数や入出荷数が多い場合は、手入力による人的ミスが起こる可能性が高まり、正確な在庫管理が難しくなります。

倉庫管理システム(アプリ)

大きな倉庫や入出荷が頻繁にある倉庫においては、適切な在庫管理をサポートする倉庫管理システムやアプリのツール活用も一つの手段です。

導入コストや保守などのランニングコストが発生しますが、それ以上に業務効率が向上するメリットがあります。入庫時にロケーションを入力しておけば、複数アカウントで情報を共有できます。出荷指示書や棚卸しリストにもパッとロケーションが反映されるため便利です。

ロケーション管理はもちろんのこと、在庫数や出荷状況などをリアルタイムで把握ができます。ピッキングミスや入荷ミスなどにも早い段階で気付けるため、誤出荷の防止につながるメリットがあります。

ロケーション管理の課題と効率化する改善方法

ロケーション管理を円滑に行なうためには、適切な手段を選ぶことが重要です。現状の管理方法が、倉庫の大きさや入出荷量に合っていない場合、課題が生じる可能性があります。

ロケーション管理をするうえの課題、業務の改善方法を確認しておきましょう。

保管効率を重視すると作業効率が低下する

保管商品のサイズや在庫数に応じてロケーションの振り分けを行なうことが一般的です。しかし、保管効率の軸だけで考えてしまうと、出荷時の作業効率が低下するおそれがあります。

たとえば、出荷頻度が高い商品があるとしましょう。ピッキング開始位置から5秒の場所にあるか、30秒の場所にあるかによってピッキング効率に違いがあるのは一目瞭然です。

効率よく作業をするためには、日々の出荷量を細かく分析したうえで、ロケーション振り分けが重要です。必要であれば、配置変えや保管方法の変更なども検討しましょう。

適切な管理方法がわからない

保管倉庫の規模や扱う商品の内容によって、適切な管理方法は変わります。

規模が小さく、ロケーション管理にシステム導入のコストをかけられない場合は、まずは固定ロケーションから運用スタートをするとよいでしょう。アナログでの在庫管理は、在庫移動が少ない固定管理が向いているためです。

その後、在庫やSKU数が増加すれば、固定保管が厳しくなるでしょう。その場合は、空いたスペースを有効活用できるフリーロケーションやダブルトランザクションへの移行もおすすめです。

ただし、フリーロケーション・ダブルトランザクションの場合、在庫移動の変動が大きくなります。正確な在庫管理が難しくなる可能性があるため、移行する場合は、倉庫管理システムの導入も同時に検討するとよいでしょう。

ピッキングミスが生じやすい

ピッキングミスの原因の多くは「思い込み」によって起こります。そのため、外見が似ているなど、見た目で判別できない商品は、間違えるリスクが高まる傾向にあります。

ロケーションを振り分ける際は、似ている商品は近い配置にしないなど、工夫が必要です。

また、ピッキングミスを防ぐためには、ハンディターミナルなどのシステム導入も効果的です。出荷処理の際に商品のバーコードを読み取ることで、注文内容との突合せが可能であり、ミスを最小限に減らせるでしょう。

ピッキングについては「物流における「ピッキング」の仕事とは?意味・種類・効率化のコツを解説」で詳細に解説しています。

ロケーション管理に時間がかかる

ロケーションをアナログ管理する場合、手間と時間がかかります。商品や在庫が増加した場合など、ロケーション変更が必要となった際は、その都度手修正が必要となり、事務処理の負担が大きくなるでしょう。

また、フリーロケーションやダブルトランザクションの場合、在庫変動が多くなるため修正が頻繁になることが予想できます。手入力によるアナログ管理には限界があるでしょう。

その場合は、倉庫管理システムの導入がおすすめです。システマチックにロケーション変更ができるため、手間も時間もかかりません。適切な運用が可能です。

ロケーション登録・変更が正しく記録できない

アナログ管理で運用が円滑に行えている倉庫もあります。しかし、保管倉庫の規模や扱う商品によっては、アナログでは正確な在庫管理が難しくなります。

変更や修正の頻度が高くなると、入力ミスにより正しいロケーションが分からなくなるリスクが生じるためです。

ロケーションを適切に管理するためには、ハンディターミナルを活用したバーコードシステムの利用も一つの手段です。

商品棚に貼ってあるバーコードを読み込むことで、入荷処理と同時にロケーションを設定可能であり、ほとんど間違いが発生しません。出荷作業も同様に、バーコードの読み込みで、商品に誤りがないか都度照合ができるため、多くのメリットがあります。

倉庫の在庫管理を効率化するには発送代行が適しているケースも!

ロケーション管理の効率化を図るには、ツールの導入が必須でしょう。しかし、導入コストやランニングコストが発生することもあり、倉庫の規模によってはコストがかかりすぎてしまう懸念もあります。

ツールの導入コストを考慮すれば、入出荷にかかわる業務をすべて委託できる「発送代行」の利用も一つの手段です。

富士ロジテックホールディングスでは、発送代行サービスも提供しています。創業以来100年以上にわたる運用ノウハウを持ち合わせており、最適な運用をお手伝いします。発送代行を検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

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