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国内外のECをはじめ、リユース、美容・健康、音楽などあらゆるジャンルで執筆中のフリーランスライター。中国への留学経験を生かし、13年間、繊維製品や楽器、雑貨の輸入業務に携わる。現在はライター業のかたわら、個人で越境ECのセラーとしても活動中。

食品通販物流会社3選!課題から見る発送代行の選び方と事例

食品物流

食品通販物流会社3選!課題から見る発送代行の選び方と事例

食品物流を成功させるには、徹底した温度管理、賞味期限の管理が不可欠です。

本記事では、食品通販物流を成功させるポイントからおすすめの発送代行業者と事例まで詳しく紹介します。

ニーズに合う業者が見つかれば、物流コストを抑えられます。物流倉庫の確保や配送方法にお困りのかたは、ぜひ最後までご覧ください。

食品通販3種類と物流面の特徴

食品通販3種類と物流面の特徴

食品通販の形態は、大きくわけて以下の3つです。

  1. 一般的な食品通販
  2. サブスク・定期購入型食品通販
  3. ネットスーパー型食品通販

それぞれ物流面で注意すべきポイントにも違いがあります。詳しく見ていきましょう。

一般的な食品通販

一般的な食品通販とは、食品を扱うショップの公式ECサイトやカタログ通販、モールに出店している食品販売事業者を指します。モールとは、複数のブランドやショップが集まるECサイトです。代表的なものに、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングがあります。

他にもお取り寄せグルメやスイーツなど、産地直送の通販形態もここに分類されます。

お中元や誕生日、母の日などのイベントに利用されることが多いため、ギフトラッピングへの対応が不可欠です。

サブスク・定期購入型食品通販

2つ目に紹介する食品通販の形態は、サブスクリプションや定期購入型のサービスです。

一例としては、以下のようなサービスがあります。

・ミールキット

カットされた食材と調味料、レシピが届くキットです。代表的なサービスに、オイシックスやヨシケイがあります。

・サブスクリプション

お菓子やコーヒーなど企業側がランダムに選ぶ詰め合わせや、購入者の趣向に合わせてパーソナライズされたセットが定期的に届くサービスです。

・宅配弁当

自宅や会社に、作りたての弁当が定期的に届く定期購入型サービスです。

物流面では、購入者ごとに異なる商品の組み合わせやオリジナル梱包、サンプル、チラシの封入など特別な流通加工が求められます。

ネットスーパー型食品通販

最後に紹介する食品通販の形態は、ネットスーパー型です。

ライフやイトーヨーカドーをはじめとするスーパーマーケットが運営するECサイトです。

購入者が食品や日用品を発注後、最短で当日配達してくれます。

生鮮食品や冷凍食品など温度管理が必要な食品を、鮮度や品質を保ったままいかに早く届けられるかが、物流のポイントです。

食品通販物流における3つの課題

食品通販物流における3つの課題

食品の通販物流では、他のジャンルにはない特有の課題があります。

以下3つの課題について、それぞれ見ていきましょう。

  1. 生鮮食品の管理が難しい
  2. 徹底した賞味期限管理が必要
  3. 配送コストが割高で利益率が低い

生鮮食品の管理が難しい

食品通販の中でも生鮮食品は品質の劣化が早く、温度管理が難しい点が課題の一つです。

たとえば鮮魚介類は4℃以下、野菜は5℃〜10℃以下というように、推奨温度に違いがあります。

さらに冷凍マグロなど−50℃以下での管理が必要な生鮮食品もあります。

鮮度を保つためには品目に合わせた温度管理と、スピード感のある配送が不可欠です。

徹底した賞味期限管理が必要

食品の賞味期限管理が適切でない場合、先入れ先出しが守られず古い在庫が廃棄処分になるリスクがあります。

賞味期限が間近の商品を出荷すると、消費者からのクレームにつながります。また賞味期限切れの商品が誤出荷されると、健康被害も起こりうるでしょう。最悪の場合、企業の存続が危ぶまれる事態に発展してしまいます。

このようなリスクを防ぐためには、徹底した賞味期限の管理が必要です。

物流コストが割高で利益率が低い

食品通販物流は、物流コストが高くなる傾向にあります。

なぜなら、食品に応じた温度設定に対応する倉庫と配送方法を選択する必要があるからです。

食品を一定の温度で管理するためには冷凍・冷蔵に対応した保管設備やトラックだけではなく、専門知識を持ったスタッフの人件費も発生します。

自社でこれらすべての設備とリソースを抱える場合は、物流コストが割高になり利益率が低くなる点がデメリットです。

食品通販物流を成功させる発送代行会社を選ぶ4つのポイント

食品通販物流を成功させる発送代行会社を選ぶ4つのポイント

前述のとおり、食品物流を自社物流として行うには、温度管理ができる倉庫やトラックを所有しなければならず、初期投資やランニングコスト、管理する人件費までばく大な費用が必要です。

大企業なら予算を投じて設備を整えることも可能でしょう。しかし予算に余裕のない小規模の企業は、プロの発送代行業者に任せるのが得策だといえます。

ここからは、発送代行業者を選ぶ際の、以下4つのポイントについて解説します。

  1. 低温物流の実績が豊富な倉庫を選ぶ
  2. システムによる賞味期限管理に対応しているか
  3. ギフトラッピングなど流通加工に対応しているか
  4. 自社システムとの連携は可能か

低温物流の実績が豊富な業者を選ぶ

低温物流とは、低温管理が必要な食品などを所定の温度を保ったまま輸送する方法です。

コールドチェーンともいいます。食品物流は温度管理が重要なので、低温物流の実績が豊富な業者を選びましょう。

低温物流に不可欠なのが、4温度帯のなかでも、定温・冷蔵・冷凍での管理が可能な倉庫と冷凍・冷蔵に対応したトラックです。

定温倉庫とは、温度が一定に保たれる倉庫です。アルコール製品やチョコレートなど、温度差で品質が劣化する食品を保管する場合に利用します。

冷蔵倉庫は一般的に−5℃〜5℃の倉庫を指し、チルド食品とよばれる食品を保管します。乳製品、精肉、鮮魚、生鮮食品などが該当します。

冷凍倉庫は−15℃以下に保たれ、冷凍食品やアイスクリームなどの保管に利用する倉庫です。

自社で取り扱う食品の実績があるかどうか、商品によって冷凍と冷蔵どちらも利用したい場合には、いずれにも対応できるかどうかも確認しておきましょう。

システムによる賞味期限管理に対応しているか

温度管理と同様、賞味期限の管理も食品物流においては重要なポイントです。賞味期限をアナログ管理している場合、在庫が増えるにつれ人的ミスや誤出荷が発生しやすくなります。

WMS(倉庫管理システム)には、賞味期限を管理できる機能を持つものもあります。賞味期限の管理システムがあれば、商品の賞味期限と賞味期限ごとの在庫数も正確に把握できます。その結果、在庫の適正化や廃棄ロスの最小化が可能です。

食品物流で発送代行会社を検討するなら、賞味期限管理に対応しているかは必ず確認しましょう。

ギフトラッピングなど流通加工に対応しているか

食品ECはお歳暮やお中元、バレンタイン、お見舞いをはじめとする贈り物として購入されることが多いのが特徴です。のしやギフトラッピング、メッセージカードの封入といったギフトラッピングに対応しているかどうかも、発送代行会社を選ぶ際に確認すべきポイントです。

また食品のサブスクリプションサービスでは、顧客体験が重視される傾向にあります。顧客ごとの価値観、購買履歴によってパーソナライズされた商品のアソートや、オリジナル梱包によって付加価値をつけるためです。

発送代行会社によってサービスの対応範囲に違いがあります。ギフトラッピングを含む流通加工がサービスに含まれるか、必ず確認しましょう。

関連記事:「食品サブスクとは?メリットや課題、ジャンル別事例と参入のポイント

自社システムとの連携は可能か

発送代行会社がWMSを利用する場合は、自社ですでに使用しているOMS(受注管理システム)やプラットフォームとの連携が可能かどうかの確認も必要です。

WMSとOMSを連携させることで受注から出荷までの作業を正確かつ迅速におこなえるため、業務の効率化が図れます。効率化によって、人的コストの削減も可能です。

連携方法によっても作業効率に違いが出ます。自動連携、API連携、CSV連携のうち、どの方法で連携するかもあわせて確認しておくのがおすすめです。

関連記事:「食品ECで失敗しないコツとは?課題と成功事例を紹介!

食品通販物流に強い発送代行会社3選と導入事例

食品物流に強い発送代行会社のおすすめ3選と、各社の導入事例をご紹介します。

  1. 【物流代行大手】富士ロジテックホールディングス
  2. 【食品専門物流】株式会社美翔(みしょう)物流 
  3. 【SBSグループの食品専門サービス】SBSフレック

【物流代行大手】富士ロジテックホールディングス

食品、健康食品、化粧品、アパレル等EC物流に豊富な実績を持つ大手物流代行会社です。

首都圏や大都市圏に複数拠点の物流センターを展開。食品で必須の4温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)管理にも対応しています。WMSを利用しているため、商品の先入れ先出し、多品種小ロットの受け入れが可能。

ギフト梱包やオリジナル梱包などの流通加工に対応しており、通常の食品ECからサブスクまであらゆる食品物流のニーズに対応可能です。委託する作業範囲は、必要に応じて柔軟にカスタマイズできます。

事例)食品事業者A社

カート、モールとAPI連携して注文管理や在庫管理を自動化し、出荷スピードの向上を実現。同時に、受注・物流窓口業務の人員削減にも成功しました。

【食品専門物流】株式会社美翔(みしょう)物流

大阪府下、兵庫県の一部地域で給食配送をおこなう食品専門の物流代行会社です。複数企業の荷物を1台のトラックに混載する共同配送や、小ロットにも対応できます。

ルート配送、定期便、臨時スポット便、貸切便から自社のニーズに合った配送方法の選択が可能です。

事例)給食配送

私立小中学校の学校給食センターへの配送を実施。物量によって2〜3台の配送トラックを手配することもあります。厳しい温度管理と配送時間の厳守が求められるなか、6時〜8時、13時〜16時など細かい納品時間にも対応しています。

【SBSグループの食品専門サービス】SBSフレック

食品定温物流のセンターを運営し、食品に特化したサービスを提供する物流代行会社です。定温・冷蔵・冷凍の食品物流を全国に展開しています。

事例)食品卸E社様

物流センターで冷凍保管している加工肉製品を、出荷指示に従ってチルド状態にまで解凍。その後、チルド状態にしたことで新たに設定される賞味・消費期限などが記載されたラベルを貼付する流通加工業務を請け負っています。

関連記事:「冷凍や冷蔵食品物流における現状とは?EC物流代行サービスの選び方

食品通販物流は専門の発送代行に委託しコストを抑えるのが得策

食品通販物流は専門の発送代行に委託しコストを抑えるのが得策

食品物流は、温度管理や賞味期限の徹底した管理体制が必須です。

そのため常温・定温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応する倉庫や、冷凍・冷蔵配送ができるトラック、専門知識を持つスタッフの確保など一般の物流よりも物流コストが高くなる傾向にあります。

物流部分を代行業者に委託すれば、自社で倉庫を持つ場合に発生する初期投資や管理コストを抑えられます。

富士ロジテックホールディングスでは、食品に必要な常温・定温・冷蔵・冷凍に加え、検査分析のための高温度帯での保管設備を整えております。WMSでの賞味期限管理にも対応しており、廃棄ロスの削減が可能です。

ギフト梱包やアソート作成をはじめとする食品に必要な流通加工の実績が多数あり、食品通販事業者様のニーズに合わせた柔軟なサービスを提供できます。

食品物流に不安のあるかたや、これまで別の倉庫に委託していたがうまくいかなかった企業様は、豊富な実績を持つ弊社にぜひご相談ください。

 

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ライター

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