西間木 智
西間木 智

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

EC物流はモールとAPI連携してさらに効率化!仕組みを紹介

倉庫管理システム・WMS 物流代行 発送代行

 

EC物流は、オンライン販売の急速な拡大と共に、その重要性が増していますが、皆様はAPI連携とEC物流の関連性をご存知でしょうか。

 

この記事では、その仕組みとその効果を詳細に解説します。

 

EC物流の現状

 

商品の配送は、顧客満足度とリピート購入に直接影響を与え、ビジネスの成功を左右するキーとなる要素です。

だからこそ、EC物流の効率化は絶対的な課題となっており、その解決策の一つとしてモールとAPI連携が注目を浴びています。

EC物流会社選定の3つのポイント

EC事業を運営する上で、物流パートナーの選定は事業の成功を左右する重要な要素となります。

適切な物流パートナーを選ぶことで、商品の配送がスムーズになり、顧客満足度の向上にも繋がります。

物流パートナー選定の基準にはいくつかのポイントがありますが、特に重要な3つのポイントを以下に紹介します。

商品の取り扱い経験

物流会社が具体的な商品の物流経験を持つか否かは、非常に重要な選定基準の一つとなります。

各商品はその特性により扱い方が変わります。例えば、電子機器やガラス製品のような壊れやすい商品は、特別な梱包や取り扱いが必要となります。

また、食品のように温度管理が必要な商品もあります。

このように、該当商品の物流経験がある会社を選ぶことで、商品の特性を考慮した適切な物流が可能となり、顧客に商品を安全に配送することができます。

過去に同様の商品を取り扱った経験があるか、具体的な取り扱い方法や梱包方法を問い合わせることで、商品の取り扱い経験を確認することができます。

システムとの連携経験

次に重要なのは、物流会社がシステムとの連携経験を持っているかどうかです。

ECと物流のリアルタイム連携を実現するためには、物流会社側もシステムに通じている必要があります。

具体的には、ECシステムと物流システムの連携を可能にするAPIの利用経験があるかどうかが重要となります。

この連携により、注文情報や在庫情報をリアルタイムで共有し、双方のシステムが自動的に情報を交換できるようになります。

これにより、手作業でのデータ入力やエラーを減らすことが可能となり、業務の効率化を図ることができます。 

コストシミュレーションの実施

物流コストの抑制は重要ですが、それがサービス品質の低下に繋がってしまうと、顧客満足度が下がるなどの問題が生じ、結果的にビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、物流会社選定時には、現状のコストだけでなく、将来的なコスト増加も見越した全体のコスト効率を考慮することが重要です。

具体的には、物流会社が提供するサービスのコスト性能や、物流のスケールアップに伴うコスト増加の予測をシミュレーションし、長期的な視点でコストパフォーマンスを評価します。

この際、単に費用が安いだけでなく、サービスの品質やスピード、信頼性なども考慮することが重要です。

また、物流会社の財務状況や評価、実績などを調査することで、その会社が長期的に安定したサービスを提供できるかどうかの判断材料にもなります。

これらの情報は、物流会社に直接問い合わせる、または公開されている情報を調査することで得られます。

以上の3つのポイントを基に、自社のニーズに最も適した物流パートナーを選定することが、EC事業の効率化と成長を実現するための重要なステップとなります。

モールとAPI連携とは

API(Application Programming Interface)は、ソフトウェア間のコミュニケーションを可能にするツールであり、モールとAPI連携はECサイト(モール)と物流会社のシステムを繋げる手段です。

APIは異なるソフトウェアやシステム間で情報を効率的にやり取りするための橋渡しのような役割を果たします。

具体的には、ECモールからの注文情報がリアルタイムで物流会社のシステムに送信され、物流会社はその情報を基に商品のピッキング、梱包、配送を行います。

また、物流会社の在庫情報もリアルタイムでECモールに反映されるため、常に最新の在庫情報をECモールの顧客が確認できるようになります。

モールとAPI連携のメリットは大きく二つあります。

 

リアルタイムでの情報共有による業務効率化

一つは、リアルタイムでの情報共有による業務効率化です。

手動でのデータ入力や確認作業が不要となるため、時間とコストの削減が可能となります。

 

顧客サービスの向上

もう一つは、顧客サービスの向上です。在庫情報がリアルタイムに更新されるため、顧客が購入を検討している商品が実際に在庫にあるのか確認することができます。

モールとAPI連携により顧客満足度の向上に寄与します。

API連携によるEC物流の効率化

API連携によるEC物流の効率化は、その性質上、オペレーションの自動化と情報の即時性による利点をもたらします。

オペレーションの自動化

API連携を利用することで、注文データの取り込み、在庫情報の更新、出荷情報の連携など、一連の物流プロセスが自動化されます。

手動でのデータ入力や確認作業が削減され、作業ミスの可能性も低減します。また、作業時間の短縮は物流のリードタイムを短くし、全体の運用コストを削減します。

情報の即時性 

API連携により、注文情報や在庫情報がリアルタイムで共有されるため、常に最新の情報を元に作業が進行します。

在庫切れによる顧客へのアナウンス遅延や、過剰在庫によるコスト増を避けることが可能となります。

API連携は、EC事業者と物流会社の間で、よりスムーズで効率的な情報共有を可能にし、その結果として物流業務全体の効率化を実現します。

顧客サービスの向上、業務コストの削減、そして最終的には事業成長に貢献します。

モールとAPI連携の具体的な仕組み

モールとAPI連携を活用してEC物流を効率化する具体的なメカニズムを解説します。注文受け取りから在庫管理、出荷までの一連の流れを説明します。

受注データの自動取得

モールとAPI連携により、注文が入った瞬間にその情報が物流会社のシステムに自動で伝達されます。

これは、顧客が商品を購入すると、その購入情報がAPIを介してリアルタイムで物流会社のシステムに送信されることを意味します。

手動での受注情報の入力やデータの転送が不要となり、ヒューマンエラーを削減しつつ、処理時間を大幅に短縮します。

さらに、顧客の注文情報が即座に物流プロセスに反映され、迅速な商品の準備と出荷が可能となります。

在庫情報のリアルタイム反映

在庫情報のリアルタイム管理も、モールとAPI連携の重要な機能の一つです。

商品の出荷や返品が行われるたびに、在庫数が自動的に更新され、それがECサイト上でリアルタイムに反映されます。

商品の過剰な販売や在庫切れによる販売機会の損失を防ぐことができます。

また、在庫の見通しを正確に把握することで、適切な在庫補充計画を立てることができ、在庫管理の効率化とコスト削減につながります。

出荷情報の自動連携

出荷情報の自動連携は、商品が出荷された際にその情報をリアルタイムでECサイトに反映する機能です。

顧客は自分が注文した商品の配送状況を常に把握することができ、サービスの透明性と信頼性を高めます。

また、物流会社側も自動的に出荷情報を更新することで、商品の追跡や配送状況の管理を効率的に行うことができます。

API連携を実現するためのポイント

API連携の実現にはいくつかの重要な要素があります。以下に主なポイントを解説します。

適切なAPIの選択

APIはさまざまな種類があります。その中から最適なAPIを選択することが重要です。

APIの選択は、取引する商品の種類、取引量、システムの規模や複雑さ、そして予算によって異なります。必要な機能を満たし、かつコスト効率の良いAPIを選択することが求められます。

システムとの適合性

API連携はシステム間の通信であり、それぞれのシステムの互換性が重要です。

システム設計者は、APIが提供するデータ形式や通信プロトコルが自社のシステムと適合するかを確認する必要があります。

また、APIのアップデートや変更があった際に、自社システムがそれに迅速に対応できるかも重要なポイントです。

セキュリティ対策

API連携により、顧客情報や取引データなどの重要な情報がネットワークを通じてやり取りされます。

そのため、セキュリティ対策は必須です。データの暗号化、不正アクセスの防止、データ漏洩の対策など、APIのセキュリティ機能を確認し、必要な場合は追加のセキュリティ対策を講じる必要があります。

継続的なメンテナンスと改善

API連携は一度設定すれば終わりではありません。

システムの変更、APIのアップデート、新たな要求などに対応するために、定期的なメンテナンスと改善が必要です。

また、API連携のパフォーマンスをモニタリングし、問題が発生した場合には迅速に対応する体制を整えることも重要です。

EC物流の未来:より効率化へ向けて

EC物流の未来は、さらなる効率化と自動化に向けて進化し続けます。

AIやロボット技術の進歩により、在庫管理、ピッキング、パッキング、出荷までの一連の流れが自動化され、人的ミスを減らし、よりスピーディーかつ正確な業務遂行が可能になります。

また、ビッグデータ分析や予測AIを活用した需要予測も精度を上げ、より効率的な在庫管理と物流計画が可能になります。これらの技術進化はEC物流の未来を切り開き、経済全体の効率化に寄与します。 

 

EC物流とAPIの連携まとめ

EC物流は、モールとAPIの連携により大幅な効率化が達成可能です。

受注データの自動取得、在庫情報のリアルタイム反映、出荷情報の自動連携が可能となり、人的ミスを減らし、業務のスムーズさを向上させます。

しかし、その実現には適切な物流パートナーの選定が重要であり、商品の取り扱い経験、システムとの連携経験、そしてコストシミュレーションの実施が選定の重要なポイントとなります。

ぜひ、貴社のEC物流についても、API連携で自動化して、ECショップ運営の効率化を図ってみてください。

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西間木 智

監修者

株式会社富士ロジテックホールディングス

西間木 智 / 通販営業部 部長

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

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