
物流倉庫の費用は、地域や取り扱う商品によって異なります。事業拡大に向けて、物流倉庫の導入を考えている方は、あらかじめ把握しておくと安心です。
本記事では、物流倉庫にかかる費用の具体例や相場を詳しく解説します。さらに、導入時の注意点やコストを抑えるための5つの具体策も紹介しますので、費用を抑えて物流倉庫を上手に活用しましょう。
物流倉庫の費用における固定費とは?
物流倉庫の費用は、固定費と変動費に分けられます。固定費とは、毎月一定額が発生する費用を指し、以下の3つが該当します。
- 倉庫保管料
- システム利用料
- 業務管理料
それぞれの内容を詳しく解説します。
倉庫保管料
倉庫保管料とは、物流倉庫内の保管スペースに対する費用です。物流業者によっては、倉庫保険料を毎月一定の固定費として請求する場合もあれば、保管する商品の数量や使用するスペースに応じて料金が変動する場合もあります。
固定費の場合は、「坪単位×単価」で計算するのが一般的で、1坪は約3.31㎡となります。
システム利用料
システム利用料とは、主にに業務を委託する倉庫管理システム(WMS)を利用するための費用です。入庫やピッキング、検品、梱包、出荷など、倉庫内の在庫管理業務を一元化できるシステムです。
物流業者によっては月額料金のほかに、初期費用が発生するケースもあります。近年では、クラウド型の倉庫管理システムを採用する物流事業者もおり、サーバーやハードウェアを購入する必要がないため、導入コストが抑えやすくなっています。
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業務管理料
業務管理料とは、倉庫内の商品管理にかかる基本料金を指します。
商品の安全性を保つために必要な費用であり、固定費として計上されますが、出荷量に応じて割引制度を導入している物流倉庫もあります。
物流倉庫の費用における変動費とは?
物流倉庫の費用における変動費とは、倉庫の利用状況や商品の入出庫状況に応じて変動する費用を指します。具体的には、次の費用が該当します。
- 倉庫保管料
- デバンニング料
- 入庫料
- 検品料
- 出荷料(ピッキング料)
- 梱包料
- 流通加工料
- 配送料
それぞれの内容を解説します。
倉庫保管料
変動費として倉庫保管料を設定している企業では、主に以下のような料金形態で月額料金を計上します。
倉庫保管料の料金形態 |
特徴 |
パレット建て料金 |
パレット単位で決定する料金 |
個建て料金 |
商品の個数に応じて決定する料金 |
重量建て料金 |
商品の重さ(1トンあたり・1キロあたり)で決定する料金 |
容積建て料金 |
荷物の容積(1立法メートルあたり)で決定する料金 |
変動型の倉庫保管料は、小ロットの商品が多く保管コストを最小限に抑えたい方や、事業を立ち上げたばかりで商品数が少ない方におすすめです。
デバンニング料
デバンニング料とは、コンテナから荷物をおろす際の費用です。フォークリフトや台車を使用して作業を行います。
荷崩れや安全面への配慮が必要となるため、入庫料とは別途料金として設定されています。コンテナの大きさには20フィートと40フィートの2種類があり、荷物の大きさや数量に応じて価格が変動する仕組みです。
入庫料
入庫料は届いた荷物を仕分けし、所定の場所に保管するための費用です。ケースやパレットなど、入荷時の荷物の形状や大きさに応じて料金が変動します。
検品料
検品料とは、入庫の際に商品の検品作業にかかる費用です。検品作業では、商品の個数や破損の有無を点検します。
目視で簡単に確認できる商品であれば入庫料に含まれる場合もありますが、電化製品やPC製品といった動作確認や検針が必要なアパレル商品などは、検品料が必要になる可能性があります。
出荷料(ピッキング料)
出荷料(ピッキング料)は、倉庫で保管していた商品を出荷するために棚から取り出す作業にかかる費用です。入庫料と同様に荷物の形状や大きさによって料金が変動します。
梱包料
梱包料は、商品を出荷する際の梱包作業にかかる費用です。出荷料に含まれる場合もあります。梱包作業では、以下の資材費が追加となる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
- 梱包資材費(段ボール、袋、テープなど)
- 緩衝材費(クラフト紙・エアーキャップ・気泡緩衝材など)
- 納品書、送り状などの発行手数料
チラシや挨拶状などを同梱する場合は、別途追加料金が発生することもあります。
流通加工料
流通加工料は、商品の加工作業にかかる費用です。具体的には、ギフトラッピングや詰め合わせアソート、家具や家電の組み立てなどが挙げられます。
個別対応の流通加工料は、作業内容が複雑になるほど費用が高くなる傾向です。
輸配送料
輸配送料は商品の輸配送にかかる費用です。多くの物流倉庫では、大手宅配事業者と法人契約を結んでいるため、個別に発送するよりもコストが抑えられます。そのほか、トラックのチャーター料も輸配送料の対象です。
配送料は、配送する荷物の量に応じて割引されるケースもあります。
物流倉庫の費用の相場はどれくらい?
ここでは、物流倉庫の固定費と変動費の相場を解説します。物流倉庫の料金体系は企業によって異なり、配送料に梱包料や出荷料が含まれている場合もあるため、事前の確認が必要です。以下では、複数社を調査し、項目ごとの相場を算出しました。
固定費の相場
固定費の相場は以下のとおりです。
固定費の種類 |
費用の相場(月額) |
倉庫保管料 |
坪単価:4,000円~10,000円 |
システム利用料 |
10,000円~50,000円 |
業務管理料 |
10,000円~50,000円 |
倉庫保管料は関東などの首都圏エリアや、冷凍・冷蔵保管が必要な場合は価格が高くなる傾向です。また、業務管理料は荷物の量や種類によって異なるため、具体的な費用を把握したい方は見積もりを依頼しましょう。
物流倉庫によっては、固定費や初期費用が無料で従量課金制を採用する企業もあります。
変動費の相場
変動費の相場は、以下のとおりです。
変動費の種類 |
費用の相場 |
倉庫保管料 |
1パレット:3,000円~/月 段ボール:300円~/月 |
デバンニング料 |
20,000円~35,000円/月 |
入庫料 |
10円~30円/個 |
検品料 |
10円~100円/個 |
出荷料(ピッキング料) |
10円~30円/個 |
梱包料 |
150円~300円/個 |
流通加工料 |
10円~300円/個 |
配送料 |
ポスト投函:300円~ 宅配便:600円台~ |
変動費は商品の大きさや形状によって異なります。小さな商品を扱う場合、1ケースごとに料金が設定されることもあります。
のし紙やギフト包装など個別対応が必要な作業には、別途費用が発生するケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
<関連記事>「物流コストとは?内訳と推移、削減への6つのアイデアを解説」
物流倉庫の費用に影響を与える4つの注意点
物流倉庫の費用は、以下の要因によって大きく影響します。
- 商品の種類によっては費用が高くなる
- 冷凍・冷蔵の保管は光熱費がかかる場合がある
- 業務量が増えるとコストが上昇する
- 物流倉庫の立地によって費用が異なる
ここでは、物流倉庫の4つの注意点を詳しく解説します。
商品の種類によっては費用が高くなる
物流倉庫では、取り扱う商品の種類によって費用が高くなるケースもあるため注意が必要です。例えば、輸入品を取り扱う場合は、デバンニング料がかかります。
さらに、大型で重量のある商品は広い保管スペースが必要になり、その分保管料が高くなります。このように商品の特性によって費用が変動するため、事前に見積もりを依頼し、トータルコストを把握しておきましょう。
冷凍・冷蔵の保管は光熱費がかかる場合がある
冷凍・冷蔵商品を保管する物流倉庫では、別途光熱費が発生する場合があります。特に、設定温度が低い冷凍倉庫では、電力やエネルギーコストが大きく影響し保管費用が大幅に増加します。
そのため、過剰在庫を避け、定期的な流通を確保するなど徹底したコスト管理が必要です。
<関連記事>「冷凍冷蔵食品の発送代行も対応可能なおすすめ業者を一挙紹介」
業務量が増えるとコストが上昇する
キャンペーンによるプレゼント商品の同梱やギフト包装の対応は、顧客満足度の向上につながる重要な施策です。しかし、こうした個別対応は、倉庫現場での業務量が増加し、それに伴いコストも上昇します。
そのため、商品に与える付加価値と物流コストのバランスを考慮した運営が求められます。
物流倉庫の立地によって費用が異なる
物流倉庫の立地によって保管費用が異なる点も、注意すべきポイントです。首都圏の倉庫は土地代が高く人件費も上昇しているため、地方の倉庫に比べて保管費用が高い傾向です。
そのため、全国に複数の拠点を持つ物流会社を選べば、保管コストを抑えられる可能性があります。しかし、倉庫を選ぶ際はコスト面だけではなく、自社商品に適した立地を選ぶことが大切です。
物流倉庫の費用を削減する5つの具体策
以下の5つの対策を実践することで、物流費用の削減につながります。
- 商品の流通状況に応じたスペースを確保する
- 徹底した在庫管理で無駄を削減する
- 倉庫内の業務を見直す
- 立地条件を検討する
- 複数の物流倉庫を比較する
5つの具体策を見ていきましょう。
商品の流通状況に応じたスペースを確保する
物流倉庫の費用を抑えるためには、過剰なスペースを減らし、商品の流通状況に応じたスペースを確保することが重要です。取り扱う商品の外装や出荷頻度に考慮して、適切な保管方法を選ぶことが保管料の削減につながります。
ただし、最低限のスペースにしてしまうと、需要が増えた際に倉庫スペースが不足する恐れがあります。将来的な需要を見越してスペースを確保しましょう。
徹底した在庫管理で無駄を削減する
過剰在庫のリスクを避けるためには、日常的な在庫管理を徹底することが大切です。倉庫のシステムを利用すれば、リアルタイムで在庫状況を把握できるため、効率的な在庫管理が可能になり、無駄を削減できます。
時期によって需要が変化する商品は、入荷量の調整や在庫予測を行い、適切な在庫管理を心がけましょう。
<関連記事>「ECサイトの在庫管理方法を徹底解説【3つのポイントも紹介】」
倉庫内の業務を見直す
倉庫内の業務を見直すこともコスト削減につながる重要なポイントの一つです。梱包作業や流通加工などを自社で行ったり、低価格の梱包資材を自社で用意したりと、すべての業務を物流倉庫に依存せず、業務を分担することも有効です。
一方で、商品数が多い場合はすべて外部委託した方が全体的なコストダウンにつながる場合もあります。倉庫全体の業務を見直し、必要な業務に絞って物流業者に依頼しましょう。
立地条件を検討する
倉庫の立地条件は重要なポイントの一つです。地方の物流コストは保管費用などのコストが抑えられる一方で、配送距離が長くなるため、配送料が高くなる可能性があります。
郊外の倉庫を選ぶ際は、高速道路へのアクセスの良さなど配送面での利便性も考慮しましょう。
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複数の物流倉庫を比較する
複数の物流倉庫を比較すると、自社のニーズに最適な倉庫を見つけやすくなります。物流倉庫の中には、すべての業務を委託できるアウトソーシングサービスや、業務改善につながるコンサルティングサービスを提供している倉庫もあります。
自社に必要なサービスを見極め、費用対効果の高い物流倉庫を選びましょう。
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物流倉庫は費用をかけてでも導入すべき3つのメリット
物流倉庫を導入すると、以下の3つのメリットが得られます。
- 人的コストの削減につながる
- 事業の拡大に対応できる
- コア業務に集中できる
ここでは、物流倉庫の3つのメリットと、費用をかけてでも導入すべき理由を解説します。
人的コストの削減につながる
物流倉庫を利用することで物流業務の作業時間を短縮し、人的コストの削減につながります。特に、人的リソースに余裕がない小規模の会社にとっては、専門的な物流倉庫を活用することで、人的ミスや作業の負担を軽減し、より精度の高い業務運営ができます。
事業の拡大に対応できる
物流倉庫では、需要が高まり事業が拡大した際にも柔軟に対応できます。注文数や顧客の増加に応じて、物流拠点の拡充や人材の確保に対応できるため、自社の成長に合わせてスムーズな運営が維持できます。
コア業務に集中できる
物流倉庫に依頼すると物流業務への負担を大幅に減らせるため、コア業務に集中できる点がメリットです。これにより、戦略的なマーケティング施策や商品開発など、重要な業務にリソースを割けるでしょう。
物流倉庫の費用を最小限に抑えて効果的に活用しよう!
物流倉庫の費用は、物流業者や自社が取り扱う商品の種類によっても大きく異なります。商品の特性を理解し、依頼する業務を明確にしたうえで複数の物流倉庫を比較しましょう。
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手間のかかる業務を丸ごとアウトソーシングできるため、コア業務にも集中できます。全国50拠点に複数倉庫を展開しているので、費用を抑えたい方は一度見積もりを依頼してみましょう。


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ライター
森恵
貿易事務と物流代行営業の経験を活かし、専門知識に基づいた記事作成を行っています。お客様に寄り添い、分かりやすく役立つ情報を提供します。
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