西間木 智
西間木 智

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

SHEIN 購買体験を解説 実際に買ってみました ファストファッションの未来 Part04

ビジネスモデル 成長ブランドケーススタディー

SHEINの大きな特徴 ファストファッションの未来 Part01 

SHEIN ビジネスモデルの秘密 ファストファッションの未来 Part02

SHEIN 届くまでの流れを解説 ファストファッションの未来 Part03 

 で、SHEINのビジネスモデルについての概要をご案内してきました。

 今回は、実際に日本語サイトでの「新規登録」から、購入、配達、購買後のCRMについて体験しましたのでみなさんと共有していきます。

SHEIN ML TOP FV

世界のファストファッションの動向2022年07月

はじめに、世界のファストファッションブランドの動向について俯瞰していきます。
Zaraの親会社であるInditexは、中国でのeコマース事業からBershka、Pull&Bear、Stradivariusの3つのブランドを撤退させています。中国市場から撤退したブランドのリストに加わりました。

中国マーケットがまだファッションブランドにとって魅力的ではないというわけではありません。
中国マーケットでのアパレル市場は依然として年間約6%で成長しています。しかし、それ以上に市場は遥かに競争が激しくなっています。
特に、中国のブランドと多くの外国のブランドの両方と競争しなければならない非中国のブランドにとってはなおさらのようです。

特にファストファッションブランドは、中国で苦戦を強いられています。PEACEBIRED(ピースバード )https://shop.peacebird.com/ のような、よりニッチな中国のブランドと競争しなければなりません。

PEACEBIRD-Latest-Fashion-Trends-Official-Online-Store-–-shop-peacebird-com.png

SHEIN日本語サイトでの購入体験

購入体験を順を追ってご案内していきますが、是非、みなさんも体験してみてください。
絶えずキャンペーンをしていますので、どこかでお得な体験ができるかも知れません。

体験をお勧めするのは、デザインと品質は経験しないとわからないからです。
その上で、CRM:CXとしての、購買後体験としてこのブランドをどうみなさんの購買ブランドとして位置づけるのか。
そして、このブランドをどう使いこなすのかななどが評価できると思っています。

SHEIN 友達クーポン

1:新規登録と購入

SHEIN 新規登録と購入ここは、USAとかEUなどの海外での、購買体験プロセスで鍛えられていますので、基本をしっかりと踏んでいます。

①メールなどのサブスクリプションへの登録
 (日本なら、LINE公式アカウントへの友だち登録など)

②カテゴリーのカタログ表示と、PDP選択後の、SNSでのシェアや、お気に入り、ウイッシュリストへの登録導線はしっかりしています。

<*日本の場合は、お気に入り機能より、一旦カートに入れる購買行動が多いと言われています。
*ウイッシュリストは、Amazonで普及しつつあるようですが、LINEのソーシャルギフトとの連携でマーケット成長の可能があるかもしれません。

2:カートフロー 

SHEINは、様々なオファーやラストワンプッシュのクーポンキャンペーンを駆使しています。

①初回登録のキャンペーンクーポン
②最初は、購入金額による割引率ではなく、額適用されるクーポン
そして、まとめ買いへの導線となる、一定額以上になると率割引のクーポン
 (これは、購買心理としてはうまい導入で、利益も確保できます。)

SHEIN クーポン

③カートイン後のリコメンデーション

これは、顧客のパーソナラズデータによりプレゼンテーションが変わってくるでしょうか。
AIテクノロジーを試してみたくなるUI・UXです。

今回は、無難なインナーウエアのクロスセル提案になっています。
日本なら、送料無料レンジへプライスクロスセルでしょうが、ここは、SHEINモデルが活かされていると言える体験です。

3:決済

 SHEIN 決済

騒然ですが、一番の離脱ポイントでもある、送料・TAXなどの追加費用が一目でわかるようになっています。
同然、適用されている、クーポン・ポイントなどもわかりやすく、表示色を変えて明示されています。
*UI/UXは見習うべきことが沢山ありますね。

SHEIN 決済完了後

決済完了後のカスタマーサービスのFAQなどの提示
完了後のメッセージ
なども、基本をしっかりと守っています。

 配送

SHEIN 配送

今回の購入は1商品だけでしたが、8000円など数点を購入して、嵩張る場合はどのように配送されてくるのかは、興味深い点です。
秋冬物か、シューズ系で試してみます。

トランザクションメール

ここは、まだまだ工夫ができます。

①注文確定メール
SHEIN トランザクションメール

と、カスタマーサービスへの誘導だけです。

②出荷完了メール

お客様
ご注文の GSHN2***** 追跡番号 G01229***** は配達済みと表示されます、受け取っていない場合は、玄関先、郵便受け、またはご近所様を確認することをお勧めいたします。 「配達確認」 をクリックして、ポイントを獲得してください。何かご不明な点がございましたら、いつでもご気軽にお問い合わせください。

お願い:
在庫状況により、商品が異なる倉庫より発送される場合があります。別々に発送される場合は、複数のお荷物を受け取る場合がありますので、ご了承ください。

SHEINカスタマーサービス

③配達確認からのマイポータルメニュー遷移

SHEIN マイポータルメニューログイン

ソーシャルログインは必須ですね。

マイアカウントメニューの、UI/UXも参考になります。

SHEIN マイアカウント

CRM/CX

①レビュー

SHEIN レビュー

レビューはとても有効な顧客とのコミュニケーションポイントでもあり、CX・ロイヤリティプログラム・パーソナライズデータとしての有効性が実証されている施策です。

マスト機能でもあるので、コマースシステムの選定時の要件には入れておいてください。

②購買後体験のためのCX:メールコミュニケーション

ユニクロほどではありませんが、このレベルでの配信がされています。
CXではなく、キャンペーン告知です。
顧客にとっては、これが購買後体験として楽しい時間であることも留意する必要があります。

SHEIN CRM メールマガジン

ポイントで追加オファーが送られてきます。

SHEIN CX:ボーナスポイント

ロイヤリティプログラム

購入頻度や、購入金額、購入後のレビューでロイヤリティプログラムが運用されています。
ステップステータスがアップしたとのコミュニケーションが届いています。
これも、重要な顧客体験です。
購入感覚をあけてみて、どうパーソナライズを効かせてくるかを楽しんでみたいと思っています。

SHEIN VIP

今回は、新規登録から、購入、配送、購買後体験について実際の購入を通じてご案内しています。

次回は、より深くマイポータル機能や、コミュニケーションに施策と、SNS施策、インフルエンサーマーケティングからの購入時の動きなどについてご案内する予定です。

みなさまからの体験情報もお待ちしております。

<SHEIN関連記事>

LINEリサーチが、2023年02月20日に公表した調査結果。若者を中心に人気を集めている中国発のファッションブランド「SHEIN(シーイン)」について、認知や利用意向、その理由などご紹介されています。

「SHEIN」の認知は5割弱。利用意向者が利用したい理由は?

LINE Research SHIEN

 

<ファッションテクノロジー 関連記事>

ファッションテクノロジー "Introduction"

ファッションテクノロジー"#1 METAVERSE REALITY CHECK"

ファッションテクノロジー "#2 HYPER PERSONALISATION"

ファッションテクノロジー "#3 CONNECTED STORES"

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ファッションテクノロジー "#5 TRACEABILITY FIRST"

追加トレンド情報

快適な買い物体験の影に潜む現代病「Shopping Addiction」

とても、参考になる記事がありましたので共有しておきます。ご一読ください。

今までブランドはユーザーをサイトに引き寄せられたのはメール通知やプロモーション、そして新規プロダクトを提供することだった。ファストファッションはこのモデルを加速させたからこそより中毒性のあるショッピングが意見を提供できた。その代表例になるのが毎日数千点と新規商品を出すSHEIN。SHEIN以外にもリセールアプリのThe RealReal、Grailed、Poshmarkなどを見ても、新商品の見せ方を調整していて、ユーザーが毎日数回アプリを見てくれるように新商品を表示している。

分析:SHEIN のビジネスモデルを参考に D2C・オムニチャネルコマースをグロースさせる方法

SHEIN のビジネスモデルを参考に D2C・オムニチャネルコマースをグロースさせる方法

SHEINのビジネスモデルを要素別に分解をして、各機能を自社のE-コマース・D2C・DNVB オムニチャネルコマースビジネスに実装して、成長させるためのコンテンツをまとめています。

SHEINについては、いろいろな意見がありますが、成長していることは間違いがありません。
それぞれの機能を確認することで、購買体験や、購買体験ニーズ あっているかを確認してみてください。

殿堂入り記事
発送代行完全ガイド

発送代行完全ガイド

発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

西間木 智

監修者

株式会社富士ロジテックホールディングス

西間木 智 / 通販営業部 部長

物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

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