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【D2C eコマース に関するマーケティング運用Tips・研究シリーズ】
Written by 中島 布美子
「マーケティングの4P」とは
4Pとは、マーケティング戦略の立案・実行のプロセスの一つで、以下の要素をおさえたマーケティング戦略を実施することで、商品やサービスの魅力を消費者に的確に伝え、売上アップを実現しやすくなります。
- Product(製品・プロダクト)
- Price(価格・プライス)
- Place(流通・プレイス)
- Promotion(プロモーション・販売促進)
ミレニアム世代、Z世代への新4P
最近までは、上記にあげた4Pが重要視されてきましたが、ミレニアム世代、Z世代には違う考え方をする必要があり、新しい4つのPが重要であると、2021年1月、広告会社McCann World groupのグローバル最高デジタル責任者であるショーン•マクドナルド氏がマーケティング業界誌 The Drumに公開しました。これからの時代、消費活動の中心はミレニアム世代、Z世代になると言われています。物心がついた頃からデジタル技術に触れてきたミレニアム世代や Z 世代はこれまでの世代の考え方、 ものの見方が大きく違い、ミレニアム世代 、特にその後を担う、Z 世代に向けてどのようなマーケティング販売戦略を立てていくかということが重要になってきます。
ミレニアル世代 vs Z世代:「デジタルパイオニア」と「デジタルネイティブ」
【ミレニアル世代とは?】
ミレニアル世代は、1980年から1995年の間に生まれた世代と定義されています。2021年に25歳~40歳になる層のことを指します。
2000年代に登場した検索エンジンを始め、スマートフォンの登場等を目にしてきた、「デジタルパイオニア」と言われる年代層です。特徴として、物欲や所有欲がなく、シェアリングサービスなどを好むのも特徴でシンプルな生き方(ものを持たない)を好む傾向にあります。
【Z世代とは?】
Z世代とは、1996年から2015年の間に生まれた世代と定義されています。2021年に6歳~25歳になる層で、世界全体では人口の約25%を占める新世代です。デジタルが当たり前の時代に生まれてきたことから「デジタルネイティブ」とも呼ばれます。
生まれたときから、家庭にインターネット、スマとフォンがあった世代を指し、現在、アメリカではZ世代が人口の約3割を占めるとされ、2020年代半ばまでに多くのZ世代が労働市場に出るため、社会や経済に対して与える影響が大きいことから、注目されています。スマホを日常的に使い SNS にも親しんできたことから、ソーシャルメディアでのコミュニケーションを重要視する特徴があります。
これからの時代の中心的消費者への4P
これからの時代の中心的消費者になっていくミレニアム世代、Z世代に効果的に情報を伝え、顧客になってもらうには、根本的に考え方を変える必要があり、重要なのはもはや、『Product(製品・商品)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通)』ではなく、
『 Purpose(目的),
Positioning(ポジショニング),
Personalized(パーソナライズ),
Partnerships(パートナーシップ)』
です。
1つ1つについて、詳細に検証してみましょう。
1. Purpose(目的)
ミレニアル世代とZ世代は、非常に包括的で、価値観を共有するブランドに目を向ける、意識の高い世代です。 特に環境問題や社会問題に対して関心が高いのが特徴で、こういった問題に対するブランドの姿勢は購買に左右すると言われています。
ハイクオリティなアウトドアギアを通して〈貧困に苦しむ人々を救う〉という目的を持つアメリカンブランドのCotopaxi(コトパクシ)は、2013年の創業以来、労働者を守ること・環境保全に努めること・発展途上国への支援を軸に、革新的なアウトドアギア販売しています、資源の再利用手段としても非常に大きな役割を果たしており、ブランドを代表するDel Díaというバッグコレクションには、他社工場の大量生産から生まれた残布を(Re) Purpose™素材として使用。
処分されるはずだった素材に、もう1度意味を持たせる。 それらを職人の感性で組み合わせていくため、〈世界に一つのカラーパターン〉が生まれます。
消費者に大きな喜びと楽しさを与えてくれる様々なカラーパターンは、大きな社会貢献でもあり、そういった企業姿勢はミレニアム世代とZ世代に人気です。
2. Positioning(ポジショニング)
物事よりも人生を変える経験に焦点を当てた世代には、ブランドストリーやエクスペリエンスをどのように伝えるかが大切です。 ブランドの作るストーリーの中に自分を置くことができて、自分自身と一致していると感じるポイントを多く提供することが大切です。
子供の成長にあわせてパーソナライズしたベビーフードをサブスクリプション形式で提供するサービスを展開しているMiL(ミル)は子育て家庭向けのオーガニックフードブランド「the kindest(カインデスト)」を展開し、累計販売数100万食突破した。 「忙しくても、家族で素敵な時間を過ごしたい。」 the kindestは、そんな家族に向けた商品を作っており、ライフスタイルモデルに栗原ジャスティーンとボブスレー・アメフト選手の栗原嵩夫妻を起用しており、ブランドムービーを9月6日(月)より公開しています。
3. Personalized(パーソナライズ)
ミレニアル世代とZ世代は、またはパーソナライズされたと感じるものを求めています。 ブランドは本物であると感じる必要があり、ブランドと会話したいと思っています。
例えば、FUJIMI(フジミ)は、日本初の肌診断から処方するパーソナライズサプリメントです。 サイトで簡単に肌診断ができ、各ユーザーの答えに最適化されたサプリメントが届くサービスで、生み出されるサプリメントの組み合わせは2,000億通り以上です。
この幅広い製品範囲は、若い世代に好まれるブランドづくりに役立ちます。これは、若い消費者との長年の関係を築くことを望んでいるブランドにとって重要な要素です。
顧客購買後体験で、パーソナライズが大切な理由
4. Partnerships(パートナーシップ)
ミレニアル世代とZ世代が好むブランドやタレントなどとのパートナーシップ、またはコラボレーションは、相乗効果を生み出すことができます。
2021年4月にモール型ECサイトからD2Cプロデュース主軸のファッションエンターテインメント事業にリモデルした株式会社スタイルヴォイスは、 SNSで話題のインフルエンサー(misato・mai・miyu)をディレクションメンバーとして起用し、新アパレルブランド「Stylevoice for xxx」(スタイルヴォイスフォー)のアイテムを販売開始したところ、販売後開始約5分で完売アイテムが続出し、想定を大幅に超える再入荷通知メールを頂いたことから販売アイテムのほとんどを追加生産で対応する運びとなった。
ミレニアム世代、Z世代を魅了する広告の欠かせない要素が「共感できるストーリー」であることは間違いありません、そのために彼らの心を掴むインスタグラマーや、タレント、ユーチューバー、著名人などとコラボレーションするのは効果的といえます。
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