【Recustomer株式会社対談記事】返品・交換からファン化して売上拡大施策



西間木:
今回貴社のシステムや開発の思いなどのお話を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。

Missionは、EC事業者様の事業成長のサポートをしたい

伊藤:
プロダクトビジョンからお話しをさせていただきますが、弊社のお客様はEC事業者にあたると思っています。

そのため弊社は

「EC事業者様の事業成長のサポートをしたい」
と考えています。

今後は、消費者サイドの人口が減っていく流れがあったり、広告の規制、競合の増加などで広告のCPAが上がっていったりと、新規のお客様を連れてくるのが難しい時代に突入していくと感じています。

そのため、EC事業者様の事業成長における最大の課題は、

「既存のお客様に、いかにリピートしてもらうか」

「いかにロイヤリティを高めてLTVを向上していくか」

だと思い、既存のお客様を大切にするマーケティングツールを開発したいと思い立ちました。

弊社では、売上の構成比率が「8割既存から生まれており、2割が新規」の構成が理想だと考えており、既存のお客様を大切にする施策は、大きく2つあると思っています。

1つは、
1度ご購入いただいたお客様に対して、ロイヤリティを下げて離反を防ぐ切り口。

もう1つは、
顧客に「もう1度買いたい」と思ってもらえた際に、自然に買ってもらえるような再購入のタッチポイントをつくる必要があると思っています。


離反を防ぐ具体的な方法は「顧客体験」

1つ目の離反を防ぐ具体的な方法は「顧客体験」ですね。

たとえば、チェックアウトが非常にしづらい、個人情報の入力数が多い、となると「このECもう使わない」と離れてしまうと思うのですが、こうしたBadな体験をGoodな体験に変えることにより、もう1回お客様に購入してもらえるようにするのが理想だと思っています。

 

購入後の体験は、改善の山=宝の山

今、1番体験が悪くなってしまっているのは、購入後の体験だと感じています。購入前の体験は、Web接客やチェックアウトがワンクリック決済できたり(Amazonなど)と、発展してきていますが、購入後の体験は進んでいません。

基本、お客様に購入してもらった後は何もタッチせず、「なにかあったら、お客様自身で問い合わせ、そこに人力で対応している」状態ではないかと思っています。

そのため弊社としては、この部分の体験を良くすることで、お客様のロイヤリティを下げない、離反している顧客を防ぐ、LTVを上げる、という点にチャレンジしています。

「EC上で買い物をしたら商品到着まで待つだけ」という間の過程で、Recustomerサービスがインフラとして立ち上がるイメージです。

お客様が返品したい際にはRecustomerで返品ができる、
キャンセルしたければRecustomerでキャンセルできる、
到着予定日を知りたいときにはRecustomerで知ることができる、

というシステムになります。

Recustomerが基盤となれるので、再購入したい顧客に対して自然なタッチポイントが可能になります。
ぜひRecustomerをインフラにしてほしいという思いがありますね。

Recustomerは、EC事業者のLTVを上げるために既存のお客様を大切にする。
「購入後体験」という切り口から、お客様がスムーズに返品・交換のリクエストができたり、処理がされたりという購入後体験ができるプラットフォームになっております。

recustomer

西間木:
ありがとうございます。
今、支援事業者さん、通販事業者さん、コンサルさんを含め各社でいわれるのが、

「ロイヤリティをあげていきましょう」

「再購入につなげて利益をあげていきましょう」

と、顧客体験・購入体験、LTVを上げるところですね。

購入する前の『UI』のところをしっかり作る、ブランディングをする、そのあと購入してくださったお客様に対して、商品のコンセプトブックや使い方ブックなどの同梱物(チラシ)を入れて、しっかりアピールしていく、さらに購入した方に、メールやLINEなどでコミュニケーションをはかる。

「コミュニケーションを継続してファン化する」が王道になる

「コミュニケーションを継続してファン化する」というやり方が、今の通販の王道になっているのではないかと思います。
今回、貴社においては、購入した商品をシステムで構築して「返しやすい、交換しやすい」サービスを作ったと感じました。

通販の事業者さんは「返品・交換」を嫌がることも多いですね。ゆえに、購入者側も「交換したいな。返したいな」「ほかの商品と比べてみたいな」と思ってもなかなか返しにくい。

嫌がる事業者と、「返したいのに返せない」と困っている購入者に対して、「返品・交換OKですよ」ということで双方の困りごとを解消、スムーズにして購入体験を得ていくサービスですね。

購入体験をターゲティング、グロースしている感じでしょうか?

 

験を良くし、スムーズにして、最高位のタッチポイントを作り出すこと

伊藤:
おっしゃるとおりですね。

EC事業者サイドには思いなどは伝えてありましたが、今までなぜ購入後体験が良くなかったかというと、まさに「返品・交換後のCSにかかるコストが重すぎて、窓口を設けたくない」EC事業者の思いがありました。

LTVを上げるために体験を良くしたいという思いと、体験を良くしてしまうと問い合わせが殺到し、結果的にコストとして降りかかってしまう、一方的に損をしてしまう思いのねじれがあり、ここのねじれを解消するのがRecustomerという風に定義しています。

体験を良くし、スムーズにして、最高位のタッチポイントを作り出すことによって、体験を良くすることができます。ただ体系を良くすると、かなりお問い合わせが増えるので、人力の対応コストがEC事業者にかかってくると思います。

その「ねじれ」を解消するために、Recustomerの自動対応、自動で返品処理をおこなうなどのロジックをあらかじめ組むことができるので、体験を良くすることとCSの業務効率化を逆説的に両立させたサービスですね。

西間木:
そうですね。購入体験で、お客様に満足していただいて再購入していただく。
今まで購入体験って、UIや購入したあとの同梱物、アンボクシングはフーチャーするのですが、返品・交換ですよね。

最近は、購入者さんが徐々に賢くなっている気がします。

たとえば、気に入った商品はあるが、自社ECで買わずに、同じ商品がAmazonやZOZOTOWNで売っているなら、そちらで購入する人が増えていますが、「なぜAmazonやZOZOTOWNで買うのか?」というと、
「返品・交換もできますよ」
「返品してくださいね」
といった『返品・交換ウェルカム』のプラットフォームができているからだと思うのですね。

購入者が購入体験のなかで、返品・交換できる形に変わってきているので、今は返品・交換しづらいかもしれませんが、今後は「返品・交換」も当たり前になっていくのかもしれませんね。

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ECがより発展している海外では、返品・交換が当たり前の世界

伊藤:
そうですね。アメリカ・中国などECがより発展している海外、日本の5倍ほどEC化率が進んでいる世界では、返品・交換が当たり前の世界になってきています。

国内ではまだ、「返品・交換が嫌」という考え方なのですが、返品・交換を嫌なものだと捉えずにチャンスと捉えるタッチポイントにし、マーケティングに変えているのが海外のトレンドとしてあります。

これはEC事業者側のトレンドですが、消費者側から見ると、A・B・CのECサイトがあったとして、Aサイトのみ返品・交換ポリシーがいいとすると、消費者の期待値が「返品・交換ができて当たり前」に設定されてしまうため、B・Cサイトの返品・交換ポリシーがきつかった瞬間、そのECが使われなくなってしまいます。

つまり、返品・交換ポリシーが緩くないECが今後選ばれなくなっていくことを考えると、返品・交換ポリシーを考えていくのは大事だと考えています。

西間木:
そうなんですよね。話しをいろいろ聞いていると、日本国内では、まだどこの会社もチャレンジしていない感じがしますね。気づいてはいるものの、チャレンジできていないところを今回、貴社の方でチャレンジしプラットフォームを作った。

「”返品・交換NGから返品・交換あり”に変えることで顧客の満足度を上げて、再購入していただければ、そのあとロイヤルカスタマーになっていただけて、結果的にLTVが上がっていく」
という施策ですよね。

伊藤:
そうですね。EC事業者側は、海外の事例などをウオッチ調査していると思うので、うすうす勘づいていると思います。ただなぜチャレンジできないかというと、CSコストが爆発したときの体制が整えられていないのがあります。

Recustomerは返品・交換ポリシーを緩めるツールでもないため、どう使うかはお客様の自由ですが、そのなかで返品・交換ポリシーを緩める・緩めないのはボタン1つで検証することができるので、一緒に事業成長のための検証をしていきたいと思っています。

西間木:
今おっしゃられたみたいに、通販事業者と購入者がお互いの思いを汲むのが大切ですね。今までは、どちらかというと事業者側の方が強い印象でしたが、購入者の思いを汲んでいき、お互いにコミュニケーションにもっていけるといいですよね。

貴社のシステムのリリースは去年あたりからでしょうか。

 

導入D2Cブランドのメリットは

伊藤:
そうですね。ローンチしたのは半年前ほどでしょうか。今は本番環境で何社も導入して動いています。

西間木:
実際に導入していただいた事業者さまからは、どのような声をいただいていますでしょうか。

伊藤:
今導入していただいている企業様は、売上が急成長で伸びているようなD2Cのアパレルブランド様が多いです。
この辺の企業様は、D2Cの思想として
「お客様ファースト」
の体系を設計するところから始まっているので、おのずと我々が目指したい世界をアナログな手法で実現していました。

そのため、LTVを向上させたいというより、返品業務の効率化をしたいニーズが顕在化していました。

こうした企業様に対して、今まで人力で対応していたところをすべてRecustomerにリプレースし(まだしきれていない動線もありますが)、そこを含めても、今までの業務量の50%を削れている状態になっています。

「すごく楽になりました」とお声をいただけている状況です。

recustomerrecustomer

西間木:
なるほど。私のなかでは、返品交換というと、やはりファッションや靴などが挙げられると思うのですが、対象企業としては、今のところはアパレル企業様が多いのでしょうか?

伊藤:
そうですね。業界で見るのかというのはあるのですが、弊社としては「サイズもの」ですね。

返品・交換が多い要因には、購入後のお客様の設定数が多いのがあるため、こういった問い合わせが多い顧客が対象の企業様になっています。

アパレル以外にも、チョコレートで爆発的に売れている企業様なども、問い合わせが多くなるので、導入が進んでいる感じです。

 

購入後体験とは、到着までの「受取体験」もある

西間木:
そうですよね。食品も廃棄ロスやSDGs、サブティナブル、こだわりなどがキーワードになってきていますし、返品するだけではなく、再利用もできるようにするとなると、システムや情報がないと把握できませんね。

「返品・交換で戻ってきたものが溜まっていく、廃棄になる」流れだったものが、貴社のシステムによって、その辺の情報もアップロードされ、「いつ・だれから・どういうものが戻ってくる」といった情報もデータで蓄積されていくと思うので、アパレル以外でも、さまざまな業種で使っていただけますね。

伊藤:
そうですね。なので返品もそうですが、購入後体験とは、到着までの「受取体験」もあると思っています。

たとえば、食品の「生もの」などでは、1回受け取れないと、賞味期限が迫ってしまいクレームにつながるシビアな問題です。

弊社としては、トラッキングポータルのようなものも用意していき、「今、自分の商品がどこにあり、いつ受け取るのか、いつ配送されるのか」など配送前のリマインドメールも調べて、しっかり受け取りまでをサポートする。

キャンセルの場合は、その場でクイックレスポンスで商品がキャンセルされる機能もあるので、食品業界様などは返品より、そっちにニーズがあるイメージです。

西間木:
素晴らしいですね。わかりました。ありがとうございます。

今まで弊社(富士ロジテック)では、いつ戻ってくるのか、どういった状態で戻ってくるのかといった情報がなかったので、倉庫にはあまり戻っては来ませんでした。

しかし今後、貴社のシステムを導入することによって、通常の入荷予定のような形で倉庫側はフラグが立つので、「いつ誰から戻ってくる」という情報が貴社のシステムを見ればわかる感じになるのですよね。

倉庫も、返品というより通常入庫のように、戻ってきた商品のどこを検品するか前もって通販事業者と打ち合わせができますね。

結果、スプレッドシートや電話、チャットワークでのやりとりが減り、ステータスが上がり、最終的に良品にするのか、不良品にするのか、アウトレットにするのか、ファミリーセールにするのか、リサイクル・リユースするのか、といった流れができていくかと思います。

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そうなると、「返品=不良品」ではないと思うのですよ。返品というと難しい言葉なのかなと思いますね。

戻ってきた商品が、最終的にはリユース・リサイクルと、先のところまでできるような仕組みも貴社のシステムを活用することにより、データとして蓄積するので、物流会社としても活用しやすいのかな、と。

お互いWin-Winになれる気がしています。いいシステムですね。
最後になりますが、今後のECはどういう風になっていくと思われますか?

 

CVRを上げつつLTVを上げていきたいEC事業者のために

伊藤:
そうですね。トレンドでいうと、今後EC化率も伸びてきますし、そこに比例して返品・交換数も伸び、返品率も上がってくると思います。

今後ユーザー側が「返品・交換は当たり前の世界」だと認知した時点で、不可逆な流れになってくるので、「返品・交換が増えてくる」という弊社の読みは間違いないかと思っています。

弊社としては、それをチャンス・接点に変え、冒頭に述べたようにビジョンに沿ってマーケティングツールにしていくねらいがあります。

今後は、ロイヤルカスタマーを把握し、どこで落ちてしまったか、なぜ落ちてしまったかをアナリティクスで見られるようにすることと、「購入後」が1番商品のレビューを回収できるタイミングだと知らせること、お客様が能動的にタッチするポイントで、新たな商品を紹介して再購入を促すマーケティングのような機能を随時追加していく予定です。

返品数が多くはないが、今からECに力を入れ、CVRを上げつつLTVを上げていきたい企業様にとって、よりよいプロダクトにできればと思っております。

西間木:
わかりました。本日はどうもありがとうございました。


<プロフィール>

Recustomer株式会社
取締役 CRO 伊藤 佳泰

・新卒でリクルート、新卒媒体を中心に法人営業
・2018年ANVIE株式会社に執行役員としてジョイン
・2019年取締役COOに就任
・2021年Recustomer株式会社に社名変更。取締役CROに就任 営業からアライアンス、事業開発などビジネス全般を統括