富士ロジテックHD
富士ロジテックHD

通販D2CEコマース事業者の EC物流代行・発送代行オムニチャネルコマースでの流通加工から店舗物流までを、一般社団法人 通販エキスパート協会認定スペシャリスト:「通販CXマネジメント」・「フルフィルメントCX」メンバーとスタッフがサポート致します。
全国11拠点のDC/FCから、先進RaaSマテハンロボットRFIDなどと、OMS・WMSとコマースシステムをAPIで連携して、物流・発送代行サービスを「スタートアップ特別限定プラン」から、100億円を超える事業者に最適な分散保管・分散出荷返品・交換サービスまでを一貫でデザインする「顧客購買後体験」によって、LTVの向上が実現できる「感動物流サービス」を提供中です。物流業界の最新トレンドを盛り込んだお役立ち資料も無料でご提供しています。

荷主と物流会社のコンフリクト(衝突)

物流


Written by 株式会社リンクス 代表取締役 小橋 重信

【物流コラムシリーズ】

荷主会社から委託している物流会社に対する不満の声を聞く機会があります。そこには物流コストに関わる問題から、入出荷のリードタイムの問題、さらに物流会社からの提案がないなどの多岐にわたるケースが多いです。今回のブログでは、荷主会社と物流会社との間で起こるコンフリクト(衝突)の原因とその解決策について解説したいと思います。

コンフリクト(衝突)の原因

企業が売上拡大だけでなく、利益を考えた時に、物流にかかるコストは経費で、少しでも安く抑えたいと考えるのは必然で、特にモノがなかなか売れない時代に物流コスト削減は、経営者にとってもすぐにでも着手したいと考えているのではと思います。

ただ、物流会社も荷主会社の物流業務を受託することで売上や利益を上げたいと考えており。そこには、少しでも物流コストを安く抑えたいと考えている荷主会社と、物流売上を上げたいと考えている物流企業との間では二律背反となりコンフリクトが発生します。

そのように考えると、店頭や卸先の要望に応え、なるべく早く届けてほしい、それも安価な物流コストを要望され、さらには「物流会社から提案がない」と荷主会社から不満の声が上がるのは、かなりわがままな話ではないかと感じます

コンフリクト(衝突)その解決策

第1回目のブログで「物流会社を変えても無駄!」と、自社の物流のことを理解しないまま、物流会社に依頼し、物流コストだけで評価している点について触れましたが、ではどうすれば荷主企業と物流会社は有効関係を築けるのでしょうか。

物流会社のことを3PL(サードパーティロジスティクス)とも言いますが、その3PLの定義を調べてみると、「荷主企業のロジスティクスを物流改革の提案から運営までを包括的に委託し、3PL事業者自身が荷主企業の立場・視点から物流効率化(物流費削減、供給の迅速化、売上の拡大など)を実現する物流形態」としており、自社物流における戦略パートナーとも言えるのではと思います。

この点から、荷主会社のわがままだけを聞いて、物流コストが上がるのは物社会者としての役割を果たしていないとも言えます。物流会社は自社の利益を確保しつつ、荷主会社の物流効率化を実現するためには、どうすることがよいのでしょうか?

荷主会社が抱える不安と物流会社が抱える不安

では、具体的に荷主会社が抱える不安と物流会社が抱える不安について考えて見たいと思います。

■荷主会社から物流会社への不満の声

 ① 物流コストの増加要因がわかりにくい
 ② 自社の物流費は適正なのか判断できない
 ③ 店舗や営業の要望に応えてくれない

これ以外にも、リードタイムの問題や、誤出荷など納期や物流品質に関する不満があります。荷主会社からすると、毎月の物流会社からの請求書を見て、初めて先月の物流コストを知る会社も多いのではと思います。

■物流会社の荷主会社への不満の声

 ① 入出荷の物量などの正確な情報がもらえない
 ② 突発的なイレギュラーな要件が多い
 ③ 専門性の高い業務や曖昧な指示が多い

物流会社としても、効率的に業務を行うためには、正確な情報と的確な指示がないと、無駄に作業人員を投入することになり、人件費が増え、その結果荷主への物流コストの見直しを依頼しないと物流会社としての赤字になってしまうことがあります。

2017年に起きたヤマト運輸をはじめとする配送会社の一斉値上げは、これまで配送会社が荷主の過度な要求応えるために過度な価格競争によって、地殻変動のように起きましたが、倉庫事業においても、高齢化や労働人口の減少、ネット通販での小口配送の増加などを考えると、その地殻変動はこの先も続くことが予想されます。

解消のひとつ円滑なコミュニケーション

その荷主会社と物流会社のコンフリクト(衝突)の解消のひとつが、当たり前のことではありますが、円滑なコミュニケーションではと思います。その円滑なコミュニケーションを実現するための、共通の目標となるのが、物流業務における生産性の見える化です。

荷主会社は事前に正確な入出荷の物量に関する予定情報を渡し、そこにはキャンペーンなどの販促計画などもなるべく詳細な情報が必要です。さらには、荷主企業の事業部やブランドによって、担当者が異なり、予定情報などのフォーマットがバラバラなのも、物流会社が混乱する理由になるので、なるべく標準化された共通のフォーマットでの指示を行います。時にはその業務を依頼する目的なども物流会社に相談することで、倉庫での効率的な運用を提案してもらうことも可能になります。物流もシステムと同じで、正しいインプットがあれば、正しいアウトプットになります。正しくないインプットをして、アウトプットの間違いを指摘するのは、そもそもは間違っています。

物流業務の見える化が重要

そして、物流会社は、物流業務の見える化が重要になります。中でも、物流業務の生産性をそれぞれの作業単位で数値化して、物流を効率的に進めるためのボトルネックになっているところはどこなのか? その阻害要因はなんなのか?それを解決するために、物流会社だけでなく荷主会社も含め、何ができるのかを議論することが大切です。

物流費を下げたい荷主会社と物流売上を確保したい物流会社の二律背反する目的を解決する方法が、「生産性」です。荷主会社は生産性が改善されることで、物流にかかるコストが削減されます。物流企業は生産性が上がることで、その業務にかかる人件費を下げることで、利益を確保することができます。

物流コストを適正に下げて、物流会社の利益も確保するための、両社にとってのKPI(最重要評価指標)は「生産性」になります。作業単位で目標とする生産性を数値設定し、その目標に対して両社がコミットした上で、毎月や日々の生産性改善のPDCAを回すことが有効ではと考えます。

荷主会社に生産性を開示することに躊躇する物流企業もあるかと思いますが、戦
略的パートナーとして、物流効率化や物流改革によって創出した利益(ときには損失)を両社で成果按分するゲインシェアの考え方を、荷主会社にも理解してもらった上で、進めることができればと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?自社の物流の生産性は把握されていますか?物流会社に不満を言う前に、何が原因で物流費の増加や、誤出荷などの問題が発生しているのかを考えてみてはいかがでしょうか? その原因は物流会社ではなく、荷主会社に起因している可能性があるかもです。

また、物流会社もその事を荷主会社に理解してもらうためのコミュニケーションが大切です。男は黙って仕事!・・・そんな高倉健のような物流マンだと今の時代には不向きかも。物流の価値は伝えていくことが、今の時代を良くするひとつの方法だと思います。

【コラム連載】

株式会社リンクス 代表取締役 小橋 重信
https://www.linkth.co.jp/

アパレル会社在職中に上場から倒産までを経験し、在庫が滞留することの怖さを知る。その後IT企業での実務経験を経て、物流会社にて100を超える企業のEC物流の立ち上げや物流現場のマネジメントを行い、現在は、物流コンサルとし企業の物流戦略見直しや、物流会社の業務支援、オムニチャネル協会の 物流アドバイザリーやセミナー講師として活動中。企業ミッションは「物流ですべての企業を元気にする!」

 

物流コラムコンテンツリストバナー

殿堂入り記事
発送代行完全ガイド

発送代行完全ガイド

発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

株式会社富士ロジテックホールディングス

物流企業

株式会社富士ロジテックホールディングス

通販D2CEコマース事業者の EC物流代行・発送代行オムニチャネルコマースでの流通加工から店舗物流までを、一般社団法人 通販エキスパート協会認定スペシャリスト:「通販CXマネジメント」・「フルフィルメントCX」メンバーとスタッフがサポート致します。
全国11拠点のDC/FCから、先進RaaSマテハンロボットRFIDなどと、OMS・WMSとコマースシステムをAPIで連携して、物流・発送代行サービスを「スタートアップ特別限定プラン」から、100億円を超える事業者に最適な分散保管・分散出荷返品・交換サービスまでを一貫でデザインする「顧客購買後体験」によって、LTVの向上が実現できる「感動物流サービス」を提供中です。物流業界の最新トレンドを盛り込んだお役立ち資料も無料でご提供しています。

あなたはこちらのコラムにもご興味がおありかもしれません おすすめコラム

【最新】佐川急便、値上げ後の配達料金は?荷物の特徴・サイズ別
【最新】佐川急便、値上げ後の配達料金は?荷物の特徴・サイズ別
佐川急便は、2023年と2024年の2年連続で配達料金の値上げを実施しました。「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃値上げを行いました。 労働コストの上昇や労働環境の改善、品質の維持・向上...
続きを読んでみる
【EC物流】動物用医療機器(動物用デジタル聴診器)への対応
【EC物流】動物用医療機器(動物用デジタル聴診器)への対応
日本バイオテクノファーマ株式会社(以下、日本バイオテクノファーマ)は、これまでヒト用の医薬品や医療機器の分野で多くの実績を築いてきました。今回、新たに動物用デジタル聴診器を展開し、動物用医療機器の市場に参入。同時に、初のECサイトを立...
続きを読んでみる
化粧品の在庫管理における5つの基本!課題解決に向けたシステムも解説
化粧品の在庫管理における5つの基本!課題解決に向けたシステムも解説
化粧品の取扱いには、詳細な在庫管理が求められます。直接、肌につけて使用する特性から、使用期限が定められているため、品質の担保やトレーサビリティ、適正在庫維持が重要になるからです。 当記事では、化粧品の在庫管理において基本的な5つの要素...
続きを読んでみる
Shopify集客に使える方法は?集客施策の成功のポイント
Shopify集客に使える方法は?集客施策の成功のポイント
Shopifyしかし、EC運営を始めるのは簡単でも、思うように集客できず、売上が伸び悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、Shopifyでの集客に使える具体的な方法を紹介します。予算をかけない集客施策から広告を活用し...
続きを読んでみる
【2024年9月】宅急便・宅配便・郵便の料金比較!送料が安い業者は?
【2024年9月】宅急便・宅配便・郵便の料金比較!送料が安い業者は?
ヤマト運輸や佐川急便に続き福山通運など各宅配業者や日本郵便の値上げが相次いで実施されています。配送に安い手段を選んでいるつもりが、いつの間にか他社と料金の安さが逆転しているケースもあるかもしれません。この記事では2024年9月時点で最...
続きを読んでみる
Shopifyのメリットとは?注意点やスムーズな運用のポイント
Shopifyのメリットとは?注意点やスムーズな運用のポイント
Shopify(ショッピファイ)を利用することで得られる具体的なメリットを知りたい方は多いのではないでしょうか。 Shopifyは誰でも手軽にECサイトを立ち上げられる便利なプラットフォームですが、運用する際にはいくつかの注意点もあり...
続きを読んでみる
【最新】冷凍倉庫とは?種類や市場規模、課題から見る打ち手
【最新】冷凍倉庫とは?種類や市場規模、課題から見る打ち手
冷凍倉庫は、冷凍製品を保管する際に活用されています。食品を長期保存できるため、冷凍倉庫の需要は拡大する一方で、設備の老朽化やカーボンニュートラルの要請を受けて、課題を抱えています。 冷凍倉庫の利用を検討するにあたり、この課題感を知って...
続きを読んでみる
【2024年9月最新】楽天の最強配送とは?獲得条件と現状・対策法
【2024年9月最新】楽天の最強配送とは?獲得条件と現状・対策法
楽天市場の最強配送ラベルについては、仮称「配送認定ラベル」として以前から何度か規制緩和や調整が実施されてきました。そのため最強配送ラベルの認定制度について情報収集が追いつかず、具体的に何をすればよいのか分からないという方も多いのではな...
続きを読んでみる

タグ一覧

カテゴリー