レポート 世界観を体現する顧客とのコミュニケーションとは 第1部 Part-03

世界観を体現する顧客とのコミュニケーションとは 第1部 Part-03

ファシリテーター & ライティング 西間木 智

2022年9月14日に開催されました。

D2C/P2Cスキンケア&コスメまるわかりセミナー 開発トレンドからLINE活用コマースまで完全網羅!

【第1部 キーノート対談】

これまでのコスメ、これからのコスメ、顧客が求めるコスメ体験 
の開催レポートをお届けします。

化粧品OEM、健康食品ビジネスマッチングサイト:Benten(ベンテン)を提供されている、株式会社Cogane studio (コガネスタジオ) 代表 植村 元 様 と

オンライン肌診断によって肌を科学的に分析 効果性のある商品からおすすめを提案するECサイト『COCO.skin』を提供されている、株式会社Skin Code,inc.  代表取締役 三輪 みゆき 様

Part-01 日本のコスメマーケットの課題について では、

D2C・P2C事業者の参入が増えてきている、それに伴い商品・ブランドの数も係数的に増えている。
マーケティングとしての情報はD2C・P2C事業者から、ペイドメディア、アーンドメディアを通じて意図的に大量に発信されていく。
それに伴って、それを受けとめている情報発信者=消費者がより不確かな知識や知見を基に、自分の思いと想定で情報を発信する。
それを参考にして、商品選択・購入して利用される顧客にとって最適な選定と利用体験が提供されない負の循環になっている。
その背景としては、ある意味でコスメを開発、製造する環境がとても便利で身近になったこと。
そして、D2C・P2Cの事業モデルだと、簡単に売れて、儲かるという認識の事業者の参入が絶えないということがある。
とのご指摘をいただきました。

前回 Part-02  成分だけではだめ、顧客へのコミュニケーションが成功のポイント では、これらのポイントについて詳しくお話をお伺いしました。
今回は、「顧客購買後」体験の重要性と、ブランディングなどについてお伺いしてていきたいと思っています。

西間木
コスメD2C・P2Cブランドこそ、スキンケアコスメという商品の特性から、「購買後体験」としてCX:カスタマーサクセスのためのCRMが重要とのアドバイスをいただきました。CRMのポイントについて、COCO.Skinさんの取り組みについて教えていただけますでしょうか。

スキンコンシェルジュで顧客に寄り添う

株式会社Skin Code,inc.  代表取締役 三輪 みゆき 様 (以下:三輪様)

CRMについては、どこのスキンケアブランドに限らず、D2C・P2Cを展開されている事業者様は、苦労されていらっしゃると思います。

なぜなら、新規ユーザーさんについても、カテゴリーを越えて、コマースというマーケットとして、たくさんあるブランドでの新規顧客の取り合いになっているので、新規のお客様は取れない時代になってきています。

そのために、一度お客様になって頂いて、どのようにロイヤルカスタマーとして育成していくのかが、今までより大切なポイントになっていると、私の中でも感じております。
COCO.Skinでもスキンコンシェルジュというサービスをご提供させていただいていて、一度商品を購入していただいたお客様に対してサポートさせていただいています。

LINE ID連携をしていただければ、何でも質問していただけますというサービスになります。

スキンコンシェルジュ

お客様の細かなお悩みだったりとか、購入していただいた商品の使い方だったり、どういう機能で、どういう体験をしていただいているのか。
ということを確認させていただきながら、その商品を使い続けていただいて、綺麗になっていただくとともに、さらにいろいろな他の商品を使っていただくためのご提案をさせていただいているサービスです。

よりお客様に寄り添って綺麗になっていただくために、ずっと提案しているということです。

私たちの商品は効果性が期待できる商品だけを取り揃えていますので、商品を1品でも購入していただいたお客様には、満足していただけていまして、

「こんなに肌が変わるのは、初めての体験だわ」

とおっしゃっていただけるお客様がたくさんいらっしゃいます。

化粧水、美容液などで、一品でもそのような体験をしていただいたお客様から、フルラインナップで商品を紹介していただきたいとのご相談されますので、肌診断のデータを基に、適切な商品をクロスブランドでフルラインナップでご紹介・ご購入いただいています。

スキンコンシェルジュからご提案のポイントは、購入していただいただけではなくて、使用感をはじめとして、そのスキンケアコスメによってもたらされた肌の変化などをより詳しくお聴かせいただいて、それに合ったご回答させていただくことがポイントだと思っています。

如何にニーズとか、使用感などを汲み取って寄り添っていくかが、2回目以降の購入とか、クロスセルの機会が訪れるのではないかなと考えています。

西間木
私も、肌診断をして、商品を選択、購入させていただきました。
コンシェルジュに相談するのを楽しみにしておきます。

スキンコンシェルジュCV


株式会社Cogane studio (コガネスタジオ) 代表 植村 元 様(以下:植村様)

このサービスは実際には、一対一で対応していくサービス形態なのですか。

三輪様
そうです。導入部分はAIの方で対応させていただくのですけども、最終的には有人対応で専門家が丁寧に、応対させていただき、お悩みにお答えさせていただいております。

植村様
本当にそうですね、こういったサポートがあると、D2C・P2Cブランドには良いと思いますね。
化粧品は、その使い方も含めて化粧品なのですが、物だけで見るお客さまも増えてきているので、このサービスは重要ですね。

三輪様
はい、そう思います。せっかくご購入いただいた商品なので、その商品をこう使い倒してもらいたいというか、最も良いパフォーマンスを肌で実感していただきたいと思っています。
その商品ならではの使い方はあるので、そのようなところはしっかりとコミュニケーションさせていただく必要があると思っています。

新規ブランドが簡単に作れる弊害

植村様
新規ブランドをOEM・ODMとかで作るハードルなのですが、今まではOEM・ODMがベールに包まれているようで、中の人しか知らないようなところはありました。
インターネットの時代になってからは、作る情報も結構簡単に入手できるようなりました。
その影響で、いろいろな会社さんが自社でブランドを作ることが増えてきたり、インフルエンサーさんが自分なりの商品ブランドにつくるとか、それを支援する会社がたくさん出来たりしています。
その差別化は、成分の話でもそうでしたがすごく難しくなってきています。

B2CとかD2C・P2Cなどでの、ブランドとしてのオリジナル性はどこにあるのかがすごくネックになると思っています。
実際に、既にブランドを走らせている会社さんに聞いても、オリジナル性で悩んでいる会社さんが凄く多いのですよね。

その要因は、製造とか開発をOEMメーカーさんに依存しているからです。
「自分たちの強み」とは何だというところ、そこを結構悩まれている会社さんが増えてきたときに、

  • 営業力の勝負
  • マーケティング勝負

みたいなところに視点とフィールドを移してしまっているので、より混乱していくのが現状です。
やはり、この領域での競争や勝負にはみなさんいきたくないと思います。お金はかかるし、大変だし、競合がいっぱい後から後から出てくる。
自分たちオリジナル性は何なのかみたいなところについて三輪さんにもご意見もいただきたいと思っています。

三輪様
そうですね。OEM会社も素晴らしい技術や製造設備をもっているところは数多くあるので、似たような商品を作ってほしいとか、この成分で作って欲しいと言えば、作ってくれるOEM会社さんは沢山あるとは思います。

植村さんがおっしゃるように、似たような商品がいっぱい出てくるので、パッケージを変えるとか、マーケティングで勝負するになってしまうと、お金の勝負みたいな感じになってしまうのと、一般消費者から見ても、もうそれは余計に混乱するだけで、またまた選べない商品が増えてきてしまったということになります。

独自性は、今後ブランドが存続していくためには必要だと思っています。
ただし、化粧品のコア開発技術は、どうしてもクライアント様には持てないと思っているので、違ったところでブランドの独自性は見つけていただかないといけないです。
そのためには、最低でも自分が作っている商品の一番の有効成分がしっかりと有効量入っているのか、有効成分がしっかりと届くような処方設計になっているのかは、OEMの方々と一緒に協議してほしいです。
それを満たしていない商品が増えるのは嫌だとは思っています。

植村様
いろいろな会社さんの相談のときでも、すごく難しいところですね。
1つは原材料に詳しくならないといけないというところがあるのですけど、化粧品の原材料とメーカーと、何を作りたいかを依頼する側の接点というか、共通言語がほとんどないのですよね。
いきなりOEM会社さんに行く。
そこの知識がない状態でいくと、OEMメーカーさんの言われた通りのものが出てきて、これでいいのかなといった不安や不充足感みたいなところが出てきます。

そのためには、私みたいな経験者とか、コンサル会社さんとかに第三者視点でアドバイスして見てもらうとか
何かしらの知識を入れていかないと自分が思ったものと違うものができていることに気づかないことになりますね。

そういうことも、すごくよく見ているのですごく難しさがあるなというところは感じていますね。

三輪様
先ほど、植村さんが仰っていたように自分はこういうものを作って、こういうコマーシャルしたいと思っていてもそういう商品になってないことはありますね。

COCO.Skinとして、商品を持つクライアントさんに、取り扱いさせていただきたい旨のお話をするのですけど、原料などについてご存知ない方が結構いらっしゃるのも事実です。
でもそこはやはり少なくても、ご自分が作りたい商品と、それを達成するための一番のメイン成分ぐらいは知られた方がいいのではないかなと考えています。

世の中の流行ではなく、独自性の持ち方とは

植村様
世の中の流行に乗って作りたいってやっちゃうから、あんまり知らない状態で、相談・製造依頼に来るという案件がすごく多いという状態になっていますね。

三輪様
独自性を持つためのコア製造技術は、クライアントさんには持てないですので。
何かしら商品だけではない独自性を持たなければいけないですね、

  • お客様との接点持ち方だとか
  • コミュニケーションの仕方とか
  • CRM部分とか

などで、もう少し独自性を持たせる、サービスの部分で独自性持たれることをされるといいのかなと私は思っています。

COCO.Skinのサービスのように肌をよく知っていただいて購入していただくと、自分の肌の変化はわかりやすいので、また買ってみようと思っていただけているので、CRMとして検討されると良いと思います。

自分の肌がよくわからないけど、よさげな商品だからという理由で購入されてしまうと「私には合わない」となって、次回購入されないということになります。

たとえば、いわゆる最近はやりパーソナライズ関係の会社のように自分の商品のところに紐づけるための問診とか、アンケートを取っているみたいなところではなく。
肌診断ではなくても、肌を知ってくださいということをされないとお客様も、気づいてしまいます。
自社の商品に紐付けるための、いわゆるパフォーマンスのための問診というのではないことを示して設計されることを考えていただければいいと思っています。
そういうところだからこそ独自性を探し出せますね。

西間木
そうですね。D2Cコスメブランドでも、スキンケア系のパーソナライズと、メイクアップ系のパーソナライズはアプローチと顧客へのインサイトが違います。
個人的には、D2C・P2Cのワンブランドでパーソナライズ診断して、処方を変えてお届けするということは、ギミックだと思っています。
顧客は、プロセスは信頼しているのでしょうけど。

ブランド世界観と商品コンセプトの関係をデザインする

植村様
いろいろな方の相談に乗っているなかで、ほぼ100%、90何%確率で抜けているところがあって、商品を作るときに、ほとんどのお客さんは商品のコンセプトは決めているのですよ。

  • こういったものを入れてくださいとか
  • こういったものでとか
  • デザインはこんな感じでいいみたいなところ

は、頭に中にある人はすごく多いのですけれども、
「商品のブランドのコンセプトは何ですか」
と聞くと
「ブランドのコンセプトってなんですか」
といった会話をほとんどするのことになるのですね。

ブランドと商品のコンセプトが一緒になっている方がすごく多くて、
普通はブランドを創るときは、まずは、そのブランドの世界観、そのブランドがあって、その中の1商品が商品のコンセプトになる。
ブランドコンセプトを先に考えてから、次に商品コンセプトを決めていくのがいわゆる普通のブランディングです。
そうではなく、商品から考えてしまい、ブランド設計が全くない会社さんがすごい多くなっています。

それを、絶対考えておかないと後々ですが、たとえば、担当者が変わったりとか、時代の変化があった場合などで、ブランドのコンセプトがないがために、その時代の変化に合わせたりとか、人(担当の好み)に合わせたりします。
お客さんからは、このブランドはあの感じだったのに、次の年になったら全然違う感じになっているみたいなのがあります。
そんなときに、ファンだったお客さんがすごく離れるみたいなことをずっと見てきたのですね。
だからこそ、本当に何かを作るときに、ぜひ考えていただきたいなと思っています。

三輪様
あと、ブランドコンセプトを考えているときも、やはりお客様をしっかりと見ていただきたいなと思っています。
お客様でなく、自分の思想だけだとマーケットがないかもしれないですね。そこのところを考えていただけていると嬉しいなとは思います。

西間木
お話はつきないですが、解決したい肌の悩みの領域をしっかりときめて、そのコンセプト=思い=世界観をしっかりと伝えることが重要であること。
流行・話題の成分に惑わされない、有効な成分とそれを肌に届ける配合を、OEM・ODMさんの技術を選択して創ること。
そして、スキンケアコスメは、「五感」の商品であり、使用感・体感の変化という時を経た肌の変化を感じていくことをコミュニケーションすること。
継続していただけるために、気軽に相談できるタッチポイントとして、継続的な診断やアンケートで肌の変化を知っていただき、状態を共有できるようにすること。
などのインサイトと実践的なアドバイスを頂けました。

本日は、ありがとうございました。

D2C・P2Cのブランドの経営者・創業者・担当者のみなさまは
Bentenさんへの開発などのご相談

「Benten」のこちらのお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

COCO.Skinでの自社の商品ブランドの取扱いをご相談

「Skin Code,inc.」のこちらのお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

本当の自社の商品の良さを見直したい、顧客のインサイトをよりい深く知りたいと思われたらご相談してみてください。

パネリスト

株式会社Cogane studio(コガネスタジオ) 
代表
植村 元

株式会社Cogane studio(コガネスタジオ)  代表 植村 元

 <プロフィール>
2020年12月に株式会社Cogane studioを創業。大学院卒業後、オーガニック、ナチュラルに特化した化粧品メーカーに新卒入社。約10年間のスキンケアやメイク、ヘアケアなどの化粧品のR&D:商品開発、製造、薬事業務に従事してきたバックグランドを持つ。その後、プログラミングをゼロから学び、化粧品ビジネスマッチングサイトBentenを開発して、化粧品開発の劇的な業務効率化のために「誰に、どこに聞いたらいいかわからない」課題を解決する「業務マッチング機能」で、スペシャリストを探し出すとともに、最適なOEMパートナーが見つかるようデータベースを構築公開。
顧客視点で、サービスの改善を進めている。誰に依頼したら良いか分からない、信頼できる人が分からない人のために困りごと単位でのマッチングサービスを提供開始

インテリジェンススキンケア ~ベビーオイル洗顔のススメ~ (星海社新書)

株式会社Skin Code,inc. 
代表取締役
三輪 みゆき
株式会社Skin Code,inc.  代表取締役 三輪 みゆき

大手外資系メーカーで、グローバルブランドマネージャー、新規スキンケアブランドの立ち上げ、大手国産化粧品メーカーでは百貨店ブランドのディレクターと、一貫して化粧品業界に関わり、ブランディングに従事。
その後、OEMメーカーでは、スキンケア商品の開発部門を統括。
商品提案だけでなく、新規ブランド立ち上げ支援も行う中で。スタートアップ企業が市場で認知されるまでの支援を行いたいと現在に至る

ファシリテーター
株式会社富士ロジテックホールディングス 通販営業部 部長
西間木 智
富士ロジテックホールディングス 西間木智

<プロフィール>
物流会社で20年経験しD2C_ecスタートアップから中規模、大規模のec事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。
事業者様の売上貢献するために「購入体験」「リピート施策」「unboxing」やOMO対応での「オムニチャネル」「返品交換物流」を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。

セミナーレポートはこちらから

第1部

日本のコスメマーケットの課題について

成分だけではだめ、顧客へのコミュニケーションが成功のポイント

世界観を体現する顧客とのコミュニケーションとは

第2部

LINEで顧客が求めるコスメのCX&CRM体験をデザインする方法

第3部

コスメセミナー参加者からの質問とお応え  Part-01

コスメセミナー参加者からの質問とお応え  Part-02