物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
新型コロナウイルス感染症によるライフスタイルの変化もあり、拡大するEC市場。新規で参入する会社も多いのではないでしょうか。
ECショップの売上が伸びてくると、直面する悩みが物流です。
仕入れから物流までを自社でまかなおうとすると、初期では順調に対応できても売上が増すにつれ大きな負担になります。
お客様にとって快適で質の高いサービスを提供するためには、アウトソーシングも必要ではないでしょうか。
本記事では、忙しいECショップが、発送代行(物流代行)を活用する理由と、事業者を選定するうえでの注意点について、解説します。
ECショップ運営はとても忙しい
ECショップの運営では、日々の業務が山積しています。
WEBサイトの管理、受注管理と顧客対応、発送と多様な業務が混在しているからです。
ECショップを開設する当初は少数の部署でも対応出来た発送業務も、順調に成長し注文数が増えると処理が追いつかなくなります。
発送を止めないために人員を増やして対応すると、固定費である人件費が膨らみ利益を圧迫します。また、日々発送業務に追われ、ショップのリニューアルや新規商品の追加、キャンペーンの実施などショップ本来の魅力をあげ集客する業務に手が回らなくなることも。当初は自社のスペースの一部を利用していた倉庫も、手狭になってくるでしょう。
ECショップの取引規模が一定のレベルまで成長すると、発送業務の負担は大きく全体の生産性を圧迫します。忙しいことで誤発送などのミスも発生するでしょう。ショップの信頼に関わる問題ですので、ミスを避けるためには人員を補充しなければなりません。
このように、ECショップは販売数が増えるほど、発送業務が拡大し忙しくなる業態です。そして、発送業務の忙しさがショップ経営の大きな負担になっていくのです。
発送代行を検討する際に準備すること
発送業務が大きな負担となっていると感じ始めたら、発送代行(物流代行)を検討するタイミングです。
発送代行を検討する前に、一度、発送業務にかかっているコストを見直しましょう。
倉庫業務と発送業務の各段階で、スタッフの人数と労働時間をどれだけ要しているかを確認します。今後、自社ECショップがさらに成長し売上が伸びた際、業務にかかる労働量がどれだけ増加するかもあわせてシミュレーションしましょう。
そうして算出したコストが、発送代行(物流代行)にアウトソーシングするかどうかを検討する材料になります。
また、ECショップには、必ず繁忙期と閑散期があります。クリスマスなどのシーズンイベントやキャンペーンにより、受注が段違いに増えた際には、臨時の人員も必要になるでしょう。その状況も見越して、運営コストの試算をすることが重要です。
発送代行にアウトソーシングできること
発送代行(物流代行)業者へのアウトソーシングを考える際、疑問となるのがどこまでの仕事を委託できるかということです。事業者によってできることとコストが違いますので、検討の際にはしっかりと確認しましょう。
一般的に発送代行業者に委託できる内容は以下の通りです。
- 倉庫のレンタル
- 入荷/棚入れ/検品
- 在庫管理
- 受注データに従った商品ピッキング
- 流通加工(ギフトラッピングなど)
- 梱包
- 出荷
入荷の段階で、ささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)を代行してくれる事業者もありますし、お客様の要望に細かく対応したい場合には、オプションの流通加工が可能な事業者もあります。
自社で、アウトソーシングしたい範囲と事業者の提供するサービスが一致するかどうかも検討の重要な要素です。
発送代行をおすすめする3つの理由
発送代行を業者にアウトソーシングすると、ECショップの負担を減らすだけでなくさまざまな効果が生まれます。
流通のプロに任せることで安定した品質提供でき、顧客の評価も維持可能。空いたリソースをショップの改善や集客など重要な業務あてることができます。
コストの削減
発送業務に必要なコストは、人件費だけでなく保管費、システム費用、梱包資材費、配送料などです。多くの発送代行は、発送小口数ごとに料金がかかりますので、システム費用やオプション利用料等をのぞく多くを変動費として考えることが可能です。
人件費は固定費として会社全体の利益を圧迫しますが、発送小口数に応じた料金になることで発送業務にかかる人件費はなくなります。
大量に受注するようになっても、発送代行ならば固定費の心配をせず安心して事業を継続できます。
プロによる発送品質の維持
発送代行にアウトソーシングすることにより、物流品質を一定に維持することが可能です。
自社対応では注文が集中するシーズンやキャンペーン期間中など繁忙期には、大量の発送に手が回らず、ミスが発生することもあります。
その点、物流のプロが対応する発送代行ならば、専門的な管理によりそれらを防止することが可能。商品ピッキングの間違いや梱包が雑になることも最小限におさえられます。
コア業務への集中
企業にとって重要なリソースである人材を、物流業務から解放でき、本来業務に集中して取り組むことが可能になります。
ECショップは、即日発送や送料無料など自社がコストを負担して販売を争う傾向があります。しかし、そのような消耗戦に巻き込まれず、競争に負けないブランド力を持つことがショップの成長には欠かせません。
マーケティング、集客、キャンペーン、商品の開発、WEBサイトの改善などショップの価値を向上させるコア業務が重要なのです。
発送業務やそれにともなう顧客対応等にリソース割かれると、ショップの魅力を高める業務が疎かになります。
物流の手間と心配から自由になることでショップ経営がより創造的になり、ターゲットを拡大したり新しいジャンルに挑戦したりできます。
EC発送代行(物流代行)業者の選び方7選
EC発送代行業者にはさまざまなタイプがあります。自社の商材等をかんがみ、最適な業者を選択することが最重要です。業者の選択はサービスの範囲、コストなど複数の業者を比較して行いましょう。
コストだけで選ぶのではなく、サービスの品質やイレギュラーな注文への対応なども比較する必要があります。担当者と話し合い、自社のニーズや発送のこだわりを詳しく話し、提案内容を確認して検討することが大事です。
ここでは、以下の6つの選び方のポイントについてご説明していきます。
- WEBサイトと相見積もりだけでは選ばない
- 委託可能な範囲を確認する
- コストの確認
- 自社商品に対応できるかを確認
- オプション対応
- サポートの充実
WEBサイトと相見積もりだけでは選ばない
業者を選択する際に、概要を伝えて相見積もりを比較することがあります。発送業務はECショップの大切なお客様の満足度に関わる業務です。
コストが安ければ良いわけではなく、ショップのブランディングに関わる重要なポイントとして発送代行業者を選びましょう。
また、WEBに掲載されているコストやサービス内容は一般的に発信されているもので詳細な内容や品質は確認できません。担当者と話し合いサービスやサポートの充実を確認することが大事です。
業者を絞り込んだら、倉庫の見学を忘れてはいけません。ロケーション、幹線道路との距離、倉庫の状態やスタッフの働きなど、必ず自分の目で確かめて信頼できる業者に決めましょう。
委託可能な範囲を確認
発送代行(物流代行)業者は、アウトソーシングできる範囲が決まっています。選ぼうとしている業者が自社ECショップの要件を満たしているかどうか確認が必要です。
入荷時にいわゆる、ささげ業務(撮影、採寸、原稿)を代行してくれる業者もありますし、受注管理から倉庫管理までを一括で委託できるフルフィルメントサービスもあります。会社がどこまでの業務を任せたいか、業者がどこまで対応できるかをしっかりと確認しましょう。
コストを確認
発送代行業者の多くは、発送個数により料金を定めています。
自社の物流量と比較し無理のない業者を選択しましょう。見積もりをとる際には、繁忙期の対応やイレギュラーへの対応の料金がどうかなども要確認です。
倉庫管理システムの料金は固定費として別料金になることが多いので、それも確認しましょう。
思っていた料金より割高になり、利益を圧迫することがないように、見積もりの内容を確認すること大事です。
自社商品に対応できるかを確認
コンタクトレンズなど医療関連の商品は特別な資格がないと倉庫で管理することができませんので確認が必要です。また、冷蔵・冷凍が必要な食品などを扱う場合にも、対応可能かどうか気をつけましょう。
業者の実績し、自社と似た商品を扱えるかどうかを確認するのも大事です。
ECモールに対応しているかどうか確認
自社のECショップをモールに出店している場合は、そのECモールに発送代行業者が対応しているかどうかも要確認。
ECモールの受注管理システムと発送業者の倉庫管理システムが連携できるかどうかは、運営にとって重要なポイントだからです。
受注の内容を倉庫管理システムに連携できると、受注担当者の負担が軽減するだけでなく出荷時にECショップの在庫数等を自動修正できます。
ECモールと発送代行業者のシステムとの連携により、受注業務や顧客対応もスムーズになり迅速で正確な対応が可能になるのです。
オプション対応
発送代行業者は、イレギュラーな要件に対応しづらいといいますが、物流倉庫が母体となっている業者では注文の変更や、特別な梱包などに対応する場合があります。
2つの注文をまとめて発送してほしい場合や、プレゼントなど特別なラッピング、メッセージの封入などお客様のニーズに応えられるかどうかも、選定の鍵になります。
サポートの充実
サポートも重要です。
まず営業日ですが、物流倉庫系の発送代行では、土日祝日、年末年始は休業というところもあります。
自社のECショップの運営が年中無休ならば、年中無休24時間体制の業者が必要になりますので注意が必要です。
また、サポート担当者のレスポンスが早いかどうかも大切。顧客からの問い合わせやクレームなど急を要する事案への対応に影響するからです。
物流倉庫系では固定の担当者がつくケースもあり、コミュニケーションが円滑に進むという利点もあります。
忙しいEC事業者に発送代行(物流代行)をおすすめする理由と選び方のまとめ
ECサイトは、会社の販売チャネルのひとつとして重要です。自社の商品の良さを多くの人に認知させ販売するという理想を実現するツールでもあります。
しかし、ECショップが成長するにつれ、会社のリソースを圧迫するのは膨大な発送業務です。
発送業務の負担は、アウトソーシングすることで大きく軽減することができます。
発送代行(物流代行)を選ぶ際は、委託可能な業務範囲やコストなど、業者をしっかりと比較することが大切です。
発送代行を上手に活用し、本来業務であるブランディングや独自の価値づくりに集中し、より良いECショップを実現しましょう。
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
株式会社富士ロジテックホールディングス
西間木 智 / 通販営業部 部長
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
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