物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
「通販物流ってなに?」
「通販物流の問題点はどのようなものがある?」
上記のような疑問をお持ちの方がいるのでは無いでしょうか?
通販物流には、流通加工や返品・交換などの細かい作業が含まれます。
また通販物流の問題点としては下記が挙げられます。
- 作業時間が非効率
- 人員の確保ができない
- 人的ミスが多い
この記事では、通販物流における問題点と課題をピックアップし、成功に導くポイントをお伝えします。通販物流の仕組みを整えて、売上向上を目指しましょう。
通販物流(EC物流)とは?
通販物流とは、通信販売やECサイトで顧客が商品を発注後、商品が届くまでのすべての物流過程をさす言葉です。カタログ通販やテレビショッピングなど幅広い販売チャネルを含みます。狭義では、EC物流とほぼ同じ意味で使われるケースもあるでしょう。
通販物流の特徴として、ギフト梱包など顧客のニーズに応じた流通加工をともなう点があげられます。また1注文あたりの出荷点数が少なくても、商品の種類は多いので在庫管理が複雑化しやすい傾向もあります。
お伝えした特徴は、個人消費者向けのBtoC通販物流の特徴です。以前の通販物流はおもにBtoCが中心でしたが、近年はBtoB向けの通販サイトが増加し、ECに限って言えばBtoCの市場規模を上回っています。
BtoCとBtoBの通販物流で異なる点については、次項で詳しく解説します。
<関連記事>「EC物流とは?倉庫の選び方のポイントや物流代行会社10選を徹底解説」
通販物流(EC物流)が拡大した背景と今後の見通し
通販物流が拡大した背景と今後の見通しを、BtoCとBtoBに分けて紹介します。
BtoCとBtoBの通販物流はともに増加傾向にありますが、どのように変動しているのか下記にて詳しく紹介します。
BtoCの通販物流(EC物流)の動向
物販系分野のBtoC-ECの市場を見てみると、右肩上がりで成長しています。
需要が拡大する背景にあるのは、緊急事態宣言下における「巣ごもり需要」の追い風です。
コロナ禍でこれまで通販に慣れていない人もECサイトを利用することが新しい日常となりました。ECサイトを運営する企業もオンラインとオフラインの境界線をなくすOMOやオムニチャネルの戦略をとるケースが増えたことで、通販は以前より使いやすく身近なものになっています。
BtoBの通販物流(EC物流)の動向
次にBtoBの市場規模の推移を見てみましょう。
画像引用元:「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」
経済産業省によると、2022年は多くの業種で市場規模が拡大したと報告されています。その結果、BtoBのEC市場規模は前年に比べて12.8%増加の420兆2,354億円にものぼっています。BtoCの22兆7,449億円をはるかに上回る規模です。
BtoBの通販の特徴として、顧客ごとに価格が異なる点が挙げられます。そのためシステムが複雑化するのが、市場拡大を阻む大きな要因でした。近年はそういった複雑なBtoB通販の仕組みにも対応できるシステムが開発されるようになり、市場が拡大した一因となっています。
これらの資料からも、今後BtoC、BtoBともにEC市場は順調に伸びていく可能性が高いと予想されるでしょう。
通販物流(EC物流)におけるBtoBとBtoCの違い
通販物流では、BtoBとBtoCで、作業内容や物流の特徴が異なります。
主に異なる点は、以下の3つです。
- 出荷数量と出荷件数
- 流通加工の作業
- 返品・交換業務
それぞれ、違いを詳しく見ていきましょう。
出荷数量と出荷件数
通販物流においてBtoBとBtoCで異なる点の1つ目は、出荷数と出荷件数です。
BtoCは1件あたりの出荷数量が少なく、出荷件数が多いという特徴があります。BtoCの通販物流は、工数や配送先の多さから煩雑化しやすいといえます。
一方、企業向けのBtoBは、1件あたりの出荷数量が多く、個人宅への配送と比べて出荷件数が少ないのが特徴です。
〈関連記事〉「通販物流の仕組みやポイントとは」
流通加工作業
通販物流の特徴のひとつである流通加工でも、BtoBとBtoCで違いがあります。
流通加工とは、値付けやラベル貼りからサンプルやサンクスレター、チラシといった同梱物の封入などを指します。
BtoCの通販物流では、ギフトラッピングや名入れなどで商品に付加価値を与える作業が多いことが特徴です。そのため、クリスマスや母の日、お中元などのイベントシーズンには作業工程が増加します。
またサブスクや単品リピート通販では、時期に関係なく顧客ごとに個別対応が必要なケースも多く、作業工程が煩雑になります。
しかし商品に付加価値をつけることは、他社との差別化や顧客満足度の向上につながります。その結果、リピーターの獲得が期待できます。流通加工により商品力を高めるのも、通販物流の重要な工程です。
一方BtoBの通販物流は企業向けのため、ギフト梱包やサブスクに対応することはほぼありません。そのため、流通加工はBtoCの通販物流と比較して少ない傾向にあります。
返品・交換作業
通販物流においてBtoBとBtoCで異なる点の3つ目は、返品・交換業務です。
BtoCの通販物流の特徴として、返品、交換業務が多いことがあげられます。画像で購入を判断する通販サイトの特性上、返品・交換対応は避けては通れません。返品・交換に対応することが、顧客が通販購入で失敗する不安を取り除き、購買体験を向上させるからです。
近年はリピーターを獲得する施策として、返品・交換を積極的に受け付ける通販企業が増加しています。
返品・交換対応は商品の再加工や販売データの抜き出し作業が増え、バックオフィスの業務が煩雑になるのがデメリットです。
一方企業向けのBtoB通販物流では、購入者側の都合による返品や交換には基本的に対応していないことがほとんどです。
<関連記事>「リバースロジスティクスとは?ECで返品物流に取り組む重要性を解説」
通販物流(EC物流)の4つの特徴とは
EC物流は、オンラインショッピングの発展とともに重要性が増しています。効率的な物流で顧客満足度を向上させるためにも、まず通販物流特有の特徴から確認しましょう。
- 注文数が少なく件数が多い
- 商品の種類や数が多い
- 梱包サービスに対応
- 顧客に応じたピッキング
順に紹介します。
注文数が少なく件数が多い
通販物流の1つ目の特徴は、少量多品種の注文が頻繁に発生することです。個々の注文は少数ですが、全体として多くの件数を扱う必要があります。
日々の受注数が多いため、効率的な注文処理が求められます。このため、物流業者は大量の小口配送を迅速に処理できるシステムと体制を整えることが重要です。
商品の種類や数が多い
さまざまな種類の商品を取り扱う必要があるのも通販物流の特徴です。とくにアパレル業界では、サイズや色の違いにより在庫管理が複雑となります。
商品ごとに異なる保管方法や管理手順が求められるため、消費者への確実な配送と満足度向上させるためには、在庫の適切な配置や管理が、誤出荷を防ぐために重要です。
梱包サービスに対応
3つ目の特徴は、顧客のニーズに応じた梱包サービスが重要であることです。通販物流では、ギフト用のラッピングやメッセージカードの同梱など、個別の要望に対応する必要があります。
さらに、商品のブランド価値を高めるためにオリジナルデザインの梱包材を使用することもあります。梱包の品質が顧客満足度に直結するため、丁寧な対応が求められます。
顧客に応じたピッキング
顧客ごとに異なる商品や同梱物のピッキングが必要となる点も特徴です。通販物流では、注文履歴や会員ランクに応じた個別対応が求められます。
購入回数や特定のキャンペーンに合わせて特典を同梱する場合もあります。これらを正確に処理するためには、正確なピッキングシステムと管理体制が重要です。
通販物流(EC物流)の6つの課題・問題点とは?
次に、通販物流が抱える課題と問題点についても見ていきましょう。以下のとおりです。
- 発送に時間がかかる傾向にある
- 物流業務に手をとられコア業務の時間がとれない
- 人手不足による作業ミスが頻発
- 在庫管理が煩雑
- ニーズの多様化
- 物流コストの高騰
それぞれ紹介します。
発送に時間がかかる傾向にある
通販物流の課題として、発送に時間がかかることが挙げられます。
ECサイトで注文を受けた商品が発送されるまでには下記のようなプロセスを踏みます。
- 出庫
- 検品
- 梱包
- 発送
上記が時間がかかる原因ですが、各業務を丁寧に行うことが顧客満足度の維持や向上につながるので、改善するには難しい課題といえます。
また、誤った商品が出荷されていないか確認する必要があるため、注文数が多いほど作業時間も増加してしまいます。
物流業務に手をとられコア業務の時間がとれない
商品出荷量が増えると、通販物流への対応に手を取られ、本来のコア業務への注力が困難になる問題が浮上します。コア業務とはたとえば、下記が挙げられます。
- ネットショップの更新
- 新規顧客獲得のためのSNSやメルマガ更新等マーケティング
- 商品開発やサイトの構成
こうした売上を伸ばす業務が滞れば、事業の拡大も停滞してしまう可能性があります。
人手不足による作業ミスが頻発
出荷量の増加に伴い問題になるのが、人員の不足です。
前述の通り、通販物流ではギフト梱包などの個別対応が必要なことから作業負荷や人的コストが大きいという特徴があります。
とくに大型セールや季節イベントなどの繁忙期は人手が不足し、商品違いや数量違いなどの発送トラブルが起こりやすくなります。
在庫管理が煩雑
通販物流では、在庫の管理が複雑です。
通販サイトと実店舗で平行して商品を販売する場合や複数店舗がある場合、それぞれの在庫をリアルタイムに把握する必要があります。
最近の通販では実店舗とECサイトの境界をなくすようなオムニチャネル化や、OMOを推進する企業も少なくありません。オムニチャネルとはたとえば、ネット注文した商品を実店舗で受け取れる販売戦略です。
OMOは、実店舗の購買情報をECサイトでも共有し、おすすめを表示するなどのオンラインとオフラインをつなげるマーケティング手法です。
これらの施策は購買体験を向上させる一方、在庫引き当ての作業にミスが発生しやすいという問題点があります。
<関連記事>「OMOとは?オムニチャネル・O2Oとの違いや施策事例をわかりやすく解説」
ニーズの多様化
消費者のニーズが多様化してきていることも通販物流の課題といえます。
最近では、多くの消費者が気軽にECを利用するようになり、ニーズも多様化しているため、ただ商品を梱包して発送するだけでなく、ギフトラッピングや組立作業など、消費者の求める配送方法に個別対応し、顧客満足度の向上を図ることが求められています。
また、配送時間の短縮などの企業努力も必要です。このような消費者ニーズの多様化に対応することも、EC物流の課題の一つです。
自社のEC物流を円滑に進める環境を整え、発送までのスピードを最大限に高める体制を構築することが重要です。
物流コストの高騰
2024年4月1日以降、自動車運転の年間の業務時間が上限960時間に制限されました。
これに伴いトラックドライバー一人あたりの労働時間と、取り扱える物量が減少します。
運送会社は利益が落ちるのを防ぐために、段階的に配送料金の値上げを進めています。
今後の通販物流では、物流コストを抑えるための対策が必要となるでしょう。
ネット通販の物流に大きく影響する「2024年問題」とは
2024年問題とは、トラックドライバーの時間外労働における上限規制が2024年4月から適用されたことで、物流業界に生じる課題です。
この規制により、ドライバーの時間外労働は年間960時間に制限され、従来のような長時間労働が難しくなります。この影響で物流の効率が低下し、とくに長距離輸送の輸送能力が不足する懸念が生じています。
2024年問題を受けて、物流事業者の間ではモーダルシフト※1や中継輸送※2などの施策が進行中です。
※1:トラックなどの自動車による幹線貨物輸送を、海運または鉄道に転換すること。少人数で大量の物を運べる上、CO2排出量も大幅に削減できる
※2:中継輸送とは、トラックドライバーが中継地点でトラックを交換し、長時間労働を避ける取り組み
また、消費者や企業の行動変容や意識改革も必要です。例えば、再配達を減らすための取り組みや配送日時に余裕を持たせるなど、消費者側でも対策できることは多く存在します。配送業務の効率化とあわせて、物流網の維持を図るための新たな施策が必要です。
通販物流(EC物流)を改善する4つのポイント
通販物流の問題点と課題への対策として、改善のポイントを以下4つにわけて解説します。
- 業務フローの標準化
- 業務を簡素化し自社物流のミスを少なくする
- 在庫を一元管理する
- 一部もしくは物流業務全般をアウトソーシングする
それぞれ紹介しますので、改善する際の参考にしてください。
業務フローの標準化
通販物流の改善に向けて、まずは業務フローの標準化が必須です。まずは業務の洗い出しを実施。手順書を作成して、オペレーションを可視化しましょう。
一度手順書を作成したあとも、必要な業務に細かい変更が入るごとに、見直しが必須です。手順書を形骸化させず、定期的に改善を繰り返すことが重要です。
業務を簡素化し自社物流のミスを少なくする
自社物流のミスを減らすには、紙を使用したアナログな業務をデジタル化するなどの業務の効率化が求められます。まずはこれまでの慣習で続けている無駄な作業はないかを見直し、時短や生産性の向上につなげましょう。
具体的には「マテハン機器や物流ロボットを導入して業務を効率化する」、「バーコード検品を導入する」などの対策が人的なミスを防ぐのに有効です。
結果として、業務が簡素化され、社員の労働環境の改善にもつながります。
在庫を一元管理する
通販物流でオムニチャネルを実現するには、OMOにも対応したEC在庫(オンライン)と店舗在庫(オフライン)を一元管理できるシステムが不可欠です。
在庫管理と入荷から出荷に至るまでの作業指示機能を持つWMS(倉庫管理システム)の導入により、在庫をリアルタイムで把握できます。
リアルタイムで在庫情報を取得できれば、顧客満足度の向上にもつながります。
オムニチャネルに適した在庫管理については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
<関連記事>「オムニチャネルの在庫管理にシステム活用が重要な理由!リアルタイム反映と見える化」
一部もしくは物流業務全般をアウトソーシングする
物流代行業者に物流業務をアウトソーシングするのもおすすめです。物流業務をアウトソーシングするメリットは、初期費用や維持管理費用の物流コストを削減できる点です。
たとえば、倉庫や車両、倉庫管理システムの固定費は出荷量が少ない閑散期でも維持管理費がかかりますよね。物流業務を委託することで、取り扱い商品の量によってこれらの費用を調整できるのが最大のメリットともいえます。
物流代行業者は豊富な人材とシステム、経験を有するプロです。通販物流の煩雑な業務をアウトソーシングすれば、繁忙期の人員不足にも対応できると同時にミスの発生や納期遅れなども解決できます。
また物流代行業者は、運送会社との契約により割安の運賃で荷物を発送できます。今後の物流コスト高騰の対策としてもアウトソーシングは有効です。
以下の記事では大手EC物流倉庫を紹介しています。あわせてご覧ください。
<関連記事>「EC物流倉庫とは?特徴や種類、費用、委託先の選定方法まで解説!」
通販物流(EC物流)に欠かせない3PLとフルフィルメントとは
繰り返しになりますが、煩雑な作業が多い通販物流において業務を効率化するには、アウトソーシングサービスの利用がおすすめです。
物流アウトソーシングには、おもに以下2つの形態があります。
- 「3PL」とは
- 「フルフィルメント」とは
それぞれ詳しく解説します。
「3PL」とは
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、倉庫管理業務の部分を外部委託できる業態を指します。3PLには、大きく分けて以下の2種類があります。
- アセット型:自社で倉庫や運送車両を所有し、物流を代行
- ノンアセット型:外部の運送業者や倉庫業者と提携して車両や倉庫を手配する
上記に加え、物流システムの改善やコスト削減についても依頼主に提案できるのが3PLの強みです。
<関連記事>「3PL物流を最大限に活用するための完全ガイド」
「フルフィルメント」とは
3PLが倉庫管理業務の外部委託を指すのに対し、フルフィルメントとは、商品の受注から発送までの一連の流れを委託できるサービスです。
さらに決済業務やカスタマーサポートまで幅広く対応する業者もあります。
3PLよりも委託できる範囲が広いのが特徴です。
<関連記事>「フルフィルメントとは?今さら聞けないEC物流の基礎知識」
通販物流(EC物流)をアウトソーシングする3つのメリット
EC物流のアウトソーシングは、物流業務を専門業者に委託することで、効率的な運営を実現する手法です。企業は外注によって本業に集中しつつ、物流品質の向上やコスト削減を図れます。
- 業務効率化による負担改善
- 顧客満足度の向上
- コスト削減
順に見ていきましょう。
業務効率化による負担改善
通販物流のアウトソーシングにより、商品の入荷から出荷まで一連の物流業務を効率化できます。物流業者は専門知識と経験を持ち、最新のシステムと設備を駆使して作業を行います。
自社での物流管理に比べて大幅に効率が向上し、業務の標準化と自動化が進むため、ヒューマンエラーを減らし、安定した品質での業務遂行が可能です。
さらに、注文が集中するピーク時にも迅速に対応できるため、納期遅延を防ぎつつ、顧客満足度の維持につながります。また、物流のプロフェッショナルが管理を担当するため、在庫の最適配置やピッキングの効率化などが実現し、業務をスムーズに進行できるでしょう。
顧客満足度の向上
専門の物流業者によるサービス提供は、顧客満足度の向上が期待できます。顧客のニーズに応じたサービスの提供によって、迅速かつ正確な配送が可能となり、顧客の期待に応えられます。
また、ギフトラッピングやメッセージカードの同梱など、顧客の個別要望に柔軟に対応できる点も大きな利点です。
さらに、物流業者は訓練されたスタッフと最適な技術を駆使して作業を行います。梱包や配送の品質が向上し、商品が傷つくことなく安全に届けられ、顧客の信頼を得られるでしょう。
コスト削減
アウトソーシングによって、倉庫の維持費や人件費などの固定費を削減可能です。自社で倉庫を運営する場合に発生する施設の維持費や設備費、人件費などを削減でき、運営コストを軽減できます。
さらに、物流業者のノウハウを活用した在庫管理の最適化によって、余剰在庫のリスクを軽減し、無駄なコストを削減可能です。これにより、在庫の回転率が向上し、資金効率が高まります。
また、物流業者は多くの企業の物流を一手に引き受けるため、スケールメリットを活用してコストを抑えられます。
通販物流(EC物流)をアウトソーシングする3つのデメリット
EC物流のアウトソーシングは、多くのメリットを提供する一方で、いくつかのデメリットも存在します。
- 倉庫業務のノウハウを蓄積できない
- 出荷数が少ないとコスト効率が悪くなる
- 顧客情報の漏洩リスクが高まる
次のデメリットを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
倉庫業務のノウハウを蓄積できない
アウトソーシングは便利である一方、倉庫業務の知識や経験が社内に蓄積されにくくなります。物流業務を外部業者に委託すると、日常的な運営に関する知識やスキルが社内で共有されず、物流の詳細なプロセスや管理方法を学ぶ機会が失われます。
将来的に内製化を考える場合や、新たな物流戦略を立案する際に、知識の不足が不利に働く可能性があります。自社の物流体制強化や新しい物流手法を取り入れる際には、ノウハウの不足が障害となる可能性もあるため注意が必要です。
出荷数が少ないとコスト効率が悪くなる
出荷量が少ない場合、アウトソーシングのコスト効率悪化につながる可能性があります。物流業者は通常、出荷量に応じた価格設定を行っており、大量出荷に対しては単価が安く設定される一方で、出荷量が少ないと単価が高くなります。
このため、出荷量が少ない企業にとっては、アウトソーシングのコストが高くなり、コスト効率が悪くなる可能性があります。結果として、物流コストが予算を超過し、他の業務への投資が制限されることがあります。
顧客情報の漏洩リスクが高まる
アウトソーシングによって顧客情報を外部の業者に預けることになるため、セキュリティ管理に対して慎重になる必要があります。顧客情報の漏洩や不正利用が発生すると、顧客からの信頼を大きく損なってしまうためです。
セキュリティ対策を怠ると、ブランドイメージの悪化や顧客離れを引き起こす可能性があるため、適切なセキュリティ対策を講じている信頼できる業者を選ぶことが重要です。業者の選定に際しては、セキュリティ体制の確認や実績の評価が欠かせません。
通販物流(EC物流)で代行業者を選ぶ際に確認すべき3つのポイント
通販物流を物流代行会社にアウトソーシングすることで、人手不足を解消し、人的ミスの発生を抑えられるメリットがあります。
ここからは、物流代行業者を選ぶ際に確認すべき3つのポイントについて、以下の通り解説します。
- 取扱ジャンルや通販物流への対応実績
- ギフト梱包などの流通加工に対応しているかどうか
- 自社システムとデータの連携が可能かどうか
それぞれ紹介しますので、物流代行業者を選ぶ際には参考にしてください。
取扱ジャンルや通販物流への対応実績
物流代行業者を選ぶ際は、通販物流への対応実績はもちろん、自社商材と同じ品目の取扱実績も確認しましょう。業者によって、得意な品目や分野が異なる場合があるからです。
たとえばサイズが大きい商品や中古品を扱っていない業者は少なくありません。化粧品や医薬品、医薬部外品は、必要な業許可を取っている業者のみ、対応できます。
食品を取り扱う場合は、それぞれの食材に応じた温度帯で保管できる倉庫が必要です。低温管理ができる代行業者は多くはありません。
まずは自社で取り扱う商材の対応実績が豊富な業者を選ぶのが、通販物流を成功させるポイントです。
ギフト梱包などの流通加工に対応しているかどうか
通販物流では、イベントシーズンのギフト梱包やチラシやサンプルの封入など、流通加工を伴う傾向があります。代行業者によって作業の包括範囲が違うため、流通加工がサービスに含まれるかどうかもあらかじめ確認しましょう。
イベントシーズンは出荷量が増加するため、閑散期よりも人員を多く確保する必要があります。加えて細かい梱包対応で人的ミスが頻発しやすい時期です。
そのため自社で流通加工に対応する場合、急な人員の確保や従業員の労働時間の増加に悩まされるケースが多いでしょう。物流代行会社に煩雑な流通加工を委託すれば、自社で新たに人員を確保する必要はありません。
通販物流で代行会社に外部委託する場合は、流通加工の委託も含めて業者選定するのがおすすめです。必要に応じて、返品や交換作業への対応も可能かどうか確認しておくとよいでしょう。
自社システムとデータの連携が可能かどうか
物流代行会社の多くはWMSを利用しています。自社で使用する注文管理システムを連携できれば、エクセルやメールを利用して出荷指示を出す必要がないため、人的ミス削減や効率化が実現します。
連携方法にはおもに自動連携、API連携、CSV連携があるので、どの方法で連携できるのかも合わせて確認しておきましょう。連携方法によっても、作業効率に差が出るためです。
システムを連携させることで、受注から出荷までの作業が迅速かつ正確になります。その結果、人的コストの削減が可能です。
富士ロジテックホールディングスの通販物流サービス
富士ロジテックホールディングスは、通販物流の豊富な経験を生かした柔軟性のある物流代行サービスを提供している企業です。
ここからは、サービスの特長をご紹介します。
- 20年にわたる通販物流の実績
- 最先端技術による物流費用の低コスト化の実現
- 自社開発のWMSはカスタマイズが可能
- ECサイトとのデータ連携が可能
- 柔軟なフルフィルメントサービスを提供
順に紹介します。
20年にわたる通販物流の実績
富士ロジテックホールディングスは100年を超える物流実績を持ち、20年にわたり通販物流サービスを提供してきました。豊富な実績と蓄積されたノウハウにより、高品質で柔軟なサービスをご利用いただけます。
アパレル、雑貨、家具、食品などさまざまな商品の取扱いが可能です。以下の管理にも対応いたします。
- 賞味期限管理
- 湿度管理
- ケース・ボール・ピース出荷
- 付加価値作業
- 共同配送
通販業者のニーズに合わせた、オーダーメイドのサポート体制を得意としています。
最先端技術による物流費用の低コスト化を実現
当社では物流ロボットなどの最先端技術を導入し、人的コストの削減や作業時間の短縮を実現しています。
商品の入荷から保管、仕分け、出荷までをワンプライスで対応できる物流ロボットAGV(無人搬送車)は「2021年度ロジスティクス大賞」を受賞しており、小ロットからでも導入できます。
検品には音声検品ピッキングシステムを採用し、作業の効率化とミスの削減を実現しました。
在庫管理にはRFID(RadioFrequencyIdentification)技術を活用しています。電波を用いて複数のタグを一気に読み取ることで、バーコードスキャンに比べて作業効率が大幅にアップし、リアルタイムで正確な在庫情報の把握が可能です。
自社開発のWMSはカスタマイズも可能
富士ロジテックホールディングスでは、システムを自社開発しています。社内SEのほとんどが倉庫運用経験者のため、現場のニーズを即反映できるのが強みです。
WMS(倉庫管理システム)の基幹メニューをもとに、お客様のニーズにあわせてカスタマイズできます。自社で開発しているため、短期間・低コストでの構築が可能です。
ECサイトとのデータ連携も可能
当社では「ロジレス」「コマースロボ」などの受注管理システムと在庫管理システムを一体型クラウド型WMSも活用し、通販事業者様との連携にも力を入れています。
受注から荷物が購入者に届くまでのすべての流れを自動化できます。
また楽天市場・Shopify・Yahoo!ショッピング・Amazonほか、複数ECサイトの運営の一元管理にも対応。受注管理の省力化も可能です。
柔軟なフルフィルメントサービスを提供
富士ロジテックホールディングスは、2021年6月にD2Ceコマース物流フルフィルメントサービスを開始しました。
必要な部分のみ委託する業務範囲のカスタマイズにも柔軟に対応できるのが特長です。物流業務にお困りのかたは、お気軽にご相談ください。
取り扱い実績が豊富な物流代行を選ぼう!
物流代行会社を選ぶ際は、取り扱い実績が豊富な業者を選びましょう。物流会社のなかでも、通販事業の全体像を理解している業者とそうではない業者があります。
通販物流は顧客満足度をあげる重要な工程でもあるため、豊富な実績とノウハウが確立された代行業者を選ぶことが、通販物流を成功させる鍵といえます。
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
株式会社富士ロジテックホールディングス
西間木 智 / 通販営業部 部長
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
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