富士ロジテックHD
富士ロジテックHD

通販D2CEコマース事業者の EC物流代行・発送代行オムニチャネルコマースでの流通加工から店舗物流までを、一般社団法人 通販エキスパート協会認定スペシャリスト:「通販CXマネジメント」・「フルフィルメントCX」メンバーとスタッフがサポート致します。
全国11拠点のDC/FCから、先進RaaSマテハンロボットRFIDなどと、OMS・WMSとコマースシステムをAPIで連携して、物流・発送代行サービスを「スタートアップ特別限定プラン」から、100億円を超える事業者に最適な分散保管・分散出荷返品・交換サービスまでを一貫でデザインする「顧客購買後体験」によって、LTVの向上が実現できる「感動物流サービス」を提供中です。物流業界の最新トレンドを盛り込んだお役立ち資料も無料でご提供しています。

EC歴25年 元運営責任者が語る「ECに投資する前にこれだけは知ってもらいたいこと」第ニ章 「中山茂マーケティングデザイン」

eコマース インタビュー 通販

オムニチャネル

Written By 中山茂マーケティングデザイン株式会社
 代表 中山茂

第二章 ECは足し算ではない

 第一章ではマルチチャネルからオムニチャネルへ進化する中でECというデジタルチャネルが「販売チャネル」という側面を残し過ぎたゆえに本来のWebマーケティングの足かせになっているというお話をしました。

今回はその足かせとは具体的に何かを説明したいと思います。ネット社会以前の販売チャネルのイメージは「販売のタッチポイント」でありそれを拡張ことによって事業を拡大させてゆくという構図でした。わかりやすい例でいうとチェーン店展開でしょうか。

リアル店舗の場合

店舗を展開する場合、同社でカニバリを起こす同じ商圏内に出店することはありません。競合店とのバランスを取りながらそれぞれのお店できちんと利益の出るように計画的に展開してゆきます。各店舗がそれぞれ利益を確保できることを前提とすれは店舗を増やせば増やすほど売上げと同時に利益も増え原価率も下がってゆき事業の拡大が望めます。もちろん各店舗の利益が生まれなくなってくると拡大した分固定費などの負担が大きくのしかかりリスクも増えるわけですが基本的に

各店舗が利益を出していれば数のストレッチが効くモデル

がリアルの店舗展開です。時間と空間、地域の影響を受けるリアル店舗だからこそタッチポイントを増やすために行うのがこの拡大モデルです。

リアル店舗ビジネスからECに進出した場合

さて、こういったビジネスをやってきた企業がECを始めた場合多くの企業はどう考えるでしょうか。リアル店舗とWeb店舗は概念が違うと頭ではわかっているのですが

「リアル店舗に加えて新しい販売チャネルができた」

と考えてしまいます。これは店舗に限らずカタログとWebの間でも起きてしまっていました。基本的に既存事業を同じサービスをEC化すると同じ状況になります。

そしてさらに硬直化した頭で

EC事業の単独部署として独自の売上げ目標を持たせWeb店舗として扱う

という行動に出てしまいます。ECの構築・運営はリアルとは違う特殊性があるため担当の単独部署を作るのはよいのですが問題は「独自売上げ目標」「Web店舗扱い」という点です。今までの店舗は基本的に同社内でのお客様のカニバリは基本起きてきませんでしたがECの場合は

いままで足し算でなりたっていたロジックがECの場合は足し算にはならないのです。

 

新しい消費行動での大きなポイントは「決済の場」(売上げが上がるチャネル)は消費者にとってさほど重要な要素ではなくなっているということです。

商品情報がスマホの登場によりリアル・ネットも意識せず自然体ですべての生活スタイルに組み込まれていくことによって購入タイミングも購入場所もユーザーにとって選択できる手段のひとつにしかすぎません。

その時便利でお得であれば決済の場はネットか店舗かはユーザーがそのタイミングで判断します。新しい消費者はリアル・ネット関係なく有機的に消費行動をしているにも関わらず悲しいかな企業は紋切り型に決済場所によって組織も目標もマーケティングも切り離して考えているのです。

EC化率とは

決済場所によってミスリードを招いてしまう数値のひとつとして「EC化率」があるかと思います。EC化率はBtoC-ECで
2019年「6.76%」。

出典:経済産業省 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備

この「EC化率」、本当に現在の小売りのチャネル比率でしょうか。一概にそう考えるのは早計です。

「EC化率」はあくまで購買行動の中の「決済」のタイミングでしか数字を取っていません。「購買・決済」は消費行動の単なる通過点にしかすぎないのでこれを「EC化率」という数字で表してしまうと「小売りにおけるネットの割合は6%程度」というミスリードを起こしてしまいます。

行動パターンから検証する

さらにに決済時のみの数字で判断することが危険である具体例をひとつあげるとすると以下のような行動パターンになります。

中山様ブログ2回目⑤.png

 

<行動パターン1>

  • ネット上で他社サイトと比較しながら検討。商品の購入を決断。
  • 試着後最終判断をしたいので通勤途上の店舗で確認しその場で購入
     →お店のレジを通して決済・・・・店舗の売上げに計上

<行動パターン2>

 

  • 店舗に行って店員にもアドバイスをもらい試着してサイズと色を確認。
  • ほぼ購入を決めたが雨が降っていたため持ち帰らず帰宅
  • 帰宅後ネットにて注文(試着もしているので迷いなし)
     →ネットにて決済・・・・・ネットの売上げに計上
パターン1では決済こそ店舗ですが、購買意志を決定づけた功労者はネット情報ですし、パターン2はその逆です。このようにお客様にとって決済の場とは消費行動のひとつの選択肢にすぎないことを理解すれば決済の場ごとに組織が立てられ目標を与えられマーケティングがなされることがいかに無意味かおわかりのことでしょう。

また商品購買の判断となる「商品の情報」は日常の中、どこで触れられているでしょうか。これらは商材によって違いはあれどスマホを中心としたネットからの情報が自然と刷り込まれている場合が多いかと思います。ネット情報の購買への影響力は決して6.76%ではありません。

 

中山様ブログ2回目⑥.png

マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査より

これらのことからWebマーケティングに関わらずすべての消費行動はチャネルを超越して起こっています。チャネル毎個別に対応することがいかにロスを生むかを理解していただければと思います。

第三章につづく

オムニチャネル時代での正しいECの向き合い方

戦略立案から運用管理までパッケージ化した「中山式メソッド」を提供する
中山茂マーケティングデザイン株式会社

http://nakayama-md.co.jp/
090-1676-4407

nakayama_top0306.jpg

 

EC歴25年 元運営責任者が語る「ECに投資する前にこれだけは知ってもらいたいこと」

EC歴25年 元運営責任者が語る「ECに投資する前にこれだけは知ってもらいたいこと」

シリーズはこちら

殿堂入り記事
発送代行完全ガイド

発送代行完全ガイド

発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。

株式会社富士ロジテックホールディングス

物流企業

株式会社富士ロジテックホールディングス

通販D2CEコマース事業者の EC物流代行・発送代行オムニチャネルコマースでの流通加工から店舗物流までを、一般社団法人 通販エキスパート協会認定スペシャリスト:「通販CXマネジメント」・「フルフィルメントCX」メンバーとスタッフがサポート致します。
全国11拠点のDC/FCから、先進RaaSマテハンロボットRFIDなどと、OMS・WMSとコマースシステムをAPIで連携して、物流・発送代行サービスを「スタートアップ特別限定プラン」から、100億円を超える事業者に最適な分散保管・分散出荷返品・交換サービスまでを一貫でデザインする「顧客購買後体験」によって、LTVの向上が実現できる「感動物流サービス」を提供中です。物流業界の最新トレンドを盛り込んだお役立ち資料も無料でご提供しています。

あなたはこちらのコラムにもご興味がおありかもしれません おすすめコラム

e コマースにおける PDP – 概要と最適化する理由 通販・オムニチャネルコマース
e コマースにおける PDP – 概要と最適化する理由 通販・オムニチャネルコマース
ヒント - 顧客オーディエンスに最適化されていれば、コンバーションマシンとして活躍できます。 PDP を強化する時期が来ました。 商品詳細ページは、e コマース エクスペリエンスの重要な部分です。これは買い物客に興味のある商品に関する...
続きを読んでみる
東アジア(中国・韓国)のマーケットプレイス
東アジア(中国・韓国)のマーケットプレイス
アジアおよび世界最大の電子商取引市場である中国は、2023 年の市場規模が 1 兆 4,900 億ドルに達しました。インターネット アクセスの普及、モバイル デバイスの可用性の増加、中間層の増加がこの成長の主な原動力となっています。 ...
続きを読んでみる
東南アジアのオンライン マーケットプレイス
東南アジアのオンライン マーケットプレイス
Lazada と Shopee がほとんどの東南アジア諸国に存在することを見つけるのは難しくありません。Shopeeが今年特に傑出しており、上記の国々の市場で主導的な地位を占めていることは注目に値します。Kantar BrandZ が...
続きを読んでみる
ヨーロッパの主要なマーケットプレイス
ヨーロッパの主要なマーケットプレイス
ヨーロッパの市場環境は堅調かつ急速に成長しており、15,000 を超えるオンライン マーケットプレイスが 3,630 億ドルという驚異的な e コマース市場収益に貢献しています。この地域では、2025 年までにデジタル コマースの年間...
続きを読んでみる
ロイヤリティプログラム コンテンツリスト
ロイヤリティプログラム コンテンツリスト
小売消費者が購入後の体験に求めるもの アマゾン効果は、小売業界全体に影響を与えています。顧客は無料で迅速な配送を期待しています。中には1日または同日という早い配送を希望する人もいます。さらに、ソーシャルメディアはUnboxingを促進...
続きを読んでみる
eコマースCXとカスタマーサービス 通販・オムニチャネルコマース
eコマースCXとカスタマーサービス 通販・オムニチャネルコマース
  eコマースのCXおよびカスタマーサービスヘルプデスクツールとは e コマース カスタマー エクスペリエンス (CX) とカスタマーサービス・ヘルプデスク ツールは、D2C ブランドにとって重要なテクノロジースタックに含めることが重...
続きを読んでみる
オムニチャネルを支えるコマースプラットフォーム トレンド コンテンツリスト
オムニチャネルを支えるコマースプラットフォーム トレンド コンテンツリスト
商取引の世界が猛烈なペースで変化していることは明らかです。オムニチャネルのアプローチは、かつては競争の激しい分野で優位に立つための施策でしたが、今ではデジタルが織り込まれたマーケットで成功を収めようとする小売・製造業の企業にとってのベ...
続きを読んでみる
プログレッシブプロファイリング:顧客データを収集するためのより良い方法 通販・オムニチャネルコマース
プログレッシブプロファイリング:顧客データを収集するためのより良い方法 通販・オムニチャネルコマース
オーディエンスを理解したいですよね。顧客中心なら長期戦が必要です。 アグリーメント、コンプライアンス、信頼をリードするには、プログレッシブ プロファイリングを使用して、ジャーニー全体を通じて顧客について学習していくことです。 素晴らし...
続きを読んでみる

タグ一覧

カテゴリー