物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
Written by 西間木 智
マルチチャネル・リテール(コマース)とは、複数の販売チャネルで顧客が商品を購入できるようにすることです。
マルチチャネル・リテールは、eコマースWebサイト、リアル小売店舗、オンラインマーケットプレイス、比較ショッピングサイト、ソーシャルメディアプラットフォーム、その他のオフラインおよびオンラインチャネルなどの複数の販売チャネルを使用することになります。
マルチチャネル・リテールの進化
この定義は大きく進化しつづけています。eコマース業界が、D2Cなどの新しいビジネスモデルなどが、急速に成長するにつれて、オンラインで販売するためのオプションも多様化して、多チャネル化して、各チャネルが成長しては、オーディエンスとともに衰退をしています。
最近では、「マルチ」は「無数」との表現によって、適切に説明されるとも言われています。
eコマースとマーケットプレイスの成長について改めて考えてみます。
数年前、マルチチャネル・リテールに関心のある典型的なマーチャントは、Amazon・楽天・Yahoo・ZOZOなどに商品を掲載(出店・出品など)することから始めました。各社は、いくつかの電子メールマーケティングや有料検索広告に手を出しています。(出店などの手数料より、こちらがメインの収益かも知れません。)
*マルチチャネル マーケティングとオムニチャネル マーケティングとは
「すべてのチャネルでシームレスで統一されたCX:エクスペリエンス」が、顧客中心で正しく提供されたマルチチャネルだと捉えてください。オムニチャネルとOMOの違いは別途コラムにて
マーチャントは、世界中で100以上のマーケットプレイスで、数十の重要な広告オプション、および多数のタイプのフルフィルメントから選択する必要があります。
*ここでマーケットプレイスが検索できます。
同様のシナリオによって、オンラインショッピングエンジン、モバイルアプリ、さらにはソーシャルメディアでも展開されている必要があります。
これらはすべて、顧客が他に何かをしているかに関係なく、いつでも、どのデバイス(スマートフォン・PC・など)からでも、検索・閲覧および購入したいという顧客の要望に対応するために提供されているということにます。
今日の顧客は、
「欲しいものを欲しい瞬間に手に入れること」
を期待していると言われています。
マルチチャネル・リテールは、単に商品を複数のチャネルで購入できるようにするだけではなくなっています。
2022年以降に成功するためには、D2C・eコマース事業者は複数のプラットフォームにわたるマーケティング、販売、およびカスタマーサービス、フルフィルメントなど、遥かに広い業務範囲を受け入れて、顧客に商品とサービスを提供します。
小売事業者の場合には、
- Amazon Advertising
- Google Shopping
を採用することが重要なポイントになってきています。
メーカーにとっては、
Amazonでのファーストパーティ販売から
- 楽天
- Yahoo
- その他の主要なマーケットプレイス
でセラーアカウントなどを開設することでもあります。
*USAでは、ウォルマートマーケットプレイスや、Targetなどのホールセールマーケティングが重要な施策ですが、日本ではどうなるのかは楽しみなこれからの変化です。
マルチチャネル・リテールを展開する方法は数十とありますが、その影響は同じです。
進化し変化し続ける購入経路(購買チャネル)で、顧客に会うということは、商品をより目立つ場所に置くこということでもあります。
それは、顧客のニーズを最も満たす媒体と方法を選択し、選択したチャネルに情報を提供することを意味しています。
言い換えれば、活用することができるチャネルが多ければ多いほど、忠誠心(顧客から支持され、好かれるということです。)を得ることで、売り上げと利益を獲得する可能性が高くなります。
そして、ブランドが、顧客とのコミュニケーションとコミュニティの醸成を追求していくチャネルが多ければ多いほど、準備する課題も多くなるのは理解頂けると思います。
3つのテーマ
eコマースマーケットプレイスやソーシャルメディアコマースとそのチャネルでのオーディエンス広告から、比較ショッピングサイトや、実店舗まで、考慮すべきことがたくさんあります。
ブランドにとっての顧客はいたるところに存在しています。
つまり、ブランドもそうあるべきだということです。
もちろん、言うのは簡単です。
特に、マルチチャネル・リテールのコンテキスト内で「どこでも」は、事業規模を考慮に入れる場合はなおさらです。
それは例えば、顧客の80%以上が、店舗で購入する前にスマートフォンでさまざまな小売チャネルで他ブランドや、ブランドの評価など情報などを確認、調査を行ってから、どこで、いつ、どのように購入するかを決定していると言われています。
商品詳細だけではなく、価格や配送オプションなどを比較するこの購買体験の傾向は、マルチチャネル(適切なチャネルを活用して顧客を確実に商品に引き付ける)とオムニチャネルのフルフィルメント(チャネル全体で流動的な顧客体験を保証する)の間の境界線が曖昧になってきています。
チャネルの理想的な組み合わせと、それらをシームレスなショッピングエクスペリエンス:購買体験に活用するための最善の方法を正確に特定するためには、次の3つの主要な領域についての、それぞれにおける最大の課題について確認をしてください。
1:マーケティング
eコマース広告のオプションは大幅に複雑化しています。予算を超過することなくリーチを拡大する方法を見つけることは、成功するために重要であり、最初の1歩です。
2:商品情報・PDP
各販売チャネルには独自のリスト要件とデータフィード仕様のセットがあり、これらの要件は絶えず変化します。
これにより、さまざまなチャネルにわたる顧客および商品データのフローを最適化および合理化することが困難になります。
3:フルフィルメント
同日配送・翌日配送・2日配送、そして送料無料=送料事業者負担>商品原価などを競争している時代でもあります。
マルチチャネル・リテールでの成功は、すべての注文に最適なリテール・フルフィルメントオプションを判断・設計して、運用して、改善することを意味します。
これは、単一チャネルで、単一のキャリアなどのロジスティックスとフルフィルメントに、依存してきたマーチャントにとっては、複雑性とシステム連携などで、対応が困難になってくることがあります。
この3つのコア領域に最初に取り組み、それらを中心にマルチチャネルリテール体制を構築すると、チャネルの適切な組み合わせを特定して、購入経路のさまざまな段階で顧客に会うことがはるかに簡単になるとも言えます。
リテールチャネルと選択肢
適切なタイミングで適切な顧客に商品を表示するマルチチャネルマーケティングの場合、ブランド・マーチャントにとって必要なことを確認していきます。
1.マーケットプレイス広告
覚えておいてください:
顧客は何百ものリストをスクロールすることを望んでいるわけではありません。
顧客は商品やプロモーションをすばやく見つけたいと思っています。マーケットプレイスがマルチチャネルまたはオムニチャネルのリテール・ビジネスモデルの重要な部分であり、マルチチャネル・リテールを通じて認知度を高めたい場合は、マーケットプレイス広告は必須です。
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2.ソーシャルメディア広告
顧客はソーシャルメディアを使用して、商品情報を積極的に探しています。
ソーシャルコマーストランザクションを通じて、
クリックして別の販売チャネルにアクセスすることにより、ソーシャルメディアで見つけた商品を購入しています。
このアクティビティのほとんどは、Facebook、Instagram、Pinterest Richやその他のソーシャルコマースチャネルで発生しています。
このため、ソーシャルメディアチャネルでのブランド認知度と顧客ロイヤルティの構築に向けてマーケティング施策とメッセージングをすることは不可欠になっています。
3.Google(比較)ショッピング
マルチチャネル・リテール施策を計画または拡張させるときは、検索の力を活用することが重要になります。
アイデアやインスピレーションを得るために検索がますます使用されるようになるために、GoogleやBingShoppingなどの比較ショッピングエンジンなど重要になります。
ヒント:
上記の基本を超える準備ができたら、次のステップはGoogleショッピングアクションを探索することです。Z世代が検索しないは神話です。
Shopping Actions は Google ユーザーのトランザクション レイヤーとして機能しています。
モバイル、デスクトップ、または Google Homeなどで、いつでも好きな方法で商品を購入できるようにすることで、顧客を獲得して維持するように、顧客の購買体験が設計されているということにもなります。
小売事業者やブランドは、ユニバーサルカートとシームレスなショッピング エクスペリエンスを提供しながら、検索、Google Express、Google アシスタントを介して在庫を表示することができます。
*これとても重要な施策になります。変化・バージョンアップへの対応を怠りなく。
小売事業者やブランドが考慮すべきもう 1 つは、Google ショッピング アクションをリスク軽減施策として採用することです。これは、Google ショッピング広告 (以前は商品リスト広告 (PLA) と呼ばれていました) に多額の費用を費やし、このトラフィックをウェブサイトへの流入に期待していた小売事業者にとっては重要なポイントです。
どの販売チャネルがブランドの商品にとって最も可能性を秘めているのかを判断するときは、必ず以下を調べてください。
4.eコマースマーケットプレイス
リストにあるのは、Amazon、楽天、Yahoo、などです。これらのマーケットプレイスは、マルチチャネル・リテールで成功するための基盤を築いてくれます。これらの主要なチャネルで強い存在感を示したら、より多くのオーディエンスにリーチし、ニッチなバイヤー、たとえば
- トレンディなプラスサイズの女性用ファッション
- 余分な在庫がある商品の販売
をターゲットにするためのオプションを検討してみてください。
5.モバイルフレンドリーなウェブサイト
私たち顧客は、「モバイルファースト」の世界に住んでます。顧客は、モバイルデバイスが急速に最も重要なショッピングツールになりつつあると考えています。
それでも、多くの小売事業者やブランドにとって、モバイルエクスペリエンスは依然として信じられないほど不足しています。
マルチチャネル・リテールのミッションコントロールとして、
-
モバイルメールのデザイン
スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば、
「自分の考えを明確にし、シンプルにするために懸命に努力しなければなりません。しかし、最終的にはそれだけの価値があります。」 - LINE eコマースマーケティングオプション
など、ウェブサイトをモバイルユーザー向けに完全に最適化する必要があります。
6.リアル・実店舗
顧客はほとんどの商品調査をオンラインで行っているようなりましたが、それでも多くの人は店頭で購入することを好みます。
デジタルが支配的なカテゴリでも、顧客は主要な販売チャネルとして実店舗を好みます。
ヒント:
オンライン販売チャネル、小売パートナー、実店舗で購入するための真にシームレスなパスは必須です。
当日配送のマルチチャネルのためにフルフィルメントを最適化する場合は、さまざまな配送方法を検討してください。
7.配送・ピックアップ
多くのマーチャント・ブランドは、シンプルさと使いやすさのために1つのキャリアまたはフルフィルメントオプションを採用しています。
しかし、送料無料の需要が当たりまえとなり続けているため、競争力のある価格設定を利用できることは重要です。自社での配送を選択した場合でも、3PLでも、マルチチャネルの注文ごとに最速で最も手頃な配送とピックアップ方法にいつでもアクセスできるようにすることもポイントになります。
8.サードパーティロジスティクス:3PL
複数の小売チャネルにわたる在庫、注文、出荷の管理を維持する場合は、eコマースの注文処理を自動化するためのツールとインフラストラクチャを提供できる3PL:サードパーティロジスティクスパートナーと協力することを検討してください。
- 迷信: 近くにフルフィルメント センターが必要
- 迷信: 地方の注文フルフィルメント センターが一番お金を節約してくれる
- 誤解: 倉庫と e コマースのフルフィルメント センターは同じもの
- 誤解: e コマースの注文を自社で処理する方が安い
新しいチャネルは新しい課題をもたらします
最後に、マーケティング、販売、フルフィルメント全体のオプションを評価・検討するときは、次のヒントをチェックしてみてください。
1.正しい(または間違った)チャネルの選択
すべてのチャネルに拡大したくなるかもしれませんが、ターゲットとする顧客の共感を呼ぶ可能性が最も高いチャネルを特定することで、真の成功がもたらされます。
2.追加費用を理解する
広告予算から、物流費まで、各拡張には独自の費用が伴います。それに応じて、利益率を最大化するように計画してください。
3.ロジスティクスを常に把握する
商品のパフォーマンスと顧客データは、チャネルの理想的な組み合わせを選択するときに使用できるデータの宝庫を提供してくれます。
eコマースプラットフォームを使用して、最も重要なインサイト:洞察を把握できるようにします。
まとめ
マルチチャネル・リテールの新しい領域を理解することは、重要なステップの1つです。チャネルの爆発的な増加に伴い、どのチャネルが商品に最も有望であるかを特定することがこれまで以上に重要になっています。
拡大しすぎたり、速すぎたりすると、顧客に適さず、収益性の低いチャネルを選択する可能性があります。ある意味時間をかけてオプションを慎重に検討していくことは樹重要です。マルチチャネル・リテールは、莫大な収益の見返りをもたらす可能性があります。
マルチチャネル・リテールFAQ
マルチチャネル・リテール(小売)とはどういう意味ですか。
マルチチャネル・リテール(小売)は、複数のチャネルで顧客に商品を販売できるようにするプロセスです。チャネルはオンライン(eコマースストア、マーケットプレイスなど)とオフライン(小売店)のどちらでもかまいません。
マルチチャネル・リテールのタイプは何ですか。
マルチチャネル・リテールのチャネルには、実店舗、eコマースストア、マーケットプレイス、ソーシャルメディアチャネル、カタログなどがあります。
マルチチャネル・リテールが重要なのはなぜですか。
マルチチャネル・リテールは、単一チャネルでのみ販売する場合よりもはるかに多くの顧客データを収集できるため、小売事業者にとって非常に重要です。
このデータにより、小売事業者はより適切な意思決定を行い、より多くのビジネスを推進するチャネルにより多くのエネルギーを集中させることができます。
オムニチャネルについては別コラムで。
富士ロジテックホールディングスが提供する
<プロフィール>
西間木 智
発送代行完全ガイド
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監修者
株式会社富士ロジテックホールディングス
西間木 智 / 通販営業部 部長
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
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