日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
顧客は、ショッピング体験(CX:購買体験)をシームレスで感情的・感動的に魅力的なものにするD2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者を探しています。
同様に、D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者は、顧客がブランドと行うすべてのやり取りが一貫して楽しいものである必要があります。
そして、優れたショッピング機能で、優れたエクスペリエンスを提供する必要があることがポイントです。
D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者は顧客購買体験:ショッピング体験の主要な最適化として、
- 一貫したメッセージング(OMO・オムニチャネルコミュニケーション)
- パーソナライゼーション
- チャネル統合(オムニチャネルコマース)
に注目してフォーカスするようになっています。
これらの顧客視点での進歩はコマースビジネスにとって素晴らしいものです、これらの施策をアップグレードして追求していくためには、簡単に達成できる成果を見逃すことがあります。
コマースプラットフォームに組み込まれている e コマース ショッピング機能に添って、顧客関係を強化するためのシンプルで効果的な方法について課題を提示していきます。
1. 新しいリーチのためのソーシャル ショッピング
ソーシャル ショッピングは、顧客にとって実用的な方法でe コマースブランドのソーシャル メディアアカウントと出会う場所です。
このチャネルは、ソーシャル メディアのマーケティングデータ・オーディエンスと効率的なショッピング プロセスに対しての顧客の欲求を合理化して購買体験を提供できる新たな方法・タッチポイントです。
ソーシャル コマースは「民主化の力」とも言えます。
個人の起業家(P2Cモデルなど)と中小企業の経営者(D2Cモデルなど)の両方に新しい機会をもたらしてくれています。
適切なケース:
ソーシャル バイヤー(顧客)の 約60% は、オンラインの Web サイトから買い物をするよりも、ソーシャル コマース プラットフォームを使用する場合に、P2C・D2Cから購入する可能性が高い傾向があるとも言われています。
さまざまなソーシャル プラットフォームは、店舗と統合できるさまざまなショッピング機能を提供しています。
Instagram は 2017 年に e コマース ショッピング機能をリリースし、ネイティブ決済機能を静かに追加しています。(日本では利用不可)
これによって、顧客は購入のためにプラットフォームを離れる必要がなくなりました。このようなテクノロジーは、顧客にとっての没入型(多くの顧客は多分しないと思います。)ショッピング体験を向上させる大きな可能性を秘めていると言われています。
ソーシャル メディアはすでに顧客の購入方法に影響を与えていることは経験済みのため、ソーシャル コマースが2メインのチャネルに達すると予想されていることは驚くべきことではないのかもしれません。
ソーシャル ショッピングが顧客の間でより広く受け入れられるようになっていると考えています。
e コマースとソーシャル メディアがどこに向かっているのかを示す指標として、昨年 2,000 万ドルを調達した高級ソーシャル コマース プラットフォームの Threads について確認してみてください。
Souce:https://www.threadsstyling.com/en-us
ソーシャル メディアと e コマースを一括して提供することは、顧客がブランドのさまざまなタッチポイントとしてやり取りする方法の自然な流れのように思えてきます。
2.比較表
比較チャートは、CX:カスタマー エクスペリエンスをシームレスにする 1 つの重要な機能です。
多くの機能の詳細の意味=価値を追加記載することで、顧客はさまざまな商品を探索して、見ることができます。
チャートは、オプションが多すぎることで、感覚や評価基準が麻痺しがちになる顧客の購買体験を解決する方法として、顧客自身のニーズに最も適した商品を絞り込むのに役立ちます。
比較チャートは、購入プロセスを容易にする効果的な方法の 1 つです。
そもそもどの類似商品を検討すればよいか分からない可能性のある顧客にとっては、いくつかの人気のあるオプションなどを提示します。
これにより、最も価値のある機能などを特定し、ニーズに合った商品を探すことができます。
D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者はこれらのチャートをさまざまな異なる方法で実装することがポイントです。
Fitbitでは、お客様が理想的なフィットネス ウォッチに求めている上位の機能を選択し、それらのカテゴリに分類されるデバイスから比較したいデバイスを選択できます。
Appleは自社の Mac モデルを 1 ページにリストしています。リストを絞り込むために、お客様は 異なるモデルを選択して並べて比較できます。
何よりも、フォーマットは明確でシンプルであることです。
箇条書きリストは、冗長な説明よりも読みやすくなります。商品間の違いは明確にマークされ、顧客が理解しやすくすることがポイントです。
比較チャートは、顧客が高額商品を比較しているカスタマー ジャーニーに特に役立つと言われています。
顧客がソーシャル レコメンデーションから離れて、自分が何を望んでいるかをすぐに理解をしていない限り、大きな(買い物=高額な費用や、デザインとフィットに関する満足)をするために多くのことを考え、調査する必要があります。
そのために、比較チャートはカスタマー エクスペリエンスの向上に役立ちます。
D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者は、顧客がさまざまな商品について知りたいと思うすべての重要な商品詳細を、明確で包括的なリスト(表など)にまとめていきます。
CX:カスタマー エクスペリエンスの小さな改善が、最終的には顧客ロイヤルティの向上につながります。
顧客ロイヤルティの向上は、顧客との関係を確実に強固なものにします。
*比較チャートと同様の機能としては、Quiz‐診断プログラム(ナビゲーション&キュレーション)があります。
3.オンラインで購入し、店舗で受け取る (BOPIS)
オンラインで購入、店舗で受け取り (BOPIS)。
このサービスにより、顧客はアパレル・ファッションなどの商品を素早く便利に手に入れることができるようになりました。
リアル店舗をいくつかさまよったり、他の顧客や店舗スタッフと交流したり、交渉したりすることに時間を費やす必要がなくなりました。
BOPIS とクリック アンド コレクト サービスなどは、多くのリアル店舗が「顧客購買体験」を変革していて、かつトレンドを支配しています。
これから、この購買体験は、中規模の小売業者やデジタル バイヤーの間で拡大し続けると予想されています。
リアル小売店舗を持たない企業でも、アクションに参加することができます。
D2Cなどのe コマース ブランドは、スピードと利便性を求める顧客向けに、様々なオムニチャネルショッピング機能を提供しています。
4.エンドレスアイルモデルを採用する
ブランドは自社のウェブサイトやリアル店舗に顧客の歓心を留めておくためにできる限りのことをすべきです。
エンドレスアイル(無限の通路)は、まさにそれを行うための最良の方法の 1 つです。
顧客が在庫切れの商品を他の店舗や配送センター(DC・フルフィルメントセンター)から注文できるようにすることで、エンドレスモデルは利便性と顧客満足度を高めてくれます。
これは、オンライン小売業者にとってはメリットでチャンスです。
通常、小売在庫の 何% かは在庫切れであり、商品の在庫切れが原因で小売売上高の 数%が失われているからです。
エンドレスアイルサービスを提供することで、小売事業者は利益率を最大化し、収益を増やし、平均注文額(AOV:Average Order Value・顧客一回の平均注文金額)を押し上げることができます。
ブランドがエンドレスアイルや店舗での受け取りオプション (BOPIS またはクリック アンド コレクト)を提供する場合、顧客は競合他社に目を向けるのではなく、ブランドにコミットし続けてくれるというデータがあります。
これは、ロイヤリティを構築するために重要な施策です。実際、顧客は、商品が在庫切れの場合、オンラインの競合他社から商品をすぐに購入することは経験済です。
5.支払い方法の利便性・多様化
支払い方法の利便性・多様の代表的な事例としては、今すぐ購入して後で支払う (BNPL) ショッピング機能になります。
(更に発展することによって、分割払いでかつ、利息ビジネスと定義できることです。)
この支払オプションにより、オフライン&オンライン ショッピングでは、これまで以上に便利でアクセスしやすくなります。
それは、顧客の状況次第では購入できないかも、出来なかったかも、しれない購入体験を行うことができます。
(そのため、経済が不安定な時期=ライフステージにこの機能が人気を博することは理にかなってはいます。)
BNPLを使用して予算を超えた購入をすることはあるシーンです。
購買顧客はこの機能を使用してアパレル・ファッションや電化製品を購入していると言われます。
BNPL は他の e コマース カテゴリでも基本的な機能として利用シーンを拡大していくとは想定されます。
6.ギフト対応
ギフトレジストリは、これから伸びるオケージョンでもあります。
結婚式、出産、卒業式、など、人生のエキサイティングな瞬間に顧客と関わるのに最適な方法です。
データではこのタッチタイミングで顧客とのリレーションが確立すると、CLTV(Customer LifeTime Value:顧客生涯価値)が高まります。
感情的なレベルで顧客とつながることは、より大きな顧客ベースを構築するための最も効果的な方法の 1 つです。
Amazon はレジストリマーケットを支配していることはあまり知られていません。
Souce:https://www.amazon.com/registries
Souce:https://www.amazon.co.jp/baby-reg/homepage
Babylist
https://www.babylist.com/
Joy
https://withjoy.com/registry/
などのレジストリ ブランドはここ数年間で爆発的な成長を遂げています。
(日本では、e-Gift系でしょうか。)
顧客が結婚や新居への引っ越しという、ライフイベントで興奮している場合は、ギフトレジストリをツールとして使用して、顧客の幸せな瞬間の記憶に残る部分にしてみると、CLTVが向上するという結果を知っています。
この機能は、顧客のアドボカシー(advocacy:「支持をする」)を促進する優れた方法でもあると言われています。
顧客がギフト レジストリ(Gift Registry) を使用する場合、友人や家族に対して、自分がそのブランドの意味に賛同しているということを表明していることです。
社会意識の高いカップルはフェアトレード登録プラットフォームを選ぶかもしれませんし、特に洗練された趣味を持つカップルは高級ブランドに贈り物を求めるかもしれません。
ギフト登録は、特別な瞬間に顧客と歩む機会です。これらの幸せな瞬間を促進するために、顧客があなたのブランドを選んだ場合、それはあなたのブランドが価値があるというメッセージを顧客のコミュニティとオーディエンスに送ることになります。
そして、贈られた側を顧客化するための、返品・返金・交換サービスは必須になります。
そして、返品・交換されたものをどうセカンドマーケットで販売するかもポイントになります。
「欲しいものをあげなさい(Give them what they want)」
が基本で、
「なんでこんなものを買ったの(whydidyoubuymethat.com)」
にならないように。
7.ウィッシュリストとお気に入り機能
ウィッシュ リストは、e コマース ストアの一般的な機能になるでしょうか。多くのブランドは、顧客体験に付加価値を与える能力を過小評価していると思います。
しかし、顧客の購買行動は、商品カテゴリーによって違います。
ウィッシュ リストにあるアイテムをまだ購入する準備ができていないということを基本として。
ウィッシュ リスト (および一般的な保存機能・お気に入り) はカートのアイテムとは異なるはずですが、日本ではこれを活用しないで、先ずはカートに入れる行為をする場合が多いです。
これらは、顧客が商品選択・購入決定を熟考したり、おそらく最終的に購入したいときに戻ってくることができる「多分いつか」の購入行動の一貫と捉えるべきです。
マーケティングおよびデザインの一環としては、ウィッシュ リストを真剣に検討する必要があると思っています。
この機能は、ショッピング体験を向上させ、マーケティング調査に使用できる重要な機能です。ウィッシュリスト機能を効果的に実装するには、顧客が使用して購買体験を楽しむことが簡単で楽しいUI・UXでなければなりません。
ウィッシュ リストは、顧客が欲しいアイテムを友人や家族と共有する方法でもあるため、人気がでてほしいものです。
これは、ホリデー シーズンや顧客が特別な行事を祝うときに便利です。
番外. エンゲージメントのためのフラッシュセール
通常は、フラッシュ セールは 24 時間未満で終了しますが、それより短い場合もあります。
これらの割引施策は、顧客にとっての切迫感を生み出すため、顧客の関心を引き付けることができます。
顧客は、見逃す可能性のある取引(オファー・キャンペーン)として利用するために迅速に行動(購買行動)する必要があることは良くご存知かとはおもいます。
フラッシュセールは、在庫過剰や、返品でのグレーディングの商品がすぐに売れないビジネスにとって実用的である施策です。
D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者は、この在庫の課題を、顧客の購買体験としては、エキサイティングで感情的な体験を提供する機会として利用でき、ブランドの認知度とエンゲージメントを構築するのに役立ちます。
この新しく魅力的な販売方法は、
休眠中の顧客を再び引き付ける方法として有効である可能性があります。
実際、70%以上のD2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者の実績としては、フラッシュ セール メールなどのコミュニケーションのクリック率が高い傾向があります。一般的・標準化されたマーケティング アプローチよりは優れた方法になりつつあります。
ブランドの認知度と顧客とのつながりを構築するには、フラッシュ セールを適切に実行する必要があります。
効果的なフラッシュセールを設計する際に留意すべき重要なポイントを以下に示します。
- 販売の基盤として目標を設定します。
在庫を最も減らしたいアイテムはどれですか
どのターゲットオーディエンスとつながりたいですか - 販売をシンプルに保ちます。
1 つの特定のアイテムまたはアイテムのカテゴリに割引を提供します。 - 競合を評価します。
価格は同等ですか - 長所と短所を比較検討しします。
前回のフラッシュ セールの結果、マイナスの影響はありましたか
一部のD2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者(SHEINなど)は、フラッシュ セールを中心にビジネス モデル全体を構築しています。
*SHEIN ファストファッションの未来 Part04 購買体験を解説
これは間違いでもあります。
いくつかの e コマース ビジネスの失敗につながったと述べているブランドも多いです。
なぜなら、短期的な売り上げの増加は、長期的な収益性と同じではありません。D2C/P2C/Eコマースブランドや小売事業者はフラッシュセールを控えめに使用する必要があります。この施策を顧客との関係の基盤として実施しないでくださいということです。
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
アドバイザー
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
大手通販グループの「単品リピート(サブクリプション)/通販基幹CRMシステム」外販・導入サポート業務を通じて出会った事業者とのコミュニケーションを通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2C(DTC)ビジネスにはチャネルとしてではなく、「顧客中心」としてのホネストビジネスとして、再成長の可能性、未知のカテゴリー、オムニチャネルコミュニケーションからのオムニチャネルコマース体験がある、それを支えるコマース事業者のインハウス化が必要であること、そして柔軟に迅速にその業務を支持・運用できる、MACH・コンポーザブルタイプのシステムを広めることが大切と確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
タグ一覧
カテゴリー