日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
Written by 吉村 典也
カスタマーエクスペリエンスをトランザクションからリレーショナルにかえるメリット
カスタマーエクスペリエンス:CXには、購入前と購入後のエクスペリエンスが含まれています。
CXを高めることで、D2Cブランドに限らず、小売事業では顧客からの支持を高め、
結果として、長期的に収益を上げることができるようになります。
目次
短期的なカスタマーエンゲージメント施策から始める
リピート&顧客ロイヤルティを醸成する
顧客体験をパーソナライズすることのメリットを何年にもわたってCRM・マーケティングなどの専門家は喧伝してきています。
*パーソナライズは確かに最もトレンドですが、施策は山ほどありますし、魔法の言葉でもあります。
最近は、eコマースエンゲージメントが急速に増加しているために、パーソナライズは競争上の優位性ではなくなってきています、むしろ重要な機能になっていることに気付かれていると思います。
一般的には、70%以上の顧客は、D2Cブランドや小売事業者がパーソナライズされたインタラクションを提供することを期待していると言われてます。
(チラシやクーポンなどを狙ったバーゲンハンターでない限りは当然です。)
さらに注目すべき点としては、顧客の60%が、インタラクションがパーソナライズされていない場合に不満を感じていると言われていることです。
*個性が当然の時代に自分自信を振り返れば当然ですよね。
この顧客の商品・サービスへの期待から、多くのブランド・小売事業者は、
- 販売(購買)前
- 販売(購買)中
- 販売(購買)後
に顧客とコミュニケーションするために、D2Cモデルを採用していますし、いました。
消費者(購買前が消費者で、購買後が顧客と定義すれば)と直接つながるブランド・小売事業者は、エンゲージメントに関して大きなメリットがあります。ブランドと小売事業者はブランド支持者のコミュニティ(SNS上などで)を構築し、最初の注文の商品が到着した後からの体験を重視して、ずっと永い関係を続けることができようにしています。
魅力的でエモーシャル:感情的(ここが多分最大の差異化ポイントになっていることに気付いているブランドは少ない)な顧客との関係性を構築するために、ブランドと小売事業者は短期的および長期的な施策の両方を企画・検討・実施・改善する必要があることは、どのマーケティングブログでもテッパンの格言になっています。
(そこからの、運用のブレイクダウンは決してかっこいいものでも、簡単なものでもありません。99回は失敗かもしれません。)
顧客体験を中心に据え、共感と理解を持ってコミュニケーションをとるブランドと小売業者は、購入するブランドからのつながりと信頼性を求めています。
オーディエンス顧客とそのマーケットカテゴリーを利用することがポイントです。
(合わないところにタッチしてもまだ無駄だということです)
このコラムでは、
顧客との関係を単なる取引から長期的なアドボカシー:(支持者・擁護者になってくれるような顧客との信頼関係を構築することを目指して、徹底的に顧客本位の施策を提供すること)
に変える方法をご一緒に考えていきましょう。
短期的なカスタマーエンゲージメント施策から始める
顧客にとっては、購入ボタンをクリックすると、購買体験の次の段階が開始されます。
購入前のパーソナライズに対する期待を、配達に関する期待に置き換えます。
配送ロジスティクスが遅れたとしても、顧客は可能な限り安価(送料無料が端的)で迅速な配達を期待していることは体験済とは思います。
短い出荷時間(受注処理:フルフィルメント)は、必ずしもブランド・小売事業者のワークフローの管理下にあるとは限りませんが(パートナーへの依頼の場合と、配送そのものは管理は出来ない)、プロセスに関するコミュニケーションと透明性は、新しい顧客の心と気持ちをを安心させることができます。
注文商品が発送されるときに、メールで顧客のパーソナライズデバイス(スマートフォンなど)のアプリケーション(メール、SNSメッセンジャー&ダイレクトメッセ―ジ)に情報を保管することが重要なポイントです。
そこでのコンテンツである、ランディングページ(マイページ・パーソナルページなど)には、
- 荷物追跡
- 配送予定日
- 注文情報
などをすべて1か所に含めてあるだけではなく、購買後体験のためのコミュニケーションコンテンツがある必要性が高まっています。
USでの先進的な事例はこちらの対談コンテンツを
トランザクションメールは、あらゆるタイプのメールコミュニケーションの中で最も高い開封率を持っています。
新規顧客のエンゲージメントを促進するための優れた方法に成長して、顧客もそれに順応してきています。
トランザクションメールの活用の簡単な方法
- メールに到着予定日を含めます。
- 出荷に関する事前の連絡をします。
- ロイヤルティプログラムに新しい顧客を招待します。
- 顧客の購入に無料の商品、アップセル・クロスセルの商品を提案します。
トランザクションメールは、顧客に必要な情報を適切に提供する必要がありますが、注文情報やパーソナライズ情報を基に顧客の購買行動を予測しながらエンゲージメントを促進することもできますし、これからとても重要になってきています。
リピートと顧客ロイヤルティの構築
購入後体験のコミュニケーションは、新規顧客にとってはとても信頼と信用のできる価値のある提案になる可能性があります。
カスタマーエクスペリエンスが楽しいものであれば、その顧客は再購入する可能性が高くなりますし。
その一方で、購入後体験として、ブランドと小売が顧客をどのように扱うかによって、その後の購入がいつ行われるか、そしてそれがいくらになるかに大きな影響を及ぼしていることは多くの成長しているブランドの事例からもよく見聞されています。
顧客関係のパーソナライズを継続提案
購入後体験として、ブランドと小売事業者は顧客とその好みについての提案については豊富な知識を持っています。
ただし、ブランドと小売事業者は、顧客とのエンゲージメントには、万能と言われているアプローチ方法を採用してしまっています。
これらの施策は、
- 最後(最新)の購入に基づくタイミングの悪いメール
- 頻繁な無関係なオファー
- 静的なWebサイトエクスペリエンス
などが含まれています。(残念です)
この施策の目的は、ブランドと小売事業者は
「迷惑な顧客」と
「ゴースティング顧客(ghosting:一方的に相手との連絡を断ち、その後ずっと音信不通にすること)」
との対応をうまくこなす必要があります。
どちらも、良い顧客購買体験でも、CX+ES経験ではありません。
かわりに、効果的で継続的なエンゲージメントの施策は相互作用とパーソナライズに基づいてデザインされて運用されていることが重要です。
具体的には、
顧客が誰であるかを理解して
顧客が今保有しているその知識を反映するコンテンツとエクスペリエンスをカテゴリーや提供種類を選択して届けることは、
顧客の心をつかみ、財布とポケットのシェアを結果として確保する方法です。
卓越したロイヤルティ体験を構築する
ロイヤルティプログラムの目的は、
- 顧客が購入を継続して
- 新しい顧客を引き付け
- 非アクティブな顧客に再びブランドとのコミュニケーションに関与するように促すこと
が重要なポイントです。
ただし、リワード(報酬)プログラムが発信する顧客へのノイズ
- 値引き効果
- 貯まらないポイント
- 魅力的ではないプレゼント
- 会員ステータスでの差別的扱い
などをカットすることは、特にポイントしか提供しない施策デザインの場合は難しいことがあります。
代わりに、ブランドと小売事業者は、次のような他のベネフィット(特典)を、設計して提供することで、ロイヤルティプログラムを区別することができます。
- 独占販売とオファー
- ワークショップ、専門家のアドバイス、その他のサービス
- 新商品への早期アクセスと、ティーザー(顔見世)
割引は販売を促進するための優れた短期施策です(それが良いかは別問題です。)が、
有意義で非常に価値のある顧客との関係は、通常の経験とそれ以外経験を優先することによって構築されていきます。
- キャンペーン
- ポイント・プログラム
- 単なる割引以上のインセンティブ
- 誇大広告
など提供する顧客ロイヤルティプログラムではないものを構築することがますます重要になってきています。
みなさん自身もこのような施策しかしないブランドに支持を育むことは無いと思っています。
CRM施策のポイントはこちらのYouTubeで
コンテンツのローカライズとパーソナライズ
パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスは、E-メールマーケティングで始まり、終わるべきではありません。
ブランドのウェブサイトや、小売事業者のリアル店舗とアプリに、コンテンツとコミュニケーションのカスタマイズを提供して購買後体験をもたらすことは、ブランドと小売事業者が、顧客が誰であるかを知っていることを顧客に示していることになります。
動的なランディングページ(パーソナライズページ・マイページ)は、
顧客の情報:インテリジェンスに集中:フォーカスをして、
カスタマイズされたエクスペリエンスを作成していることが重要になっています。
顧客が1回購入したか、100回購入したかにかかわらず、(今回の1回と、次の1回は1回なのです。)ブランドと小売事業者はエクスペリエンスを調整して、デザインして、提供することができることが重要です。
パーソナライズの機会には、次のものが含まれています。
- 顧客プロファイル
- 過去の購入とウィッシュリスト
- ジオロケーションと配送先住所
- ページ上のトラフィックソースと動作
これらからのカスタマイズされたランディングページは、コンバージョン率を30%以上向上させることができるため、努力して設計・デザインする価値が十分にあります。
ブランドエバンジェリストを育成する
顧客との関係を成長させて、醸成して、成功させるには、長いコミュニケーションとリレーションが必要です。
無関係なメッセージやオファーで顧客にスパムを送信する代わりに(購読解除率と顧客の気性を高める)、受信トレイと、タッチポイントしての関係を慎重に扱う必要があります。顧客がブランドのことをもっとよく知るまえに、顧客がブランドから解放されたい理由と機会を与えないことです。
自分が嫌なことを顧客にもしないということです。
長期的な視点で顧客とのコミュニケーションをすることで、顧客が立ち位置を決めてくれます。その次は、顧客が顧客を呼び込んでくれるのは、プログラム
- アンバサダー
- リファラル
- アフリエイト
- インフルエンサー
- クリエーター
などと定義された施策をどう活用して提供するかです。これは、一般的には広告費換算で効果を測定していますが、CX/CRMの累積コストも考えればとても高価なプログラムです。
まとめ
デジタルショッピングは劇的に加速しています。また、リアル店舗の価値もより高まっています。
特に若い顧客にとっては、購買行動も変化しました。
eコマース、BOPIS:ピックアップ、モバイル注文などの新しいショッピング行動を試しています。これらの体験からの知見と経験の変化は顧客の購買体験を大きく変えています。
また、D2Cブランドには、新しい顧客を獲得する特別な機会があります。顧客は、絶えず、新しいブランドを試していくようになるでしょう。
また、それらの顧客の70%が、その新しいブランドを購入ルーチンに組み込むことを希望しているとも言います。一方で、70%以上がブランドをスイッチしています。
eコマースと顧客にとって新しい常識の始まっていると捉えています。2020年に新しいeコマースオプションを試した多くの顧客は、購入行動を永続的に変化、成長させています。
D2Cブランドに新しい顧客を獲得するユニークな機会(SNSやリファラル、コンテンツマーケティング)などを提供します。しかし、これらで出会った顧客が、継続的、定期的、非定期的に、ブランドと、小売事業者に、顧客として戻ってくるようにするには、ブランドは効果的かつ効率的に顧客データを収集して行動することです。
単純なセグメンテーションと、ステップコミュニケーションなどの基本的なパーソナライズを提供できますが、その顧客体験を向上させるにはさらに時間がかかります。そして、顧客は違いを知ることができます。
顧客の意図データを活用し、インテリジェントなターゲティングと忍耐と共感の行使が、顧客との関係性の構築を実現しているということです。
<ファシリテータープロフィール>
代表 吉村 典也
やずやグループの「基幹CRMシステム」外販導入サポート業務委託を通じて出会った事業者とのコミュニケーションと課題を通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2Cビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
アドバイザー
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
大手通販グループの「単品リピート(サブクリプション)/通販基幹CRMシステム」外販・導入サポート業務を通じて出会った事業者とのコミュニケーションを通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2C(DTC)ビジネスにはチャネルとしてではなく、「顧客中心」としてのホネストビジネスとして、再成長の可能性、未知のカテゴリー、オムニチャネルコミュニケーションからのオムニチャネルコマース体験がある、それを支えるコマース事業者のインハウス化が必要であること、そして柔軟に迅速にその業務を支持・運用できる、MACH・コンポーザブルタイプのシステムを広めることが大切と確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
タグ一覧
カテゴリー