日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
ファシリテーター:吉村 典也
前回は、日本初のAGA(男性型脱毛症)管理アプリ「HIX」の開発・運営して。第1類医薬品・サプリメントの開発・販売や、AGAクリニック紹介、カウンセリングをサービスを提供されている エムボックス CEO 金澤大介 様に
1:創業への思い
2:事業ビジネスモデル概要
3:サービス概要
4:顧客購買前体験 顧客の課題に向き合うために
について、スタートアップの経営と組織体制についてお話をお伺いしてきました。
国内初! AGA(男性型脱毛症)管理アプリ「HIX」 エムボックス ビジネスモデル編 Part-01
後編は、
5:顧客購買後体験 顧客にとって大切なことのために
Coutomer & Patient Centricity (顧客&患者中心)
6:顧客を一緒に開発しつづけるチーム&マネージメント体制
について、顧客中心主義の事業開発・サービス提供についてお話をお伺い出来ればと思っています。
ファシリテータ・吉村:
今回のご取材に先立ち、『HIX』アプリをダウンロードして使い、購買体験をしてみました。
サービス概要体験談
HIXはスマートフォンアプリで薄毛の状態を診断してくれます。
アプリをダウンロードして、診断ステップの質問に応じて回答をするとともに、アプリからスマートフォンのカメラを使って頭部2箇所を撮影した写真画像をアプリから送信します。
ダウンロードのリンク先はこちらから
Technology×MedicineでAGA(男性型脱毛症)のセルフケアを支援する<br />AGA管理アプリ「HIX」
iOS版:https://apps.apple.com/jp/app/id1510520087
Android版:http://gateway.hix-selfcheck.com/l/jCDsTKrg
平日だと1-2時間ほどで、(私は、日曜日でしたので翌日でした)、その画像からエムボックスの独自の判断基準で状態を、A~Dステージに分類してくれて、エムボックス専門カウンセラーが毛髪診断した結果を返して頂いているとのことです。
毛髪診断結果に応じた、予防方法やヘアケアの施策をナビゲートしてくれました。
客観的なアドバイスをもらえることや、頭皮状態や生活習慣に関するガイダンスと改善に向けた手ほどきを受けることができます。
因みに、私の診断は、Bでした。(この体験感想は後ほど)
AIによる画像分析をかけて、4パターンに分類できるとのことです。
診断結果に応じた対策を支援するアルゴリズムは専門のAGA医師が監修しているそうです。
最終的な結果の判定は、公益社団法人日本毛髪科学協会にて資格を取得した「毛髪診断士®(Hair Adviser,JHSA)」が実施されているので、リアルタイムではなく1-2時間ほどの時間が掛かっているとも言えます。
- カテゴリーA:まだ薄毛・AGAが進んでない状態で、市販薬の発毛剤や育毛剤を主に提案
- カテゴリーB:やや薄毛・AGAが進んでいる可能性があり、ユーザーに応じて市販薬やクリニックでの治療等を提案
- カテゴリーC:明らかに薄毛・AGAが進んでいる可能性があり、基本的にはクリニックでの治療等を提案
- カテゴリーD:薄毛・AGAがかなり進んでいる可能性があり、より高度や治療法や対策方法を提案
*エムボックスはクリニック(医療機関)ではないために、AGAの診療行為をすることは出来ません。
そのため、医療機関にかかる必要がある場合は、初回の診療費が無料になる提携クリニックを紹介してくれています。
金澤様、ヘア診断から、「ヒックス ミノキシジル5:HIX Minoxidil5」などの適切な、商品購入してその後の顧客の体験の声についてお話をお伺いできますでしょうか。
5:顧客購買後体験 顧客にとって大切なことのために
Coutomer & Patient Centricity (顧客&患者中心)
株式会社エムボックス 代表取締役CEO 金澤 大介 様(以下 金澤 様)
エムボックスがご提供している、「HIX」サービスでは、ご案内頂いたとおり、専門家という「プロ」が、AIとテクノロジーを活用して、顧客のペインに対応して解決してくれる、それも、すごい丁寧にやってくれているというサービスレベルを維持して、改善してご提供しています。
個別対応を基本としていますので、CRM=顧客の満足度=継続率を1つの指標として運用しています。そこには、しっかりとしたテクノロジー基盤やカスタマーサービスの考え方があって成り立ちますので、ここはとても大切にしています。
吉村:
購買後の体験というと、御社の場合はアプリでの診断ステップでユーザーさんとコミュニケーションし、ユーザーの課題と解決策を納得させる。そして、ケアのプロセス教育していくサービスをご提供されていると捉えています。
それも、単なるクイズ形式のヒアリングだけではなく、画像での診断判定をしていることで、客観性に基づく、納得性と、説得性がより深いと考えています。
その後、診断結果が出て、ケアとキュアーにナビゲーションしていく購買後の体験としては、先ほどの、自社プロダクトを購入していただくセルフケア部分と、クリニック受診のケアがあるのですが、顧客にとっての価値とか、ケアとキュアー位置づけは、どのようになりますでしょうか。
*補足
商品を購入することが、購買後体験とD2C系やB2C系の物販サービスでは定義されます。
今回、「HIX」ではセルフメディケーションサービス*ですので、アプリダウンロード・診断が、1つのメルクマールとしての購買体験になるとファシリテーターにて定義しています。
*WHO定義:セルフメディケーション
自分自身の病気や症状に対して医薬品やサプリメントの成分を使って対処や治療を行う行為。
金澤様:
「HIX」のサービスの顧客体験としては、「HIX」アプリと、第1類医薬品「HIX Minoxidil 5:ヒックス ミノキシジル5」などであることから、カスタマージャーニーとしては、結構上流のユーザーが対象となっている顧客=患者さんになりますね。
一方で、医療機関でのAGA診療として、飲み薬での薬剤治療をされて、「抜け毛抑制」の治療や、「抜け毛抑制+発毛」で毛量を増やすために、本格的に発毛治療をしたいという顧客=患者になります。ある程度薄くなってきたから発毛させたいという、「HIX」顧客やユーザーとは、顧客がもとめる目的や結果に差があります。
これは、顧客=患者さんにとって一番適切な選択をしていただきたいので、サービスとして揃えています。
どちらか、一方だけでは顧客にとっては優しくはないですね。
これから、「HIX」アプリユーザーが増えることや、第1類医薬品「HIX Minoxidil 5:ヒックス ミノキシジル5」購入顧客もご利用期間を経てくると診療への期待ニーズも高まってくるはずですので、顧客とともに「HIX」サービスも変化、成長していくと思っています。
今は、スタートアップでまだまだ事業の立ち上げフェーズです。「HIX」ユーザーさんがどのような「声」を出すのか、あとは「HIX」アプリの中も含めて、どういう購買・行動体験、利用体験というのを示していくのかをできるだけデータとして持っていくようにしています。それがないと結局、顧客サービスへの改善ができないと考えています。
顧客の心理的要因を考えて「診断」をしていただくために
吉村:
私自身の経験からですが、実際に「HIX」アプリを使って診断してみて、少し気になってたけどやっぱり自分これぐらい進行してたんだねっていう納得感とかショック感とかは、顧客の購買態様などでどのように表れてきますか。
顧客心理としては、
少し気になっていたけど
「あーやっぱり」
「えーそうなの」
「ホットした、まだ良かった。」
「医療機関に行けって言われた・・・」
ようなことですが。
金澤様:
薄くなってきたってとはわかっていたけど、実際に画像を撮影してみて、診断が結果が知らされました。
そうすると、「やっぱりね そうなのか」という、当然ですが、人としての基本的な心理環境は現れています。
受けてた診断結果が出たときに、「昔は・・・、まだ大丈夫だろうと思ったのに」などのように、その人にとって、結構強めの診断が出たときのショック具合のディープさは、その人によりけりだと思います。
やさしく、丁寧な診断結果をご案内しているのですが、判定はレベルになっているので現実的ですよね。
それが、顧客の行動として表れているのは、購買に繋がっているところだと思いますね。
アプリのユーザーさんの分析結果は、AからDまでの4通りで、Dに行くと一番進行しているのですが、やはり、Aの人よりもBの人の方が購買率は高いですね。
気付きがあるということと、インパクトが大きいということだと思います。
吉村:
はい。そう思います。私の気持ち的には、「禿てきたって言われた」「これは、対策しないと」「まだ何とかなる」って思いますね。
最近よくある、パーソナル診断でもセルフチェック型は、コスメやサプリなども含めて多くなりましたが、ヘルスケア系は、自分の回答に心理的なブレーキが掛かってしまって、主観的な回答、問診になりがちです。
しかし、「画像」があると客観的なので、初めてのインパクトになりますね。
これは、正確性と客観性を突き付けられてしまいます。だからこそ、何かをしなくてはという動機とアクションにつながりましたね。
金澤様:
そうですか。AGAクリニックでは、一般的にAGAの進行状態を医師による視診等で調べる「診断」を実施しています。「HIX」がその部分をアプリ化することで「セルフチェック」の敷居を下げていることも、サービス特徴になります。
そのためもあって、やはり「HIX」アプリのユーザーは、結構熱量の高く、自分の頭部の写真を2面(枚)も撮って上げて診断をされています。
これは、精神的にもストレスがかかる行為です。
なぜかというと、βアプリリリース直後は、アプリをダウンロードされるのですが、診断を実施してくれるユーザーが少なかったのです。
どうして、診断しないのだろうと何度かユーザーインタビューをして教えて貰ったことが、
「すごく現実を突きつけられる感がやばい」という、基本的なことでした。
それと、「診断が面倒くさい」というユーザーは、商品そのものを購入をされているという声もありました。
この、心理的ハードルを越えてきてるユーザーさんのためにも、「ヘアチェックするこういうメリットがある」ということで、背中を押してあげるようにしました。
3つのプロミスを大切にしている
「HIX」のスタンスとして、
- 不安をあおらず、お悩みに寄り添います
- エビデンスに基づいた商品だけを提供します
- 押し売りや勧誘は一切行いません
ということで、セールスへの不安面に関する、心理的障壁を下げたりしています。
ここが、ノウハウなのですが、撮影するストレスは、UIとUXで改善していきましたので診断率も向上しました。
6:顧客を一緒に開発しつづけるチーム&マネージメント体制
吉村:
お話をお伺いする中で、より強く意識するようになったのですが、御社の強みやはり今までのお話にも出てきている「顧客中心主義」ですが、言葉で言うことが簡単なのですが、それを実現していくチーム体制、経営体制についてお話をお伺いさせてください。
金澤様:
私たち、「エムボックス」のチームは大きくは三つの職種というか、バックグラウンドを持つメンバーで構成されています。
一つは、メディカル関係で、私自身も薬局と介護施設を経営しながら、薬剤師です。
COOの小西裕介は、皮膚科クリニックを経営していますし、それ以外のメディカルバックグラウンドを有するスタッフがいます。
もう1つは、ITエンジニアリングのメンバー
最後に、ビジネス&マーケティングのメンバー
がいて、それぞれに強い3種類のスタッフメンバーで構成されています。
ただ単にいるだけでは、「チーム」では無いので、相互に刺激的に、視座を変えてながら、指摘して、補完し合えていることが強みです。
たとえば、医療とかヘルスケアの内側にいると、外の人から見たときに、「こんなことをやっている無駄だと思うし、必要ないけど」ということが結構あります。
やはり、規制とかが強いために、それが自分の中でも、知らずに概念や価値や行動に固定化されて行ってしまいます。
昔で言うと「馬鹿の壁」みたいになってしまっています。
エンジニアとか、マーケティングメンバーからは、よく顧客視点で指摘されたりすることがあり、それが、「気づき」になっています。
コンプライアンスとして、医療の中でしっかりと守らなければいけないこと、顧客=患者さんの安全とか健康っていうのを大事に考えた行動は、このビジネスの源ですから、ここは、エンジニアとかマーケティングメンバーは、「ページェントセントリック」の概念や行動について、意識はあっても、知見と経験がまだまだ未充足だからこそ、メディカルスタッフが包括的にチェックしないといけないです。
本当に、いい意味で補完し合って、刺激をうけている毎日です。
「顧客=患者さんと一緒に、顧客=患者さんに一番いいものを創り続けよう」
というカルチャーを創り上げるために頑張っています。
吉村:
それぞれの視点、価値観から互いに顧客視点で意見や考え方を共有できる、チームって良いですね。スタートアップならでもあります。
顧客中心主義のUI/UXから表現される、「CRMデザイン」と、「運用チーム」の体制については、お話が尽きないのですが、今回はここまでにさせていただき、次回またより深い顧客インサイトについてお話をお伺いしたいと思っております。
ユーザーに寄り添いながらも客観的な視点を持っているからこそ蓄積できる顧客インサイトをベースに事業を組み立て実施展開されていることがお伝えできたら幸いです。
顧客インサイトを持ち続けることができるということは、事業の骨格なのですが、マーケティングやプロダクト開発などについて重要なファクターです。
ここをブレて、テクニックやギミックに走ってしまいがちなD2Cブランドを多く拝見していきました。
これを、相互にチェックできるチームはとても魅力的だと感じます。
*これを、テクノロジーでどう実現しているかは今回お伺いできませんでしたが、次回には必ず。
Google創業者のラリー・ペイジが言っていましたが、
「科学やテクノロジーをテコにして、世界に非常に大きなインパクトを与えられる機会がそこらじゅうにころがっている。君たち一人ひとりが個性に応じたそれぞれの機会を追求できる。君たちみんなが、そのことに興奮すべきだ」
を、実行されている会社だと思っています。
ありがとうございました。
「HIX」に興味を持たれた方、薄毛やAGAにお悩みの方は、是非、アプリをダウンロードの上、ご利用してみてください。
ダウンロードのリンク先はこちらから
Technology×MedicineでAGA(男性型脱毛症)のセルフケアを支援するAGA管理アプリ「HIX」
iOS版:https://apps.apple.com/jp/app/id1510520087
Android版:http://gateway.hix-selfcheck.com/l/jCDsTKrg
※Google Play、Androidは、Google LLC.の商標または登録商標です。
※iOS は米国およびその他の国におけるCisco社の商標または登録商標です。
掲載記事一覧
エムボックス、育毛剤の購入前後を比較できるアプリ AGAのセルフケア市場にリーチ 【日本ネット経済新聞】
エムボックスは、AGAの管理アプリ「HIX(ヒックス)」を提供している。AGAに悩むユーザーは、アプリを通じて、自分に合ったAGAのセルフケアを行うことができる。アプリでは、医薬品の育毛剤の販売も行っている。同アプリでは、育毛剤の購入者が、購入前後で、効果を比較できる。
エムボックス、育毛剤の購入前後を比較 ...
【マイナビニュース】
エムボックス、育毛剤の購入前後を比較できるアプリ AGAのセルフケア市場にリーチ
【ドコモニュース】
プロフィール
株式会社エムボックス 代表取締役CEO 金澤大介氏
武田薬品工業株式会社にて、マーケティング、営業等に従事。同社退社後、株式会社キュアアップにて禁煙アプリの法人向けサービス立ち上げに参画する傍ら、家業の薬局・介護、介護福祉施設を経営。医療・ヘルスケア業界において、複数業態での経験を通じて、テクノロジーを使って患者さんに寄り添ったサービ<スを届けたいと考え、エムボックスを創業。早稲田大学MBA修了、薬剤師。
【ニュースリンク先】
■エムボックスからのプレスリリース Prtimes.jp
国内初のAGA※管理アプリ「HIX(ヒックス)」を運営する株式会社エムボックスが株式会社ジェネシア・ベンチャーズ守屋実氏からシードラウンドでの資金調達を実施
※男性型脱毛症
国内初のAGA※管理アプリ「HIX(ヒックス)」を運営する株式会社エムボックスがジェネシア・ベンチャーズ、守屋実氏からシードラウンドでの資金調達を実施 ※男性型脱毛症
■日経新聞
男性型脱毛症(AGA)対策のアプリ開発や関連サービスを手掛けるエムボックス(東京・中央)は
<ファシリテータープロフィール>
代表 吉村 典也
やずやグループの「基幹CRMシステム」外販導入サポート業務委託を通じて出会った事業者とのコミュニケーションと課題を通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2Cビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
アドバイザー
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
大手通販グループの「単品リピート(サブクリプション)/通販基幹CRMシステム」外販・導入サポート業務を通じて出会った事業者とのコミュニケーションを通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2C(DTC)ビジネスにはチャネルとしてではなく、「顧客中心」としてのホネストビジネスとして、再成長の可能性、未知のカテゴリー、オムニチャネルコミュニケーションからのオムニチャネルコマース体験がある、それを支えるコマース事業者のインハウス化が必要であること、そして柔軟に迅速にその業務を支持・運用できる、MACH・コンポーザブルタイプのシステムを広めることが大切と確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
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