D2C/Eコマ―ス/OMOで、パーソナライズが大切な理由 Part-04

D2C・eコマース・OMOで顧客購買後体験で、パーソナライズが大切な理由 Part-04

D2C・eコマース・OMOで顧客購買後体験で、パーソナライズが大切な理由 Part-04

西間木

これまでの
Part01 パーソナライズとは
Part02 パーソナライズの設計・運用のポイント
Part03 パーソナライズは、顧客購買体験にとってのメリット
についてお話を進めてきました。今回は、顧客の購買心理や態様をウオッチしてより適切な顧客購買体験の提供の仕方について深堀していきたいと思っています。

このパートでは引き続き、購買体験でのパーソナライズの役割について、顧客の行動に参考に振り返っていきましょう。

顧客購買体験の評価は、心・心理テーマでもある。

吉村:

ビジネスは合理的思考が重要と思われていますが、物を買うことを含め、人が行動するのは

「心」

を動かされたときです。
iPhoneを持つのは、有能で、かっこいい、とかに見られたいからで、それが合理的な判断だからではないですよね。購入理由はいろいろとは展開はしますが。
GAFAMを始めとするテック企業は、人の「心」をコントロールすることに長けているとも言われています。

購買の喜びの原動力はドーパミンかも。

吉村:

良く知られたことですが、私たちの脳内にはドーパミンという化学物質があり、ドーパミンは、脳内のニューロン間で情報を伝達する物質で、
「気分がいい」
神経伝達物質だと言われています。

ドーパミンがこのように呼ばれるのには理由があります。欲求を満たすために大好きな食べ物を食べたり、ソーシャルメディアの投稿に「いいね!」を押してもらったりするなど、特定のことが起こるとドーパミンが分泌されます。ドーパミンが放出されると、強い満足感と快感が得られます。買い物も、ドーパミンが分泌される感覚を引き起こす活動のひとつです。買い物をしたときに感じる強烈な満足感は、この快感物質が大量に放出された結果だと言われています。
これは、以前の対談記事コラムでお話したように、顧客の購買後の体験をサポートしてロイヤリティプログラムをキックして展開するコミュニケーションステップでも同様のことをお話しています。

「リテールセラピー」とはどのような行動感覚でしょうか。

西間木:

では、顧客購買体験に添って行動心理面とパーソナライズとの関係についてお話を進めていきましょう。よろしくお願いします。

曽川:

購買行動について、検証されている行動心理があります。
リテールセラピー:Retail Therapyという行動心理です。成長を続けるオンライン・ショッピングやeコマースに対して、リアル実店舗ならではの魅力や意義も見直されています。なぜでしょうか? 

顧客購買行動トレンドとして、

「そもそもお店でお買い物すること自体に気持ちを幸せにする効果がある」

ということです。(Retail Therapy、リテール・セラピー、小売心理療法)

しかも、それは購入しているとき、した後だけに起こることではありません。
これは、顧客が購入を検討している時点から効果を発揮し始めています。それは、顧客が見ている対象物:商品を所有したときの気分と、それを利用した際の周りからの評価を期待して、想像するからです。
そこに、お得な情報や、個人的な思い入れのある商品の勧めなどが加わると、効果は格段に高まります。
それに、割引という価格、●●無料という費用面で、背中を押すことが加われば購買アクションを起こすスイッチを入れるには、これほどの強材料はありません。
これらの、購買プロセスを思い出していただけば、このリテールセラピーという言葉がよく使われるようになったのも当然のことと納得できるはずです。

D2Cマーケッターにとっての意味

吉村:

人間の行動の原動力でもある、脳はドーパミンをご褒美と体感していくと言われています。言いかえれば、その体験を幾度も繰り返すことを促していることになります。ご褒美を求めることや、その刺激は常習化と強化されていきます。これは、個人の行動を確立するものの1つになっていきます、わたしたちは、こうして自分が満足するという経験に引き寄せられていると言われています。

マーケティングにおいては、このドーパミン効果を利用しているわけですよね、それは、顧客とのポジティブで持続的で、顧客とやりがいのある関係を構築していくことです。

マーケティングコンテンツがパーソナライズされればされるほど、その個人にとって、購買体験からのご褒美という刺激を思い出してくれるものなので、コンテンツとコミュニケーションの意味を理解しているので、行動をとる価値のあるものとなる可能性がより高くなります。

西間木:

これは、買い物依存症を助長するような、安っぽいマーケティング上のトリックなのでしょうか?

曽川:

いいえ、その逆です。テレビショッピングとか、リアル店舗でのバーゲンとかでの購買行動とは違い、デジタルチャネルは、顧客自身がしっかりとコントロールできるようになっています。

ドーパミン効果みたいな人が有しているプロセスを活用することは、ブランドが適切なタイミングで関連性の高い価値あるコンテンツやオファーを提供しない限り効果は期待できませんし、フィットしていなければ、逆効果になりますので、ますます難しくなっています。

西間木:

なるほどですね。だから一方で高揚感を活用した、LIVEコマースとかへのシフトが移ってきているということでもありますね。これってパーソナライズの対極みたいなものですものね。
テクニックとしては、タイムライン上でネームを使って語りかけるようなアオリは可能ですけど。

LIVEコマースでの購入体験の顧客は再購入のCVが低いとも言われていますしね。

曽川:

わたしたちは、クライアントである、D2Ceコマースブランドが顧客の欲求を正確に把握するためのサポートを行っています。
インテリジェントなプラットフォームは、データを活用してパーソナライズされたダイナミックなマーケティングキャンペーンを行うことが1つの目的です。
敢えて強調するなら、モバイルカスタマーエンゲージメントを最適化するお手伝いでもあります。
顧客が必要としているもの、欲しがっているものを結びつけることで、顧客の日常生活を豊かにするための、コンテンツとコンテキストを、メッセンジャーや、サイト上のLPで提供することです。
これを、ブランドのマーケティング担当者をはじめとするスタッフのみなさんと一緒に自立化するために一緒に考えて設定して運用しています。

*シナブルでは自立することを前提の導入・運用支援が基本ですので少しでもご関心があればお気軽にお問合せください。 

EC Intelligence パフォーマンス

顧客の購買体験でアクションと満足をもたらすデータの活用

吉村:

パーソナライズのコミュニケーションで、顧客の購買行動への効果がどのようなものか、そしてそれがどれほど強力なマーケティングツールであるかがわかったところで、次の問題はそれをどのようにして引き起こすかということです。

その答えはシンプルです。データです。

曽川:

一般的に知られているものでは、顧客の好み、過去の行動、人口統計など、あらゆる種類のデータが含まれます。また、位置情報、天候、地域などのイベントなど、コンテクストデータや環境データも考慮する必要がある場合もあります。
ここで重要なのは、これらのデータを統合して、顧客が誰であるかを正確に示す「肖像画」を作成することです。そうすることで、適切なメッセージを適切なタイミングで提供することができます。メッセージングが最も重要な顧客の購買体験をデザインしていくポイントの1つであるからこそ、D2Ceコマースブランドはパーソナライゼーションを活用する必要があるのです。

吉村:

一般的に、顧客は強引なセールスを好みません、これをやりすぎたために、オフライン通販は衰退しているのだと思っています。
また、オンラインでも心理的には正しいのですが、ギミックを活用した、LPやアフリエイトが効果があることは間違い無いです。

顧客は、購買体験のサポートを選択する前に、D2Ceコマースのブランドについて知ることを楽しみにしていると感じていました。
だからこそ、
・顧客の課題解決の先にある付加価値のイメージを与えたり、
・エビデンスなどの情報を提供したり、
・クイズやアンケートなどを通じて知らない自分を見つけたり、
・確認できたり、
・楽しませたりする
コンテンツが好まれてきました。

このような知識を身につけたD2Ceコマースブランドは、
・顧客が何を求めているかを正確に把握できるようになっていくはずですし、
・顧客ライフサイクルの各段階でデータに基づいたインテリジェントな意思決定を行えるはずです、
なぜなら、今年より来年は必ず1歳は人生を積み上げているということは、その分、体験と価値が積みあがっていますし、顧客の周りも1歳積みあがっているということです、それらに合わせての行動を促してコンバージョン率を高めることを目指すべきです。

パーソナライズに関係する分析の一部を紹介します。

曽川:

前回の対談でもお話していますが、過去のレポート作成に工数をかけて、過去を評価、振り返っても、将来価値は産まれません、分析から次のアクションを導き出すかです。

データ重要とお話している中で、ではどんなデータなのか、どう活用するのか、活用するには、分析にはどのようなことを期待するのかについてご紹介出来ればと思っています。

トランザクションアナリティクス。

リアル店舗のPOSシステム、モバイル決済、eコマースのチェックアウトなどのデータを分析することです。これらのデータを用いて、顧客の購買行動を理解、予測、再購入への影響を与えることが可能となります。

一番、わかりやすい事実のデータですね。

デジタル&オフラインキャンペーンのROI分析。

マーケティングキャンペーンのパフォーマンスを測定するROI分析はみなさんお得意だと思います。
ここでは、サイト、アプリのアクティビティ、オファーや特典などへのアクセスとチェンジレート、トレイとバスケットの購買価値の推移、ロイヤリティの状況、顧客のパーソナルデバイスのインタラクションなどのデータなどを収集します。

これにより、デジタル&オフラインキャンペーンのどの部分がうまくいっていて、どの部分を改善する必要があるかをピンポイントで把握することが目的で、顧客にとっての最適なタッチポイントとタイミングを推定、修正できます。

セグメンテーション・アナリティクス。

データは、顧客の類似点や相違点がわかるようにするデータに整理することが重要ですね。
パーソナライズをして、ロイヤリティプログラムで、コミュニケーションパフォーマンスの高いグループには、何が特徴的で、何が有効かなのかを知ることで、
・その他のグループにもそれを適用するのか、しないのか、
・アジャストするのか、
・全く別のコンテクスト、CXにするのか、
・類似するであろうグループに分割したり、合体させたりして、
そのグループに向けたアクションを設計して、実行できるように、データからの貢献している要因を「見えるか」できるようにすることですね。

あらゆる顧客に価値があるのは当然ですが、セグメンテーションを利用すれば、最も収益性の高いROIを迅速に達成できる顧客を容易に特定できるようになります。システムで様々な方法でデータ分析の設定をするはずです、分析結果のデータセットから、顧客セグメントを作成していくことになります。また、オーディエンス同士の差異を理解することもポイントですね。

データは、先ず第一には

①顧客(期待)生涯価値:CLV ですね、

次には
②ロイヤルティ
ロイヤリティプログラムと合わせる形で指数化してセットします。

③購買行動
はポジティブファクターについては説明する必要がないと思っています。
寧ろ、否定的な行動をデータとしてみることです。

④応答性
ログイン頻度、サイトで費やす時間は、コマースサイトやアプリで多くの時間を費やして頂けているということです、これは、顧客にとって価値を生み出していることを示していると捉えています。これは、ロイヤリティプログラムでのゲーミフィケーションを導入していても指標としては有効です。

⑤コミュニケーションへのエンゲージメントレベル
などの顧客アクションをみることですが、これにもポイントがあって、アクティビティが欠如し始めたことを「見えるか」することです。

⑥接続性
各種コンバージョンなど
エンゲージメントの状態に基づいての利用頻度で、頻繁にコンテンツアクセスする顧客が気に入っている商品やコンテンツを新規顧客に紹介・提供する可能性も高い傾向があります。

⑦ロケーション
リアル店舗に限らず、移動データはある意味重要ですが、すべてがトラッキングできるわけではないので他のサービスとの連携サービスの登場が期待されますね。

⑧メディア嗜好など、
さまざまな顧客セグメントに関するリアルタイム性のあるなしに限らずインサイトを提供してくれます。

継続的な11のセグメンテーションに役立つように、コンテクストに基づいて、データをインプットし,それをもとに仮説/検証を繰り返しながら、予測分析や意思決定の精度を変化させて、学習して向上していくコグニティブアナリティクスがポイントです。

吉村:

そうですね、顧客はとどまっているわけではないので、絶えず変化していることに気づくべきですよね。
例えば、従来の単品リピート型では、RFで顧客を分類していましたが、これはこれで有効ですが、このデータ視点だけでは顧客が見えていないので、施策が細断化されて複雑化していくことが多かったですね。

西間木

ありがとうございます。
次回、Paet05はパーソナライズについてのまとめになります。 

D2C/Eコマ―ス/OMOで、パーソナライズが大切な理由 Part-05

こちらのコラムに対する、ご意見・リクエストお待ちしております。

  株式会社シナブル クライアントコミュニケーション&マーケティング部 部長
曽川 雅史(そがわ まさふみ)
<span>株式会社シナブル クライアントコミュニケーション&マーケティング部 部長</span><br /><span>曽川 雅史(そがわ まさふみ)</span>


大阪本社のクラウドCRMベンダーにて法人営業でトップセールスを達成後、同社のWebマーケティングを担当。子会社では広告事業の立ち上げに奔 走。その後2年間の個人事業主期間を経て、福岡本社のWebコンサルティング会社へ入社。大手企業への法人営業に従事。2020年シナブル入社。これ までの経験を活かし、EC売上を向上するための顧客分析と施策提案を行っている。

 

株式会社富士ロジテック
通販営業部 部長

西間木 智

物流会社で20年経験し、直近8年間はB2C物流に携わり、取扱い商材も「アパレル、BAG・靴、輸入商材、食品、化粧品、健康食品、コンタクトレンズ、ファングッズ」など多品種でEC物流を経験。昨年からD2C_EC事業者が増えてきているので購入体験を物流側でも実現し事業者の施策(UX/CX)を一緒に考え購入者のファン化する活動を啓蒙している。EC事業者の売上を上げるために通販支援事業社として常に事業者・購入者目線で新しい仕組み構築を提案している。

 

ファシリテータ:

吉村 典也

吉村典也_note

日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通販、Eコマースの事業運営・CRM運用・フルフィルメント運用のアドバイザーからBPO受託までを担ってきた。OMOシステム設計・運用の視点まで含めて事業会社ととも一緒にグロースしてきた。

現在は、やずやグループの基幹CRMシステムの外販のための導入サポート業務委託を終え、そこで出会った事業者とのコミュニケーションから、まだまだ、日本のDNVBビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。