物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
Written by
株式会社富士ロジテックホールディングス
通販営業部 部長
西間木 智
SHEINが採用しているビジネス要素を次の分類で分解して、それを提供するスタートアップを探索・検証することでインサイトを得ていきます。
#4 物流・返品システム について探索していきます。
- #1 インフルエンサー
- #2 ロイヤルティ システム
- #3 オンデマンド生産・再販システム(RaaS)
- #4 物流・返品システム
- #5 3Dデザインモデリング
- #6 AIを活用した検索&レコメンドエンジン
- #7 需要予測と在庫最適化
- #8 Z世代リサーチ
- #9 Trend:トレンドサーチ&ウオッチ
- #10 バーチャル試着
- #11 トレーサビリティテック(生産・流通履歴の追跡)
- #12 アップサイクル & リサイクル素材
D2C・eコマース・オムニチャネルコマースを提供している小売事業者は、オンラインとオフラインで顧客を引き付ける新しい方法を模索しつづけてていきます。
そのためには、購買体験・前と後のデザインと提供がとても重要になります。
購買後体験をデザインするための要素技術の1つがサプライチェーンとそれを支える物流テクノロジーになります。
物流システム
SHEINは、世界150カ国以上に発送され、実店舗はありません。(POP-UPはありますし、NYやダラスでは購入もできます。日本とは違います。)
中国南部の広州にあるサプライヤーとメーカーの「広範なエコシステム」から製品の多くを調達していますが、ライバルである JD.com やアリババとは異なり、SHEIN は母国である中国本土では販売はしていません。
(それは、中国では当たりまえの商品とビジネスモデルだからです。)
代わりに、米国とヨーロッパ (英国、フランス、ドイツ、スペインを含む) を主要市場として、欧米の視聴者をターゲットにしています。市場の完全なリストはどこにあるのでしょうか。
中国からの発送
トレンドを追ってサイトにデザインを追加するのは早いかもしれませんが、それらを顧客に届けるには時間がかかります。
たとえば、アメリカや、イギリスでは、顧客の「受け取り時間」は、注文処理時間 (1 ~ 3 日→これを見落とさないでください。) と発送日数の時間がかかります。エクスプレス配送時間は 1 ~ 7 日です。
標準配送およびクリック アンド コレクトは 13 ~ 14 日です。
日本なら、1月15 日 日曜日(本日限定:送料無料)で
配送方法 お急ぎ便
配送時間 20/01/2023 - 25/01/2023に配達と推定されます。(5日から10日)
送料 送料無料
そして、45日以内の返品は無料です。
個人輸入税制を活用した関税・消費税の回避は「SHEIN」の安さの一翼を担っています。米国では16年に800ドルまでの個人輸入が免税となって以来、爆発的に拡大しています。
日本でも課税対象額1万円(商品代金で16,666円)以下は免税になります。
「SHEIN」の商品なら関税も消費税もかからないですし、SNSやアプリなどのキャンペーンで割引クーポンが常時取得(ゲームフィケ―ションはしていますが、実質は悉皆です。)できますので、必ずこの免税金額になるように設定されています。
輸入関税(衣料品の98%は海外生産)も消費税も負担して対抗する国内のアパレルブランドは価格では太刀打ちできるはずもないことは、日本でもアメリカでもEUでも同じです。間違いなく叩かれると思います。
「SHEIN」は生産地の広州から安価な国際郵便小包で各国の消費者に直送しています。
日本の、高コストな国内倉庫から高い料金の宅配便(これからまだまだ上がります。だからこそオムニチャネルコマースフルフィルメントが重要です。)で届けるEコマース事業者に比べてみると、国際郵便を活用するから、物流費も半分以下で済みます。
そして、SHEINが現在検討しているのは、成長市場に近い市場でどのように生産できるかについてのパイロットプロジェクトであり、それにより世界中の消費者に届くまでのリードタイムが短縮される可能性があるとのことです。
また、成長市場でのフルフィルメントロジスティックセンターの開設や、新規での設置準備も初めています。
SHEINが採用しているビジネス要素で
サプライチェーン&物流テック
での、物流・返品システム関連のテクノロジーを提供するスタートアップのサービスを探索・検証してみます。
サプライチェーン&物流テック
リバースロジスティクス(返品・交換・回収)
どれだけ、PDPを詳細にしても、AR・VRや、オンラインコンシェルジュや、Quizでキュレーションなどでサービスを提供しても、オンラインでの購入では返品・交換は避けられません。
なぜなら、リアル店舗でも返品は”0”ではないからです。リバースロジスティクスに関して言えば、企業は返品・交換をより費用対効果の高い「顧客購買体験」にして、無駄を省くことだけではなく、収益化を目指しています。
RaaSサービスを提供する企業は、返品を、顧客、スタッフ、パートナーの各ワークの混乱から抜け出すためにさまざまなアプローチを取って提供しています。
ある企業は購買顧客向けのソリューションを提供しています、他の企業は主にバックエンドで小売事業者と協力しています。
Narvar
https://corp.narvar.com/jp/
プラットフォームでは、トランザクションコミュニケーションを活用した、一貫した注文追跡やタイムリー通知、返品対応やカスタマーサービス等を、ウェブ、モバイル、Eメール、SMS、Facebookメッセンジャー、Googleアシスタント等、様々なオムニチャネルコミュニケーション方法で顧客とコミュニケーションを取る事を可能にします。
*Navar Japan のサービス対談はこちら
Post Purchase:購入後体験の改善 Narvar
Narvar の購買後体験で、返品・交換を収益化する方法
Loop
Souce:https://www.loopreturns.com/
リターンをコスト センターからプロフィット センターに変換します。
- 01:顧客が 製品の適切なバージョンを見つけられるようにする
- 02:失われた収益を 新しい売上に変える
- 03:ボーナス クレジットと戦略的な配送料を使用して交換を促進する
- 04:Instant Exchanges でロイヤルティを促進
- 05:払い戻しと一緒にクレジットを提供することで、より多くを保持します
UIデモはこちらから
https://www.loopreturns.com/how-loop-works/
ロジスティクスサービスも提供しています。
在庫をより早く取り戻して再販売します、返送料を節約し、顧客に感動を与えます。
1:返品送料 よりスマートに提供します。
2:リターン先をコントロール
オペレーション チームは、返品された商品の最終的な行き先を完全に制御することができます。
- 東海岸のハブ
- 西海岸3PL
- カナダのDC倉庫
- 配送センター
- 修理センター
- サードパーティ ベンダー
- 寄付センター
などに送ることができます。
Optoro
Souce:https://www.optoro.com/
ビジネスのあらゆる段階に対応するオールインワンの返品プラットフォーム。
ミッドマーケットからエンタープライズ、さらにはそれを超える返品を処理するように設計された、完全なソリューションで開始して拡張します。
返品の顧客体験
パーソナライズされた、完全に構成可能な返品エクスペリエンスで顧客が戻ってくるようにします。
返品管理
AI を活用したテクノロジーにより、受け取り、仕入先への仕分け、フルフィルメントを当社またはお客様の施設で自動化します。
リコマース
返品された商品をチャネルに即座にリストアップするか、独自の B2B マーケットプレイスである BULQ® で販売します。
ReturnLogic
Souce:https://www.returnlogic.com/
機能と返品ソリューションはどのプラットフォームでもほぼ同じです。
カスタマー サポート チーム・時間を取り戻す=自動化
あなたのカスタマーサポートチーム休憩し、カスタマイズされた返品センターを使用して、顧客が自分で返品を処理できるようにします。
倉庫および運用チーム・すべてを見えるか=可視性
あなたのことを確認してください倉庫と運用チームすべての返品の正確なステータス、状態、場所を把握しています。
エグゼクティブと経営陣・返品を最適化=データ
あなたを助ける経営陣どれだけのリターンが収益に影響を与えているか、そしてそれに対して何ができるかについての洞察を得るために。
revers.io(フランス)
Souce:https://revers.io/
返品体験をデジタル化するRevers.io
Revers.io の動的な返品ポータルは、強化された返品エクスペリエンスのおかげで、リピート購入率を増加させます。
- ✔コンバージョン率の向上
- ✔ 顧客ロイヤリティの向上
- ✔高度 な E コマース管理
- フィードバックをビジネス資産に変える
- 顧客獲得コストを改善する(ロイヤリティとCLTV)
- 情報の宝庫リターンデータ
- #360°トレーサビリティ
すべての流通チャネル (e コマース サイト、市場、店舗) を接続して、顧客と従業員の満足度を高めます。
# データの収集
データを収集することにより、プラットフォームでは次のことが可能になります。
- 商品カタログを改善する –返品の 22% は、受け取った商品と Web の説明との不一致によるものです
- 完全な FAQ を書く – カスタマー サービスへのメッセージを減らす
- 返品よりも交換を優先する
- マージンをコントロール
は基本です。
リセール・アズ・ア・サービス(RaaS)
パタゴニア(Patagonia)やナイキ(Nike)などのファッションブランドでは大規模な再販を取り入れるようになっています。
これはサービスとしての再販、再販システム(RaaS)(リセール・アズ・ア・サービス)という新しい業界の台頭によって促進されています。
トローブ(Trove)、アーカイブ(Archive)、スレッドアップ(ThredUp)といった企業は再販ビジネスを運営する上でのあらゆる問題に対処できる完全なパッケージを提供しています。
返品・交換から生れた商品は、グレーディングをして最適なマーケットで販売することも重要な施策です。
これは、収益面での拡大をもたらすことになります。この返品・交換のプロセスに、回収のプロセスを付加して「古着」という商品・マーケットカテゴリーを自社のコマースサイトで展開するメリットをブランドは得たということです。
次回は #5 3Dデザインモデリング はこちら
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監修者
株式会社富士ロジテックホールディングス
西間木 智 / 通販営業部 部長
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービスの提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。 事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
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