日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
Written by 吉村 典也
D2Cブランド/eコマース・小売事業者(Shopify ではマーチャント)にとって、アップセルと「オンライン衝動買い」は、すでにブランドとして収集しているデータを活用する自然な施策の方法の1つです。
豊富な顧客データとショッピングデータを実用的に、顧客の購買動機へのインサイト:洞察に、コンバージョン:変換することで、顧客にとって有意義な衝動買いを簡単に行うようにすることができます。
(レコメンデーションですね。)
目次
- 分析とパーソナライズがeコマース衝動買いを促進する方法
- ダイナミックアップセルとクロスセルを活用する方法
リアル店舗では、多くの実体験と施策が充実しています。衝動買いと科学的なアップセル施策がテンプレートとしてあり、実行されていることはみなさん体験済です。
*益々、アジャイル過激になってきています。
*オムニチャネル・OMOのビジネスモデルのコンセプトもこちらが基点ではあります。
顧客は衝動買いで追加の購入費用を費やしていますが、気づいていないかもしれせん。(クローゼットとドレッサーを見るまでは)
棚(シェルフ)の配置からエンドキャップやチェックアウトディスプレイまで、対面での買い物は衝動買いの地雷原で埋もれていることは経験済かと思います。
商品の配置(ディスプレイ)を工夫することで、最小限の労力で小売事業者に莫大な収益をもたらすことを経験しているからこそ、リテールテックが発達してきているのです。
DNVBとその一カテゴリーDTC/D2C 3.0ブランドにとっては、eコマース環境でアップセルを実装し、収益をさらに高めることができるということでもあります。
イントロダクション
オンライン商品は、eコマースストア内でフィルタリングまたは非表示にすることができます。
つまり、顧客は実店舗のように最初は買い物の対象として見ていなかった商品を、偶然に見て購入することはありません。
しかし、デジタルコマースの事業者にとって、クロスセリングとオンライン衝動買いは、すでに収集しているデータを活用することから考えると自然な施策です。
目標は、すべての顧客に同じスタイルと色を推奨(リコメンド)することではなく、
将来の潜在的な購入をよりよく理解し、
顧客の個々の好みに合うトレンド商品を含めてコミュニケーションすることです。(オファーではありません)
- 過去の購入に基づいた商品の推奨(レコメンド)事項と
- 予測分析を使用して
- 他の顧客の同様の購入に基づいて
- その顧客にアピールする可能性のある商品を最適に提示します。
UX:ユーザーエクスペリエンス、分析、パーソナライズ(マーケティング)、AI、動的コンテンツを活用して、アップセルやインパルス購入(impulse buyer 衝動買い)のためのeコマースサイトを設計します。
eコマースプラットフォームを活用して、顧客が購入したい商品をチェックアウト前に顧客が目にする場所に配置する施策や方法は次のとおりになります。
分析とパーソナライズがeコマース衝動買いを促進
購入された商品ボックスで満たされている、デジタルアイコンのミニチュアショッピングカートは、eコマースでの「アップセル」に前に表示されていて、サイトに配置されています。
eコマースで「クロスセリング」や「アップセル」を行う場合には、顧客が誰で、何を望んでいるのかを、先ずは知る必要があります。
これは単純・簡単に思えますが、顧客を真に理解するために必要なデータを取得することから始まります。
多くのeコマースプラットフォームでは、
- 商品へのアクセス
- カートへの追加
- チェックアウト
- チャットボット
- AI:人工知能(artificial intelligence)
- VR:仮想現実(Virtual Reality)仮想スタイリスト支援などのサービス
は、購入とアップセルを促進するだけでなく、正しい服のサイズを選択して、返品・交換のプロセスを減らして、最終的に収益を増やすためにも活用できます。
*コスメならカラーマッチや診断など
しかし、リアル店舗でShoppingしている顧客と同じように、商品リストにアクセスしてからチェックアウトするまでの間に多くのアクティビティが発生しています。
コマースサイト上のすべてのアクションをキャプチャできるコマースプラットフォームは、分析のためにスライスおよびダイシングできる大量のデータを提供してくれます。
*ドリルダウン、スライシング、ダイシングという3つのデータ分析操作により、データの多次元的な分析を行います。
(1)ドリルダウン(次元に沿った展開と集約)
ドリルダウンは、ディメンションの階層にしたがってデータを掘り下げる操作です
ドリルダウンの反対で、より上位の階層に戻る操作をドリルアップと呼びます。
(2)スライシング(次元の切り出し)
スライシングは、データの対象を絞り込む操作です。
(3)ダイシング(次元の切り替え)
ダイシングは、さいころ(ダイス)転がす(ダイシングする)ことによって、目に見える面を取り換える操作です。
たとえば、Air360などのSaaSシステムでは、すべてのユーザーアクションを追跡し、それを読みやすい情報に変換して、誰もが意味のある決定を行うためにまとめることができます。
*この顧客分析だけに絞ったものでの顧客構造の診断や
*それを利用しての、コミュニケーション施策の実施と改善のするツール:EC-Intelligenceのご相談はこちらから
このデータを入手できたら、アップセル施策を構築し、オンライン衝動買いを引き起こす可能性が最も高い商品を選ぶことができます。
選択を制限することで、顧客が、商品SKU数から圧倒されて、見るのすら諦めるのを防ぎ、データを活用して、時間の経過とともに選択肢をテストしておよび最適化(パーソナライズ化)できます。
ダイナミックアップセルとクロスセルを活用する
商品を自然なアップセルまたはクロスセルとして識別することから始めるのは良いことですが、それだけでは十分ではありません。
顧客はオンライン購入についてより意図的(目的的でもあるし、恣意的でもある)になっているため、小売事業者は顧客に対してより良い、より意味のある提案を必要としています。
アップセル施策をレベルアップするいくつかの方法は次のとおりです。
- 購入プロセス中の複数の場所に表示される可能性のある動的な商品バンドルを作成します。
- 在庫切れのアイテムは自動的に変換して非表示にするか、ウィッシュリストに追加するように求めます。
- セグメントを構築し、これらのセグメントに提供する商品を深くパーソナライズします。
オンライン小売事業者は、eコマースでアップセルを実装するときに固有の課題に直面します。
ウェブサイトのリストは、顧客が他の何か別のSKUにスクロールする前で、顧客の注意を引くのための時間・タッチポイントは、ほんの数秒しかありません。衝動買いはリアル店内と同じようにオンラインでも実行される可能性があります。
意味のあるデータを追跡および分析することにより、アップセルの方程式から「ウン・ドン・カン」を排除していきます。
商品バンドルを作成するときは、テストとセグメント化を行って、各顧客に適したオプションを個人的に見つけていきます。そして最後に、UX:ユーザーエクスペリエンスを優先して、楽しくて、ストレスのない方法で衝動買いを顧客に提供することが顧客購買「前」体験・購買「後」体験」としては重要です。
衝動買いする理由
顧客を衝動買いに駆り立てる商品を特定するには、購入の決定に影響を与える可能性のある主な要因を知っておきましょう。
楽しみ。
顧客は、喜びと元気を与える商品を衝動買いする可能性が高いです。
顧客がプレッシャーにさらされている、疲れている、または仕事に追われているとき、特に悪い環境または怠惰な日に効果的です。
FOMO :その瞬間を失うことへの恐怖。
FOMO は消費者に大きな影響を与えます。
期間限定のオファーやカウントダウンを伴うオファー、それは、より少ないお金で何かを手に入れることができるという考えは、この感情を強めてくれます。
セール。
セール価格は衝動買いの88%に影響します。
セール商品は、割引価格で手に入るお得で嬉しいボーナスだと顧客に思わせています。
気に入らないことはありますか?多分ないはずです。
*二重価格のギミック
ポイント還元セール
などの施策はよく知られています。
中毒と習慣。
顧客が毎朝コーヒーを飲むなどの習慣を持っている場合、または喫煙などの依存症がある場合、顧客は無意識のうちに 2 倍の頻度で購入しています。
*サブスクリプションコマースが顧客にとっての利便性を発揮する理由です。
ケーススタディ
アパレル・ファッション・アスレジャー
アパレル・ファッションは、顧客の衝動買い象徴です。リアル店内や最新のコレクションで何か新しいものを購入したくなるかもしれません。
50% 割引は顧客にとって危険信号です。この購入アクションをさらに魅力的にしてくれます。
コマースサイトで、パーカーを購入する意思があった場合。
顧客は、ブランドがコディネートを完成させるためにレコメンドする帽子、手袋、またはズボンを衝動買いすることを抵抗することはほとんどできないかもしれません。
靴・シューズ
1 ペアでは決して十分ではありませんよね。
ハイヒールとローヒール、靴ひものありとなし、赤とその他の色のソールってクールじゃないですか。
雨、雪、暑い、寒い、または特別な日ならどうしますか。 見栄えを良くし、あらゆる状況に備えることが顧客にとっては重要なようです。
さらに、お気に入りのブランドがウィンウィンの取引や、配送、返品ポリシーに関する特別な条件を提供する場合、抵抗するのはとても困難になるようです。
ナイキは、顧客にほとんどのモデルで 30% の割引を提供するだけでなく、60 日間の無料返品も提供しています。有利な条件でブランドの靴をもう 1 足手に入れることを控えることができるのは誰でしょうか。
食料品・ニュートリション・サプリメント
「1 つ買うともう 1 つ無料」という空腹感、さまざまな特別オファーが、衝動買いを急いで決定する顧客の意思を強めます。
食料品売り場にある商品のリストに目を通してみると、ショッピング カートに追加の商品を追加したいという誘惑に駆られます。
多くの特別オファーと配送オプションが利用可能で、より多くの購入を刺激します。
でもこれは、経済的合理性にはかなっています。まとめ買いは相互にメリットがあります。
美容商品:コスメ・セルフケア
顧客が行う最善の投資先は、自分自身です。
美容商品はそれを行う最もシンプルで身近で永遠の方法です。
顧客は、魅力的な広告、パッケージ、またはディール:取引があるという理由だけで、衝動買いのアイテムに一定の金額を費やす可能性がとても高くなります。
Sephoraは、顧客がより多くの買い物をし、結果としてより多くのものを手に入れるように誘導しています。このブランドは、衝動買いを利用してコマースストアの AOV を増やす絶好の機会と施策に満ち溢れています。
これからも、購買体験をデザインする施策シリーズをご案内していきます。
リクエストもお待ちしております。
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発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
アドバイザー
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
大手通販グループの「単品リピート(サブクリプション)/通販基幹CRMシステム」外販・導入サポート業務を通じて出会った事業者とのコミュニケーションを通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2C(DTC)ビジネスにはチャネルとしてではなく、「顧客中心」としてのホネストビジネスとして、再成長の可能性、未知のカテゴリー、オムニチャネルコミュニケーションからのオムニチャネルコマース体験がある、それを支えるコマース事業者のインハウス化が必要であること、そして柔軟に迅速にその業務を支持・運用できる、MACH・コンポーザブルタイプのシステムを広めることが大切と確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
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