日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
オムニチャネルコマースの4つの機能 マーケティング&アドバダイジングチャネル 顧客購買体験 対談 Part04-1
前回は、Part03でオムニチャネルコマースの4つの機能 コマース機能 についてお話をお伺いしてました。
- 新規購入プロセス
- 再購入プロセス
での機能についてポイントを確認しました。
西間木:
オムニチャネルの4つの機能の2つ目となります。
マーケティングとアドとコミュニケーションですが、とても範囲が広くてご紹介しきれないので、今回はアウトラインと重要なポイントだけをチェックして、特徴的な機能については個別テーマとして別コラムでUnboxing出来ればと思っています。
先ずは、基本的な機能と定義の確認から初めていきます。
マーケティングとアドバタイジンング
西間木:
Googleの検索広告とディスプレイ広告などになります、これは、広告業界において重要な役割を果たしています。それでも、規模拡大を目指すD2Cブランドや小売事業者にとって、オーディエンス顧客との出会いのためには、評価すべき選択肢は他にもたくさんあります。
ここでは、今後の各D2C(DTC)ブランドや小売事業者に最も適したデジタル広告チャネルをいくつか紹介しながら確認をしていきます。
デジタルアドバタイジング(広告)
Googleショッピング広告
Googleショッピング広告は、トップ・オブ・ファネルの重要な役割を担う可能性があります、今後もトラフィックとアクセスと増加すると予想されています。
(SEO・SEMより費用対効果は高いと想定しています。)
Googleショッピング広告は、検索結果の最上部(オーガニック検索結果の上)にあるクリック可能な画像で顧客の特定の検索クエリに到達できるため、非常に効果的なマーケティングチャネルとなる可能性があると言われています。
マーケットプレイス広告
eコマースチャネル(Amazon、楽天など)の広告は、D2Cブランドや小売事業者が他社よりも自社商品を上位に表示することで顧客との出会いが増加する傾向は続くと想定されています。
彼らプラットフォームが有するオーディエンスデータはとても魅力的であることは間違いないです。
吉村:
ブランドは、大規模なE-コマースマーケットプレイスで購買意欲を示す顧客をターゲットにすることの価値に気づいているはずですし、気づいています。
Eコマースチャンネル広告が人気を集めている理由でもあります。この傾向は、ほとんどのD2Cブランドや小売事業者にとってE-コマースがもたらす売上額(率ではないですし、利益額でもない)割合が高くなっているためさらに加速していきます。
実際、Amazonはすでに広告プラットフォームとしての地位を確立していますが、E-コマースの有力プレイヤーたちは、今後、この領域でより積極的な動きをするはずです。
リターゲティング広告
西間木:
広告を利用して、サイトや商品を閲覧したり、何らかの形で興味を示した顧客ユーザーを再ターゲットすることは、大きな見返りが期待できています。
しかし、多くの顧客がオンライン上のプライバシーを意識するようになり、自分のデータがどのように使用されているか懸念を表明するようにもなっています。
その結果、AppleやGoogleなどのプラットフォームは、ブラウザ上のサードパーティトラッキングクッキーを段階的に廃止する計画を発表しています。
吉村:
マーケティング担当者は、これらの変化を推進力として、顧客ユーザーのプライバシーを尊重しながら、より関連性の高い広告を表示する、よりコンテクスチュアル(文脈)なアプローチに移行を進めています。
顧客ユーザーが以前のセッションで閲覧した内容ではなく、現在閲覧しているコンテンツに基づいて、コンテクストに関連した広告をユーザーに表示することで、ブランドは責任あるブランドイメージを維持しながらコンバージョンを向上させることができるためです。
単品・サブスク系のサブスクリプションコマースや、デープカテゴリーのブランドであればコンテクスチュアルターゲティングは運用しやすいでしょう。
アパレル・ファッション系はオケージョンやライフスタイルアンバサダーをコンテクスチュアルターゲティングにする必要があります。
中田 様:
購買機能でも触れていますが、LPとしてのWEBページのパーソナライズのための、自社顧客のオーディエンスデータと、コンテンツとしてのPDPデータのマネージメントがポイントになってきます。
ソーシャルメディア
西間木:
ソーシャルメディアは、D2Cブランド・小売事業者が顧客とつながるための最も重要なチャネル手段の1つです。特にFacebookとInstagramは、トラフィックと収益を増加させることができることが証明されています。次は、TikTokかLINEかTwitterでしょうか。
ソーシャル・チャンネルがコマース機能を拡大し続けていくなかで、コマース機能というより、顧客がそのタッチポイントでの購買体験を望むかどうかがポイントだと言われています。
*LINEでのコマース機能の実装アプリ・サービスはこちら
吉村:
D2Cブランド・小売事業者の広告は、マーケティングウエイトよりコミュニケーションウエイトを増していくことがポイントになります。さらにコマースシステムが保有する顧客データの重要性がアドレサブルのように、より増していくことになります。
無駄となる支出は減らしていくことが、顧客とスタッフのためでもあります。
チャネルを追加すればするほど、支出を管理するのがより複雑になります。プラットフォームが提供するAPIなどを有効に活用してマネージメントすることがポイントです。
たとえば
Facebookは、Conversions API(旧Server-Side API)のようなツールを提供し、主要なオフラインイベントをFacebookのサーバーと共有できるようにしています。Conversions APIとFacebook Pixelを組み合わせることで、マーケティング担当者は、Facebook広告キャンペーンのパフォーマンスを監視して改善するための完全なファネルビューを得ることができます。
このような動きが、各プラットフォームからも増えてくることは想定されますが、果たして日本むけに提供されるかは別問題です。
電子メールとSNSダイレクトメッセージ
西間木:
顧客維持のために、最も価値と費用対効果の高い方法の1つとしては、顧客の電話番号や電子メールアドレスや、SNSアカウントを取得し、カテゴリー別の顧客データベースに対して、定期的にパーソナライズされたコミュニケーションを取ることは定番です。
*シナブル:曽川さんとのコラムはこちら
顧客購買体験での重要ポイント・オムニチャネルコミュニケーション成功方法
Eメールは、オフラインメディア(同梱施策や、郵送ダイレクトメールなど)と並び、まだまだ効果が証明されています。
たとえば、
EメールのマーケティングメッセージをきっかけにEコマースのウェブサイトを訪問して、購入に至る導線はよく知られ、経験されているかと思います。
SNSメッセージもまた、デジタル広告やソーシャルメディア広告を上回るコミュニケーション施策の上位にランクインしています。
中田 様:
クライアントからの相談として、システムとして求められている機能としては、当然、パーソナライズ機能です。わたしたちのような多くのコマースシステムは、トランザクションメールや、セグメントされた配信機能を有していますが、よりオムニチャネル対応したパーソナライズオムニチャネルコミュニケーションするためには、マーケティングオートメーションツール(MA)の機能を活用することがポイントだと感じています。
それは、専門性の高いシステムツールがより顧客にとって価値ある機能を提供する姿勢を有しているため、対応スピードや細かなユーザーケースからの成功や失敗事例がフィードバックされて充実しているからです。
これらのパートナーシステムとのAPI連携の容易さは保有しているので敢えてここでのテーマにはなりませんが。
パーソナライズのポイントとしては、
- 顧客専用のクリックタグ・URLの発行管理機能
これは、メールに限らずどのコミュニケーションタッチポイントでも同様です。 - そして、それを受け止める
Eコマースサイト
モバイル
アプリ
などでのパーソナライズされたコンテンツ提供になります。
これは、マイポータル機能の一部でもあります。
吉村:
より堅牢なショップでは、パーソナライズされた、心・心理=データでつながるショッピング体験、ライブチャット、および顧客の全体像を提供してくれる顧客関係管理(CRM・CXM)システムをお勧めします。
オムニチャネル・マーケティング活動のためのオールインワン・プラットフォームのソリューションを検討することをお勧めしますが、さまざまなアプローチのシステムがありどれも同じような機能が満載なので選択にはご腐心されると思います。
- 連絡先
(これはオムニチャネル化しているので要注意ポイントです) - 購買・購読者
必ずしも顧客ではないです。) - 商品
- および注文のデータ
を自動的にアカウントにインポートすることができることはマストです。
システムツールおかげで、コミュケーションする対象を絞り込むことができ、最終的にリーチを拡大することができます。Eメールを含むマーケティングとコミュニケーションを通じてのキャンペーンによるものであるべきです。
中田 様:
SNSは、現在最もパーソナルな顧客とのつながりを提供してくれていることがクライアントのデータから見てとれます。
より多くの顧客がモバイルデバイスというパーソナルタッチポイントから直接に閲覧・購入するようになっています。
SNSのダイレクトテキストメッセージは、顧客とブランドにとって便利なタッチポイントになっています。
これをサポートしてくれる、MAソフトウェアプラットフォーム(編集部:EC Intelligenceのようなシステム)を活用して、Eメールマーケティングプログラムと同様に自動化と最適化、およびソーシャル広告、キャンペーン、ダイレクトメッセージ、リアルメディアでのコミュニケーションの促進を顧客に応じて使い分けているクライアントさんは成長されていますし、コストコントールが出来ているとのデータがクライアントにはあるそうです。
顧客プロファイルの重要性について
西間木:
マーケティングやアドにも、ブランドや小売が保有する顧客データが有効に活用できることは理解が進みました。
パーソナライズというキーワードに、同梱施策をクライアント様と実施していることもあり、琴線が触れているのですが、この点について深く機能面でのお話をお伺い出来ればと思っています。
吉村:
あなたはあなたの顧客について何を知っていますか?
から初めて見ましょう。・・・・・みなさんは、いくつでましたか?
中田様:
オムニチャネルコマーステクノロジーとしては、保有・連携するデータが豊富であることには越したことはありませんが、すべてをコマーステクノロジーで保有・処理・分析することは現実的ではありません。
それは、他のシステム(MA・CRM・BI・AIなど)で実施して、その結果を、顧客プロファイルを中心にシングルビューに構築して見えるかすることが1つめのポイントです。
顧客プロファイルを構築して、運用する目的は、顧客にとって有意義なコミュニケーション体験を提供してコンバージョン(購入だけではない様々なアクション)を促進するするためです。
そのために、顧客は必要なデータを提供してくれていて、データがあると捉えています。
豊富なデータ基盤は、
- 電子メールやダイレクトメッセージなどの配信履歴とそのアクション、
- Web、モバイル、および店内でのアクション
- ロイヤルティプログラム(アンケート・UGC・レビューなどのパーソナラズアクション)
- パーソナライズクイズなどの顧客ステータス
などとの統合を通じて取得される仕組みが必要です。そして、すべてのチャネルに対してコミュニケーションを強化してくれる仕組みも必要になります。
それは、シングルビューという信頼できるコマースプラットフォームを介して、
- キャンペーン
ジャーニーベースのトリガーの何をすべきか、
およびトランザクションメールを管理することです。
みなさんの馴染みのある、高性能でパーソナライズされた電子メールや、ダイレクトメッセージなどは、MAを通じて配信することもポイントになります。
西間木:
マーケティングチャネルどアドバタイジングでは、トラフィックと購買を促進するマーケティングが必要だということでした。
次は、コミュニケーション機能のポイントについて課題テーマだしと深堀をしていきたいと思います。
オムニチャネルコマースの4つの機能
次回は、コミュニケーションチャネルとタッチポイントチャネル 顧客購買体験 対談 Part04-2
<スピーカープロフィール>
代表取締役 中田 恒介 様
<インタビューアプロフィール>
物流会社で20年経験しD2C EC スタートアップから中規模、大規模のeコマース事業者へフルフィルメントサービス の提供や物流の見直し・改善、スピード配送、複数拠点展開を設計して提唱している。
事業者様の売上貢献するために 「購買体験」 「リピート施策」 「Unboxing」 やOMO対応での「オムニチャネル」 「返品交換物流」 を提案し、事業者と常に伴走して最新の物流設計を試みる。
<ファシリテータープロフィール>
代表 吉村 典也
やずやグループの「基幹CRMシステム」外販導入サポート業務委託を通じて出会った事業者とのコミュニケーションと課題を通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2Cビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
シリーズコンテンツ
オムニチャネルコマースとは
1:オムニチャネル・アプローチの重要性について。
2:オムニチャネル・アプローチは、複数のマーケットやプレイスで販売することではないこと。
3:オムニチャネルでのカスタマー・ジャーニーについて。
4:オムニチャネルを提供するメリット。
5:チャネルを超えたブランド構築が必要。
6:データと分析でオムニチャネルビジネスを最適化する。
オムニチャネルコマースの4つの機能
オムニチャネルを顧客の購買体験として成功させるには、
1:購買チャネル
2:マーケティングと広告とコミュニケーション
3:オペレーション
4:フルフィルメント
という4つの機能ポイントからなる全体的なアプローチが必要になります。
MACHとヘッドレスコマースについて
◆Microservices based マイクロサービスアーキテクチャ
◆API-first アプリケーション・プログラミング・インターフェース
◆Cloud-native SaaS(Software-as-a-Service)
◆Headless ヘッドレスコマース
コマース機能
1:魔法のコンポーネントとは
2:新規購入プロセスでは
3:再購入プロセスでは
4:検討すべき質問
マーケティング&アドバダイジングチャネル
1:マーケティングとアドバタイジンング
2:デジタルアドバタイジング(広告)
3:顧客プロファイルの重要性について
コミュニケーションチャネルとタッチポイントチャネル
1:コミュニケーションチャネルとタッチポイント
2:コミュニケーションとして展開できることシステムとしての基本的な機能ポイント
3:オンデマンドのきめ細かい柔軟なデータ活用のポイント
4:オムニチャネルコミュニケーションの施策ポイント
5:ダイレクトコミュニケーション(メールなど)で1:1にフォーカス
6:キュレートページエクスペリエンス
7:チェックアウトをカスタマイズする
8:真のクロスチャネルアプローチのための統一されたプロファイル
10:パーソナライズされたアプリ内メッセージング
11:メールではなく、会話を作成することがオムニチャネル
12:自動化とパーソナライズ
13:改善するための分析、分析するための分析ではダメ
オペレーション(OMS・IMS)
1:在庫を見える化(可視性)とは
2:コミュニケーションとして展開できることシステムとしての基本的な機能ポイント
3:リスティング:Listings
4:製品情報管理システム(PIM)とデジタル資産管理システム(DAM)
5:在庫管理システム(IMS)と受注管理システム(OMS)
6:eコマースにおけるOMS:注文管理とは
7:注文管理で重要なポイントとは
8:注文管理システムは倉庫管理システム(WMS)とどの違うのか
9:OMS機能のチェックポイント
10:オーダーフルフィルメントプロセスの自動化
12:返品・交換・回収管理とリバースロジスティクスの実現
13:注文管理システムがオムニチャネルビジネスにとって重要な理由
物流・フルフィルメント
1:フルフィルメント出荷・配送とバックオフィス業務
2:オムニチャネルフルフィルメントの種類
3:配送とフルフィルメント
4:オムニチャネルフルフィルメント
5:フルフィルメントマーケティングとは
6:フルフィルメントマーケティングサービスの4つの提案
7:オムニチャネルの注文処理は、次の5つのステップ
8:オムニチャネルフルフィルメントのメリット
発送代行完全ガイド
発送代行に関しての基礎知識が全てわかる徹底ガイドです。発送代行サービスを検討されているEC事業者様は是非ご覧下さい。
監修者
アドバイザー
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通信販売(ダイレクトマーケティング)、Eコマースの事業運営・CRM/購買体験+購買後体験)運用・フルフィルメントサービス運用のアドバイザーとして、CS&BPOセンター(CX設計・運用からシステム設計・運用まで)の新規立上・受託までを担ってきた。通販基幹システム・Eコマース・オムニチャネル/OMO・CRM+MAシステムのマーケティングセールスから、業務設計・運用までをコマース・小売事業会社ととも一緒にアクション&グロースしてきた。
大手通販グループの「単品リピート(サブクリプション)/通販基幹CRMシステム」外販・導入サポート業務を通じて出会った事業者とのコミュニケーションを通じて、まだまだ、日本のDNVB・D2C(DTC)ビジネスにはチャネルとしてではなく、「顧客中心」としてのホネストビジネスとして、再成長の可能性、未知のカテゴリー、オムニチャネルコミュニケーションからのオムニチャネルコマース体験がある、それを支えるコマース事業者のインハウス化が必要であること、そして柔軟に迅速にその業務を支持・運用できる、MACH・コンポーザブルタイプのシステムを広めることが大切と確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
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