リ・メイキング サブスクリプションコマースのポイント Part5-3

必須のeコマースサブスクリプションテクノロジー機能 Part3

必須のeコマースサブスクリプションテクノロジー機能 Part3

プロモーション機能

顧客がサブスクリプションエクスペリエンスにサインアップする主な理由の1つは、

D2Cブランドや、マーチャントからの

・ギフト(追加の商品など)や

・割引(クーポン形式でも同様)

などの追加の特典を受け取ることで推進されます。(悲しいかな顧客の購買体験にとっては重要な現実です。)

必要となる一般的なプロモーション機能は次のとおりです。 

間接ディスカウント機能

・割引(クーポン):例えば、5%の割引により、サブスクリプションの登録が増加することがわかります。
どれくらいの割引率で、登録の効果が最大限になるかは、オーディエンスごとに変わってきますので、初回のCACだけではなく、CLTVのコホートから導き出す必要があります。

・送料無料:これはeコマースで最も人気のあるインセンティブの1つです。
言葉の綾でもありますが、送料は無料ではないのですが、訴求的にはこの表現は馴染みがあるようです。(ただし、顧客の意識は変えていかないと後々苦労します。)

顧客の80%以上は、オンライン注文で「送料無料」がないことは「取引をあきらめる」とも言われています。(購買ポイントと同様に、よく考えれば自己負担しているのですが、お得感があるのか、追加費用がいやなのかはみなさんの知見にお任せします。)

平均注文額を増やす Grow Average Order Value

インセンティブ、ワンクリックのアップセル、クロスセル、顧客へのパーソナラズ提案をして厳選された商品の提供により、トップラインの収益を向上させ、ブランドロイヤルティ顧客として育成するための1つの施策機能です。

より多くのサブスクリプション購入で、
より多くのメリットと、コスト節約を提供するモデル:

このインセンティブは、より多くのインセンティブを提供することにより、顧客がより多くのサブスクリプションにサインアップすることを奨励するパターンです。

たとえば、

美容ブランドは、
1回のサブスクリプションで10
2回で15%オフ
3回以上で20%オフ
を、提供する場合があります。

サプリメントブランドは、
1個購入は、5
2個同時購入で、2か月に1回お届けは、10
3個同時購入で、3か月に1回お届けは、20
を、提供する場合があります。

また、
A商品のサブスクを体験している顧客に
B商品のサブスクを追加体験することでのメリット訴求をするパターンです。

これを、
アップセルと定義するのか?
クロスセルと定義するのか?
で、ブランドとしての価値は変わってきます。

スキンケアであれば
・化粧水が入口のサブスクなら
 美容液は、追加体験のサブスク しかし、美容液は、2か月に1回程度の配送が顧客にとってはベスト

・サプリメントであれば
 基本メインサプリメント DHAEPA が入口のサブスク
それに、顧客ペイン診断に応じて、
ビタミンDE配合のプロバイオを提供、これはバルクでの購入がお得なので、容量2倍のものを、3か月に1回お届けする提案ができる機能です。

これらの設計が柔軟に出来るのかは、顧客の在庫状況と受取の簡易さと、変動費用の管理面とても重要になりそうです。
追加のサブスクリプションに対してより大きな割引をサブスクライバーに提供することにより、ブランドロイヤルティを促進します。

・インスタントアップセル(クロスセリング):

この機能は、サブスクライバー顧客が定期的な注文に1回限りの別アイテム購入を追加できるようにすることで、平均注文額を増やします。

・美容ブランドでは
定期購入者に対して、関連商品を限定価格でご提供するキャンペーンは定番です。
コマースサイトだけでのオファーだけではなく、トランザクションメールや、同梱物での展開なども顧客のパーソナライズデータに応じての提案とオファーは重要です。

カート・決済だけではなく、配送日寄せや、荷合い、荷分けなどのフルフィルメントの運用設計まで検討が必要です。

・アップセリング:

自社にとって、アップセル・クロスセルの定義をしっかりとする必要があります。

*日本では、ワンタイムパーチェス(都度購入)から、サブスクリプション(定期購入)へ替えたことが、アップセルと定義される傾向がありますが、

今までの説明でもわかるとおり、意味はありません。
基本的な考えかたとしては、アップグレードですからSKUのグレードアップが基本です。

一方で、美容系で化粧水のサブスクライバーが、美容液のサブスクライバーとしても登録されることがクロスセルなのか、アップセルなのかを、顧客の購買体験視点で定義してください。

そうです、顧客にとっての価値ある体験が向上することがアップセル(バイ)です。

一般的には、
購入した商品や顧客情報をもとに、
・購入完了(サンクス)ページを表示する前に顧客の状況に応じたコミュニケーション構築することです。

・カート追加前に関連商品をレコメンド
・決済が完了したあとにクーポンやキャンペーンなどの情報で再通知する
ことは一般的です。
・購入がいったん完了したあとでも、サンクスページを表示する前に関連商品をその場で追加提案したり
・購入した商品のカテゴリや総額などによってカスタマイズしたコミュニケーションを、トランザクションメールで実施したりすることです
これは、統合連携されたMAなどのツールでの活用でも可能ですがコマースシステム単独でどこまで可能は重要です。

送料無料のしきい値設定

顧客サブスクライバーに「送料無料」のベネフィット(実質上は値引き)を付与する条件、サブスクリプション利用のメリットや購買金額の設定の柔軟性を持たせることで、より多くの購入を促します。

・サブスクリプション利用で
・通常は、●円以上(税込み)で
・キャンペーンは、×円以上で
・▼▼商品を購入で
・クーポン(送料無料だけに適応)で
・リファレルで
・特定のURL(ソーシャルメディ)流入で
などなど
これは、送料無料だけではなく、キャンペーンマネージメント機能として必須要件です。

・バンドル Bundling

商品バンドルと厳選されたサブスクリプションボックスを作成して、サブスクリプションの多様性と価値を顧客に提供する機能です。
日本では、古くでは、頒布会形式にモデルとヒントがあります。
Food・Beverage系のサブスクリプションや、サンプルBOX型には多く学びと展開方法があります。

バックオフィス機能

サブスクリプションプログラム設定

サブスクリプションユーザーインターフェイスを構成・変更していく機能です。

商品登録設定

商品登録設定はとても重要なポイントです。
どんなインターフェイスで登録が可能かどうかだけではなく。

商品DB=商品カタログの各項目設定や、カテゴリー設定、タグ設定とその関連性の継続性をどう保有するかの確認をしてください。

BOMや、PIMは商品詳細ページPDPでの活用には有効なことは理解が浸透しています。
しかし、タグ管理と商品在庫ロケ―ションまでの管理が出来るシステムは多くはありません。
*個品管理も重要なポイントになるカテゴリーもあります。

Case Study

LIFE AID

 

Subscribe-Save.png

差サブスクリプションと、ワンタイム購入のリコメンド機能の実装は必須です。

Shopping-Cart-LIFEAID-Beverage-Co-.png

サブスクライバーエクスペリエンスをパーソナライズ

顧客ポータルでのパーソナライズUIUX設定と、APIで連携構築された、オムニチャネルコミュニケーションツール、接客ツールや、WMSを通じて、最大限の顧客購買体験をつうじて、D2Cブランドとしてのビジネスを成長できる、顧客ニーズに合うサブスクリプションプログラムを設計して、改変できるシステムを採用・運用します。

*ビジネスモデルは変わることを前提にしてください、コマースsystemは、そうそう簡単に乗換はできません。

IDPW
・決済情報のトークンの問題です。

マーケティングや、コミュニケーションのToolはどんどん入れ替え、捨てることです。

3年前のCallのログデータは、監査上は必要かも知れませんが、マーケティング・コミュニケーション上は必要ありません。3年もたてば顧客のライフスタイルポジションは変わっていて、サブスクリプションへの期待値も変わっていないといけないはずです。

解約の軽減

サブスクリプション購入・加入者の解約の最大の原因である在庫過剰を防ぐための機能があるか、どう取得する機能があるのかを確認してください。

供給過剰による解約のリスクが最も高いサブスクライバーを特定し、次のサブスクリプションをスキップするか、パーソナライズされたオファーを利用できるようにすることで、キャンセルを防ぎます。

督促 ダニングDunning

日本のD2Cサブスクリプションでは、決済代行サービスを経由して与信管理をしていることが多いと思います。(旧来のオフラインメインの単品リピート通販会社は、自社債権管理が多いです。し、そのノウハウも豊富です。)

しかし、BNPL型を利用されている顧客には、BNPLのサービスプロバイダー毎の与信限度額を超えて利用される場合も多々あります。

そのタイミングで、サブスクリプション決済で与信を確認すると、与信NGとなり、受注確定・出荷は実施出来なくなります。これは、督促管理というより、与信枠を開放していただくために、BNPLサービス会社に支払をしていただくか、または、別の決済手段への変更の依頼をするかなどのカスタマーサポート(サービスではない)のワークフローを、具備する必要があります。

これらの対策を設定することにより顧客サブスクライバーへの混乱を最小限に抑えながら、収益の最大化を実現することが可能です。

クレジットカードの場合は、2回目以降のサブスクリプションの受注確定時の支払いが失敗した場合は、顧客のクレジットカードを自動的にオーソライズ再試行し、注文=発送が行われる前にエラーをキャッチするために支払い情報を事前に更新されているハズです。

フルフィルメント機能

在庫予測

オンデマンドの在庫レポートを活用して、将来の注文の予測を確認し、在庫のニーズを評価します。

積極的な在庫切れ管理により、回避可能なキャンセルや顧客の混乱を防ぎます。

単品リピート型では、余程の新規顧客のキャンペーンが想定外のレスポンスを得ない限りは発生しない現象ですが、Food系では在庫管理はとても重要なファクターです。

在庫管理は、WMSや、ERPの領域と思いがちですが、実はコマースシステムのOMS側でコントロールすることがワークフロー上は正しい選択です。

荷合い・組み合わせで配送コストの節約

同時に発送する注文を1つの出荷にまとめることで、コスト削減を促進します。
これは、カートフロー上でのクロスセル・アップセルからのオーダー処理というより
トランザクションや、リテンションコミュニケーションから発生するオーダーマネージメントに関するワークフローです。

システム連携機能 Built for Scale

顧客の購買体験を快適にして、スケールのためにサービスを構築するための関連するシステムとの連携機能です。

結果として、パフォーマンスとマージンを強化するツールをテンポラリーに活用して、D2Cブランド・小売マーチャントのコマースとサブスクリプション事業成長=顧客購買体験の変化と変容に合わせてサブスクリプションプログラムを拡張するためです。

サブスクリプション分析機能

サブスクリプションプログラムの主要なパフォーマンスメトリックを監視します。

ビジネスモデルの財務的な視点からのKPIではなく、顧客視点のKPIを設定してください。

そうでないと、無理なマーケティングとキャンペーンコストが発生して継続性が喪失します。

また、ビジネスのフェーズでKPI別の重要性や、過程としての目標数値が変動します。

例えば、
10億円までは兎に角、新規顧客
10億越えてからは、継続率
30億越えてからは、年間の購買回数1回以上の顧客数

そのすべては、平均値ではなく、中心値で判断するとかは必要ですが、コマースシステムでBIダッシュボードがどこまで機能されているかは確認が必要です。

・コホート分析をベースに
一般的に、一番関心が高いと言われているのが
●CACCustomer Acquisition Cost)→間違いとは言いませんがROI(投資収益率)を評価するためには必要ですね。これは、流入・コンバージョンメディア×オーディエンス×オファー=キャンペーンの管理があってこそ意味があります。OrganicPaidはしっかりと抑えていくべきです。

●Customer Churn Rate 解約率 →解約定義をしっかりとしてください。

●CLTV(Customer Life Time Value)顧客生涯価値

これらは、どう評価設定するかは、モデルとビジネスフェーズ次第で変えていく必要があります。

さらに分析するためにプラットフォームから自動的にエクスポートするようにレポートデータを構成する機能も重要です。
*システムの基本機能だけでは変化に追いつかないことは想像に難くないです。

オムニチャネルサポート

リアル実店舗を通じてサブスクリプション注文を処理する機能を顧客とスタッフに提供します。
デジタルコマースだけが、サブスクリプション体験の場ではありません。
コスメでも、Foodでもリアルからのデジタルへの送客や、その逆も必要です。
オムニチャネルが、CLTVを上げるのではなく、CLTVの高い=ロイヤリティ・関心の高い顧客がオムニ化するのです。
これを勘違いしているとコストだけが膨らんで連携メリットが発揮されません。

オムニチャネルコマース サイト バナー

オムニチャネルについてはこちらを参考にしてください。

Case Study

CATALINA CRUNCH

PDPは鉄板の構成です。

Honey-Graham-Keto-Cereal-Low-Carb-4-Pack-Catalina-Crunch.png

キュレーションタイプのサブスクのUIの見本です。

Keto-Snacks-Custom-Variety-Pack-–-Catalina-Crunch.png

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サブスクリプションコマースのポイント Part1

1.サブスクリプションビジネスモデルとは?

サブスクリプションコマースのポイント Part2

2.D2C/Eコマースサブスクリプションビジネスの種類

サブスクリプションコマースのポイント Part3

3.なぜ D2C/Eコマースサブスクリプションビジネスを立ち上げるのですか?

サブスクリプションコマースのポイント Part4-1

ステップバイステップガイド:
D2C/Eコマースサブスクリプションビジネスを開始する方法 PART01
ステップ1:市場適合性を判断する
ステップ2:ビジネス目標を設定する
ステップ3:サブスクリプションプログラムのインセンティブを決定する

サブスクリプションコマースのポイント Part4-2

ステップバイステップガイド:
D2C/Eコマースサブスクリプションビジネスを開始する方法 PART02
ステップ4:初回購入施策を策定する
ステップ5:リテンション施策を策定する

サブスクリプションコマースのポイント Part4-3

ステップ6:マーケティング施策を決定する
ステップ7:プログラムを監視・分析・改善する

サブスクリプションコマースのポイント Part5-1

4.サブスクリプションシステムで最適な要件と仕様は?
必須のEコマースサブスクリプションテクノロジー機能 PART1

サブスクリプションコマースのポイント Part5-2

必須のEコマースサブスクリプションテクノロジー機能 PART2