リ・シンク サブスクリプションコマースのポイント Part2

サブスクリプションモデル3パターン 

2.D2C/eコマースサブスクリプションビジネスの種類

サブスクリプションビジネスモデルには、主に3つのタイプがあります。

1:サブスクリプション購入と在庫 Subscribe and Save モデル
(補・填充ビジネス Replenishment business モデル)

2:キュレーション Curation モデル

3:メンバーシップ Membership モデル
       または アクセス Access  モデル

各モデルはビジネスモデルとして固有のメリットとデメリットがありますが、ビジネスモデルとして顧客購買体験の視点で成長させることが目標であることには変わりはありません。

ここで、再定義した言葉で言い換えていることをご理解ください。

これは

「顧客購買体験」

の目的とサービス提供の基本を確認するためです。

 

モデル1:サブスクリプション 購入と在庫 Subscribe and Save

購入と在庫:Subscribe and Saveエクスペリエンス(補充:リフィルまたは自動出荷サービスとも呼ばれます)は、言葉のとおり

顧客に、商品を定期的に配達します。

顧客は、購入して在庫・保有して、自分のベネフィットを実現するために利用して、在庫を消費(ここポイント)します。
いうまでもなく、顧客の間で最も人気のあるビジネスモデルであるべきです。

すでにコマースで「トランザクションビジネス」を提供、実施していて、「サブスクリプションビジネス」に飛び込みたい場合は、これが一番多いオプションとしての選択肢です。かつ、一番一般的で身近なビジネスモデルです。

*日本は、これを顧客視点ではなく、事業者のファイナンス視点でモデル化、マーケティングをしたために、顧客が一番不信を有しているモデル=定期購入=単品リピートモデルになっています。

メリット:Merit

高いコンバージョン率

Subscribe and Save型のモデルは、3つのサブスクリプションビジネスモデルの中で最も高いコンバージョン率を示すはずです。
それは、顧客の購買体験としての理由に寄り添っているからです。
リフィル:補充サービスをしての利便性や、商品のベネフィットを実感してのロイヤリティ化を深耕しているからです。

高い継続利用保持率

リフィル:補充サービスを求めている顧客へ適切にベネフィットを提供できていれば、長期のサブスクリプション継続利用率も高く保てるはずです。

このサービスモデルでは、流入経路と初期購入月などで、カテゴライズしたコホートで、利用検討している顧客の6割以上が次回継続購入することが一つのKPIでもあり、顧客ロイヤリティの醸成度を、Fで判定する場合のCVRは85%以上に設定してみることをお勧めします。

1年間以上(年に1回でも購入して頂ける顧客)継続するサブスクライバー顧客が50%くらいいないとモデル(商品だけはなく、サービスモデルもふくめて)として魅力がないとも言えます。

モデル次第ですが、3か月、6か月、12か月での継続率をみるか、F2回購入、4回購入、6回購入、12回購入で継続率を見るかは、各々のモデル次第です。

*リテンションマーケティング・コミュニケーションで後述します。

運用の複雑さを軽減

サブスクライブ購入と在庫パターンは、他のサブスクリプションモデルよりも比較的簡単に企画・実施・運用できます。

「サブスクリプションエクスペリエンス」をどうデザインするかは別として、日本でも数多くのSaaS型システムなどを使用すればすぐにサービス提供ができます。

新商品を探す必要はありません、すでに持っている商品をサブスク販売することができます。つまり、基本的な定期販売のカートボタンと、定期注文をより簡単に処理できるようになっているはずです。 

チャレンジ:

競争の激化

主に上記で強調したメリットのおかげで、あらゆる規模のさまざまな業種のD2C・eコマース・通販事業者が
「サブスクリプション購入と在庫」のモデルとエクスペリエンスの古くから提供をしています。
また、参入が容易なので供給過多でもあります。商品はどこのだれでも作れますし、売れていれば直ぐに「マネ」できますし、デジタル広告も直ぐに「マネ」できます。
一方で、顧客にとっては、最初は差異化された情報としては入ってきません。

そう、わたしたち顧客は、1年でも2年でも、モニター・初回購入費用で同様の商品が、別ブランドで手に入ります。(青汁がそうでした)

この分野で成功するには、顧客の出会いと維持のための施策が必要ですし、より重要になっています。しかしこれも上辺のコミュニケーションデザインは「マネ」はできます。が、直ぐに化けの皮がはがれていきます。

*これについては後で詳しく説明します。

 

Case Study

HONEST

赤ちゃんと美容のブランドでとても有名なD2Cブランドです。

「おむつ」と「おしりふき」のバンドルを、単品と2種類のサブスクリプションで提供しています。
Honestが「おむつDIAPERS」と「おしりふきdiapers-wipes」をバンドルすることを選んだ理由は簡単に理解できます。
新しい親は驚くべき速さで両方の変化と対応を経験するので、玄関先に届けさせることは、顧客にとって非常に便利です。

honest diapers wipes builder

モデル2:キュレーション Curation

このモデルの「サブスクリプションエクスペリエンス」としてのポイントは、出荷・お届けする商品:SKUを変化させ、「好奇心」と「Wao」に訴えることで、顧客を「喜ばせ」、「スリル」を与えることを目的としています。

「サブスクリプションボックス」とも呼ばれるキュレーションは、ニッチな商品(フード・ベバレッジ、アルコールなど)などに最適なモデルです。

*日本では、古くは「頒布会」モデルですね。

一方でまだまだ「顧客購買体験」のデザインはできる領域です。カテゴリーも工夫ができます。

例えば、
雑誌の年間購読パターンを参考ベースとして、サブスクリプションモデルとして導入することは、顧客にとってメリットが高いサービスです。

・Foodであれば、妊孕とか、子供の成長を補助するカルシウム系やオーツミルク、ベビーフード、プロテインなど。家庭用品などであれば、各種洗剤など応用性は沢山あります。

*ご関心があれば、お気軽にご相談ください。
このモデルを導入するためのシステムとフルフィルメントには多くの制約ノウハウポイントがあります。

メリット:

収益性が高い。

正しく設計・運用(SKU・原価管理と在庫管理)が行われると、キュレーションは非常に儲かる可能性があります。このビジネスモデルの平均注文額は他のサブスクリプションエクスペリエンスよりも高くなっている傾向があります。

そのためには、顧客の嗜好性をコミュニケーションするパーソナライズ施策と、サブスクリプションポータル機能が重要です。 

チャレンジ:

高い解約率。

キュレーションは「好奇心」と「嗜好性」に依存しています。加入者=顧客の好奇心が満たされ、定期的に受け取る商品の種類を理解すると解約する可能性が高くなります。

キュレーションの経験が豊富なD2C事業者や、小売事業者は、サブスクリプションボックスをパーソナライズ化してサブスクライバーのエンゲージメントを維持するために多大なリソースを費やす必要があります。

運用の複雑さ。

キュレーションでは、ボックスごとに複数の異なる商品を継続的に調達する必要があります。
キュレーションでは、サブスクライバーのUnboxing:開梱体験を考慮し、ブランディングとパッケージングにリソースを費やす必要もあります。

その結果、キュレーションには、「サブスクライブ購入して保存モデル」よりも多くのリソースを管理する必要があります。

・商品のアソート(定番と、差し換え分のバランスとか)

・商品のアソート変更受付

このモデルだけに限ったことではないですが、

・購買前のパーソナライズデータの取得(Quiz)

・購入後の商品・サービスへのFB依頼(アンケート&レビュー)

の重要性が高いモデルです。

高レベルの競争。と狭いマーケット

キュレーションは、伸びるアイテムカテゴリーに適しています。プログラムを開始する前に、ニッチ・デープな顧客の購買ニーズと購買体験への期待を調査する必要があります。

Case Study

BLUE APRON

キュレーションの最も有名な事例の1つは、ブルーエプロンです。
ミールキット事業モデルは、速くておいしい食事を作るために必要なすべての材料を加入者=顧客に送ります。
*一時期のブームは終わっていて、細分化されたカテゴリーでフード系・ビバレッジ系への事業者の参入が続いています。

*ここでブルーエプロンを敢えて取り上げたのは、栄枯必衰のストーリーが、Watch分析出来るからです。

Meal-Delivery-Services-Fresh-Meal-Delivery-Kits-Blue-Apron.png

Case Study

Stitch Fix

Stitch Fixは、アパレル・ファッションのパーソナルスタイリングサービスです。
顧客は自分のスタイルについての「Quiz」に回答し、その後、定期的にパーソナライズされた衣類の箱を受け取ります。

日本でも伸びているカテゴリーとは聞いていますが、実態はオープンにされていないのでモデルが適正かどうかは判断できません。
(解約率があるライフスタイルのタイミングで一機に上がるように想定できますし、日本の場合は、より購入・所有したほうが安くて、顧客購買体験に合致しているように思えます。)

Women-s-Clothes Men-s-Clothes Kid-s-Clothing Boxes Stitch-Fix

モデル3:メンバーシップ Membership

メンバーシップ型のサブスクリプションエクスペリエンスにより、顧客は、定期的なサービス料金と引き換えにブランド事業者が提供する価値にアクセスしてそのサービスを利用できます。

Amazonプライムや、日本でもおなじみのコストコなどのパターン
会員になると、商品が大幅に割引される。などの特典が利用できる。
ゴルフコースなどは、メンバーでないと、ゴルフのラウンドをプレイする権利とそこから生れる・コミュニケーションとコミュニティから「望ましい体験」と「ステータス」にアクセスできる。

フェムテック&フェムケア・ヘルスケア・ウエルネス系の、アプリなどでのサービス提供と、商品を組み合わせたものへの拡張提供パターン
があります。

このタイプが増えていくべきだと思っています。
なぜなら、商品とサービスが一体として提供されないと「顧客」のベネフィットの変化をサポート出来ないからです。

これは、「顧客購買体験」の基本でもある、パーソナライズのあるべき姿の1つでもあります。

メリット:

柔軟性

総合コマース系であれば、特定の商品を販売していないことが多いため、顧客のニーズに基づいてメンバーシップの提供をパーソナライズできます。これにより、忠誠心が高まり、顧客の生涯価値が高まると言われています。

信頼からの継続性

サービスと商品がペアの場合は、サービスから提供されるパーソナライズ体験と履歴などに、顧客は価値を見出しています。これは、顧客にとって代替えが効かないものです。

チャレンジ:

時間がかかる。=CFコストがかかる

提供するサービスとアクセスが顧客のニーズを満たし、適応しているかどうかを継続的に評価する必要があります。

そのために、顧客のベネフィットに寄り添っているか、そして、サブスクライバーの増加のキャズムの見極めが大切ですし、他のサブスクリプションモデルに比較して、成長のためのCF・投下資金がとても大きなものになります。

 

Case Study

Peloton

このモデルは、マシンの販売というより、トレイナーのパーソナリティとコミュニケーション&コミュニティがサービスモデルです。

単純にトレーニングマシンだけを販売してもサブスク継続はしないのは、日本のTV通販の健康器具系の事例をみても理解できると思います。

Peloton All-Access Membership

オリジナルマシンを使用したクラスに参加可能
オリジナルマシンの購入が必要
月額利用料金は $39

Peloton All-Access Membership 

Peloton App Membership

数千を超える豊富なコンテンツを視聴可能
オリジナルマシンなしで参加可能
月額利用料金は $12.99

*このサービスがあることがポイント

  Peloton


これから様々な用語で説明・解説していきます。
ここで、簡単な定義と解説をしておきます。

AOV

平均注文金額。顧客が1回の購入取引で使う金額の平均値を表す重要な指標。

GMV

Gross merchandise value(商品総価値);一定期間に購入されたすべての商品とサービスの合計金額を表す重要な指標。

Cohort:コーホート

共通の特徴を持つ個人のグループ。

CLTV:(LTV)

顧客ライフタイムバリュー。一人の顧客がその顧客生涯または、ある一定期間を通じてD2Cブランド・小売マーチャントにもたらす平均機購入・利益金額を表す重要な指標。

MRR

月間定期収入。1ヶ月間の定期購入から発生する総収入を表す重要な指標。

今回はこれくらいで。

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